豊かな山の幸と海の幸に恵まれた日本。しかし、世界ではおよそ7億9,500万人(9人に1人)が、健康で活動的な生活を送るために必要かつ十分な食糧を得られていません。
今回は、「食べること」をもう一度考えさせられる機会に恵まれました。この記事はいつもよりちょっと真面目な話です。
※文章内に一部鳥の解体の写真が含まれます。気分を害されると思われる方は閲覧をお控えください。
たくさんの食べものを捨てる国「日本」
こんにちは! 熊本三角エコビレッジサイハテ住人のゆうきです。
みなさんはご飯を食べるときに感謝を込めて「いただきます」と言っていますか?
現在、世界で生産される食糧のうち、「3分の1」が廃棄されている事実をご存知でしょうか? 日本では年間1,900万トンの食糧を廃棄していると言われています。
僕らが暮らす日本は、とても豊かな国です。どこに行っても美味しい食べものを食べられます。しかし、その裏側では毎日大量の食糧が廃棄されているのです。
成長を止めることができない社会システムが原因かもしれませんが、僕らはもう一度「食べる」と言う事を見つめ直す必要があるのではないでしょうか?
命をいただくということ
こんなブラックジョークがあります。魚をさばいたことがない若者が、魚の切り身が海を泳いでいると思っていたという話。自然から離れた生活スタイルに進むにつれ、野菜を育てたり、自分の手で魚や動物を獲ったり、捌く機会がどんどん失われていきます。
その結果、僕らは食べものに対して感謝や敬意を失い、食べものを無駄にし、当たり前のように廃棄してしまうのかも知れません。
僕が大人になり、ファーストフードやジャンクフードばかり食べていたときの話です。僕は旅の途中で、田舎暮らしをしている家族にお世話になりました。
自分たちの手で育てた野菜や、鶏が食卓を飾り、みんなで晩餐をはじめたときのこと、その家庭は静かに目を閉じ、手を合わせました。
「あなたたちの命を私たちの命とさせて、いただきます」
食べ物に感謝することを忘れていた僕は、とても考えさせられることになりました。「いただきます」という言葉に込められた想いは、作り手よりも食材そのものに向けられていたからです。
食べたものが人生を作る
私たちの身体は60兆もの細胞から作られていると言います。その細胞は早いもので数日、長いものでも7年ほどで新しい細胞に変わるそうです。
ということは、7年前の身体と今の身体はほとんど違うものであり、今感じている身体はここ7年間で食べたものでできているとも言えないでしょうか?
もっと短いスケールで話すなら、週末だからと居酒屋でしこたま飲んで食べ過ぎてしまった次の日、身体はおもく具合もわるい。その結果せっかくの休みなのに 1 日中寝ていた。
もし食べものに敬意をもっていたらそんな事にはならなかったかも、清々しい 1 日を迎え、人生を変えるようなチャンスを掴んでいたかもしれない。大げさに聞こえるかも知れませんが、食べたものが身体をつくると同時に、人生に大きな影響を及ぼしているのは間違いありません。
命のつながりの中で
今回はここ熊本三角サイハテ村の近所で有機栽培歴30年以上のみかん農家「江口農園」さんの所で育てていた烏骨鶏が老いたので、一緒に捌かせていただきました。
僕たちは命をいただいて生きていると言うことにもっと感謝を持たなければと、あらためて考えさせられました。
自分の命は他の命によって生かされていると言うことに気づく時、人は落ち着き、尊厳を取り戻すのだと思います。江口農園さん、貴重な体験をありがとうございました!
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