こんにちは。
野田クラクションべべーです。
ここ1ヶ月ほど、青森県三戸(さんのへ)町でリモートワークをしています。
お腹もココロも満たしてくれる。青森県三戸町で食べた「豚汁定食」が絶品だった。 せんべいなのに耳がある?三戸町の老舗「小山田煎餅店」で南部せんべいを堪能した
これまでは、三戸町にある「豊誠園食堂」(ほうせいえんしょくどう)の豚汁定食や「小山田煎餅店」の南部せんべいの取材をしてきました。
この前、三戸町に住んでいる皆様と飲み会をしたときに、「川蟹(かわがに)すいとん」という料理の噂を。
なんでも、スープは“川蟹の甲羅と足を取り、殻ごと身も味噌もすべて、叩いて作る”そう。
気になる……
ということで、「川蟹すいとん」が食べれると噂の「割烹 白山(かっぽう しろやま)」を訪れました。
店内に入ると、川蟹スープと描かれた缶詰が。
ここに旨味が詰まっていると想像するだけで、ゾクゾクします。
そして……
「川蟹すいとん」とご対面。
ここまで、濃厚なスープを見たのは初めてかもしれません。
川蟹の旨味がギュッと濃縮されているわけです。
板前の皆さんが、1匹づつ丁寧に叩くことで濃厚なお味になるんだとか。
甲殻アレルギーの人だったら、その場から逃げ出すんじゃないか? と思うほど豊潤な香りが脳裏を攻めてきます。
中には、郷土料理「ひっつみ」が入っています。いわゆる、「すいとん」的なやつです。
「ひっつみ」の由来は、生地を薄く引っ張って伸ばし、鍋に入れるというところからきているんだとか。
また、南部小麦という地元のものを使用しているので、こしが強くモチモチ感がたまりませんでしたね。
大葉のフレッシュさが、さらに美味しさを引き立ててくれます。
他にも、
塩むすび。
左から、おからの和物、ポテトサラダ、オクラの胡麻和え。
食後にはフルーツまで付いてきます。
これで、「1,250円」というのも非常に嬉しいです。
気づいた時には、一滴も残らず飲み干していました。
底に残った川蟹のエキスをペロペロしようと思ったのですが、世間の目を気にしてできませんでした。不甲斐ないです。
たまたま居合わせた、白山の女将を務める佳代子さんにお話をお伺いしました。
「川蟹すいとん」を通して伝えたいこと
そもそものきっかけは、結婚披露宴で振る舞う料理だった。
元々、魚屋だったという「割烹 白山」。
料理が得意だった先代の社長が、地元で結婚披露宴で振る舞ったのが「川蟹 すいとん」だったそう。
当時、三戸町自体、豚肉、牛肉、魚介系などの贅沢な名物食材がなかった中で、「川蟹」は主食として活躍する食材とされていたとのこと。
家庭でも作られていた「川蟹のスープ」ですが、先代の味が好きな人が多く、「スープを作ってくれないか?」と度々言われていました。
そんな中、郷土料理である「ひっつみ」と「川蟹スープ」を合体させた「川蟹 すいとん」を三戸町の名物になったんだとか。
漁獲高の衰退と共に、メニューから消えてしまった。
しかし、年々減っていく「川蟹」の漁獲高の変化により25年位前にメニューから消えてしまったそうです。
先代から引き継ぎ、低迷していく田舎の飲食業が増える中で、「川蟹すいとん」を復活させようと考えた店主。
とは言えども、三戸町では「川蟹」はほとんど取れません。
川蟹の料理は日本の食文化でもあります。他地域のものを取り入れようと探して見つけたのが、高知県四万十川の川蟹だったそう。
特に、冬眠前で栄養分をたっぷりと蓄えた、味が最高に美味しい秋のものだけを激選しているんだとか。
現在は、三戸町の川や下水道などが整備され、鮎や川蟹が取れ始めているそうです。2016年度は、全体の仕入れの約2割を地元の蟹でまかなえているんだとか。
いつかは、川を更にきれいして100%三戸の蟹を使ったすいとんを提供し、「川蟹の町 三戸町」と呼ばれるように日々努力を続けているそうです。
最後に
絶品「川蟹 すいとん」を今すぐ食べたいけど、時間がない! という人は、こちらからお買い求めすることができます。(年間で1000セット3000食ほど販売しているそうです)
- 割烹 白山
- 住所:〒039-0134 青森県三戸郡三戸町大字同心町字古間木平39-1
電話番号:0179-22-2177
営業時間:10:00~22:00※ランチは11:00~14:00(「川蟹 すいとん」は数に制限があるので、電話で聞いてからいくことをオススメします)
定休日:不定休(電話で確認)
三戸町に訪れた際は、濃厚スープに浸かってきてくださいね。
以上、野田クラクションべべーでした!