こんにちは!
熊本三角エコビレッジサイハテ住人のゆうきです。
サイハテ村通信7話目は、前回の記事「NASAも注目?アースバッグを使ってかわいい壁と花壇を作ってみた! 」の続編です!
上の写真にあるミイラみたいな壁はどうなっていくのでしょうか?
Step1〜ミイラを剥がせ! 〜
積み上げから2日後……セメントと消石灰により硬くなったアースバッグの隙間をガスバーナーで焼いていきます!
せっかくのロングチューブ(アースバッグ専用土嚢袋)を剥がしちゃうの? と思うかもしれませんが、このままでは表面がつるつるして塗りの作業ができないのです。
それに土嚢袋は化学繊維なので取り除いた方が環境に優しいですよね。
全部剥がすの大変だなぁ……と思っていたのですが、アースバッグの隙間を焼くだけでバッグは簡単に剥がれていきます。
隙間にバッグの破片が残らないように丁寧に焼いていくことが大事です!
また、ガスバーナーを使う時のポイントは火の先端で焼くこと!
あまり近づけ過ぎると火が消えたり、うまく焼けないので気をつけましょう!
気になるアースバッグの中身はどうなってるの?
2時間ほどで綺麗にバッグを剥がせました!
接合部分のバッグは取り除けません。バッグを剥がしたことで横ズレを気にするかもしれませんが、90cm間隔で鉄の棒を刺しているので壁自体に一体感があります。
試しに力一杯押してみましたがビクともしませんでした!
Step2〜アースミックスを塗る! 〜
こちらは塗り用に配合されたアースミックスです。 このアースミックスは、砂利を抜かして土とセメント、消石灰をかき混ぜたものに水を加えて作ります。
※アースミックスとは、土嚢袋に詰める土を主材として砂利やセメント、消石灰を配合された土のこと。
バッグを剥がすと土が剥がれてしうので、塗り用のアースミックスで表面を塗り覆っていきます。
壁の内側はアースバッグのデザインを生かすため、ライン通りに塗っていきます。
小さい頃に夢中で泥遊びをしていた感覚を思い出しました。
高いおもちゃがなくとも、自然にあるもので十分楽しく遊べたあの時代、“土に触れること”は今の子供達だけじゃなく大人達にも必要なことかもしれません!
Step3〜粗塗りから仕上げへ! 〜
表面にアースミックスを塗ることで構造体も線から面へと変わり、より一層強度が高まりました。
次はいよいよ仕上げに入りたいと思います!
……と言っても、仕上げはいたって簡単! 手に水をつけて表面を優しくなでていくだけ。
この時のポイントは小さな小石を取り除きながらやること。
壁の内側が完成しました!
いい感じですねー!! ちょっとガウディっぽい感じが出てきた気がします!
Step4〜表側は平らに塗ろう! 〜
ゆくゆくはこの壁の上に屋根をつけてオープンデッキにしたいと思っているので、壁の外側は平らに仕上げることにしました。
平らにしておけばモザイクタイルでさらに可愛くすることもできますね!
花壇はまくら土嚢を使用したので、つなぎ目に土を詰めて形を整え一本のラインに仕立てます。
花壇部分は壁とは逆に外側を凸凹のデザインに内側を平らにしました。これは内側を平らにする事で、つなぎ目からの植物の根っこの侵食を抑えるためです。
壁の外側も塗り終えました!
アースミックスの塗りにかかった時間は、内側と外側でそれぞれ1日。
みるみる表情が変わっていく塗りの作業は、身体の疲れを感じさせないくらい楽しくできました!
Step5〜モルタルで防水対策! 〜
いよいよ最後の工程です。防水剤入りモルタルで防水対策をおこないます!
ホームセンターで購入したモルタルに、水と“マノール”という防水剤を混ぜ、ハンドミキサーを使い練っていきます。
水の具合はソフトクリームのような柔らかい固さがイメージなんだとか。
コテを使う時のポイントは、右利きの方は左から右へ、そして下から上に向かって塗っていきます!
この壁の上に屋根を作るので、モルタルを塗るのは雨が当たる1段目と外側の部分。
茶色とグレーのコントラストが可愛いですね!
際の部分やモルタルが垂れてしまった所は見栄えが悪くなるので、水をつけた筆でしっかり拭き取っておきましょう!
Step7〜太陽のレリーフ! 〜
お! 気がついたらサイハテ村住人のゆうじさんが太陽のレリーフを作っています!
コテの使い方も上手くなると、こんなレリーフも作れてしまうんですね。
そして、あっという間に……太陽のレリーフが完成!
まるで粘土細工のようにちゃちゃっと作ってしまうあたり……さすがクリエイターばかりのサイハテ村の住人!
制作から6日! いよいよ完成!
この壁の上に屋根ができたら最終的に漆喰で仕上げるつもりなのですが、劣化しないように対策をしておきましょう!
今回はモルタルを塗ってない所はマノールという防水剤を塗って防水対策をしておきます。
そして遂に……
完成しましたー!!
ほぼ女性で制作日数6日間、制作コストは材料費だけなら5万円を下回るんじゃないでしょうか。
熊本地震でもビクともしなかったアースバッグ工法の対災害力といい、コストも格安でデザイン性も高いアースバッグ工法にこれからの建築の未来を感じざるを得ません!!
2話にかけてお付き合いいただきありがとうございました。
アースバッグ工法はまだまだ日本での実例が少なく認知も低いため、日本の建築法で定義することが難しいそうです。
しかし、どこにでもある自然素材の“土”を活用したエコなアースバッグ工法の法整備が、1日でも早まるためにも多くの方に知っていただけたら嬉しいです!
〜fin〜
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