2018夏のweb制作無料相談会(名古屋当日)
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2016.07.14
LIG PR
#52
働き方インタビュー(経営者編)

組織が大きくなるからこそ、自由に個人の才能はとがれる|ラナエクストラクティブ

新川 五月

こんにちは、LIGライターズの新川五月です。

ユニークでワクワクするようなwebプロモーションやサービス開発で、常に話題をさらっている、ラナエクストラクティブ。最新の仕事では、ソニーミュージックと共同開発をおこなったフィジタルガジェット「VOLLY」があります。

 

「こどもがデジタルを使うのがあたりまえの時代でも、アナログな遊びの楽しさを大切にしたい」という想いを込めて、話しかけると自分の声が動きに合わせて変身するボール、ボーリーを開発。先日福岡天神にオープンしたソニーストアのオープニングイベントでは「おばけのボーリーと魔王の城」というオリジナルのストーリーも加えて、大盛況だったようです。

どうでしょう、ワクワクしてきませんか。これほどワクワクさせ、そして、見る人を巻き込んでしまうアイデアは、どこから生まれてくるのでしょう。ラナエクストラクティブのCCO 太田伸志さんにお話を伺いました。

profile 人物紹介:太田 伸志(おおた しんじ)氏
宮城県出身。38歳。株式会社ラナエクストラクティブ 取締役CCO/クリエイティブディレクター。武蔵野美術大学の非常勤講師も務める。資生堂、サッポロビール、HONDAなど大企業のWebプロモーションをはじめ、東京国立博物館などの展覧会広告まで幅広い実績を持つ。映像脚本・マンガ執筆・歌の作詞など自由な切り口での企画提案を得意とする。唎酒師。

「無理」なことなんてない、考えるのをやめた瞬間「無理」になる

—御社の企画はバラエティに富んでいてユニークなものが多いですよね。そういった企画をつくるために、普段からメンバーに伝えていることはありますか。

「無理」は、言わないようにしようと伝えています。基本的に、無理なことってないと思うんです。例えば、「ヨーロッパ旅行をしたいけど無理」と言った場合、それはお金が足りないのか、時間がないのか、もしくは行く勇気がないのか、何か理由がある。理由がわかれば、お金や時間を作るため、あるいは気持ちを高めるためにどうすればいいかを考えればいい。こうして無理な理由を考えて解決していけば、必ずできるはずなんです。でも、考えることをやめると一瞬で「無理」になってしまう。

同時に、「こうだったら楽しいのにな」など、年齢と役職関係なくフワッと思ったことを発信しやすい環境づくりも大切にしています。フワッと思ったことを発信する人がいること、そして、それは決して無理じゃないと考える人がいるだけで、会議は成立する。実現の可能性を有機的に議論すれば、無理だという結論ではなく、その先の新しい結論が生まれると思っています。

 
—企画の面白いアイデアはどこから出てくるのでしょうか。

ある機能を「こんなに便利」「こんなにお得」と伝えるだけの説明や解説では、誰も見たくなりません。ですから、興味を持ってもらうために、まずその世界に自分もどっぷり浸かろうと思っちゃうんです。例えば、スバルの「ワイルドドライブ教習所」というプロモーションは、細かい人物設定をした全3話のムービー。昔はワイルドだったけど、会社に入って10年20年経つうちに何かを恐れるようになって、「あの頃のワイルドさを取り戻したい」と思っている主人公のいる世界という切り口。だとすれば、その世界にいる人たちはどんな名前で、どんな性格で、どんな趣味があって、どんな変なクセがあるのかまで想像していく。そうすると、その延長としてwebサイトでどのような表現をするべきかが、自然と見えてくるという感覚です。

 
—いかに面白いシチュエーションで見せるか、ということですね。

「それ」があれば良いな。「それ」があれば楽しいな。という感覚を人に与えるのが好きで。仕事だから面白いことを考えているわけではなくて、日々の生活の中で「こんなエレベーターがあれば話題になるんじゃないか」「こんな居酒屋のシステムは面白いんじゃないか」といった感じで、いつも考えていますね。そのせいで、本来考えるべきことを、考えられていないんじゃないかと不安になることもありますが(笑)

 
—常にアイデアを意識している?

もちろん意識しているし、メンバー全員にも意識してほしいので、常にそういう気づきや刺激のある社内環境にしたいと思っています。弊社では毎日席の場所が変わるんです。フリーアドレスの改良型で、毎朝ランダムで席を決定し、その日の自分の席がメールで送られてくるシステムをオリジナルで構築しました。隣の人が毎日違うとコミュニケーションにも刺激が与えられるし、他の社員がどのように仕事をしているかにも気づける。そういった仕組みを、意図的につくっています。

週1の社内アカデミーに月1の社内イベント、半年に1回は全社員で徹底的に議論する場

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−役職などに関わらず自由にアイデアや意見を言い合える環境だそうですが、どのように環境作りをおこなっているのでしょうか?

自分の意見を言える環境は、いくつか制度として用意しています。例えば、水曜の朝の社内アカデミー。毎週持ち回りで、担当になったメンバーが1時間言いたいことを話します。ディベートの場も設けていて、その場で意見を言い合う。テーマは仕事でもそれ以外でも、本人が自分以外の人にどう思うか聞いてみたいことなら自由。自分の中だけで正しいと思っていたことも、問いかけることで気づかなかったことを発見できる。どんどんアイデアや意見をシェアしています。

また、月1回の社内イベントもあります。持ち回りでイベントプロデューサーを担当して、みんなで楽しめることを企画する。決まっているのは予算だけ。お花見や野球観戦、たこ焼きパーティもやりましたね。いろんな提案があるけれど「無理」と言ったことはまだないです。あ、ちなみに先月は仕事終わりにみんなで大江戸温泉へ行きましたが、これはさすがに攻めて来たなぁと(笑)

他にも、半年に1回、1~2日間の社内研修をしています。会場を貸し切って社員全員でとことん話合う。やり方などは、実行委員がその都度自由に考えます。「会社の制度はこうあるべきだ」とか「会社が目指すべきはこの方向だ」とか、さんざん議論しあって、言うだけ言って、ぶつかり合って、最後はみんなで飲みにいく。メンバー同士だけでなく、経営側もメンバーがどんなことを考えているのかを知れる大切な場で、すごく参考になります。

 
—制作体制は、毎回プロジェクトごとにチーム編成を変えるそうですが、その効果は?

一般的には、固定の部署やチームで仕事をすることが多いのかもしれません。ただ、固定のメンバーだけだと、連携などはしやすいかと思いますが、そこに慣れすぎると社会の変化には柔軟に対応できなくなると感じています。案件に応じて臨機応変にチームを組める体制ならば、会社全体としての対応力も強化できるし、個人も未経験のジャンルにどんどんチャレンジでき、自分の新しい能力に気づけるメリットもあります。

30人規模で、あらゆるチームの組み方で、あらゆる仕事に対応している組織って、意外と少ないと思うんです。この体制だと、どこかのチームで助けが必要になったとき柔軟に対応できるので、組織的なメリットは大きいですね。

弊社は不器用な人が多い。不器用な人を採用しちゃうんです(笑)

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—御社らしさとは、どんなものですか?

僕も含めて、結構不器用な人が多いかな。バランスよくこなせない人間が多いというか。でも、それはマイナスではなくて、自分のメリットデメリットを理解して、どんなメリットをチームに対して提供できるかというのを考えればいい話。デメリットを補完するより、メリットを究極まで伸ばしたい。究極まで伸ばすと何が起きるかというと、ほとんど一人で生きていけなくなるんですよね(笑)

でも、そのメリットを必要とする人がいれば、その人と協力したり、2人でできないことは3人で協力したり。そうして、何十人かでバランスの良い完璧な多角形ができればいいという思いはあります。

 
—つまり、不器用な方を求めている?(笑)

それだと語弊がありますね(笑)正確には、不器用で一生懸命な人を求めています。うまく生きていこうと思っても、人生ってなかなかそううまくはいかない。結局どこかで誰かに頼るのであれば、最初から協力関係にあって「自分はここを頑張る」というマインドの方が、よりやりたいことを伸ばし合える良い関係になると思うんです。

 
—自分にはできないことがある、でも自分だけでできることもある。だからこそ、協力して一緒にやっていくんですね。

プログラムでもデザインでも、どのジャンルでもいい。「チームで動けば自分の力が生きるはず」と考えて欲しいですね。一番伝えたいのは、一般的に組織が大きくなればなるほど、やりたいことがやれなくなる感覚があるかと思うのですが、僕は逆で、大きくなればなるほど、やりたいことをどんどん実現できるんじゃないかと思っているんです。自分ができないことを補ってもらえれば、自分はより得意なところに特化できる。しかも、補ってくれている人は、実は補っているのではなく得意なことをやっている。大きければ大きいほど、尖りたいところに尖れる組織になると思っています。

 
—大きいほど尖っていける。

いろいろな意味でそうだと思っています。能力などだけでなく、お金も同じ。単案件ごとの利益がなくても、会社全体で利益が出ていれば、短期間で利益が出なくても小予算でも、「これはやるべき仕事だ」と思ったときにチャレンジできる。そのために組織化しているというのもあります。

目指すのはGoogleやApple。大きな組織だから“活かしあえる”

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—まだまだ組織を大きくしていきたいとお考えですか。

これは本気なのですが、GoogleやAppleぐらい大きくしたいですね。少数精鋭ではなく、世の中をいい方向に変えていけるような影響力を「出し続けていける」組織。影響というよりは、普段の生活をもっと“楽しく”していくイメージの方が近いかもしれません。iPhoneも、あの規模であの組織があったからこそ、できた物であり普及したのだと思います。いわゆるwebデザインから始まった会社で、そういうところにたどり着いた事例はまだないので、できる限りやりたいと思っています。だからこそ、ぜひ大勢の人に入ってきてほしいですね。一人ひとりの能力を活かす方法が、弊社にはありますので。

 
—そこに共感してくれるような方がいいですね。

組織に恵まれず力が出せない人って多いと思うんです。“活かしあおう”という考え方さえあれば、伸びる人や活きる人は絶対にいます。そういう会社を求めているのであれば、ぜひ。あとは「絶対一人で生きていける」と思っていたけど、考え方が変わった僕みたいな人も、ぜひ(笑)

特に歓迎したいスキルは、プロジェクトマネージングができること。今の時代、デジタルの企画手法にフォーマットはないと思うので、webサイトやアプリなど既存のアウトプットにとらわれず、今何をやるべきかを判断して進行できるような人が必要だと思っています。そういうタイプの人材が増えれば、社内の才能がもっともっと活かされそうだなと。

あとはテクニカルの知識がある人。とは言え、ずっとPCの前に座って開発するというより、世の中との関わり方と、その可能性を考えられる人がほしいです。ディレクターについては、作りたいものがしっかりと自分の中にあって、それを作るための具体的思考力のある人。アートディレクターやデザイナーは、絵を描く技術やセンスだけでなく、どこでその自分の力を生かすのか理解でき、チーム連携をしながら、作りたいものを作っていけるような人。

いろいろなことを言いましたが、目先だけではなく、その先の先を見る視野を持ち、自分の既成概念にとらわれず変化できる人がいいなと。あまり既存の役職に限らず、応募して欲しいと思います。

インタビューを終えて

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「大きい組織だからこそ、個人が自由に活躍できる」という言葉はとても新鮮でした。なぜそのような考えを持ったのかお聞きすると、実は東日本大震災が起きてからだそう。「一人の方が自由だと言うけれど、実は何かあったとき、一人では動けない。チームだからこそ、誰かに何かがあったときに助け合える」と語ります。

社内で子どもが熱を出した、家族に何かあったとなると、太田さんは「すぐ帰れ」と言うそうです。その人が抜けたところはチームで助け合えばいい、と。

ラナエクストラクティブがGoogleやAppleのような組織になるのも、そう遠くはない未来だと感じられました。

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