「落書き」は江戸時代では死罪だった?! 気になる言葉の起源と由来を調べてみた

「落書き」は江戸時代では死罪だった?! 気になる言葉の起源と由来を調べてみた

トギー

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こんにちは! ライターのトギー(@tototogy)です。

記事を執筆するときはもちろんのこと、本を読んでいるときや人と話しているときなどに、ふと「ふしぎな言葉だなあ」と思うことがあります。

例えば、「月とスッポン」。

比較できないほど似つかないものを指す表現ですが、「どうして月と比べたのがスッポンだったのか」と考え始めると、ふしぎだなあと思ってしまうのです。丸いもの同士で比べるなら、10円玉だって石ころだっていいじゃないですか。

由来を調べてみたところ、もともとは「月と朱盆(しゅぼん)」と言っていたものが、言葉がなまってスッポンに変わっていったという説があるようです。これには賛否両論ありますが、ふしぎな言葉にはおもしろい由来があるものですね。

ということで、以前から気になっていた日本語について、由来や語源を調べてみることにしました。

あなたはいくつ知ってる? 気になるあの日本語の起源と由来

まずはクイズから。

気になる日本語の語源 ◯✕クイズ
  1. 「落書き」は江戸時代では死罪だった
  2. 「けりがつく」は缶ケリ遊びから生まれた
  3. 「あげくの果て」の由来は和歌遊びにある
  4. 「間抜け」は歯と歯のすき間が空いてる人を指した
  5. 「サボテン」の由来は“石鹸”
  6. 「圧巻」の語源は“巻き寿司”
  7. 「ピンキリ」はポルトガルのカードゲームから生まれた

 
 
気になる答えは……
 
 

答え
  1. 「(お城への)落書き」は江戸時代では死罪だった
  2. 「けりがつく」は缶ケリ遊びから生まれた
  3. 「あげくの果て」の由来は和歌遊びにある
  4. 「間抜け」は歯と歯のすき間が空いてる人を指した
  5. 「サボテン」の由来は“石鹸”
  6. 「圧巻」の語源は“巻き寿司”
  7. 「ピンキリ」はポルトガルのカードゲームから生まれた

あなたはいくつ知っていましたか? では、それぞれの詳しい語源や由来をご紹介します。

1. 「落書き」は、江戸時代では死罪だった

そもそも「落書き」とは、落書(らくしょ)が転じた言葉だと言われています。落書とは、時勢を憂いたり政治を批判したりする匿名の文書のこと。鎌倉時代から江戸時代にかけて蔓延したもので、人の目に触れる場所に貼り出されたり、道に落とされていたりしました。

その後、江戸時代のころに現代でいう「落書き」という表現が使われるようになりました。そんな折、江戸時代の将軍、徳川秀忠がこんなお触れを出したそうです。

一、落書之事
本人曲事、をとなハ死罪、少人ハ流罪

参考文献:『東武実録八<』

これは江戸城に貼りだされたお触れで、「落書きをしたものは、大人は死罪、子どもは流罪」と書いてあります。落書きをしただけで死罪……! とんでもない刑罰ですね。それほど城は高貴なものであって、落書きの罪が重かったのでしょう。

2. 「けりがつく」の語源は、古文独特の文法のなごりだった

「けりがつく」とは結着がつくといった意味の言葉で。「けり」という音から連想しがちな漢字は「蹴り」かもしれませんが、これは間違い。正解は、「鳧がつく」なんです。

さて、その語源は和歌にあります。和歌の末尾には、古文ならではの助動詞「けり」がよく用いられていました。

逢ひみてののちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり (藤原敦忠)
赤とんぼ筑波に雲もなかりけり (正岡子規)

このように、“けり”がつくと一首一句が結着するということから、「けりがつく」という表現が生まれたというわけです。

では、なぜ漢字で“鳧”と書くのかというと、これは単なる当て字なんだそうです。“蹴り”とはまったく関係ない語源だということです。もちろん、缶ケリ遊びとは無縁です。

3. 「あげくの果て」の由来は、短歌遊びにある

続いて、「あげくの果て」も和歌からきている言葉なんです。

和歌の中でも連歌という遊びがあります。数名が集い、上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を交互に読み上げ、ひとつの和歌をつくって楽しむものです。その最後の句を「挙句(あげく)」と呼びます。

つまり「あげくの果て」とは「挙句の果て」。最後の句が終わったその先ということで、最終的な結果を意味するようになったそうです。

4. 「間抜け」の語源は、音楽のリズムにある

考えや行動に抜かりがあったり、他人に合わせた行動ができない人に対して、「間抜け」や「間が抜けている」と呼ぶことがあります。この“間”は、歯と歯の間が空いていることを指しているわけではありません。音楽からきた言葉であり、音と音の間に入れる休止のことを指します。

音楽の流れを支えているのが休止である「間」であり、これが抜けると調子が狂ってへんてこりんな音楽になってしまうのです。まさに「間抜け」な音楽になってしまうということですね。

5. 「サボテン」の由来は“石鹸”

見た目もさることながら、名称も独特な「サボテン」。その名称の由来は意外にも石鹸にあるそうです。

サボテンが日本に伝わったのは16世紀のこと。当時鎖国をしていた日本が貿易していた数少ない国、オランダからやってきました。

オランダ人は、サボテンを石鹸がわりにして洗濯や掃除に用いていたのだそう。それを知った日本人は、「まるでシャボン(石鹸)のような植物だ」と思い、そのふしぎな植物を「シャボテン」と呼ぶようになりました。時が経つにしたがって、シャボテンは次第にサボテンに変わり、今に至ったというわけです。

当時は「石鹸体(シャボテン)」と書くこともあったんだとか。

6. 「圧巻」は、人を圧しちゃうレベルに嫌味な答案用紙のことだった

「圧巻」は、中国の故事から生まれた言葉です。

ひと昔の中国で行われていた役人試験『科挙(かきょ)』は、超エリート向けの超難解試験でした。その答案用紙を「巻」と呼んでいたのですが、最も優秀な成績をおさめた巻を、他の巻の上に載せたという故事があるんだそうです。その様子が、優秀な巻が上から圧しているようだったということで、「圧巻」という言葉が生まれました。

今でこそさまざまな物事に圧巻という表現を使いますが、当時は優秀な文章に対して使う言葉だったようです。

7. 「ピンキリ」はポルトガルのカードゲームから生まれた

16世紀、ポルトガルから『天正カルタ』と呼ばれるカードゲームが日本に伝えられました。いわゆるトランプです。このカードゲームでは、1点のことを「ピン」と呼びました。その語源はポルトガル語の“pinta(ピンタ)”、点数を意味する言葉です。

一方、「キリ」は日本語の「限り」を語源として変化した言葉。同じく天正カルタの最後の札を「キリ」と呼んでいたことが、のちの「ピンキリ」という表現になっていくきっかけとなったそうです。

そうして、最初から最後までという意味で「ピンキリ」や「ピンからキリまで」といった言葉が生まれました。

おわりに

「ふしぎだなあ」と思っていた日本の語源や由来について調べてきました。いかがでしたか? 一つでも新しい発見はあれば嬉しいかぎりです。

どんな言葉にも、生まれた背景があり、れっきとした由来があり、そして人々の生活の中で使われて続けてきた歴史があります。言葉を知ることは、祖先の生活を垣間見ることでもあるのだと思っています。

ことばを知るって、おもしろい! そう思ってやまないトギーでした。

「うん、たしかにおもしろい」と賛同してくださる方は、ぜひこの記事もどうぞ。

参考文献: 金田一春編(1978年)『ことばの研究室 言葉の由来』講談社

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真面目に生きてきました。そういった意味ではLIGの異端児かもしれません。え、真面目っておもしろみがないって? ええ私も同感です。こんなに真面目に生きてきたんだから、そろそろラオス住みたい。

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