こんにちは、LIGライターズの真崎です。
プレゼントって悩みませんか? 私の父の誕生日が春なのですが、毎年どんなプレゼントを贈ろうか、悩んで悩んで悩んだ末に電話で済ませるのが毎年のオチ。さあ今年はどうしよう。困った私の前に現れた救世主が「Anny」でした。
Annyは、トレンダーズ株式会社のインキュベーションラボ「Between Life in Teck(以下BLT)」が昨年リリースしたギフトサービスアプリです。誕生日や各種記念日に合わせてスマホから簡単にギフトとメッセージが贈れる優れもの。ギフト情報を発信するキュレーションメディア「Anny magazine」で、各シーンにぴったりのギフトアイテムを知ることもできて二重に便利です。
「自分たちが一番Annyのヘビーユーザーです(笑)」そう語るのは、開発当初からAnnyに関わられているエンジニア・原健太さん。サービスを愛する原さんに、Annyにかける情熱と今後の大きな目標についてお伺いしてきました。
人物紹介:原 健太氏 在学中はカジュアルなオリジナルゲームを数本リリース、「HAIR」、「ゼクシィPokke」の開発に携わり、2015年3月から休学し、ギフトサービス、「Anny now」,「 Anny Magazine」の立ち上げからiOSエンジニアとして参加、現在も開発中。 |
クライアントの誕生日にギフトをプレゼント。「めちゃくちゃ上手くいって」予算が倍に
― Annyについて伺う前に、原さんご自身は最近誰かにギフトを贈ることはありましたか?
最近なら3月9日、「サンキューの日」に彼女にギフトを贈りましたよ。3月3日にAnny magazineの大幅リニューアルがあって、その時期はすごく忙しかったんですよね。先日無事に終わったので、彼女に「Anny magazineをリリースできたのはあなたのおかげです」ってメッセージと、前から欲しがっていたナッツのはちみつ漬けをAnnyで送ったらすごい喜んでくれました。
他にも、ちょっとしたハッピーを祝うようになりましたね。特別な日じゃなくてもギフトを贈ろうと考えるようになったのはAnnyに携わってからです。
― いきなり心温まるエピソードですね。
僕はAnnyのヘビーユーザーですからね(笑) あとこれは僕自身の話ではないですが、トレンダーズ本社の営業の方がAnnyを使って自分のクライアントの誕生日にギフトを贈ったらしいんですよ。そしたらクライアントがめちゃくちゃ喜んでくれて、そのあとの商談もめちゃくちゃ上手くいって予算が倍になったらしいです。Anny自体の決済も生まれて会社にも思わぬ利益が出せて、社員の方にも「Annyいいね!!」と喜んでもらえて、とても嬉しかったですね。
― 商品の写真がどれもユニークだなと感じました。
写真にはすごいこだわっているんですよ。
この写真なんかは、実際に草むらに行って「はらぺこあおむし」を草の上に置いて撮っているんですよ(笑) もちろん商品にもこだわりを持っていて、うちが厳選しているお店やお客様としか提携していないです。
― ここで働いていたらギフトに詳しくなれそうですね。
社員はめっちゃ詳しくなりますね。僕はエンジニアなのでそれほどですが、それでも周りの人たちよりは詳しくなりました。Anny magazineで記事コンテンツをつくっている人は「なんでそんなことまで知ってんの?」ってレベルです。
でも一番すごいのは武士さん(トレンダーズ執行役員・BLT代表の中村武士氏)。女性ブランドの知識も豊富で、女の子が喜ぶ贈り物をものすごく分かっていますね。武士さんはとりあえず女の子大好きなんですよ(笑) ずっと一緒にやっていますが、武士さんが女性向けサービスしかやらないせいで、僕も女の子大好きみたいに見えそうです(笑)
― 女の子向けサービスをいくつもやっていたら女性にモテるようになりそうですね。
いや、それは全然関係ないです。モテないですね。関係あったら良いのに。
当たれば5年後は1110億円市場に。「ソーシャルギフトの今後はAnny次第」
― 原さんは、開発当初からAnnyに関わられているのですか?
そうですね。学生時代から友達とゲームアプリつくって何本かリリースしていました。ずっとゲームだったので次はサービスをつくりたいなと思っていて、インターンを探すためのイベントに参加して武士さんと出会いました。
当時武士さんがつくっていた女性向けサービスがとても素敵で、彼と一緒にやってみたくていくつかサービスを一緒につくりました。Annyの開発は、武士さんがトレンダーズから新規サービス開発を依頼されたのがきっかけです。
― Annyを設計していくなかで、こだわったことはなんですか?
このアプリやこのチームは今後どうしていくんだろうって想像することですね。こんな機能追加がありそうだなって想像して、スピード感を持ちつつ次の安全なアップデートにつなげる。「想像力」がエンジニアとしてすごく大事だなって思いました。
― 最初から今のようなサービスモデルを考えていたのですか?
いえ、最初はウィッシュリストのマッチングサービスつくろうとしたんですよ。Amazonのウィッシュリスト、ほしいものリストがうまく活用されていないっていう課題意識があったので、それを改善しようと。
最初はふたりでカフェとかでコンセプトつめて、徐々に人が増えて、コンセプトも二転三転しながらつくりあげていった感じでした。リリース1か月前に0からアプリ作り直しってなったこともあってめちゃくちゃ大変でしたよ(笑) リリースまではもう寝れない日々です。
― ウィッシュリストからどうやってAnnyのコンセプトに行き着いたのですか?
ウィッシュリストのサービスを作っていた時から「あげる人ともらう人のマッチング」というサービスの軸はあったんですよ。Annyのコンセプトができたのは、伊勢丹さんとの打ち合わせで日本の贈り物の話をしたのがきっかけです。
日本ではお歳暮やお中元のやり取りは多いけど、お金もかかるし気持ち的にもちょっと重いじゃないですか。それに、LINEやメッセンジャーが発達しているのに、ギフトは未だに手渡ししかないのもイケてない。もっとギフトを手軽にやり取りできたらいいねと話してから、今の形がどんどん出来上がっていきました。
― 確かに「ソーシャルギフト」は今後ニーズが増えて流行りそうな気がします。
ソーシャルギフトの市場はものすごい右肩上がりで伸びて、5年後には1000億以上の市場になるっていうトレンド予測があるんですよ。ただ、ソーシャルでギフトを送るっていう概念はまだ世間に全然浸透していないですけどね。
以前にAnnyで「シェアしてくれたらクーポンゲット」の施策打って、これめっちゃシェアされるだろう!!と思ったのに全然シェアされなかったことがあって(笑) メルカリとかがクーポン出したらめっちゃ当たるしソーシャルでもすごい拡散されるんですよ。トレンド予測があっても実際ソーシャルギフトの市場はまだ全然出来上がっていなくて、今のままでは今後絶対伸びません。
ソーシャルでギフトのトレンド、そして文化をつくっていくのが俺らの役割だと思っています。例えば料理のレシピを調べるとき、もう誰もグーグル検索しないでクックパッド内で検索するじゃないですか。僕らは、ギフト・アニバーサリーの分野でその状態を目指したい。誰かにギフトを贈りたいときはAnnyで検索しよう、Anny magazineを見てみようって、そんな存在になれたらいいなと思っています。
サービスを愛せる人であれば、スキルは後から必ずついてくる
― 文化をつくっていく責任のある仕事、やりがいがありそうですね。
やりがいはもちろん、やりたいことを全力でできているのが本当に幸せです。出勤する電車でも「早くオフィスに行ってプログラミングを書きたいな~」ってソワソワしたり、休日に出かけてプログラム書けない時間が一定時間続くとすごい禁断症状が出たりします(笑)
僕、Google Analytics(以下GA)見るのが趣味なんですよ。「この商品がユーザーに見られているんだな」「リテンションユーザーはこの機能使ってないんだな」とか1日50回くらいチェックしています。趣味がGAって言うと周りには「いや海とか行けよ」とか言われるんですけど、「海はいいからGA見たい」って思っちゃう。彼女からも「ねえ、一緒にいるときにGA見過ぎじゃない?」って言われます(笑)
― 彼女にとっては迷惑な趣味ですね(笑) でもサービスや仕事に対する原さんの愛が伝わってきました。
僕だけじゃなく、BLTはみんなAnnyが大好きなんですよ。自分たちが一番ヘビーユーザーで、誕生日とかMVP受賞のときは社員同士でギフト贈り合っていますからね。価値のあるサービスだから絶対広まるはずってみんな信じています。今BLTにいるメンバーは「仕事をしている」という感じじゃなくて、趣味の延長でやっている人が多いです。
それに、みんな本当に仲良くて、いつも親友たちと働いているような感覚ですね。社員は武士さんも含めて全員ため口で話すんですよ。ご本人はもう40歳過ぎているけど24歳の女の子から「おい、仕事しろよ」とか言われています(笑) 年齢・役職関係なくとてもフラットな環境だと思います。
― なぜため口を推奨されているんでしょうか。
武士さんはすべてをサービス軸で考える人なんですよね。ため口を使わせるのも、MTGの場で言いたいことを言えと言っても、普段から遠慮して言いたいことを言えていない人がMTGの場で話せるわけがないからなんです。
マナーとしては駄目でも良いサービスを作るためには必要。良いサービスを生み出す環境づくりを徹底しているんですよ。だからため口を推奨する分、逆に「言いたいのに言わないのは悪」みたいな空気はありますね(笑) 僕はあんまり上下関係とか好きじゃないので、変なしがらみに苦しむこともなくていいですね。
それに、その人が一番パフォーマンスを出せる働き方を尊重してくれるので、「オフィス出てカフェで仕事します」「今日はちょっと家でやります」っていうのもOKなんです。それも全部良いサービスをつくるためですね。
― 素敵な職場で、これからサービスの発展が楽しみですね。今後どんな仲間と一緒にAnnyを作っていきたいですか?
まずはAnnyのサービスに共感してくれる人。そしてサービスをつくるのが大好きな人ですね。優秀なエンジニアに入って来てほしいのはもちろんですが、その2つがあれば技術力がなくてもエンジニアとしてすぐ成長できると思うんですよ。僕もそうです。もともと技術力がめっちゃあったわけではないし、今はAnnyのIOS周りをひとりでやっていますが、周りに比べてスキルが秀でているわけでもありません。
でもハートの部分で「サービスが大好き!」という想いがあれば、自分のサービスを伸ばすためにどういう能力をつけたほうがいいか自分で考えるし、自主的に成長していくんですよ。結果的にサービスをつくる技術力も伸びていくし、そのほうがいいんじゃないかと思っています。サービスの成長と自分の成長が一直線になっているのが健全なので。
もっとスピード感を出してサービスを成長させたいですが、人的リソースは全然足りていません。それに、ひとりでGA見ているのもたまにさびしくなるんですよ(笑) 一緒にサービスをつくっていける仲間が、僕は切実にほしいです!
インタビューを終えて
流行りに任せず自分たちで波を起こす。原さんからは、Annyにかける深い愛情と今後のソーシャルギフト市場を牽引する覚悟が伝わってきました。可能性に溢れた未開の分野・ソーシャルギフト。「料理ならクックパッド」のように「ギフトならAnny」、そんな文化が現実となる日は、もしかしたらそれほど遠くないかもしれません。