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2016.04.07
LIG PR
#41
働き方インタビュー(経営者編)

1回逃げるとずっと逃げる人生になる――クリーブ代表・塚田氏が語る「信頼を築く戦い方」

新川 五月

こんにちは。LIGライターズの新川です。普段はライター兼コピーライターをしています。

大手都市銀行のインターネットバンキングシステム、道路向け施設防災監視システムなど金融・行政機関、監視・制御や生産管理・物流等、多岐にわたるシステムを構築し、着々と規模を拡大している株式会社クリーブ

代表取締役である塚田さんが、28歳のときに実兄と一緒に起業した会社が大きくなり、2003年に分社化したのが現在のクリーブです。

印刷業を営む父の姿に「いずれは自分も経営者に」という目標を持ち、20代で実現した塚田さん。お兄さんと2人でスタートした会社を、現在の100人規模の組織にまで成長できたのは、一貫して “信頼” と “挑戦” にフォーカスしてきたことにありました。

Poole:アイコン_クリーブ様 人物紹介:塚田 雅
1969年生まれ。青山学院大学卒業後、メーカーに入社。28歳で実兄と共に起業。順調に業績をあげ、2003年に分社化、株式会社クリーブの代表取締役社長に就任。着実に実績を上げ事業を拡大。システム開発だけでなく、現在は、業界ではほとんど取り組まれていないITコンサルという分野にも力をいれていく。

「高速道路で兄と大ゲンカ」経営はハイリスクだからこそおもしろい

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— 起業のきっかけは「自営業の父の姿を間近に見ていたから」そうですね。どんな姿に影響を受けたのですか?

経営したいと思ったのは、高校・大学くらいのときかな。父は印刷業を営んでいました。そもそも右肩下がりの業界だったので、苦労も当然見ているし、下請けの町工場なので大変な側面はいっぱい見てきたのです。でも、それでも一生懸命やる父の姿が恰好よくみえました。

恰好をつけた言い方になるけれど、「ハイリスクを背負ってやるのはおもしろい」と。大変さの中に “やりがい” というか意義があるのかなと。

 
— 塚田さんはお兄さんとクリーブを起業されましたよね。兄弟で会社を経営するメリットは何でしょうか?

兄も私と同じく “経営” という同じ目標を持っていたんです。兄とは、一緒に立ち上げた前身となる親会社は現在も共同経営なので、今も一緒にやっています。

よく経営者は孤独だと言われますが、私の場合、それは感じない。同じ立場の人間に身内がいて、しかも創業メンバー。だからそういう意味でも一般的にいう孤独感はありません。

でも存在が近いがゆえに、もめる頻度は多いですよ(笑) もめるきっかけは、お互いに「こうありたい」「こうしたい」という良い意味での目的や想いがあって、それを達成するための方法論でぶつかるんです。ぶつかるときは、もうケンカです。昔に高速道路を走っているときケンカして、「車を降りる、降りない」って話になることもありました。そのときは、社員に対する考え方とか、社員にどう育ってもらうか、どう育てていくかという方法論についてもめて。
最後には「そんなんだったら、やっている意味がねえ」とか言うほど。でもゴールは一緒なので、もめても戻りも早い。これは結構アドバンテージかなと思っています。

 
— クリーブは起業時から “社員の成長=企業の成長” を経営理念に掲げていますが、その価値観はどこから生まれたのでしょうか?

学生時代のアルバイトとか、最初に就職した会社での体験とか、自分が育ってきた人間関係の中で、少しずつ芽生えてきた価値観だと思います。
結局何をやるにも人がやるわけで、会社も組織で人の集まりだから、会社の源泉というのは人なんだなと、つまり人が育つということは、必ずしもイコールではなくても、会社が育つということにかなり影響力があるんだと。

若いころは、奇抜なアイデアや特許がとれれば、一生食えるんじゃないかというよしんば的な考えもあったけれど、先輩たちの話や自分のみてきたことを照らし合わせるとやっぱり人が育つということが大事なんだなと。

 
— なるほど。塚田さんが一番大事にしてきた価値は何でしょうか?

お客様の信頼です。たとえば、私たちはシステムをつくるんですが、いわゆるバグのないシステムができればよいということではなく、システムのオーダーをいただいてから納品に至るまで、1つひとつのプロセスに対して、人として信頼していただけるような行動がお客様に対してとれるのかどうか。

逆にミスしたときは、隠さず恥ずかしがらずに土下座してでもちゃんとお詫びする。そういう中で信頼関係は育まれると思っています。

 
— 塚田氏さんが実際に土下座まではしなくても、正直に謝ることは信頼関係を築くうえで確かに大事なことですよね。

そうですね。あるシステムをつくっていたとき、納期直前にエンジニアがいなくなったことがありました。物理的に考えて絶対に間に合わない。そのときはさすがに焦りました。
もう総動員でやれるところまでやって、雷が落ちるのを覚悟で正直に事情を話してお詫びしました。もちろんものすごい雷が落ちたんです。でも不思議なことに、そのお客様からは「よく逃げずに正直に謝ってくれたね」と、その後も仕事をいただける関係になりました。

逃げてはいけない場面では、恥をさらしてでも正直に対峙する。それが、次につながるか、つながらないかは結果論だと思います。人は多分一度背中をむけるとそのクセがつくと思うんです。1回逃げるとずっと逃げる人生になる。だから、負けてもいいから、真摯に勝負したいという考えでやっています。

「想像しすぎないほうがいい」すべて机上のこと。答えは出ない

クリーブ様_記事05

— クリーブは今新たな事業の特徴としてシステム開発だけでなく、二次請けの立場で仕事の質をあげることと、ITコンサル事業に力をいれ始めているそうですね。

今まで当社の特徴は “人材育成” でしたが、今は事業的な新たな特徴として2つ考えています。1つは、二次請けという上流のポジションになること。

IT業界は一次請け二次請け三次請けという下請け構造で、一次請けはいわゆる大手メーカー。今、私たちの仕事は、けっこうな数が二次請けになりつつあります。二次請けの案件は当然単価も上がりますが、お客様から求められる質がものすごく高くなりますし、高めなくてはいけない。
それは、そこで働く人間にとっても大変だけどスキルアップにつながるということなんです。おそらく、同等規模の組織でこのような立場で仕事のできている会社は確率的にかなり少ないので、これは大きな特徴でもあると思います。

私たちのクライアントである中小・零細企業は、市場規模の95%以上を占めています。とにかく数がすごく多い。そのマーケットに対してITサービスを行っているIT会社というのが、じつを言うとほとんどないんです。
そこを私たちはビジネス化しようと、今まさにそこを拡大させようと取り組んでいます。

 
— それを実現するためには、社員の1人ひとりの成長が大きく影響しますよね。

単にプログラムをかけるだけではダメですね。お客様と交渉する折衝力や提案力が必要だし、プロジェクトを推進する推進力や管理力など、幅広いマネジメント的な要素・能力が会社として問われる。まず、その力をつけていく。そこに今は、一番重きをおいています。

 
— 新たなチャレンジや開拓のためには、やはり信頼を1つひとつ築くことが基本になると思います。

今すでに二次請けのポジションで頂いている仕事も、何か1つのことでいきなりできたのではなく、今までの実績の積み重ねでしかないんですね。細かいロットの案件も、しっかりとプロセス踏まえて、やりきって責任とってきた。それが、次のもう少し大きな仕事につながる。
そういう中で取引が広がったり、大手メーカーさんのコアパートナー的なポジションの認定を受けたり。方法論として “信頼” というとアバウトなものになっちゃうんですけど、私はそれを大切にしようと思うんですね。

 
— なるほど。社員1人ひとりに “実行する” 力が、より求められる環境になりますね。

個人的な考え方ですが “実行” することを大事にしています。つまり、 “行動” ですね。社員には、「10のことを考える時間があるなら、1つの行動をとろう」と常に言っています。
とにかく行動すれば、必ず良くも悪くも結果という答えが出る。10のパターンを考えたとしても、すべて机上のこと。答えは出ない。「だったら1つの行動に、価値があるよ」と。

たとえば、担当者とか営業マンが机の前でお客さんに何て言おうかと迷っている姿をみると、「それだけ考えたんなら行っておいでよ」「電話をかけちゃいなよ」と。だって、だいたい自分で考えとは想定外の答えが返ってくるのがほとんどだと思います。
人間は想像ができるから、想像しすぎちゃってできないってことも多いと思います。むしろ想像しすぎないほうがいいかなと。

「過去は誰にも変えられない」残りの凡打7割8割をどう処理していくか

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— 起業する前に勤めた会社の厳しい上司から教わったことが、塚田さんのビジネスの考え方にも影響しているとお聞きしました。どのように影響を受けたのですか?

当時の上司で1人すごく厳しい人がいました。ストレートにがんがん言われて「おまえは◯◯だ!」と。その環境は今思うと、自分にとってはよかったです。当然、当時はおもしろくないこともあったけれど、時間が経つと、非常にありがたい時間だったなと。
そのとき責任のとり方みたいものを、なんとなく直接・間接的に教えていただいたかなと思っています。

人間は、ぜんぶ自分の思った通りできる人はいない、半分もしくは半分以上失敗していく。野球で打率3割は大変だけど、仕事も同じようなもの。じゃあ、残りの凡打7割8割をどう処理していくのか、そこが大事なんだよって。

それに、当たり前のことですが、 “仕事1つひとつをしっかりやる” こと。人によって程度の差はあると思いますが、自分自身の中で自信をもって「やりきりました!」って言いきれるところまでやる。
自分自身に悔いがあるようじゃ、人様の前に企画書を持っていって説明するなんてありえないってことですからね。

 
— 今回お話をお伺いして、 “1つひとつしっかりやる” ことを守りつつ、挑戦する姿勢を常に持ち続けているのが印象的でした。

そうですね。創業してから今まで、本当にいろんなことに挑戦してきました。「この企業と取引させてもらえるのかな?」と思うところに飛び込んで、何ヶ月もかけて口説き落としてみたり。

そして私だけでなく、クリーブ全体でチャレンジ精神は大切にしています。年齢や経験に関係なく、できる人やる気のある人には極力チャンスを与えようという方針なので、若くてもプロジェクトリーダーをトライアルで任せてたり。大変であっても「がんばりたい」「なんとかレベルをあげたい」という人に対しては、惜しみなくサポート・支援をしていくのがクリーブです。

自分ががんばって、その成果を評価してもらいたいと思う人たちには比較的やりやすい環境だと思いますよ。
正直なところ、今までどうだったとか、過去のことはどうでもいい。過去は誰にも変えられないけれど、先には、みんなにチャンスがある。いかようにも変えられる。だから、今までIT業界でやってこなかったけれど、興味があるんなら、それで十分です。

インタビューを終えて

創業から20年。当時から一貫して “お客様の信頼”、“社員の成長” と、価値の中心に常に “人” を置き、事業も組織も拡大してきた塚田さん。
「企業の源泉は人である」と断言するその言葉には揺るぎのない確信があり、クリーブという企業の拡大の基礎には、1人ひとりが活躍できる組織があるのだと感じました。

 


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