どうも、外部ライターのほあし(@hoasissimo)です。
前回の記事で紹介した太刀川さんの名セリフ、その気になる“続き”を紹介します。前回垣間見えたものが『ワールドトリガー』の「冷静」だったとすれば、今回は「情熱」の部分が見えてくるのではないかと思います。
(以下、一部ネタバレを含みます)
那須隊・熊谷の勝利への意欲と敗北
B級ランク戦において那須隊のアタッカー・熊谷は、鈴鳴第一のアタッカー・村上を相手にさまざまな策を講じて善戦しますが、結局ほとんどなんの傷も負わせられないまま敗北します。
このときの那須隊は、仲間の一人がボーダー隊員を辞めることが決まっていたため、「少しでも多くランク戦に勝利することで、今いるメンバーとして過去最高の成績を残そう」という目標を立てたばかりでした。
つまり那須隊は全員、きわめて強い勝利への意欲を持っていました。
しかし、それでも、熊谷は敗北します。太刀川さんの言うとおり、「気持ちの強さは関係ない」んですね。
こうして見ると、この太刀川さんのセリフの冷淡さが改めて浮き彫りになります。「どれだけ必死の思いで戦おうとも、結局は実力で強いほうが勝つ」という、当然かつ無慈悲な現実を突き付けているわけですから。
しかし、熊谷と村上の戦闘が決着したとき、太刀川さんはこう言います。
「最後まで粘って、いい勝負だったな」
実況役の三上は、太刀川さんのこの意外な言葉に驚いた表情を見せるのですが、それを受けた太刀川さんはさらにこう続けます。
「勘違いするなよ、俺は気合の乗ったアツい勝負は大好物だ」
「けど、気持ちの強さで勝負が決まるって言っちまったら、じゃあ負けた方の気持ちはショボかったのかって話になるだろ」