こんにちは、LIGのヨシキ(@moriri_nyo)です。妖怪でいえば「枕返し」に似ているとよく言われます。
さて、小さい頃から妖怪などが好きだった僕としては、水木しげる先生の訃報を聞き、やはり『ゲゲゲの鬼太郎』のことを書いておかねばと思いました。
ただ、先生の偉大な足跡やさまざまな検証はすでにネットで取り上げられまくっているので、詳しくはそれらをご覧ください。ここでは、僕が個人的に好きな鬼太郎の1冊のみを紹介させていただきます。
僕と『ゲゲゲの鬼太郎』
前提として僕はまずアニメから入った人間で、鬼太郎といえば「夢子ちゃん」というヒロインがカラスに襲われたりするのを、とにかく頑張って助けていたようなイメージが強い少年でした。(あと、やたら難しかったファミコンソフト)
だから、鬼太郎といえば純粋な正義のヒーロー。ずる賢いねずみ男を除けば、一反もめんやぬりかべ、子泣きじじいや砂かけばばあといった頼れる仲間にも恵まれている少年という印象です。
ただ、ドラえもんをはじめ、多くの子供向けアニメが原作漫画ではシビアな一面を見せるように、鬼太郎もかなりシビアな面を持っています。
たとえば原作の鬼太郎は日々の生活に困窮しており、平和云々より、生活のことを考えないといけません。だから妖怪退治を政府高官から依頼されると高額の報酬でそれを引き受け、路上生活から抜け出せないねずみ男のところに、わざわざ外車で乗り付け嫌味をいって帰ったりもします。ついでに、けっこうな喫煙者でもあります。
ねずみ男ももちろんアニメ以上に性根の腐ったところをみせ、とにかく鬼太郎や目玉の親父を敵方の妖怪にすぐ売り払います。
この2人はどちらかが大金を手にすると、途端に相手を蔑んで召使いにしたがるという、非常に人間らしい関係性を保っています。
おすすめの一冊『鬼太郎の世界お化け旅行』
ゲゲゲの鬼太郎(8)鬼太郎の世界お化け旅行[全] 他 (水木しげる漫画大全集)
- 著者水木 しげる
- 価格¥ 2,700(2015/12/01 19:30時点)
- 出版日2015/10/02
- 商品ランキング5,616位
- コミック540ページ
- ISBN-104063775461
- ISBN-139784063775464
- 出版社講談社
そんな鬼太郎シリーズの中でも、世界の妖怪VS日本の妖怪という団体の構図で戦い続けるこちらの一冊は有名妖怪も多数登場しており、おすすめです。(ただし、日本の妖怪で戦うのは主に鬼太郎のみ)
世界の妖怪には親分格のドラキュラや狼男など強力なメンバーが揃っていますが、彼らの実力というより主にねずみ男の裏切りにより、鬼太郎は溶かされたり、親父は便所に捨てられたりとさんざん地獄を見せられます。
もちろん鬼太郎だって負けてはいません。狼男の屋敷に忍び込むや、敷地内をさまよっていたヒトダマを「久しぶりのごちそうだー!!」と天ぷらにして食ってしまいます。(怒った狼男は目玉の親父を捕まえ天ぷらにして食おうとするも、喉内で親父に暴れられて降参してしまいます。)
他にもねずみ男がソ連の妖怪・水精をカツレツにして食ってしまうなど、妖怪同士の戦いはまさに食うか食われるか。
シリーズ最大のピンチは、フランスの妖怪・化け猫に、鬼太郎の体内に侵入されてしまったときでした。体内にいる相手ゆえ対処の方法がなく、日に日に衰弱していく鬼太郎。日本の妖怪たちは会議の結果、なんと鬼太郎を切腹させることを決定します。
ちなみに、切腹の提案を持ち出したのは子泣きじじい。理由は「フランスの化け猫なんかに負けたとあっては、日本妖怪の名がすたる」からというもの。親しい関係にも容赦はありません。
結局、鬼太郎が実際に切腹しようとグッと刃を入れたところで、たまたま化け猫を刺して退治成功。でも、これもう完全に負けてますよね。
この他にも、ゴーゴンやミイラなど、さまざまな妖怪を相手にしながら世界を回ります。終盤はイタリアのコロシアムに呼び出された鬼太郎が、観客席を埋め尽くした西洋妖怪にピストルの一斉射撃で射殺されかけるなど、とにかく最後まで見所満載。
もはや妖力とか関係ありません。全ての髪の毛を撃ち尽くしてツルッツルになるなど、満身創痍の鬼太郎はどうやってピンチを脱するのか。ぜひ原作を読んで確かめてください。