ヒーローに必要なのは「強い力」ではなく「心意気」
第一話では、「“無個性”の人間が強大なヴィランと戦えるわけがない、自分はヒーローになどなれない」という悲しい現実を、他ならぬデク自身が誰よりも理解しているという描写があります。
それゆえに彼は自分の夢をほとんど諦めてしまっているんですが、彼が咄嗟に起こした「ある英雄的な行動」がオールマイトの心を大きく動かし、そのおかげでデクはヒーローになるためのチャンスを得ることができます(ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが……)。
わたしが感動したのは、オールマイトがデクに心を動かされた理由が「強い力を持っていること」ではなく、「ヒーローたらんとする心意気を持っていること」という点にあったことです。
ヒーローにとって最も大事なものは心意気であるということを、最強のヒーローであるオールマイト自身が堂々と語り、「君はヒーローになれる」とデクに告げてやるシーンが、本当に最高にアツいんです!
「ヒーローにとって最も大事なものは何か」というこの問いは物語全体に通じる大きなテーマにもなっていて、デクが遭遇するさまざまな困難のなかで何度もこれを問い直されます。そのたびにデクが少しずつ本物の「ヒーロー」に近づいていくのを見るのが、わたしはすごく楽しみなんです。
とにかく第一話だけでも読んでみてもらいたいです。なにか胸に迫るものが必ずあると思います!
まとめ
というわけで、今回は『ヒロアカ』の大まかなあらすじと作品のテーマについてご紹介しました。
なお、今回の執筆にあたって『ヒロアカ』をじっくり読み返していたんですが、読むたびにいちいち泣き崩れてしまうので読み返し作業も執筆作業も遅々として進みませんでした……。
本作は『週刊少年ジャンプ』誌上にて絶賛連載中ですので、気になった方はぜひご一読あれ!
ライター紹介:ほあし 関西に住む、少年マンガをこよなく愛する男。とりわけ『BLEACH』については尋常ではない思い入れがある。 『BLEACH』についてひたすら語るための個人ブログ「Black and White」を更新中です。よろしければこちらもぜひ! |