コピーライター・谷山雅計さんに、広告業界の話はすっ飛ばして、Web業界のライティングやコピーライティングについて聞いてきました。

コピーライター・谷山雅計さんに、広告業界の話はすっ飛ばして、Web業界のライティングやコピーライティングについて聞いてきました。

ひゃくいち

ひゃくいち

インタビューを終えて

谷山雅計 21

▲ 谷山さんが東京ガスの「ガス・パッ・チョ!」というコピーをつくった際に使用していたノート。「広告コピーってこう書くんだ!相談室(袋とじつき)」の「袋とじ」にも収録されている

 
広告業界の話をすっ飛ばして、Web業界のライティングやコピーライティングについて聞いてきましたが、結論としては「広告業界」だとか「Web業界」だとかいうのもバリエーションに過ぎないのかもしれません。

どんな業界であれ、どんな環境であれ、どんな条件であれ、「良い」だとか「悪い」だとか、「好き」だとか「嫌い」だとかと一喜一憂することなく。あくまで一つのバリエーションとしてとらえ、それを与件として受け入れて、新しい価値を生み出していけばいいじゃないか。そんな風に背中を押されたような気がしました。

そもそも、この世界が完璧なものならば、ものづくりなんて必要ないですもんね。不完全だからこそ、新しい価値を生み出す意欲が湧いてくるわけで。だからこそ、その不完全さをまずは許容できなければ、ものづくりを始めることはできないのかもしれません。

その意味で、谷山さんのバリエーションを許容する力というものはすさまじかったです。常に笑顔で、どんな下手な質問もまずは受け入れて、おもしろくなりそうな論点を拾い上げてくれて、鋭い比喩を交えながら丁寧かつ素早く答えてくれました。

実は、事前の取材準備で「相手はコトバのプロ中のプロだから、インタビューでは一字一句、まちがえないようにしなければ」と戦々恐々としていたのですが(結果はカミカミでしたが)、谷山さんはインタビューの途中で「コトバの厳密性はあまり求めないほうなんですよね。コトバは基本的に言いまちがえるもんだと思っているので」とおっしゃっていてホッとするとともに、意外な印象を受けました。そして、インタビューの最後には「ふだん、あまり出会うことのないWeb業界の人に話をきけてよかった」とも。

その幅広く許容するスタンスこそが、幅広い層を巻き込んでいく谷山さんの広告クリエイティブにつながっているのではないか。そんな風に感じました。

谷山さん、ありがとうございました!

▼LIGブログ編集長ナッツ(@nuts612)によるインタビュー後編はこちら

 

プロフィール詳細

taniyamasan
谷山 雅計

谷山広告
クリエイティブディレクター/コピーライター

1961年8月25日 大阪府生まれ
1984年 東京大学教養学部教養学科アメリカ科卒業
同年 博報堂入社
1997年 谷山広告設立

資生堂「TSUBAKI」「FOGBAR」、東京ガス「ガスパッチョ! 」、新潮文庫「Yonda?キャンペーン」、au「ガンガンメール」「iida」、日産自動車「セレナ」、全日空「OKINAWA」、キリンビバレッジ「生茶」「ペコロジー」、東洋水産「マルちゃん正麺」、日本テレビ「日テレ営業中」「日テレ式」などを手がける。著作に「広告コピーってこう書くんだ! 読本」宣伝会議刊。

TCC賞、ACC賞、朝日広告賞、毎日広告賞、日経広告賞、新聞協会広告賞ほか多数受賞。

▼谷山雅計さんの新著はこちら▼

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