こんにちは、セールスのたかしです。
最近、友人のエンジニアが「転職しようと思う」と言っていたので、どういったポイントで会社選びをするのか聞いたところ、「人」「オフィスの立地、雰囲気」「やりがい」という答えが返ってきました。さまざまな企業担当者から、エンジニア採用に関する話を聞いていましたが、身近な人から聞くともっと腑に落ちますね。
私は営業なので、さまざまなオフィスを見てきましたが、オフィスづくりにより、採用効率の向上や、離職率の低下に取り組まれている企業がたくさんありました。「人」に重点をしっかりと置いているということですね。
第1回目、第2回目に続き、第3回目の今回も、オフィスに詳しい三幸エステートさんのご協力をいただき、先進的なオフィスづくりに取り組まれている企業さんに「働きやすいオフィスづくり」についてお話を聞いてきました! 今回は、東新宿にオフィスを構えるソフトバンク・テクノロジー株式会社さんです。
ソフトバンク・テクノロジー株式会社とは
ソフトバンクグループの中でICTサービス事業を担う。『情報革命で人々を幸せに ~技術の力で、未来をつくる~』という理念のもと、大きく成長することを目標に掲げ、”クラウド” “セキュリティ” “デジタルマーケティング” の3分野に注力している。
また、「One! SBT」をコーポレート・スローガンとして、ロボットアプリケーションの開発や、セキュアIoTプラットフォームの開発など、最先端のテクノロジー分野における事業を展開している。
ソフトバンク・テクノロジー株式会社のオフィスは、2014年度に「第27回日経ニューオフィス賞」においてオフィスセキュリティ賞を受賞しています。112社以上のエントリーの中から1社しか選ばれなかったのだそう。今回は、そんなオフィス移転のプロである、素敵な笑顔で迎えてくださった同社の橘さんにお話を伺いました!
人物紹介:ソフトバンク・テクノロジー株式会社 橘 勝也さん 1991年にソフトバンク株式会社に入社。ソフトバンク技研株式会社、ソフトバンク・テクノロジー・ホールディングス等を経て、現在はソフトバンク・テクノロジー株式会社 管理統括 管理本部 管理統括部長として、総務、購買、業務、情報システム部門を統括する。 |
4つの課題を解決できるオフィスを
—オフィスエントランスで早速Pepperくんと目が合いました。Pepperくんのお出迎えはインパクトありますね!
そうですね。事前に、来客されるお客様に弊社からQRコードをお送りして、そのQRコードをかざしていただくと、Pepperくんがお客様の対応をするというかたちにしたんです。担当者が来るまでの時間は、「早口言葉」や「記念撮影」ができるようにし、お待ちの時間も楽しんでいただけるようにもしています。また、Pepperくんは外部の方だけではなく社員からも評判が良いんです。QRコード認証をしなくても、電話で担当者を呼び出せるのですが、Pepperくんと受付システムが連携してからは、QRコードによる受付システム利用率が以前の10倍になったほど社員にも好評です。
—Pepperくん効果はさまざまなところに出ているんですね。オフィスは東新宿になりますが、こちらを選ばれた理由はなんでしょうか。
東新橋にあるソフトバンクグループ本社と、弊社の汐留オフィス、そして汐留開発ベースと地下鉄1本で行き来できるのが魅力的だったのと、あとはいくつかあった課題を解決できそうだったので選びました。
—なるほど。どのような課題があったのですか?
4つの課題がありました。
- 会社の急成長・人員増を見越したスペース確保
- 細分化された組織によるセクショナリズム
- 複数フロアや個室化による一体感の欠如
- 先進性に欠けるオフィス環境
元々、手狭になりつつありましたが、経営方針として「大きく成長する」を掲げているため、今後の採用計画に基づく人員増を見越したスペースを確保する必要がありました。
従来は事業部制を採用しており、3フロアの中で事業部ごとに部屋が分かれていました。そうすると同じ会社でありながら、各事業部間で案件や業務のやり方を共有する機会が少なく、こういったセクショナリズムをなくしたかったんです。会社としてソフト(組織・制度・風土)とハード(オフィス)を刷新して、会社全体のシナジーを創出する必要がありました。
2つめと重なる点もあるのですが、複数フロアに分かれていることで、コミュニケーションスピードが遅くなったり、コミュニケーションが生まれづらくなったりしていました。「大きく成長する」という経営方針を実現するため、一体感を強める仕掛けにしたかったんです。
弊社は、最先端のテクノロジーを提供する事業をおこなっていますが、以前のオフィスは、先進的とは言い難いオフィスでした。もっと最新のITを感じることができ、弊社の技術力を体感いただけるショールームとして、お客様にも紹介できるオフィスを作り上げたい、という思いがありました。
この4つの課題を「オフィス移転」で解決しようと、プロジェクトチームを立ち上げて、1年5ヶ月かけて移転プロジェクトを進めました。
社員の声を反映し、こだわりを失わない移転プロジェクト
—プロジェクトを進める上で、注力したポイントはありましたか?
社内プロジェクトチームを編成する際には、経営陣以外にも、社員の声を聞きやすくするために、各部署からプロジェクトメンバーを選出しました。また特徴的だと思うのが、PMと内装デザインを担当していただく社外パートナー企業を別々に採用したり、デザインは別でコンペをおこなったりした点ですね。
通常オフィス移転の際は、PMと内装デザインを同じ企業にすることが多いんです。そうなると、例えばPMを担当される家具メーカーさんになった場合、自社製品を内装デザインなどに取り入れることが多く、デザイン性の広がりがなくなることが過去にあったんですね。
今回はかなり手間はかかったのですが、さまざまな企業さんに協力をお願いすることで、「デザイン性」にこだわったオフィスにすることができたと思っております。
—移転プロジェクトの時間がない中で、「デザインへのこだわり」を失わないよう、わざわざ手間をかけられた結果が、このオフィスを生んだのですね。
はい。時間がない中でどうやって実現させるかを考え実行したらこういった形になりました。
—全社アンケートをおこなわれたとのことですが、どんな声があがりましたか?
「人と連携したい」という意見が1番多かったのですが、2番目は「一人で集中したい」という相反する意見があったり、「喫煙所が遠い」、「SoftBankらしさがない」といった意見を聞けたりしました。なんでも言っていいと言った結果、たくさんの意見がでましたね(笑)
さまざまな意見から、コンセプト案を作成しました。その中で、「静・動・調和」というアイデアがありました。どんなものかというと、通常のオフィスであれば、集中するスペース(静)と、コミュニケーションをとったりディスカッションをしたりするスペース(動)を別々に設けるのですが、弊社はそれらを同じフロアで両立させる(調和)ということですね。
他にも、「四季を感じたい」、「自然を取り入れたい」という意見から、「家に帰りたくない」という意見も。これにはみんな「家に問題があるんだろう!」と言っていました(笑)
新オフィスコンセプト「先進と自然の調和」を感じられるオフィス
「先進と自然の調和」というコンセプトをオフィスで表現しています。1,800坪のうち4分の3を壁のないオープンスペースとし、1,000席を効率的に配置するといったことをはじめ、コミュニケーションを取りやすいオープンスペースや休憩の場として、「グリーンベルト」というスペースを執務エリアの外側に作ることで実現しました。
弊社の社員の多くはエンジニアなので、社内にいることが大半です。社内にいながら自然を感じられるように、「グリーンベルト」を取り入れたり、窓を解放して太陽光を浴びたりすることができます。また、執務スペースとグリーンベルトで、意識の変化を促し、業務の効率化にも繋がるようにしています。
—グリーンベルトによって「静」と「動」を同じエリアに両立できるだけでなく、自然を感じることができて一石二鳥ですね。
そうですね。少しでも働きやすい環境にしたかったので。また、アンケートで「イスはどうしてもこだわりたい」という意見もあり、各メーカーさんから2週間ほどイスをお借りし、実際に社員に座ってもらって決めました。
—社員の声がしっかりと反映されていますね。うちもこのイスがいいな。。。
イスといえば、グリーンベルトにもさまざまなイスを用意しています。背の高いアームチェアやロッキングチェアもあるんですよ。お昼の時間になると、みんなものすごい勢いでイスを確保しています。
こちらは「Lake」というエリアです。昼間はMTGにも活用されますが、夜は横になっている社員もいます。
ここは「Forest」というエリアです。「One on One会議」という、社員と上長が1ヶ月に30分ほどコミュニケーションを取る機会があるのですが、その会議で使われていたり、休憩場所としても活用されていたりします。
ここは「Bungalow」というエリアです。いろいろなイスがあり、ランチタイムはとても人気なエリアとなっています。また、他部署とのミーティングにも活用されています。
<会議室>
無駄をできるだけ省く「使用状況の可視化」
—これだけ大規模な設備ですと管理が大変そうですが、何か工夫はされているのですか?
オフィス移転を考えるとき、弊社も「コストカット」という部分は考えなくてはいけない重要なポイントでした。
例えば、「会議室の稼働状況」。会議室が予約されている時間になっても、使われていないといったことがあるかと思います。それを解消するため、実際の使用状況をリアルタイムで確認できるシステムを導入し、会議室の稼働に無駄をなくしました。
他にも「夜間の照明使用状況」や「フロアの湿温度」を可視化し、スマートフォンで照明のON・OFFもできるようにしたり、夜中は自動消灯したりすることにより、消し忘れ防止をしています。
オープンなオフィスのセキュリティ管理
—オフィスセキュリティ賞を受賞されていますが、どのようにセキュリティ管理をされているのですか?
簡単にオフィスのセキュリティを表した図がこちらです。
セキュリティレベルは4レベルで設定してあり、1はエントランス部分で誰でも入れます。2は「来客エリア」で入館カードがないと入れません。3は「執務エリア」で、入退室の際に入館カードが必要で、入退室の管理をリアルタイムでおこなっています。4は「コールセンター」で、お客様の情報を扱っていることもあり、コールセンター業務に関わる社員以外は、社長であっても入れない設定をしています。さらに、ネットワークの監視をおこなうNOCでは、入る際には「生体認証」が必要となっています。
その他にも社内ネットワークは認証された端末しか使えない、FAXやコピー機はICカードをかざさないと使えないなど、さまざまな部分にセキュリティを散りばめています。
—なるほど。NOCは写真しか見せてもらえませんでしたが・・・(笑)社員が不便を感じないようなセキュリティシステムにより、社内と社員を守っているんですね。
さいごに
随所に、「社員の働きやすさ」を高める工夫が散りばめられており、移転後のアンケートで8割以上の社員から「移転してよかった」と言われる、ソフトバンク・テクノロジー株式会社のオフィス。
働きたいと思われるオフィスは、作業の効率化だけでなく、社員の心の充足感を満たすことにもつながり、結果的に離職率や新卒採用にも大きな影響を与えます。オフィス移転での可能性を少しでも感じられた方は、ぜひオフィスの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
賃貸オフィスの仲介なら「三幸エステート」
三幸エステートの特徴
- 年間1,600件に及ぶ豊富なオフィス仲介実績
- 全国10万棟のオフィスビル情報をデータベース化
- 「1社1担当者制」で営業職が長期にわたって担当し、クライアントを知り尽くす
三幸エステートさんではさまざまな企業のオフィスを掲載しており、大手からベンチャー企業までどのようなオフィス環境で働いているのかを知ることができます。
働く人にとって働く環境はなんといっても重要なもの。また企業にとっても、オフィスは企業ブランドに直結するものです。
ぜひ、次回のオフィス移転をする際に、社員の満足度を高めるための手法として、参考にしてみてください!