「フルスタックである必要はない」第二のキャリアとしてのコンサルティング| アクセンチュア株式会社

「フルスタックである必要はない」第二のキャリアとしてのコンサルティング| アクセンチュア株式会社

小田直美

小田直美

「問題解決するのが僕らの仕事」仕事で社会に貢献できたという実感に、すごく興奮した

アクセンチュア様:記事02

― 第二新卒で入社されたあと、2ヶ月間の研修期間があったそうですね。コンサルティング会社の研修ってどのように行われるんですか。

僕が受けた頃の研修はプログラミング、プロジェクト管理、プレゼンテーションの3つのセクションがありました。

プログラミング言語を学びながらシステム設計を理解する内容なのですが、受けていた人の中で僕が一番成績悪くて。もうプライドずたぼろでしたよ(笑)今までずっとIT業界で経験を積んできたのに、ビリなんてすごい悔しくて。

周りの人たちの学習スピードがとにかく速くて。1つのインプットに対して10のアウトプットを出すような、覚えも作業も速くてびっくりしましたね。やっぱりアクセンチュアで採用しているのはすごい優秀な人たちなんだなあと。

― 現場経験がある須田氏でも、能力の差を感じてしまう方たちだったんですね。面接官の「不幸になるよ」って言葉が脳裏をよぎりませんでしたか。

でも、自分のバリューは絶対にあるはずだと信じていました。次のセクションはビジネス寄りで、クライアントにプレゼンするようなものだったので何とか挽回して研修が全て終わったあとの評価は1位でした。

― まさに有言実行ですね。コンサルティング会社はとにかくハードに働いているイメージがありますが、実際に仕事がはじまってからはどうでしたか。

最初は慣れずに時間がかかってしまい大変でした。議事録すらまともに書けなくて、日本語の書き方から勉強しなおしました。次第に慣れてくると、どうやって何をすればいいかコツがわかってくるものなので、初プロジェクトのように苦労することは少なくなりましたね。

前職での経験を活かせるデジタルマーケティングの領域で仕事をしたいとずっと伝えていたら、2つ目でポータルサイトに入っているレコメンドエンジンを実装するプロジェクトに入ることができて。やっと自分のバリューが出せるようになりました。サービスインまであと2ヶ月しかない状態の開発体制を組み直すPMOの仕事だったんです。

― プロジェクト管理とマネジメントは前職のご経験から活かせるスキルが多かったのではないでしょうか。

つらかったのは2ヶ月間の研修期間だけど、大変だったのは開発体制を組み直すPMOの仕事ですね。たった2ヶ月の短い時間で、開発会社含め約150人が関わっている体制を考え直さないといけなくて。現場の人にヒアリングしまくって、依頼を受けてから3日後に新しい体制を提案したんです。そしたら「仕事がすごく早くて助かった」とお客様に喜んでもらえて、大変だったけど楽しくて毎日アドレナリンが出てましたね。

3つ目にやったプロジェクトも本当にエキサイティングでした。2020年に向けたデジタル戦略を考える仕事だったのですが、世界中のアクセンチュアの人たちと連携してWebを使った最先端の放送をヒアリングして、それを7年後の日本の技術でどう実現するかを議論して。ちょうど先日そのテスト配信がはじまって、仕事で社会に貢献できたという実感に、すごく興奮しました。

― コンサルティング会社ならではの経験ですね。働いている中で一番やりがいを感じる瞬間ってどんなときですか。

プロジェクトが終わったあともお客様と関係が続いているときです。プライベートで「釣りに行こうよ!」って連絡もらったりすると、めちゃくちゃうれしいです。仕事の関係が終わってからもリレーションが続いているのは、いい仕事をした結果だと思うので。

― クライアントが抱える問題に真摯に向き合ったからこそですね。須田氏ならではの、クライアントといい関係を保つ秘訣は何でしょうか。

われわれの仕事に求められるのは、思慮深く問題を解決をしていくことです。設定したゴールに至るまでの過程を細かく分析して、どう解決できるのかをしっかり考え抜く。資料1つとっても相手になぜ?と思われないことが重要です。会議での発言だって、お客様のことを考えたうえでの言葉であるべき。結論はこれ、その理由はこれですって、紙1枚で伝わるようにするのが品質の高い仕事で、それが信頼に繋がっていくんです。

フルスタックである必要はない。世界中と協力してシナジーを生み出していけるから

アクセンチュア様:記事01

― 組織改革や企業の垣根を越えたプロジェクトに関わっていると、何かしら得るものが多いのではないでしょうか。

Webの世界にいると、Webでのノウハウしか入ってきません。例えば、マーケティングをやっているとどうしてもコンバージョンやCTRといったマクロな視点になりがちですよね。でも、コンサルティングの仕事は同じWeb業界であっても、マーケティングにおける組織体制や業務定義のような、よりハイレイヤーな観点から問題の解決ができます。

僕個人は社会問題の解決、特に海外の移民問題に投資するのが昔からの目標なので、アクセンチュアで学んでいる問題解決の方法論は今後のキャリアでもさらに活かせると思っています。

― 社会問題への意識は、やはり海外での暮らしが原体験になっているのでしょうか。

海外生活の影響が、やはり大きいと思います。その経験があるがゆえに、子供の頃に住んでいたブラジルや、大学時代に立ち上げたNGOで見ていたマレーシアの貧しい地域を豊かにしたいんですよね。

僕は“地球市民”という言葉が好きで、みんな同じ地球に生まれたのに育った場所でこんなにも生活レベルに差があるのはなぜだろうと疑問をもっていて。

将来はそうした地域に投資して、いかに社会環境を中和していけるか。そういったことに挑戦したいと考えています。

― そのような社会投資が国際社会の発展に貢献することは、企業へのコンサルティングが経済発展に繋がっていく部分と通じるように感じます。

そうですね。直面している問題に対してどんな方法で解決するべきなのか。これを自分の頭で考えて行動に移せる人がコンサルティングの仕事に合っているし、そういったメンバーがアクセンチュアには多くいます。あと最近はWebの技術経験をもった人が増えてきていると感じます。

― コンサルティング会社への転職は、他の業種からすると敷居の高さを感じます。新卒以外は育ててくれないんじゃないかなと。

アクセンチュアは、自分がどういうキャリアを築いていきたいのか、明確にもっている人にはその希望を叶えようと最大限にサポートしてくれる懐の広さや仕組みが整っています。全てに長けている必要はありません。いろんな特技をもった人が専門家チームとして世界中にいるので、自分に足りないところがあっても一緒にシナジーを生み出していける。

― なるほど。つまり自分一人が何でもできる、フルスタックな人である必要はないということでしょうか。

そうです。僕自身、誰かがいないと何もできない人間です。自分がもっていないものをもっている人たちがたくさんいるなら、その人たちと協力し合ってやればいいだけのことなので。

それよりも何か1つに秀でていたり、やりたいことが明確にある人のほうがいいと考えます。弊社ではよく「尖った人、エッジが効いた人」と表現しますが、そういう人にとっては自分のやりたいことは何でもできちゃう環境です。

― 中途で転職したい方には心強い言葉ですね。最後になりますがどういう人と一緒に働きたいか、メッセージをいただけますか。

僕は能動的な人が大好きです。現状を見える化して解決策を出すことにモチベーションを感じる人ならば、自分が本当にやりたいことに向かっていける幸せな第二のキャリアを歩めると思います。

インタビューを終えて

Webからコンサルティングへとキャリアチェンジをした須田氏。現場主義のベンチャー企業で得た経験を最大限に活かし、さらにその先に描く自分の夢へチャレンジしつづける姿勢から、クライアントも社員も次のステージへと押し上げるアクセンチュアの強靭な組織の力を感じました。

強みを一度手放して、さらに一段上の強みを手に入れる。そんなエッヂの効いた人材が未来のグローバル市場で活躍していくのでしょう。


furture_bnr

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「エンジニアに萌えるお姉さん」として年間3,000人が訪れるテック系イベントスペースを運営し、企業のファンづくりを務めた。2015年からフリーランス編集者。IT・Web系企業のPR・採用事情を取材している。

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