「破壊的イノベーションを起こす」成功体験を捨てたkintoneのグローバル戦略 | サイボウズ

「破壊的イノベーションを起こす」成功体験を捨てたkintoneのグローバル戦略 | サイボウズ

小田直美

小田直美

「過去の栄光は、未来のチャレンジの阻害要因になる」世界中のチームワークを良くしたいと本気で思っている

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サイボウズのグローバル戦略は、採用や教育にも取り入れられています。そして「無理に自分を変えるのではなく、遊び心で世界を知ろうとすることが、真のグローバル化に繋がる」と語る青山氏。

青山
違う文化や考え方を受け入れようとすると「自分を変えないといけない」ってプレッシャーになるときがあります。でも、自分自身を変える必要はありません。大切なのは、好奇心をもつことです。

「ああ、おもしろいじゃん。こういう世界もあるんだ」みたいな。そう思えば、だんだん楽しくなって、どんどん新しいことを知ろうとするようになります。

では、今後ITの世界で求められるグローバル人材とは、一体どのようなものなのでしょうか。

青山
グローバル人材とは「アメリカで流行っているものがいい」ということではありません。アメリカ市場、日本市場、中国市場などグローバル市場を深く知り、常に強い好奇心をもって現場に入って観察し、勉強と探求ができる能力が求められていると思います。

これを実現するには、オープンマインドでいることですね。オープンマインドでいるためには、過去の成功体験を捨てたほうがいい。

我々の場合だと「日本国内で、こういうふうなデザインはうまくいった」っていう過去の栄光は、あんまりよろしくない。そういう根拠のない自信をもち続けると、自分たちの次のチャレンジの阻害要因になってしまうことがあるから。

このようなマインドセットに加えて、近年のサイボウズはデザイナーやエンジニアはグローバルスタンダードな知識を身に付けようとしています。そのため、社内の開発チームは、言葉の壁を超えるロジカルな思考力を鍛えるようにしているそうです。

青山
センスはセンスで大事だけど、もっと重要なのは深いレイヤーの考え方ですよね。「僕は、この赤が好き/嫌い」ってレベルの話ではなくて。

例えば、食品を紹介するのであれば、暖色系を使ったほうが食欲が増しますよね。そういったカラーや配置のロジックを組んで、考えられるデザイナーが求められると思います。あとはハングリー精神です。デザインの傾向は、日進月歩で変わっていくので。

グローバルで戦える開発力と人材を備えたサイボウズは、今後どのように私たちのチームワークを変えていくのでしょうか。

青山
サイボウズの製品は、チームワークを醸成するためのものです。“チームあるところにサイボウズあり”っていう理念があるんですけど、これは弊社の製品がいろんなチームに取り入れられることで、“チームワークを良くしたい”って本気で思っているからなんです。

グローバルに挑戦していくことは、代表の青野の夢です。そして、僕の夢とも一致している。世界で一番使われるグループウェアのメーカーになるため、一生懸命がんばっていきたいです。

国際色豊かで華やかなイメージとは異なり、サイボウズのグローバル戦略は、国内トップシェアの経験を全て捨て去るゼロからのスタートでした。

「最大の敵は己」という言葉があるように、自らの既成概念と戦うことで新しさを手に入れてきたサイボウズ。“チームワークを良くしたい”という想いは、国境を超えて世界中のチームに届いていくことでしょう。


furture_bnr

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「エンジニアに萌えるお姉さん」として年間3,000人が訪れるテック系イベントスペースを運営し、企業のファンづくりを務めた。2015年からフリーランス編集者。IT・Web系企業のPR・採用事情を取材している。

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