「脱いだら家族になれた」写真家ヨシダナギがアフリカの裸族を撮り続ける理由

「脱いだら家族になれた」写真家ヨシダナギがアフリカの裸族を撮り続ける理由

ナッツ

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「ワンシャッター2,000円」いい写真を撮るためには仲良くならないといけない

アフリカで裸族を撮り続ける写真家ヨシダナギさん

— それから裸族を撮影することになりますが、そう簡単に写真を撮らせてもらえるものなのですか?

スナップ程度の写真を数枚撮るのはぜんぜん問題ないです。彼らにとっては、それがビジネスなので。
謝礼は民族によって違うのですが、一番高かったのは1回の撮影でひとりにつき2,000円。ワンシャッターで2,000円です。名前も分からない部族で、方言を理解できる通訳もいなくて、ただ「ワンシャッター2,000円」というのだけが分かりました(笑)
でも、そんなんじゃ良い写真は撮れなかった。

 

少数民族-ヨシダナギ

 

— コミュニケーションをとって表情を引き出す、といったことが難しそうですね。

そう、ビジネスライクな対応をされて悔しかったのを覚えてます。しかも彼らは白人に侵略されていた歴史的背景もあって、日本人にしてもアジア人にしても、自分たちよりも肌が白い人たちが嫌いなんですよね。だから好意的ではないんです、「どうせお前たちも見下してるんだろ」という感じで。カメラを向けてもぜんぜん笑わないし、数枚撮ったら「さっさと帰れよ」ってやられる。
初めてのアフリカのときは、彼らのいい写真を撮るというのは簡単じゃないなと感じました。

— それで服を脱いだ?

英語が話せなかったこともあり、最初の2回までは「脱ぐ」ということができませんでした。だけど、小さい頃から「相手と同じ格好になれば絶対仲良くなれる」と思っていて。
3回目のアフリカのときには「脱ぎたい」と伝えて、現地のガイドたちの反対も押し切って脱いだんです。そしたら、やっぱり仲良くなれた。しかも、家族として受け入れてくれたんです。撮影も1日だろうが2日だろうが付き合ってもらえるようになって。
もちろん白人とは思われているんです。だけど「白人もここまでオレたちの文化を受け入れて、こいつはここまでオレたちのことが好きなんだ」と思ってもらえることで、家族として見てもらえるようになりましたね。

 

ヨシダナギ

ヨシダナギ

 

— 初めて脱いだときは抵抗はありましたか?

もちろん日本人の前で脱げって言われたら脱がないですよ(笑)
だけど裸族にとっては裸でいることが正装なわけで、彼らの前で私も裸でいることはイヤラシいことでも何でもない。そういう意味では抵抗はなかったです。
ただ、ガイドとかはいろいろな知識もあるし、彼らは服を着ることを選んでいるわけで、やっぱりイヤラシい目で見てくるんですね。エッチなことをささやいてきたり。それは不愉快でした(笑)

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北海道生まれ、ナッツです。文章書いたり、写真撮ったり、撮られたりしています。好きな映画監督はウディ・アレン。がんばります。■ 個人ブログもやってます。

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