数十年後には裸族の文化がなくなってしまう
— ナギさんはなぜ裸族を撮り続けるのですか?
私は裸族の人たちがすごくカッコいい、文化やスタイルが凛としていて素敵だと思っているからです。だけど裸族はいまどんどん減っていってる。裸の集落で生まれても、観光客を見たり他の部族が服を着たりしているのを見て「自分たちと違う」ということに恥ずかしさを感じてしまってるんですね。
— 何度かアフリカへ行かれてますが、その間にも裸族は減っていましたか?
そうですね、一番裸族が多いのがエチオピアなのですが、他の国含めても私が知っている限り、アフリカには8部族しかいません。いまはビジネス裸族もいて、観光客がきたときだけ服を脱ぐみたいな。
実際、2009年に初めてエチオピアに行ったときはたくさん裸族がいたんです。だけどこの前行ったときは一部の民族がブラジャーをつけてたんですよ。逆にイヤラシくて。「あっ、こうやって裸族の人たちはいなくなっていくんだな」って感じました。
— いつか裸族の写真を撮れなくなるかもしれないと。
もちろん裸族の住むエリアが西洋化されて、裸族が減っていくのは仕方がないことだと思っています。だからこそ、いま写真に収めておかないといけないし、彼らのカッコ良さを世界中に発信できたら、自分たちの文化をいいと思ってくれる人がたくさんいるんだと知ってもらえたら、彼らも裸族の文化を守り続けてくれるんじゃないかなと思っています。
距離は遠くても興味の対象としてアフリカと日本を近づけたい
— フォトグラファーとして、写真で伝えたいことはありますか?
日本人含めて多くの人は「アフリカは貧しい人たちが多い場所」と思っているんですよね。だけど実際にアフリカ人の彼らと話すと、たぶん8割はそんなこと思っていません。「お金はないよ、だからなんなの?」と。
よく彼らに訴えられるのは、「十分私たちは幸せなのに、なんで不幸な目で見られているのか分からない。なんでネガティブなことばかり思っているの?」ということ。
それが彼らの不満であり、私の不満でもあるんですね。写真を見てもらえば彼らが貧しい感じはしないし、恐いところでもない。
— たしかにナギさんの写真を見ていると彼らが不幸だとは見えないですね。
「アフリカ」と言われても、一般の人は漠然としてるんですよね。情報も入ってきませんから。
距離は遠くても、興味の対象としてもっと身近にあってもいいんじゃないかなって。私の作品を通じて、アフリカと日本、そして世界が近くなったらいいし、そのお手伝いができたらいいですね。
— 最後にナギさんの今後の展望を教えてください。
達成したいこととか、大きな賞を取りたいとか、あまりないんですよね(笑)
ただ、アフリカのことを面白く伝えられる日本人というのはそういないと思うので、いま私ができることを積極的にやっていきたい。
そして、ひとりでも多くの人に(作品を)見てもらえたら嬉しいですし、少しでも多くの人にアフリカ人のことを伝えられたらいいなと思っています。
おわりに:ヨシダナギさんがLIGのCriAge事業にジョインします
アフリカでの撮影はそう簡単なものではない
「アフリカに興味を持ってなくて、アフリカへ行っていなかったら、私はたぶん今でもひきこもって家でパソコンをカチカチやっているだけだった」
そんなヨシダナギさんの人生を大きく変えたアフリカという国。だからこそ、彼女はアフリカに恩返しがしたいと語ります。
一方で、アフリカでの撮影はそう簡単なものでもありません。安くても40万円、高いと100万円はかかってしまう渡航費や、現地でのローカルガイドやドライバーなど、多額の費用がかかってしまいます。そのため、アフリカへ行けるのは年に1〜2回が限度となってしまい、もっと撮影をしたいと思ってもできないのが現実です。
そこでLIGとして何かお手伝いできないかと考え、このたびアーティスト支援事業『CriAge』(クリアゲ)を立ち上げました。
『CriAge』(クリアゲ)とは?
この世界には才能が満ちあふれています。ただ、残念ながら、その多くが適切なカタチでは知られていません。この世界へ才能をちゃんと知らしめたい。そんな想いでLIGのアーティスト支援事業『CriAge(クリアゲ)』は始まりました。
わたしたちは「Criticalな(批評眼のある)Agency」として、有望なアーティストをシビアに見い出し、彼らのクリエイティブをワンランクあげること、世界へ飛び出すタイミングをくりあげる(早める)ことをお約束します。そして、世の中にCritical Hitを与えて変えていけるAgencyを目指していきます。
鋭い才能と熱い情熱を秘めているにも関わらず、「認知度がなかなか上がらない」「マネタイズに苦戦している」などのお悩みを抱えるアーティストのみなさんが、アーティストとしての活動に打ち込めるように。わたしたちが、LIGのメディア力を駆使してアーティスト活動の情報発信体制を整えるとともに、素晴らしい才能に見合った収益基盤の構築をお手伝いいたします。
第一弾所属アーティストは下記の3名です。
ヨシダナギ / フォトグラファー
1986年生まれのフォトグラファー。独学で写真を学び、2009年より単身でアフリカに渡り、幼少期からの憧れであった彼らの写真を撮りはじめる。アフリカの裸族と共に裸になったことが注目を集め、またその奔放な生き方と写真が評価され、多数メディアで紹介。
公式HP:http://nagi-yoshida.com/
お仕事のご依頼はコチラから:https://liginc.co.jp/contact/criage/
作品の購入はコチラから:http://ec-liginc.com/
【告知】10月3日にヨシダナギさんのトークショーが開催されます!
http://peatix.com/event/113035
カレーまん / ラッパー
下北沢を中心に活動するラッパー。高校時代に先輩のフリースタイルラップ(即興)を生で見て衝撃を受け、バンドマンからラッパーに転身。「聞いてくれる人に元気を届けたい」という想いのもと、老若男女に笑いと感動を届けている。LIG企画の「ベベ旅」ではテーマソング制作に参画。
カレーまん出演イベント:http://curryfes.pw/
6-dim+(ロクディム)/ 即興芝居ユニット
「この瞬間を一緒に笑おう。」をキーワードに、観客と一緒に「今、ここ」を「つくり」「たのしみ」「共感・体験・大笑い」する即興芝居×即興コメディを中心に活動中。日本各地を巡りながら、劇場のみならずカフェ・神社・学校など、いつもの場所をあっという間に『笑いあふれるコメディ空間』へ変える公演を行っている。
NHK「スマイルキャラバン」に出演し、気仙沼(宮城)と陸前高田(岩手)でおこなった公演とワークショップの模様が、NHK総合「明日へ 1min.」「被災地に即興で笑いを」「明日へ―支えあおう ~ 証言記録 岩手大船渡市」にて放送された。
また、即興芝居のアプローチが注目され、「コミュニケーション力」「発想力」「チームビルディング」などをテーマとしたワークショップや研修を企業や教育機関などでおこなっている。
公式HP:http://6dim.com/
CriAge(クリアゲ)の公式サイトも近日公開予定。所属アーティストも続々と増えています。ぜひ一緒に「ケタ違いの世界」を見にいきましょう!