こんにちは!学生時代に一度「犯人」というあだ名をつけられたことがあります。メディア事業部のきょうへいです。
さて、今回は、これまで背景ジャックとバナーなどの広告をLIGブログに掲載してきた結果をまとめてみようと思います。
LIGサイトは他社様の広告を堂々と掲載する、他に類を見ないコーポレートサイトです。
その収益化に関するところまでをお伝えするので、ひとつのビジネスモデルとして参考にしていただければ幸いです。
では、はじめます。
どうしてコーポレートサイトに広告を掲載しているのか
本題に入る前に、そもそも、どうしてLIGはコーポレートサイトに他社の広告を掲載しているのか、その広告をどのように運営しているのかについて説明します。
まず、LIGサイトは一般的なコーポレートサイトとは大きく違う部分があります。
それは、トップページにブログ記事を表示し、平日はそれを毎日更新する、メディアとしての役割を果たしている点です。
本来、コーポレートサイトをメディア化した目的は、おもしろいことをしてみんなを喜ばせたい、ついでに「仕事の依頼」や「採用の応募」が増えればいいな、ということでした。
しかし、その結果としてLIGブログが100万PVを越え、盛り上がりを見せ始めた頃に、このままメディアとして収益を上げることもできるのではないか、というアイディアが浮かびました。
こうして、日本初(たぶん)の新しい試みにチャレンジするために、コーポレートサイト内に広告枠を設置することになった、という経緯です。
おかげさまでPVも順調に上がり、2014年3月時点では約233万PV。サイトリニューアルから約1年ということで、振り返りにはちょうどいい時期になりました。
LIGが運用している広告枠の種類
さて、LIGが運用する広告枠は大きく「背景ジャック」と「バナー広告」の2つです。
それぞれのプランについて、まずは約1年間の運用の成果をご紹介していきます。
背景ジャックについて
冒頭でも触れましたが、LIGサイトでは広告枠として「背景ジャック」プランを運用しています。
- 背景ジャックとは
- LIGサイトのほぼ全ページの背景をジャックする広告プランです。上の図のうち、赤で囲まれた部分に、スポンサー様の広告を掲載させていただきます。
他社様の宣伝で自社コーポレートサイトの背景をジャックし、「“えっ、これLIGブログ?”と疑われる」ことを目的とする、エッジの効いたこちらの広告。
そもそもは、メディア事業部が業務上、毎日眺めるハメになる自社サイトの背景が「ずっと同じで飽きた」という、しょうもない理由から生まれた企画でもあります。
全く売れない時期が長らく続き、その穴をとりあえず埋めるため、“表に出るのが嫌なメンバー”を無理矢理登場させていたこともありました。
例:弊社最高技術責任者であるはずのづやさん(「2013年6月より、”表に出るのが嫌なメンバー”を背景画像として使用します。」より)
しかし、現在の売れ行きは順調で、最近は広告として良好な成績を収めています。
以下にスポンサー様から掲載許可を頂いた2例の具体的な数値をご紹介します。
■ パソナテック様
表示回数 | 541,783回 |
---|---|
クリック数 | 4,721回 |
クリック率 | 0.86% |
クリック単価 | ¥42 |
■ TRIP
表示回数 | 644,264回 |
---|---|
クリック数 | 8,285回 |
クリック率 | 1.27% |
クリック単価 | ¥24 |
このように、インプレッション数は約50万回以上、クリック数は約5000〜8000回と、かなり優秀です。PVの増加に伴い、この数字は現在も伸びています。
弊社としても、後述するバナー広告よりもクリエイティブのサイズが大きく、様々な表現に挑戦できるので、毎回かなり楽しみながら制作している面があります。
バナー広告について
次に、バナー広告の説明です。この記事にもあちこちにバナー広告が表示されています。
LIGの理念を反映し、ただ設置するだけでなく「見ていて“わくわく”する」ことを目標にしたバナー広告には、下の図のようにさらにA〜Dの4つの広告枠があります。
ちなみに、これらは以下のようなポリシーで運営されています。
- 効果測定し、よりクリック率の高いバナーをご提案します
- Facebook、twitterで広告主様の事業を宣伝します
- バナーの数値を公開することで、コンテンツ化します
では、それぞれの枠について実際のクリエイティブを参照しつつ、簡単に紹介していきましょう。
■ A枠
ページの左カラムに表示されるバナーです。アクセスする度に、12個のバナーの中からランダムに6個が表示されます。
サイズは幅145px、高さ145px。表示対象デバイスはPCのみになります。
そして、直近3ヶ月のA枠の平均表示回数と、平均クリック率は、
- 平均表示回数 700,000回
- 平均クリック率 0.15% – 0.25%
という結果になりました。
サイズが小さく、スマホ表示されないA枠ですが、平均表示回数は約700,000、クリック率もB枠と同じ程度ということで、クリック単価が低く、お手頃な印象です。
情報量が少ないことについては、ロゴ、コピー、画像について常にABテストを繰り返し、クリック率を検証しています。
1年運営した結果、総じて業務系の広告と相性が良かったです。
■ B枠
ページの左カラムに表示されるバナーです。アクセスする度に、9個のバナーの中からランダムに3個が表示されます。
大きさは幅300px、高さ250px。スマートフォンではトップページ・記事詳細ページそれぞれ2ヶ所ずつ表示されています。
そして、B枠の平均表示回数と、平均クリック率は、
- 平均表示回数 800,000回
- 平均クリック率 0.15% – 0.25%
という結果に。
B枠はA枠よりも大きいサイズのバナーなので、長めの文言を入れることができます。そのため、ユーザーに自社製品やサービス内容の詳細に伝えることが可能です。
記事を読んでいる最中も、左カラムからバナーがチラチラと目に入るため、広告効果が高いと考えられます。
加えて、スマホでの表示回数が多くなるため、スマホユーザーへのブランディングに最適です。サービス・アプリケーション紹介系とも相性が良いことが考えられます。
■ C枠
記事ページの上下部分に表示(つまり記事内に挿入)される大きいバナーです。アクセスする度に、6個のバナーの中からランダムに2個が表示されます。
大きさは幅655px、幅250pxです。こちらもスマートフォンではトップページ・記事詳細ページそれぞれ2ヶ所ずつ表示されています。
そして、C枠の平均表示回数と、平均クリック率は、
- 平均表示回数 600,000回
- 平均クリック率 0.2% – 0.3%
という結果に。
C枠は記事内に大きく表示されるため、意識的に目を引くデザインを心がけています。記事中の画像と間違えられることも多々あるほど、コンテンツとの親和性が高いバナーです。
横幅が広いので、長めの文言や、インパクトのある画像を使用することが可能です。わりとなんでもできるので、お気軽にご相談ください。実績的にはキャンペーン・ツール紹介系とも愛称が良いようです。
また、記事がバズった時に最初に目つくのはこのバナーです。
■ D枠
さて、こちらが通称うざいバナー。「ページTOPに戻る」に実装され、動くボタンをクリックできたときだけ広告元のURLにジャンプできる、という特殊なバナーです。
全枠中最高のクリック難易度を誇る、ゲーム感覚のふざけたバナーとなっており、関係者すら押せそうで押せずにイライラさせられます。
しかしながら、D枠の平均表示回数と、平均クリック率は、
- 平均表示回数 35,000回
- 平均クリック率 5.5%
と、平均的なクリック率が5%を超える驚異の広告枠です。
さて、こちらのD枠ですが、売れていません。せっかく5%以上のクリック率があるのに…!
まあ、遊びでクリックしている人が多いことは想像に難くないので、どこまでコンバージョンに至るかが特に不透明ですから、いたしかたないこととは思われます。
ただ、このまま前広報担当ジェイの引退記事を宣伝しつづけるのもアレなので、冒険心のあるスポンサー様をお待ちしています。
収益化とデザインの兼ね合い
前述した通り「メディアとして収益を上げる」ことを目標にスタートした企画ではありますが、実際に運用してみると、ウェブ制作会社のコーポレートサイトであるがゆえに、収益化を最優先にすることが望ましくないケースが多々ありました。
具体的には、たとえば現状で200万PVを超えるメディアであれば、すべての広告枠をアドセンスにしてしまうことで、弊社側のデザインなどのコストを0にして、かなりの広告収入が見込めるでしょう。
しかし、僕たちはウェブ制作会社ですので、「LIGサイトに掲載されるものは、なるべく自分たちの手で、納得いくまでデザインしたい」という想いがあります。アドセンスよりも純広告を優先しているのはそのような理由からです。
そうすると、枠が売れたり売れなかったりの影響が大きく、また、そもそもアドセンスよりも割安な価格設定となっているため、必然的にコストパフォーマンスは低くなります。
それでも、掲載する広告はなるべくLIGなりのクリエイティブを制作したい、というのが僕たちのポリシーです。
まとめ
とはいえ、広告を掲載しすぎると、ただでさえコーポレートサイトであることがわかりにくいLIGサイトが、本当にどこのサイトかわからないものになってしまうので、そのバランスは日々模索しています。
でも、こんな風に広告についてさまざまなことを考えられるようになったのは、やはりメディアとしてLIGブログが成長したからだろうなあ、と思うと嬉しい今日この頃です。
それではまた!
ちなみに。
LIGでは、外部のメディアでもコンテンツを制作しています。
企画からのコンテンツ制作や検索意図(SEO)からのコンテンツ制作など、メディアや企業の課題によって適切なコンテンツをご提案しています。
コンテンツ制作でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。