3. 写すべきものはしっかり写し、気になるものは写さない
写すべきものがしっかり写っていないと、その部分がどうしても気になってしまいます。
また、Photoshopであとから修正できる場合もありますが余計なものは最初から写さないようにしておくのが一番です。
こちらの写真では、背景のスカイツリーが途中で切れてしまっているのが(目立つ建物ということもあって)気になります。また、看板の文字が入ってしまっているのも少し残念です。被写体の立ち位置を動かすことで、隠すことができたのではないでしょうか。
この場合は被写体の後ろの人物の大きさが一番気になります。この大きさでは何か意味のある人物のように見えてしまうからです。
他にもキムチや通行人など、“細かいけど目についてしまう”という要素が多く、テーマがぼやけているように感じてしまいます。
こちらの写真は、全体の色味とあわせ無機質な雰囲気と無表情な被写体がマッチしている良い写真だと思います。しかし、帽子のロゴや襟など細かい点に注意すればもっと良い写真になっていたのではないでしょうか。
こちらは室外機のラインが消失点を作っており、写真に奥行きをもたらしています。中心の被写体に視線が集まる構図となっている良い写真だと思います。
しかし、カメラマンがもう少し右によって撮影をしていれば、右の柱がフレームから消え、さらなる開放感を生むことができたでしょう。また、室外機のラインも、もう少し平行にすることができそうですね。
動かせるものは動かす、被写体の服装などは整える、余計なものが写らないようにカメラマンのほうが移動するなどは撮影時の基本です。
そのようなちょっとした気遣いの積み重ねにより、写真の仕上がりに大きな差が生まれます。
4. 光と影に気を遣う
屋外で写真を撮るときに注意したいのは、光の強さと光によって生まれる影の存在です。
このように、被写体の顔に直接光が当たるとテカリが発生し、皮脂や汗をイメージさせてしまうケースがあります。また、角度によっては顔に大きな影ができてしまう点も注意が必要です。
こちらの写真では、建物の影が全体的に気になってしまいます。被写体にも少し掛かっていますが、これは撮影場所を移動すれば改善できたのではないでしょうか。
こちらは、構図やシチュエーションがユニークでいいと思うのですが、カメラマンの影や停車中のバイクの影が少し気になります。また、太陽の光が被写体の顔にまっすぐ当たり過ぎており、少し“のっぺり”とした印象の写真になっています。
夕陽をバックに撮影する
光と影による効果を狙った撮影で代表的なテクニックの1つが、夕陽をバックに撮影するという方法です。
夕陽をバックに逆光で撮影すると、なんだか被写体も格好良くみえますね。
逆光のときにカメラのフラッシュを被写体に当てながら撮影する「シンクロ」という方法があります。この方法で撮影すると、夜景などの暗い背景を写しながら、被写体もしっかりと写すことができます。
ただし、被写体に強い光を当てすぎると不自然な写真になるので、デフューザー(フラッシュの光を拡散させる装置)をつけるなどで光を弱める工夫をするといいでしょう。
5. カメラの角度を変える
同じ被写体でも、カメラの角度を変えるだけで全く雰囲気の違う写真を撮ることができます。正面から撮影するだけではなく、いろいろと試してみましょう。
こちらのように、高低差を利用して撮影をすることで面白い写真になります。角度をつけて撮影ができると、表現の幅が広がります。
バストアップで撮る場合も、上からのアングル、下からのアングル、いろいろと試して被写体の魅力を引き出しましょう。
女性の場合は斜め上からのアングルで撮影するのが特に良いと言われています。自然と上目遣いになって黒目の中の光が強調されること、アゴや頬が隠れて小顔に見えることが理由です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
屋外での写真撮影は、背景に予期せぬものが写り込んだり天候によって色合いが全く違うものになったりと、いろいろ予想外なことが起こります。しかしそれゆえに、さまざまな表現に挑戦ができるということでもあります。
また、写真の良し悪しは“見る側の感性”によっても左右されるものです。ちょっとした失敗も、見る人によっては写真のアクセントとして魅力的に思える場合もあります。だからこそ、背景やシチュエーション、被写体の表情など細部までこだわり「しっかりと考えられた写真撮影」をするように心掛けましょう。
今回紹介したような基本的なことを理解した上で、自由に楽しく、そしてたくさん撮影することが上達への近道です。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回は屋外よりも少し難易度が高くなる「屋内ポートレート」の撮影方法について紹介したいと思います。
それでは、また。
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