皆さんこんにちは、メディア事業部のそめひこです。
ビジネスでは欠かせない報連相。目的や重要性が理解できていない人は案外多いのではないでしょうか。報連相が原因で個人としての評価、チーム・会社としてのパフォーマンスを下げているかもしれません。
今回は報連相の目的や重要性、報連相を徹底するための方法について紹介します。報連相を行う理由がわからない人、どうすれば報連相を徹底できるのか知りた人はぜひ参考にしてください。
目次
そもそも報連相とは
報連相は「報告・連絡・相談」の略称です。それぞれを個別に紹介すると下記になります。
報告
報告とは、上司からの指示や指令に対して、部下が経過や結果を知らせることです。報告するのは、部下から上司へ、あるいは後輩から先輩へ、という流れになります。
ex.上司からの書類作成の依頼について、進捗を報告する。
連絡
連絡とは、簡単な情報を関係者に知らせることです。そこには自分の意見や憶測は入りません。また、上司や部下に関わらず、誰もが発信側にも受信側にもなります。総務や人事から全社に向けての連絡やプロジェクトリーダーからメンバーに向けた連絡など、様々な連絡があります。
ex.週末の社内歓迎会の時間と場所を連絡する。
相談
相談とは、判断に迷うときや意見を聞いてもらいたい時などに上司や先輩、同僚に参考意見を聞き、アドバイスをもらうことです。
ex.プロジェクトがうまく進んでいないので、どうしたらいいかを上司に相談する。
報連相の目的
- 報連相の目的
- 情報の共有
報連相の目的は情報の共有です。報告は経過や結果を知らせることから過去の情報の共有、連絡は何か変化が起こったときに行うことから変化の共有、相談は迷っているときや意見を聞いてもらいたいときなど問題が発生したときに行うことから問題の共有が目的です。
それぞれの目的を理解したところで、なぜ報連相が重要なのかを次に解説します。
報連相の重要性
報連相は何故重要なのでしょうか。まず下記にて報告・連絡・相談に問題があった場合に生じるマイナスに働く事柄を紹介します。
報告をしていないと起こること
- 上司に指示された業務の進捗を報告していない⇒上司が不安に陥り、管理コストがかかる
- クレームが発生したけれども、報告をしていない⇒上司の責任が増える、被害を最小限に抑えられない
- プロジェクト進行に変更があったが、変更点を報告していない⇒何かあったときに上司が対応ができない
連絡をしていないと起こること
- 打合せ時間を当日になって連絡した⇒当日のタスクを各人がコントロールできない
- 遅刻してしまった際に事前連絡をしていない⇒不安になる、相手の時間を削ってしまう
- プロジェクトに変更点があったが、連絡していない⇒ズレが生じ、後々に手直しが必要になってくる
相談をしていないと起こること
- わからないことがあったが相談せず勝手に業務を進めた⇒業務やり直しの可能性
- 誰にも相談せずに一人で複数人が関わるプロジェクトを進めた⇒クオリティの低下
- 目標が達成しなさそうだったが、相談せずに進み目標が未達成だった⇒上司の責任問題へ発展
報連相を怠ると様々な損失が発生する
上記説明した通り、報連相がきちんとできていないだけでも多々チーム・会社にとっての様々な損失が生じてきます。その損失は個人評価の低下だけではなく、チーム・会社のパフォーマンスを低下させる要因でもあります。
また、何事にもサイクルがあるように、報連相ができていないことから生じたリスクにより、チーム・会社内で重たい雰囲気が生じ、それがより一層報連相がしにくい空気を作り、どんどんパフォーマンスを低下させていく……ということも考えられます。
報連相が重要な理由は様々あると思いますが、まず第一に言えることはそれができていないだけで「損失」が生じてしまうということです。その損失を生じさせないということだけでも、報連相が重要だと言えないでしょうか。
報連相の重要ポイント
それではもう少し、報告・連絡・相談について詳しく見ていきます。それぞれ行う上でどこがポイントなのかを明確にします。
「報告」はタイミングと方法を押さえることが重要!
プロジェクトや依頼されたものに対して報告する際、まずはタイミングを抑えるのが重要です。下記報告のタイミングを箇条書きにしてみました。
タイミング
- 指示された仕事が終わったとき
- 長期の仕事の進行状況の中間報告
- 仕事の進め方に変更が必要なとき
- 新しい情報を入手したとき
- 仕事に対する新しい改善方法を見つけたとき
- ミスをしたとき
大事なのは、相手を不安にさせないことです。これはクライアントワークにも言えることですが、指示された、委託された業務に関して適切なタイミングで報告ができていないと、相手は不安に陥ります。できることなら不安を感じさせない相手と誰もが仕事をしたいものです。
尊敬する先輩方は報告が上手で、基本的に相手を不安にさせません。それの積み重ねで信頼を得ているとも言えます。
まずは報告を行う際には、「タイミング」を押さえます。
報告の方法
- 報告の方法
-
- 口頭ベース
- 記述ベース
報告の方法に関しては、2つが考えられます。先ほどのタイミングにも関わることではありますが、報告内容によっても変えていきます。
口頭ベース
急ぎの場合は、口頭で簡潔に行います。まずは、結論から、経過や状況・原因は、結論を報告してから述べます。そして事実を伝えます。また個人的な意見「思った」「感じた」という報告は、上司に誤った判断をさせる原因になりますので、避けるか、事前に「これは個人の感想ですが」と一言添えます。
意見を求められた時は「私の意見といたしましては」「私は○○のように感じました」など、それが個人の意見であり推測であることをはっきりさせます。
記述ベース
内容が複雑な場合や、グラフや図式を用いたほうが分かりやすい場合は、記述報告をします。時間・数量などを明確に。例えば、「いつまでに、何割位終了予定」などの数値も良いです。
メールでの報告は、必ず相手に読んでもらえるように工夫を。例えば、送信済みメールを印刷し、相手の机の上に置くのも良いです。相手の仕事の仕方、スケジュールを把握しながら、報告方法を考えます。
「連絡」はできる限り簡潔に、用途によって手段を変える!
連絡の手段は、対象・内容・緊急度・重要度によって異なるため、意思の疎通を図るには次に挙げる内容により使い分けると良いです。
- 簡単なもの、急を要するもの
- 口頭・電話・ファックス等で必要なことを素早く連絡
- 多数の者に知らせるもの
- 朝礼や終礼、会議等の人が集まるときを利用するか、掲示や放送、社内報などを利用
- 文書によるもの
-
- 数字を伴うもの
- 方針に関するもの
- 重要なもの
- 複雑なものは、回覧や通達、稟議の形にする
- 記録を残す必要があるもの(対外文書や会議議事録等)
- 伝言だけでは、間違いが起こる恐れがあるもの
- 所定の様式が決められているもの
- 制度化されているもの(定例報告や日報等)
- グラフや図表等を示す必要があるとき
連絡に関しては上記3つを基本にして使い分けて行えるようにします。
「相談」は、伝える情報に最善の注意を払う!
- 良いアドバイスをもらうために伝えること
-
- 相談したい事柄の現状
- 相談したい事柄の目指しているところ
- 相談する前にすでにやったこと、それをやった後に目指している状態にならなかった理由
アドバイスをもらうために、相談する。せっかくなら、良いアドバイスをもらいたいものです。
「上司がなかなか良いアドバイスをくれないから、結果がついてこない」
そういう声を聞いたことがあります。ただ、きちんと正しいアドバイスをもらうためには”伝える情報”にこだわらないといけません。
良いアドバイスをもらうためには、相談相手に伝える情報と、その伝え方に注意する必要があります。伝える情報が足りなかったり、伝え方が悪かったりすると、相談相手を困らせてしまいます。これではなかなかいいアドバイスがもらえません。
例えば、「Aさんから任されているプロジェクトがうまくいかなくて困っています」と相談したところで、相手は
「何でうまくいかないの?」
「俺にどういうアドバイスがほしいの?」
「そのプロジェクトってどんなプロジェクトなの?」
となってしまいます。
この段階で相談を受けた側は、「Aさんより任されているプロジェクトがうまくいかなくて困っています」という言葉から憶測で何かしらの返答をするしかないのです。
このように、相談するときに自分の持っている情報を全て伝えないと、相談相手に余計な手間をかけさせたり、無駄なアドバイスをさせたりして、良いアドバイスはなかなかもらえません。 また、自分の持っている情報を小出しに伝えると、相談相手がその都度アドバイスを考える必要があるため、アドバイスがしにくくなります。
もしかしたら相談相手とやりとりして小出しに情報を伝えても、最終的には良いアドバイスがもらえるかもしれません。しかし、相談の最初にすべての情報を伝えてしまったほうが、相談相手に良いアドバイスを考えることだけお願いすることができます。
良いアドバイスをもらうためには、相談相手が良いアドバイスを考えやすいように、自分の持っている情報を伝える必要があります。そのために、最初に紹介した3つの項目に沿って自分の持っている情報を整理し、項目の順番とおりに伝えると、相談相手がアドバイスしやすくなります。
- 相談したい事柄の現状
- 相談したい事柄の目指しているところ
- 相談する前にすでにやったこと、それをやった後に目指している状態にならなかった理由
この3項目をお伝えすることで、相談をされた側からは「どの部分に問題があって、どういうことをしたらいいのか」という事がクリアになり、より的確なアドバイスを与えることができます。
報連相がなかなかできない理由
報連相の内容はわかった、ポイントもわかった。
だから明日から報連相をきちんと行おう! と意気込んだとしても全員がきちんとできるとは限りません。それは、下記の理由があるからです。
- わざわざ言う必要がないという自己判断をしてしまう
- タイミングを逃してして後回しにしてしまう
- 都合の悪いことは言いたくない心理がある
- 自分のやり方を通したい気持ちがある
- 中間報告は不要だと思ってしまう
このように、ちょっとした自己都合の心が報連相を行うのを妨げてしまいます。必要の無い事柄は特に報連相を行う必要はありませんが、必要か不必要か、その線引きは実はとても難しく、上司やクライアントによって様々です。
「A上司に良いと言われていた報告のタイミングが、B上司ではダメと言われる。」
そんな事もしばしば生じているのではないでしょうか。そういう気持ちが徐々に自己都合で報連相を行わなくても良いという気持ちを作り出し、いつのまにか報連相を適当にしてしまっている。気付けば報連相って何……? ってなってしまっている……ような……。
報連相を徹底する方法
- 報連相を徹底する方法
- 報連相のルールをあらかじめ作っておく
報連相をきちんと行うには「報連相ルール」を自分と相手の中で作ってしまうという手があります。
例えば、
「担当しているプロジェクトに関しては、毎日メールで進捗報告します」
「打合せの場所と人数、内容に関しては前日12時までに連絡します」
「プロジェクトの進行で不安な事柄が生じた場合は、すぐに相談します」
こう事前に一言伝えておく=ルール化してしまうことで、上司・メンバー・クライアント問わず「報連相」のタイミングを共有でき、スムーズに日々の業務を遂行することが可能です。
案外簡単なことですが、実はこれがなかなかできていないために報連相の問題が生じることが多々あります。感覚ベースをいかにルール化するのか、どの仕事においても重要なことだとは思いますが、報連相もまた同じように大事な事柄だと思われます。
日報も大事な報告
- 日報で報告すること
- リソース状況とプロジェクト進行状況
また、毎日の日報も大事な報告です。ルーティンワークで適当になっていませんか?
案件やクライアントを大量に抱える方は多い思います。そういう方の業務の進行状況であったり、リソース状況を把握するのは難しく、「新規案件をふっても大丈夫か」「ヘルプに入らなくても大丈夫か」という判断がなかなか行いづらいものです。
ただ、日報で毎日自身のリソース状況とプロジェクト進行状況を報告することで、チームメンバー内で共有することができます。
私が所属する部署では現在、プロジェクト、クライアント単位で現在の進行状況と当日の動きを日報に記載するようにしています。以前まではとりあえず、今日やったことを書くという形でしたが、現在前述したような日報のスタイルを変えてからは、チームメンバー間で互いの状況をはかれるようになり、お互いをカバーリングしやすくなっています。
まとめ
報連相を改めて振り返って、復習してすると、きちんとできていなかったなーと思うことが多々ありました。チームとして、会社として、個人としてパフォーマンスをあげていこうと思ったときに、マネジメントやプレゼン、その他諸々の知識を得ようとしてしまいがちですが、報連相がきちんとできているかを見直すこともまた、大事な事なのではないかと思いました。