3. 『リアル・スティール』
〜仕事人としても父親としてもダメな主人公の再起の人生とは?〜
ストーリー概要
ロボットとの出会いを通じて親子のきずなを描く感動のストーリー。ボクシングの主役が生身の人間からロボットに移行した時代、リングにすべてを懸けた父と息子の起死回生のドラマを描く。かつて優秀なボクサーだったチャーリー(ヒュー・ジャックマン)は妻子と離れ、ただ自分の夢だけに没頭してきた。だが、西暦2020年の今では人間に代わり、格闘技ロボットたちがボクサーとして活躍していた。ある日、どうにかロボット格闘技のプロモーターとして生活していた彼の前に、母を亡くした息子(ダコタ・ゴヨ)が姿を現わし……。
引用元:シネマトゥディ
この映画の魅力
この映画の興味深いところは「ただのロボット映画じゃないの?」と思わせといてそうではなく超感動的で熱い親子の物語であるところです。
ヒュー・ジャックマン演じるチャーリーはロボット格闘技に没頭し、妻子と離れて暮らしていましたが、生活はいつもぎりぎり。そんな中、息子が母を亡くして頼ってきたのです。
そこで動く金すらロボット格闘技に使おうとするなかなか性格の悪いチャーリーですが、徐々に親心とそれによって滲み出てくる優しさが彼を覆い尽くしていきます。
人生として割と絶体絶命の中で、ロボット格闘技でも絶体絶命に陥ったチャーリー、「息子の存在という助け」も借りて再起をかけます。
このチャーリーは一言で言えば馬鹿。馬鹿でも馬鹿なりに頑張って再起することができる。そんなことをこの映画は教えてくれます。「俺なんて…」と思ってる人はこの映画ぴったりでしょう。この再起の物語は、あなたの再起の物語でもあるのです。
4. 『マイレージ、マイライフ』
〜デジタル化の波に翻弄されたアナログビジネスマンが気づいた人生において大切なものとは?〜
ストーリー概要
リストラ担当として全国を駆け巡る男の、一見身軽そうだが実はそうでもない人生を軽快なテンポで見せる。仕事で年間322日も出張するライアン(ジョージ・クルーニー)の目標は、航空会社のマイレージを1000万マイル貯めること。彼の人生哲学は、バックパックに入らない荷物はいっさい背負わないこと。ある日、ライアンは自分と同じように出張で各地を飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と出会い、意気投合するが……。
引用元:シネマトゥディ
この映画の魅力
この映画の主人公ライアンはリストラ宣告人。全米各地を毎日飛行機で駆けまわり、会社の上司の代わりにリストラを宣告していきます。毎日出張仕事に追われる彼の楽しみと言えばマイレージを貯めること。ある種それだけを楽しみに毎日飛行機に乗っています。
しかし時代はデジタル化、Skypeみたいなビデオのやり取りでリストラ宣告をすればコストも削減できるという会社方針となり出張は激減、慣れないスクリーンを通したコミュニケーションは彼自身の持ち味を徐々に削いでいきます。
仕事中に出会った美女、デジタル化の中で入ってきた若きキャリアウーマンの二人との交流をする中で彼は自分の人生がとても空虚であることに気付き、仕事もそして人生そのものにも自信がなくなっていってしまうのです。
この映画はあなた自身の再起の前にちょっと意地悪な自問自答をさせます。その自問自答に答えが出なくても良いのです、自問自答するだけで良いのです。
そしたらきっとその先には新しい空、新しい人生が待っています。スーツケースのような重たい荷物は心に背負わなくて良いのです。心を軽くして次の空、明日へと羽ばたいていきましょう。
5. 『アキレスと亀』
〜売れない画家があるものを失って、そして最後に気付いた大切なものとは?〜
ストーリー概要
夢を追い続ける売れない中年画家と、その夫を励ましながらともに夢を追う妻の20数年間をつづる人間ドラマ。絵を描くのが大好きな少年・真知寿(吉岡澪皇)は、自宅を訪れた画家に自分が描いた絵をほめられて、赤いベレー帽をもらう。真知寿は、その日から画家になることを夢見て毎日のように絵を描くようになる。そんなある日、父親(中尾彬)の会社が突然倒産して両親が立て続けに自殺を図ってしまい、真知寿の人生は暗転する。
引用元:シネマトゥディ
この映画の魅力
この映画は北野武監督×ビートたけし主演のザ・北野映画です。この映画の主人公は真知寿という名前の絵かきで、ビートたけし以外に二人の俳優、合計三人が時代別に真知寿を演じています。
子供の頃は絵描きの才能を買われていた真知寿ですが、アートの世界はそう優しくはなく彼は何歳になってもヒット作を生み出すことができません。
苦悩し斬新なものを生み出そうとするあまりに交通事故の現場を写生したり、商店街のシャッターに絵を描いたりと問題行動も多発。娘にはそっぽ向かれ、その娘は悲劇的な最後を迎え、妻にも離別されてしまいます。
最後の最後、彼は悲劇的な姿になってしまうのですが、全てを失った彼はアートとしての一つの答えを導き出します。そしてその後のクライマックス…涙なしには見られないクライマックス、涙は私たちの心のもやもやを洗い流してくれ、心爽やかに映画を見終えることができます。
この映画のおける真知寿の迷走や苦悩は言うまでもなく北野武監督自身の迷走や苦悩を投影しています。私たちも時に人生の迷路を抜け出せなくなるものでありますが、この映画のようにきっとどこかに希望の光があるはずです。成功を手にしなくても日々を生きることは無駄ではないと思い、立ち直って一歩ずつ歩んでいきたいものであります。
番外編:宮崎アニメは意外と「再起」の物語
みなさんお馴染みの宮崎駿監督の映画ですが、これらも再起を描いた映画です。
例えば『風立ちぬ』では主人公の堀越二郎は途中で飛行機の設計に失敗して静養をします。最終的に彼は設計士としては「力を尽くして生きる」ことができ、終わりはぼろぼろでも一つの結果を残しました。
例えば『千と千尋の神隠し』では主人公千尋は名前を剥奪され“千”となり、どん底に落ちながらも自らが置かれた状況で最善を尽くし、両親の救出に尽力しました。
例えば『天空の城ラピュタ』ではパズーはシータを救えそうで救えない状況が続き、最終決戦は天空の城となりましたが、パズーはとにかく諦めず戦うことでシータを救うことができました。
宮崎駿監督の映画は冒険活劇であることが多く、それらは挫折を伴ってクライマックスへと突入していくことが多いです。つまり再起の物語なのです。
みなさんが子どもの頃、数年前、数十年前に見た宮崎駿作品、元気がないときに見てみるとまた違った印象を持ちカンフル剤になるかもしれません。ぜひ宮崎駿監督作品も再度ご覧になってみてくださいね。
まとめ
天才、詐欺師、ダメ親父、リストラ宣告人、画家とそれぞれ癖のある主人公が主演の映画を選んでみました。この5人はそれぞれ全く異なる状況で異なる挫折をしましたが、異なる方法で異なる再起を果たしました。
その再起が成功を伴わなかった者もいます。しかし心では確実に再起をしています。仕事で失敗をしたとき、すぐに仕事の復調は難しいもの。まずは心を整えて、モチベーションをもう一度上げて、そこから立ち直っていきましょう。
失敗は成功のもと。映画も人生もそういうものです。頑張りましょう。
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