マネージャーやチームリーダーが把握すべき売上目標にコミットする「数字の組み立て方」

マネージャーやチームリーダーが把握すべき売上目標にコミットする「数字の組み立て方」

そめひこ

そめひこ

皆さんこんにちは、メディアマネージャーのそめひこです。紳さん、元気かな。

ベンチャーか大手かに関わらず、企業という組織の中で、いままでプレイヤーだった人が、少人数のチームリーダーを任されることは多々あるかと思います。
そんなときにみなさんお悩みなのが「数字を組み立てる」ということではないでしょうか? もちろん会社によって違うと思いますが、数字を見なければならないリーダーも少なくないはず。

「売上なんて見たことがない、見ていたとしてもそこに責任がない」という立場から一転、「リーダーとしていかに利益を残していくのか」を考えなければいけません。すごいプレッシャーだと思いますし、「まじでわけわからん……」となる方もいらっしゃるかと思います。

そんな方に、「数字を組み立てる」基本をご紹介します。
初歩的で受託制作型のビジネスモデル寄りの内容になっていますが、「数字の組み立てってよくわからないしどうしよう……」と悩んでいる方はぜひご一読くださいませ。

数字の組み立てとは?

さて、「そもそも数字の組み立てとは何か」というところから入っていきます。
割り振られたのか自分たちで決めたのかは置いておいて、各チームには売上や粗利、外注比率、チーム別利益、純利益など、経営していく上で必要なお金に関わる目標があるかと思います。

もちろん、生産部門や営業部門でないチームにはそういった目標がないケースもありますが、それはどこかで調整されているだけで、基本的にはあるはずです。
当月も、翌月も、翌々月も、単月か半月か、クオーターごとかはわかりませんが、区切られた期間での数字の目標があります。

数字の組み立てとは、その区切られた期間でいかにお金に関わる目標を達成していくのか、ということになってきます。

受注〜請求書発行までの期間を把握する

1ヶ月単位で数字を組み立てていくとして、まずはじめに考えなければならないのは、「チームで行っている仕事は、受注から請求書発行までどれくらいの期間がかかるのか」です。(入金ベースで目標を立てている場合は、請求書ではなく入金までに置き換えてください。)

受注〜請求書発行までの期間(例)

例えば僕が所属するメディア事業部の3つのチームを見ていくと、以下の期間で受注から請求書発行までができます。

  • LIGMOチーム(オウンドメディア代行チーム)= 1ヶ月〜2ヶ月
  • PRチーム(企画コンテンツ制作チーム)= 1.5ヶ月〜2ヶ月
  • ADチーム(広告マネタイズチーム)= 3営業日〜1ヶ月

それぞれのチームが独立で収支計算を行っており、さまざまな種類のビジネスモデルを構築しているため、期間にばらつきが出てきます。もちろん、案件によっても変動してきます。

特にアドチームに関しては、3営業日で請求書が発行できるものから、1ヶ月程かかるものもあります。
また、受託制作であれば、受注から3ヶ月後に請求書を発行するという場合もあるのではないでしょうか。さらに大型案件になってくると、半年以上かかることも。

受注から請求書発行まで2ヶ月かかるなら、当月の組み立ては厳しい

期間を把握したら、気付くことがあるかと思います。

例えば、当月の数字が足りないと悩んで「なんとかしなくては……」と焦ったとしても、受注から請求書発行まで最低でも2ヶ月かかってくることがわかれば、当月の数字を組み立てるのは厳しいということ。

2ヶ月かかってしまうなら、考えるべきことは翌月・翌々月の数字をいかに組み立てて、当月のカバーを行うかという点です。

ただし、そうは言ってもベンチャー企業では当月の数字をなんとかしないと「まじでやべぇ」なんてこともあるかと思いますし、翌月・翌々月の数字を組み立てるために頑張ったとしても、組み立てられなかったら、常に焦らなければならないことになってきます。

当月の数字を調整できるようにするために

では、当月受注しても当月に請求書が立てられないとなった場合、どうすれば数字を調整することができるのか。大きく、以下の2つがあるかと思います。

  1. 請求書発行のタイミングを変える
  2. 受注の内容を変える

1つずつ見ていきましょう。

1. 請求書発行のタイミングを変える

1つ目は請求書発行のタイミングです。

例えば、Webサイトを納品してようやく請求書を発行できるなら、それを分割請求に変えることで当月の数字を調整することができます。請け負った制作案件の金額が200万で2ヶ月なら、100万ずつ1ヶ月ごとに分けて請求すれば当月の数字を調整することが可能です。

ADチームは純広告バナーの販売を行っており、当初は1ヶ月掲載後に請求するというフローがありました。しかしそうすると、当月の数字が調整できなくなります。それを掲載前請求にフローチェンジしたことで、最短3営業日での請求調整が可能になりました。

いまどういうタイミングで請求書を発行しているのかを知り、調整をすることで当月の数字組み立てがしやすくなっていきます。

2. 受注の内容を変える

2つ目は、荒業ですが受注の内容を変えてしまうことです。

受注から2ヶ月で請求書が発行できる受注の受け方をやめ、最短1ヶ月で納品できるような受注内容を作ったり、仕事の受け方を変えたりすることで当月でも調整できるようにしていきます。

例えばLPを作るとして、基本的に完パケ納品するものを、制作面だけ請け負ったりデザインだけ請け負ったりするなど、スタイルを変化させることで受注から請求書発行までにかかる期間を変化させることができます。

その他にもビジネスモデル自体を変えたり、色々と調整できることはあるかと思いますが、「やりたいこと」と「できること」をきちんと残しつつ、数字を組み立てるには、上2つが有効かと思います。

キレイな数字の組み立てには、耐える期間がある

キレイに目標を達成するために数字の組み立てをするには、必ずといっていいほど耐える期間があります。
上で紹介した調整を続けていくことで全体のバランスをいかに整えていくのかは、結構大変な作業です。耐えなければならない壁のひとつです。

よくある課題

例えば受注から請求書発行までは2ヶ月でも、お問合せから考えると3ヶ月かかることもあります。そういった場合、数字の組み立てを行うまでに、当月提案・当月受注・当月請求書発行のように、全て当月で行わなければならないという自体に陥ることになりがちです。

課題解決後

キレイに回り始めたら、前々月提案・前月受注・当月請求書発行になり、それの繰り返しが上手くでき始め、数字がキレイに組み立てられるようになります。その期間は、地獄かもしれません。

どのリーダーも、特に新規チームを任された方はそうだと思いますが、キレイな数字の組み立てをするには必ず耐える期間があると思います。そして、その期間の間、どう全体のモチベーションを管理していくのかも重要な役目となります。

アラートは早めに出すこと、それが一番

そうは言っても、調整をどうしたらいいのかわからない、どうキレイに組み立てていけばいいのかわからない、仕事がそもそもない、調整したら逆に数字がおかしくなったなど、困難はたくさんあるかと思います。

そんなときは、上司や前任のリーダーに対して早めにアラートを出すことが大切です。特に数字が足りなくなりそうな場合が「早め」が重要で、足りなくなってからアラートを出しては“時すでに遅し”の状況が待っています。

提案から受注、請求書発行までのフローが3ヶ月かかる場合なら、当月には2ヶ月先、3ヶ月先の数字の組み立てをしなければなりません。2ヶ月先の数字を見て「やばそう」と思ったらすぐにアラートを出し、対応していくことが必要です。

一番いけないのは、アラートを出さずに当月になって「やばい」となることです。後の祭りとなってしまうことがあるので、アラートはお早めに。

数字の組み立てができないチームは給与遅延でもいいのか

最後に、数字の組み立てを行う上で、大事にしておきたいマインドを紹介します。

弊社CFOのコウちゃんに言われたもので、「売上目標がズレたら、その分皆の給与をズレさせてもいいのか」という言葉がとても印象に残っています。コミッション制ならありえますが、そうでなければあまり考えられないことです。
あまり考えられないとは言え、「会社だからそんなことはない」というマインドを持っているのとそうでないのとでは、結果に雲泥の差が開きます。

リーダーになって数字の組み立ての責任を担うということは、経営の一部を任されているということ、守るべき仲間がいるということと同意義だと思います。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
ちょっと堅くなりましたが、これらのプレッシャーや責任を感じながら数字を組み立てるとリーダーはもっと仕事が面白くなるかと思いますので、参考にしてみてください!

それでは。

 

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そめひこと申します。京都で生まれ、京都で育ちました。母の名は直子、父の名前は明でございます。LIGに来る前は藍染師として生きていました。京都の四富会館二階にあるBAR「アイエン」が大好きです。

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