モノづくりに土日も平日もありません|クリエイターズハウスに住む意識高い新入社員の仕事観とは?

モノづくりに土日も平日もありません|クリエイターズハウスに住む意識高い新入社員の仕事観とは?

ヨシキ

ヨシキ

こんにちは、広報担当のヨシキです。

僕は大学時代、これといった夢や希望もなく、ただ何となく毎日を過ごし、楽しい思い出や生涯の友と出会うこともないまま卒業、それなりに安定した会社に入社しました。

LIGへ転職した現在も、そういった主体性のなさと生来備わっている“流され力”で、これといった成果もあげないまま早2ヶ月が過ぎてしまいました。休日も洗濯物を干して畳んで気づいたら一日が終わっているような生活です。Web業界のこともあまり知らないままで、これは広報として仕事をしていくうえで、あまり好ましい状況ではありません。

そこで本日は、自分にはない“意識の高さ”や“未来への目標”をしっかりと持ったLIGの新入社員・のびすけに話を聞いてみることにしました。

エンジニアとして毎日夜遅くまで働きながら、趣味で土日もモノづくりやハッカソンに挑戦し続ける理由などについて、じっくり聞いてみたいと思います。

家賃0円の「クリエイターズシェアハウス」に住む新入社員

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さて、本日のインタビューは、いつものLIGオフィスではなく、のびすけの家でおこなうことになりました。実は彼の家は、ただの賃貸住宅ではありません。

古くから「ものづくり」のまちとして知られる台東区エリアに8月にオープンした「TOLABL(トラブル)」というクリエイターズシェアハウスなんです。

入居者は家賃無料で半年間住むことができ、アトリエ/イベントスペースなども使用できるという家具付きシェアハウスです(※共益費は入居者負担)。

応募条件は、これまでにクリエイターとして何かを生み出したことがあり、創作を通してこのシェアハウスに貢献や協力をする、ということ。もちろん入居に際しては事前に審査があり、高い倍率を突破しないといけません。

つまりのびすけは、新人社員ながら、クリエイターとしての対外的な評価を既に獲得している人材ということになるのです。

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人物紹介:のびすけ
宮城県出身。岩手の大学院を卒業し、今年4月に上京。ギークハウス等を渡り歩くITノマド。5jcupの連動イベントやハッカソンなどでも活躍する傍ら、自ら勉強会も主催する新進気鋭のクリエーター。

完全に即戦力ですね。それではインタビューをはじめていきたいと思います。

「仕事も遊びも全部一緒」モノづくりが好きだから、平日も土日もつくりたい。

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— 今日はよろしくお願いします。まず最初にですが、こちらは「半年間無料」ということでかなり話題になったシェアハウスですよね。倍率もすごかったんじゃないですか?

技術者、アーティスト、その他含め「クリエイター」なら何でもOKということだったので、入居希望者は全部で100人を超えていたそうです。最終的に入居できたのは、僕を含めて5人。正直、運の要素も大きかったと思います。シェアハウス全体での活動目標としては「2年間で20個のプロダクト」というのが設定されていて、入居者も半年ごとの入れ替え制になるみたいです。だから本当に頑張らないといけないのは、これからなんですよね。

— 趣味は「モノづくり」とのことですが、平日も土日もずっと仕事が続くっていう感覚になりませんか?

モノづくりっていうのが、とにかく好きなんですよね。「つくりたい!」って思ったときのテンションで一気につくるのが、本当に楽しいんです。1回そういうスイッチが入っちゃうと、睡眠時間すら惜しくなります。プログミングは大学の頃からやってたので、学生のときの延長線上って感じかな。だから「土日」っていう区別が、自分の中ではあまりないんですよね。

- 特に「ハッカソン」に参加するのが好きで、いくつか賞も獲ったとか。

ハッカソンは、みんなが海とか山とかに行くような感覚で参加してますね。僕にとっては、仕事も遊びも全部一緒なんです。
だから1日に1回は必ずハッカソンのイベントをチェックしています。参加することで、自分の今の技術力がわかったり、人とのつながりができたり、目標が明確になったりするのが魅力ですね。会社の中だけでずーっとやってると、ある程度いろんなものが見えてくるし、“これぐらいでいいかな”っていうのも何となくわかっちゃいますよね。でも、それってクリエイターとしては絶対にダメなことじゃないですか。

だからレベルの高いハッカソンに行けば、次元が違うな、自分はまだまだだなっていう現在位置が確認できるのがいいんです。

もちろん、ただ参加すればいいってわけじゃないですよ。参加するには賞が欲しい。もっともっと、いいモノをつくって評価されたいっていう気持ちはあります。
まぁ、僕にとってのハッカソンって、合コンに近いですね(笑)

基準は常に「自分が成長できる環境にあるかどうか」

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- 実績もあり、独立志向も強いように思えますが、なぜ就職しようと思ったんですか?

就職するかどうかについては、正直悩みました。僕、岩手の大学の院卒なんですけど、実は学生時代からある会社の取締役をやってたんですよ。実際に指名で仕事をくれる人とかもいて、普通に食っていくには問題ないレベルでやれてました。
博士課程まで進もうかどうか、というのもありましたし。そういう状況で、わざわざ新入社員として会社に就職するのが本当に自分にとっていいことなのかどうか、相当迷いましたね。
でも、ハッカソンもそうですけど、結局は全部東京に集まるじゃないですか。だから、自分より“上”が多い環境で力を蓄えたいと思ったら、やっぱり東京に出て働くのが一番だなって。

逆にフリーは全く考えなかったです。それなら岩手のままで十分だったんで。
東京で自分の技術力がどこまで通じるかを試したい、早く成長したい、という気持ちがとにかく強かったんです。

- ベンチャー企業であるLIGに就職したのはなぜですか?

LIGを知ったきっかけは、世界一即戦力の男の採用記事でした。面白いことやってるなー、と思ったらちょうどインターンを募集していたので、3日間ほど働かせてもらい、そのまま無事採用になりました。
一緒に働いたときに周囲の人の技術力の高さをみて、ここは勉強になる会社だなと思っていたので、嬉しかったですね。就活は50〜60人ぐらいのいわゆる“イケてるベンチャー”ばかりを狙って回ってました。大きい会社では、一人あたりに任される裁量がどうしても小さくなるので、同じ期間を過ごしたときにだいぶ差がついてしまう、と思って最初から受けませんでした。まぁ、結局LIG以外はほとんど落ちたんですけどね(笑)

でも今振り返って考えると、就職活動していたときの自分のレベルは、本当にまだまだでした。面接中の質問にでてくる単語自体がわからなかったこともあったので、落されて当然でしたね。ただ、当時はそれがめちゃくちゃ悔しかったので、ものすごく勉強しましたね。

だから「就職活動をちゃんとやった」っていうのは、自分の中ではけっこう大きかったですよ。

働きはじめて感じたこと「どんなときでも試したいし、試されたい」

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- 就職前と就職後では仕事に対する見方は変わりましたか?

働き始めるまでは、キャンペーンのように3ヶ月ぐらいで終わるようなものもあれば、独自開発が重なり複雑化してしまったようなサイトの維持まで、いろんな仕事があるんだろうな、ぐらいの認識でした。
前者であれば新しい技術とか試せるから楽しそうだな、後者だと制約が多くてキツそうだから嫌だな、とかいう程度の捉え方でしたね。実際やってみて、自分の持っている技術を試せる仕事のほうが制約は少ないし、楽しいのは間違いないです。
ただ「制約があったときにどう乗り越えるか」というほうが、エンジニアとしての力量自体が試されてるな、とも思いました。

同じWebの仕事でも、方向性の違いというものがあり、それぞれに意味があるんだなというのは発見でした。

- 現在、仕事と趣味のバランスはどうとってるんですか?

もちろんハッカソンやシェアハウスでの課外活動は、土日や空いてる時間で取り組んでいます。ただ、会社でやっている仕事の中でも、自分の裁量でできるところでは、いろいろ新しいものを試していますね。そういう意味では、自分が興味を持てるポイントさえあれば、仕事と遊びの区分っていうのはないですね。

そういうのが見つからないと辛いんでしょうけど、自分の中では、多分そうなることはこの先もないです。技術はどんどん新しくなるし、今回このやり方で成功したから、次は別のやり方を試してみよう、とかいつも思ってるんで。

「東京での勝負、そして海外進出 」クリエイターとしてのキャリアビジョン

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- 上京して約半年経ちましたが、東京はどうですか?

日本で勝負する限りは、結局全部東京なんだと思います。東京でどれぐらいのポジションにいるか、というのはたとえWebであってもすごく重要です。ただ想像していたほど東京ってすごくねぇな、とも正直思いましたね。岩手にいるときは、技術のトレンドとかで1年ぐらい時差があるのかな、とか心配してましたけど、実際はそうでもなかったです。

学ぶことは多い、凄い人も多い、でもその反面、案外いけるなとも思うっていうのが、今のところの東京に対する僕の感想ですね。

- 将来の目標は?

2年後ぐらいまでに海外で働きたいですね。僕、実家が江戸時代ぐらいから続く米農家なんで、将来的には実家を継ぐつもりなんですよ。東北っていう土地柄もあるかもしれないんですけど、“いずれは戻る”という刷り込みがある中で育ったから、昼は農業やって夜はITをやる、という生活にいずれなるかもしれない。
そうなる前に、大学時代を過ごした岩手と、あと海外で働いておきたいな、と。

学生のとき3ヶ月ぐらい台湾いたことがあったんですけど、そこで少しだけ日本のWebの仕事やってたんですよ。物価も三分の一ぐらいで、日本で当たり前だけど向こうではできてない技術とかっていうのもけっこうあって、ビジネスチャンスは割とあるな、と当時から感じてました。
もちろん米国の最先端系とかも興味あります。どっちも行ってみたいですね。LIGが海外進出してくれるなら、それが一番かもしれません。

海外で働けたら、日本国内どこでもいけるかな、っていうのも気持ち的にあります。一人で食っていく力をつけられたら、チームつくるなり個人でやるなり、自分で選ぶことができる。だからあと1、2年は力をつけるための期間かな、と思っています。
現在のLIGからは学べる部分が多く、いい環境でやらせてもらっています。自分の技術が追い越したら…まぁ、そのときはどうなるかわかんないですけどね。

まとめ

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インタビュー中にのびすけから感じられたのは「とにかく成長したい、とにかくいいモノづくりがしたい。」という熱い想いでした。

ただ単に会社から与えられた仕事をこなすのではなく、そこからどれだけ自分が楽しめるか、どれだけ学ぶことができるか、を追求する彼の姿勢は、新入社員ながら見習うべきところが多いと思いました。

「意識が高い」という言葉は、現在あまりいい意味では使われていませんが、モノづくりに関する彼の意識の高さは、本人にとってもLIGにとってもポジティブな結果を生むだろうと実感できるインタビューでした。

最後に本日の御礼として、のびすけのために僕が選んだ一冊の本をプレゼントすることにしました。

のびすけに贈る一冊

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「パレード」です。

吉田修一さんの作品で2010年に行定勲監督・藤原竜也主演で映画化までされた名作です。

4人で生活していたシェアハウスに、誰も知らないうちに5人目が住んでいたという、シェアハウスで暮らす人なら一度はチェックしておきたい内容になっています。

現代の若者が抱える心の闇と無関心。作品を通して語られるテーマが、今後のモノづくりに活きたり活きなかったりするかもしれません。

というわけで、これからも引き続きいろいろな人の話を聞きながら、Web業界のことについて学んでいきたいと思いました。

それでは、また。

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ヨシキです。かつてLIGの3代目広報を担当しておりました。 イノベーティブな存在を目指し、大きさ以上に大きく進化しながら、LIGを再発明したいと思います。

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