こんにちは。紳さんです。
突然ですが、皆さんは「面白いって何?」と聞かれた時、答えることができますか?
僕はLIGで面白い企画とか面白いコンテンツを考えるのが仕事の一部となっていますが、最近は「そもそも、面白いって何? 」ということについて考えています。
わからない… 面白いってどういうことなのか、わからない…
面白いコンテンツを作ろうとした時、どんなことを基準に「面白い or 面白くない」を判断するべきなのか。LIG以外の人にも聞いてみたい!
そこで今回は、ソーシャルゲーム制作などで有名な株式会社gloopsさんの社長&社員の方をお招きすることにしました。
株式会社gloopsさんとLIGとの出会い
とある夏の日、僕はwebアプリのお披露目イベントでgloopsの小島さんと出会いました。
ゲーム好きの僕はgloopsさんの事は前から知っていましたが、小島さんと話している時に強く共感できる事がありました。それは、gloopsという会社の仕事に対する考え方です。
『ゲーム以外でもいいんです。僕達が創りたいのはエンターテイメント。』
そう語る小島さんを見て、僕は勘違いに気が付きました。gloopsさんは「ソーシャルゲームの制作・
その想いはLIGのスローガンである「わくわくをつくり、みんなを笑顔にする」と同じものだと感じました。
gloopsさんは今後もソーシャルゲーム事業を続けていくと思いますが、それだけに留まらず、世の中に面白いものを届ける為に様々なチャレンジを行っていくことでしょう。
LIGも負けじと、「誰かに喜んでもらえるサービス、みんなが面白いと思ってくれるサービス」を創ることを一番の目的として、ウェブの世界だけに留まらず、様々なエンターテイメント制作に取り組んでいきたいと思っています。
そんな事情もあって、今回のgloops×LIGの出会いから生まれたこの対談は非常に有益なものとなりました。
対談に参加した方々
人物紹介:池田 秀行■株式会社gloops 代表取締役社長 兼 CTO |
人物紹介:小島 芳樹■株式会社gloops インタラクティブデザイナー |
人物紹介:岩上 貴洋■株式会社LIG 代表取締役社長 |
人物紹介:竹内 紳也■株式会社LIG メディアクリエイター |
以上の4名で対談は行われました。なかなかに濃いメンツです。
「面白いって何だろう?」 社長&社員で対談しました。
”面白い”ってどういう事?
『……。(苦笑) 難しいですね。』
『本当に難しいですよね。それでも、もし”面白い”を明言化するとしたら、どういった言葉になるのか…』
『明言化できちゃったら、それはもう「つまらない」って事なんじゃないか、と思いますけどね。(笑)』
『確かに、そうかも知れません。』
『例えば、数々のゲーム、ヒット作品をリリースして来たgloopsさんならではの、ゲームを作る上で”面白い”の基準みたいなものってありますか?』
『”面白い”の基準か… 小島くん、どうですか?』
『そうですね… やっぱりゲームは電車の中とか、1人でいる時に暇つぶしの為にやることが多いと思うんですが、そういう時に”心を揺るがす”というか、感情の揺れみたいなものがあると良いと思ってます。』
『あ、それはLIGの作るコンテンツでも大切だと考えてます。』
『例えば、「なかなか敵に勝てない、悔しい」という様な一瞬ストレスに感じるような事が、後にクリアした時の達成感とかを生み出したりしますよね。そういうのも正に感情の揺れだと思うんです。』
『なるほど。”面白い”って単純に「笑いが起きる」という事だけじゃないですもんね。』
『その時、ユーザーに求められている面白さが必要なんでしょうね。笑わせたり、感動させたり、考えさせられたり、達成感を与えたり。湧き上がる感情は違うけど、結果的に人はそれを”面白い”と思ってくれる。』
「ユーザーに求められている面白さ」とは
『やっぱりゲームの場合だったら「触り心地」と「ハマれる仕組み」が求められていると思います。』
『触り心地、ですか?』
『UI/UXの話に始まって、操作性の良さとか、ゲームのテンポの良さとか、爽快感とか。そういった「触り心地」は、”面白い”と感じてもらう為に大切なポイントだと感じています。反面、僕が考える上では、プレイヤーに対する”縛り”の要素というか、ある種の不自由さも大切だなって思ってます。』
『なるほど。それが「ハマれる仕組み」に関係してくる話なんですね。』
『そうなんです。例えば、すごく楽しくて盛り上がれるバトルイベントがあったとして、それには時間制限を設けたり。24時間、いつでも出来るように開放はしていません。誰もが欲しがるアイテムも簡単に手に入れる事はできなかったり。そういう不自由さを逆に”面白い”と感じてくれる人がいて、全てを簡単にすれば皆が喜んでくれる、というわけじゃないと思うんです。』
『万人にウケるコンテンツって、作れないと思っているんですよね。あきらめているわけじゃないんですけど… 中には開発者の我々でもびっくりするような、すごく難しいクエストを20時間も掛けてクリアするユーザーもいて、そこまでハマれる情熱ってどこからきているんだろう?って逆に興味を持ったり。(笑)』
『なるほど。僕もゲームが大好きですけど、そこまで意識したことはありませんでした。』
『僕は難しいゲームって全然できないんですけど、自分の”面白い”と思うゲームを友達にやらせると”簡単すぎてつまらない”って言われたり。面白さって人によって違うんですよね。』
『面白さが人によって違うというのは、間違いないですよね。』
『求められる面白さはサービスによっても違いますしね。我々の作るゲームだったら、”継続的な面白さ”が必要とされます。やりこみ要素だったり、コレクション要素だったり、ユーザーに長く楽しんでもらう為に新しい要素を足していったり。LIGさんのコンテンツは、どちらかというと”瞬発的な面白さ”が求められると思うんですよね。』
『確かにそうですよね。面白さってサービスの内容とか対象ユーザーによって求められるものが違ってくる、というのは勉強になりました。』
「面白い or 面白くない」を最終的に判断する方法
『中には、社内での評判がそこまで良くないアイディアもあるんですよ。もちろん、企画者は「これは面白い!ヒットする!」と主張をしていくわけですが… それでも、社内ウケがそこまで良くない中、リリースまで辿り着くゲームがいくつかあって。100%ヒットする!という確信があってリリースするゲームばかりでは無いですね。』
『そうなんですか。社内ウケが良くなくてもリリースをされるというのは意外でした。』
『ソーシャルゲームはリリースしてからが本当のスタート、みたいなところがあります。ユーザーの声を反映させて、どんどん面白いサービスへと成長させることができる。ユーザーと一緒に創り上げるものですので、制作して納品したら終わり、というものでは無いんですよね。』
『なるほど。そのあたりはB to Cのサービスならではの性質ですね。』
『もちろん、最終的には皆で「これでいこう!」って決めてからリリースしてますし、その後の展望とかも考慮した上で判断してます。』
『サービスを成長させる上でユーザーの声というのは大切ですが、全てを拾えるわけではありませんし、全てを反映させることも無いんですよね。「こういう風にして欲しい!」って要望はくるけど、それって本当に面白いのかな?って思うこともありますし。』
『LIGも「面白いコンテンツ制作」の依頼を頂いた時、クライアントから色んな要望があります。LIGが「これでいこう!面白い!」と決めたことに対しても、クライアントの反応がイマイチだったり、細かな修正依頼がきたりとか…』
『中には「うーん。。。」と考えこんでしまうような事もありますが、クライアントの意向にはなるべく従いたいという気持ちは強いです。当然、その切り口のどこが面白いのか、どんな効果が見込めるのか、僕たちはクライアントに説明する義務もありますし、お互いに納得して完成させたものを世に出したいですよね。その為にも、”面白い”という感覚が僕達となるべく近いクライアントと一緒に仕事をしていきたいと思っています。』
『結局は、センスの問題な気もしますね。』
『それもありますよね。提案した際、担当者の方から「面白い!やりたい!」という反応をもらえる事が多いのですが、会社の上層部からバッサリとNGが出ることもあります。大手の会社であればあるほど、そういう傾向にありますね。それでも、なんとなくNGが出るような予感をしているのでショックはありません。最終的にOKが出て、なおかつ自分たちが面白いと思える企画を練り上げるまでが勝負なんです。』
『どこで最終判断をするのかは難しいですよね。まず、自分たちが面白いと思っている。ユーザーは大体、こんな反応をするだろう、と予想もする。クライアントにも確認をしてもらい、GOサインをもらう。それでも、スベる時はスベる。この辺りは感覚的なものなので、”100%、ウケる(バズる)”というのは無いと思います。ただ、精度を高める為の努力は続けていきたいですね。』
−面白いアイディアを生み出す為に、会社全体の雰囲気作り
『gloopsさんには「リラクゼーションデイ」という日があると聞きました。』
『はい。仕事の手を休めて、皆で楽しいことをする日があります。夏にはカキ氷を作ったり、お菓子を作ったりしました。先月はハロウィンの時に仮装をして盛り上がりましたよ。』
『すごい楽しそう。LIGも流しそうめんとかスイカ割りとか、イベントはよくやってます。”面白い”を作る為には、場の雰囲気というのも大切ですよね。』
『会社に人がたくさん増えると、どうしてもコミュニケーション不足が心配になりますからね。できれば社員旅行とかにも行きたい。600人全員は難しいとは思っているんですが… そうそう、マグロの解体とかもやってみたいんです。』
『マグロの解体!?(笑)』
『ウチの社長は、思いつきがすごいんです。社内で「お姫様だっこ部」を作ろうとか言い出したり。お姫様だっこをして写真を撮って、社内用SNSにアップロードしたり。社員を色々と楽しませてくれるんですよ。』
『今はスローモーション動画撮影にハマってます。こんなのとか…』
『めっちゃビンタされてる(爆笑) スローモーションで(爆笑)』
『こういった面白い取り組みは、やっぱり「会社の雰囲気を楽しくしたい!」という社長の想いがあるからですか?』
『それもありますけど、一番は自分がやりたいからですね。』
突如、思いついたかの様に逆立ちを始める池田社長。負けじと、岩上も張り合う。
『なるほど。思いつきもそうですが、思い切りもすごいですね。』
「面白い」を作るために社員全員で共有している事
『gloopsの理念として、「もっと面白いを目指して」というものがあります。常に上の「面白い」を目指すというか、突き詰めればいくらでもその先がある。磨いて磨いて、とことん「面白い」を追求していこう、という事を皆で共有していきたいです。面白いものを作りたい、という気持ちは皆、同じですからね。』
『LIGは、「クオリティにこだわる」ということを共有しています。コンテンツのタイトルの付け方、中身の文章、写真、全てにおいてクオリティの高いものにしたい。くだらないもの程、無駄にクオリティを高くしていきたい。大切なのは妥協しないということで、とにかく自分たちが面白いと信じるものだけを生み出し続けていきたいですね。』
まとめ
面白いと感じることは人によって違うし、自分たちが提供するサービスによって”求められる面白さ”も様々だと感じました。
100%、全員が”面白い”と感じるものを作るのは確かに難しい!…ですが、少しでも100%に近づく為に僕たちは努力をする必要があると思います。それはgloopsさんの話にもあった「触り心地」を良くするということや、普段からLIGが心がけている「くだらないものほど、無駄にクオリティを高くする」ということが関係してきます。
この世には色んな人がいて、色んな”面白い”があります。何を”面白い”と感じるかは人それぞれですが、その感情をたくさんの人と共有できる僕たちは、幸せです。
これからもたくさんの”面白い”を世に生み出せるよう、努力を続けていきたいと思います。
対談に応じて頂いたgloopsの池田社長、小島さん、ありがとうございました!
今度はこちらから遊びに行かせて頂きますね!
■株式会社gloops(グループス)