わかりやすいビジネスメールを書くための5つのステップ

わかりやすいビジネスメールを書くための5つのステップ

安達裕哉

安達裕哉

こんにちは、ライターのあだちです。さて、みなさんは文章を書くことがお好きですか?

文章を書く、というのは決して特殊な技術ではありません。特に日本人は、江戸時代でも人口の6割が読み書きが可能だったと言われており、現代においてはそれがほぼ100%と言われています。

しかし、「読み書きができる」というレベルと、「自分の思ったことをキチンと文章にできる」というレベルは大きな開きがあり、「書くのが苦手」という方は少なくないように思います。

しかし、「書くのが苦手」であると、現代社会において損をするケースが起こり得ます。それはメール、メッセンジャーなどに代表される、文字によるコミュニケーションです。また、Webコンテンツの大部分は文字によって成立しているため、「文字で情報発信を行う」という機会も確実に増えています。

このような文字によるコミュニケーションを円滑に行うためにも「文章を書くことができる」というスキルは重要性が増している、と言えるでしょう。

そこで今回は、私が前職のコンサルティング会社の勤務経験で学んだ「ビジネスメールのわかりやすい書き方」を、文章を書くのが苦手な人に向けてまとめてみたい思います。

ビジネスメールのわかりやすい書き方

1. 伝えたいことから書き始める

「前置き」や「文章への装飾」はあとからでも十分です。文章を書くときに一番筆が進みやすいのは、経験上「伝えたいことをとりあえずなんでもいいから文字にしてみる」ということです。

文章を書くのが苦手な人にありがちなのが、書き出しで悩んでしまい、そこで止まってしまうこと。ビジネスメールであれば、まず、

部長に、明日に提出する書類の内容について、構成がこれで問題がないかどうか聞く

と書いてしまえば、後の筆が進みやすくなります。

2. 次に、なぜ、これを伝える必要があるのか、を書く

まず、伝えたいことを書いたら、次のステップです。結論をいきなり伝えても、相手は背景を共有できていないので、「どうしてこれが必要なんだろう」と考えてしまいます。

そこで、伝えたいことの前に「なぜこれを伝える必要があるのか」を補足してあげましょう。

明日提出する書類の構成を考えたが、本当にこれでよいかどうか確信が持てない

から、部長に、明日に提出する書類の内容について、構成がこれで問題がないかどうか聞く、という構成にすれば、相手も安心して文章を読むことができるでしょう。

3. 例示や引用を載せ、わかりやすくする

1.と2.だけでも、相手にはあなたの言いたいことは伝わりますが、要求を実行する段になると、このままでは困ります。

「明日提出する書類の構成」とだけ言われた場合、普通の人は「どんな構成?」と思うでしょう。また、「問題がないか」とだけ言われても、「どういう観点から見ればいいのか」が示されていなければ、相手の部長も困ってしまいます。

ここで、文章をわかりやすくする最も効果的な手法は「例示」です。例を挿入し、もっと文章をわかりやすくします。

明日提出する書類の構成を考えたが、本当にこれでよいかどうか確信が持てない。例えばA章の●●の部分と、C章の結論部分について難しいと感じている。

と例示をすることで、あなたが具体的にどこに困難を抱えているかが部長には伝わるでしょう。さらに踏み込んで、さらに部長にどのようなアクションをお願いしたいのかまで記載するとなおよいでしょう。

部長に、明日に提出する書類の内容について、構成がこれで問題がないかどうか聞く。例えば、A章の●●について他の書き方があるかどうか、3章の結論は正しいかどうか。また、他の章についても先日の会議の内容が正しく反映されているかどうかを聞きたい。

これで、部長も自分がなにをするかをあなたのために考えてあげる時間をグッと短縮でき、親切であると言えるでしょう。

4. 挨拶文などを入れて、文章をつなげ、整形する

ここまで来たら、文章の骨子はほとんどできています。後は文章を整形するだけです。

お疲れ様です。△△です。

明日提出予定の書類の構成をご指示通り考えてみましたが、本当にこれでよいかどうかの確信が持てずにおります。例えばA章の●●の部分とC章の結論部分についてです。

部長に書類のレビューを行っていただきたいのですが、お時間はありますでしょうか。お忙しいとは存じますが、お時間をいただけるとありがたく存じます。

レビューをしていただきたい事項ですが、例えばA章の●●については他の書き方があるかどうか、C章の結論は正しいかどうか、また他の章についても先日の会議の内容が正しく反映されているかどうか、の3つになります。

何卒、よろしくお願いいたします。

これでビジネスメールとしては体裁が整いました。

なお、敬語についてはそれぞれの会社で慣用的に使っている部分もあり、日本語としての正確性については難しいところですが、これらの記事「正しい使い方をしよう!ビジネス敬語のNG例24選」「敬語で恥ずかしくないビジネスメールを書くための4つのステップ」が参考になると思います。

5. 文章が冗長な部分を短く切り、箇条書きを使う

このままでも悪くはないのですが、一文が長すぎて若干読みにくいと思います。この場合、「余計な文を省く」「文を短く切る」「箇条書きを使う」「改行および一行あけ」を上手く使うと、読みやすくなります。

お疲れ様です。△△です。

明日提出予定の書類の構成をご指示通り考えてみましたが、本当にこれでよいかどうか確信が持てずにおります。(改行)

例えばA章の●●の部分とC章の結論部分についてです。(短く切る)

(一行あけ)

部長に書類のレビューを行っていただきたいのですが、お時間はありますでしょうか。(改行)

お忙しいとは存じますが、お時間をいただけるとありがたく存じます。

(一行あけ)

レビューをしていただきたい事項ですが、3つあります。(箇条書き)

1. A章

●●について、他の書き方があるかどうか

2. C章

結論が正しいかどうか

3. それ以外

先日の会議の内容が正しく反映されているかどうか

(一行あけ)

何卒、よろしくお願いいたします。

これで、わかりやすいビジネスメールになったと思います。

まとめ

いかがでしょうか。文章はちょっとした工夫でかなり読みやすくなります。

特に(ビジネス)メールなどの「相手に正確に伝える必要がある文章」については、この手の描き方がかなり効果的に使えますので、ぜひ試してみてください。

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あだちゆうやと申します。コンサルティング会社のDeloitteで12年間、仕事をさせていただきましたが、「人材育成」というテーマの仕事を全力でやりたいと思い、退職して個人向けに学習塾、法人向けに採用・人事コンサルティングを行う会社をつくりました。 IT、学習、教育、マネジメントについてブログを書いています http://blog.tinect.jp

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