システム運用監視にAIを導入するメリットとは?活用例やツール例も紹介

システム運用監視にAIを導入するメリットとは?活用例やツール例も紹介

Nomi Masako

Nomi Masako

Technology部の能美です。

ITシステムは顧客との連絡、データの管理などさまざまな目的で活用されており、現代のビジネス環境において不可欠な存在です。それゆえ万が一トラブルが発生すると業務全体に支障が及ぶ可能性があり、システム運用監視は非常に重要な業務といえます。

従来の運用監視は適切なスキルを持った人材不足やリソース不足などに陥りやすいという問題点がありましたが、ここ最近はAI(人工知能)を運用監視に活用しているケースが増えています。

今回はAIを使った運用監視のメリットや、活用事例などをご紹介します。

▼運用管理全般のAI活用についてはこちら

運用監視とは?

運用監視とは、ネットワーク、サーバー、システムなどの動作状況を監視し、問題が発生した際に警告を発信して適切な対策を講じるプロセスのことです。

運用監視を怠りトラブルが発生してしまうと、業務全体に影響を及ぼしたり、情報漏洩につながったりするリスクがあります。システムの安定性と信頼性を維持するために、運用監視は非常に重要です。

AI×運用監視のメリット

AIと運用監視の組み合わせには、下記のようなメリットがあります。

1.AIによる運用監視の自動化

AIは大量のデータを高速かつ正確に分析し、異常なパターンを検出することが得意です。人の手による作業を減らし、運用監視の自動化に大いに役立ちます。

2.リアルタイム監視

AIはリアルタイムでデータを処理し、異常を検出できます。AIを導入することで問題が発生した瞬間に対策を講じることができ、システムの安定性を高められるでしょう。

3.予測分析

AIは過去のデータから学習し、将来の問題を予測することができます。データ学習により問題が発生する前に対策が可能となり、障害の未然防止に役立ちます。

4.作業の効率化

AIの導入により業務の一部を自動化することで、運用監視チームは単純作業ではなく戦略的な作業に時間を割くことができます。

5.ヒューマンエラーの削減

運用監視はヒューマンエラーによる問題を防ぐために重要です。AIは感情や疲労に影響されず一貫性のある作業が可能ですので、人為的なミスによる問題を大幅に削減できます。

一方、AIを運用監視に組み込む際には過剰な自動化や誤ったアラートの増加といったリスクがあるため、適切な訓練と監視が必要です。また、AIは人間の判断や専門知識には及ばない場合もあり、適切なバランスが求められます。

運用監視におけるAIの活用例


運用監視におけるAIの活用案はさまざまです。以下に3つの活用例を紹介します。

サーバーおよびネットワーク監視

AIは大量のサーバーおよびネットワークデータをリアルタイムで分析し、異常を検出することが可能です。ITインフラストラクチャの運用監視にAIを導入している事例はすでに多く見られます。

たとえば、サーバーの負荷が異常に高いと自動的に警告を発し、障害を予測して適切な対策をAIが提案してくれます。

セキュリティ監視

サイバーセキュリティはシステム・IT環境で特に重要です。AIを活用してネットワークトラフィックの異常検出や、サイバー攻撃を識別し、セキュリティ監視に役立てられます。

たとえば、システム内へのデータの異常なアクセスや侵入を試みる不正なログを検出し、セキュリティ担当者に通知することが可能です。

アプリケーションのモニタリング

ウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションの運用監視にもAIが活用できます。アプリケーションの応答時間が遅い場合にAIで問題の特定や原因を推定するなど、パフォーマンスを監視してユーザーエクスペリエンスの向上に役立てられます。

このように、AIの導入により効率的な監視、早期警告、問題の予測などが可能です。

AI×セキュリティ監視のメリット


情報漏えい対策などセキュリティの重要性が高まる中、AIはセキュリティ監視にも大きな変化をもたらしています。AIによるセキュリティ監視のメリットには以下のようなものがあります。

1.データ分析と異常検出

AIは大量のデータを高速かつ正確に分析する能力を持っており、セキュリティイベントのログデータ、ネットワークトラフィック、アプリケーションの振る舞いなどの情報収集も得意です。通常のアクティビティとは異なるパターンや不審なアクセスなどの異常を検出した際は、リアルタイムで自動的に警告を発信してくれます。

2.機械学習と予測分析

機械学習モデルのAIは、異常なアクティビティのパターンなど過去のセキュリティインシデントから学習し、新たな脅威を予測することが可能です。これにより、予防的な措置を講じるための時間的余裕が得られ、被害リスクを抑えることが期待できます。

3.ユーザーベヘイビア分析

AIはユーザーのアクセスパターンや振る舞いをモニタリングし、不正アクセスを検出するのに役立ちます。たとえば、従業員が通常の業務範囲外でファイルにアクセスしようとする場合、AIはこれを異常として識別し、警告を発信します。これにより、内部のセキュリティ違反を検出するのに役立ちます。

4.シンプルで効果的な監視

AIは複雑なセキュリティデータを容易に解釈し、アナリストに分かりやすく情報を提供してくれます。

ただし、誤検出や誤報告が発生する可能性も否めません。AIのモデルを適切にトレーニングし、専門的なスキルを持ったスタッフと連携して監視をおこなうことが重要です。

セキュリティ監視ツール・サービスの例

AIを用いたセキュリティ監視ツールやサービスを提供している企業の例を紹介します。
※編集注:本来はセキュリティ監視プラットフォームというべきですが、SEO的な文脈を考慮してツール・サービスとしております

Darktrace

darktrace出典:Darktrace

Darktrace社は、AIを用いた自己学習型のサイバーセキュリティプラットフォームを提供しています。

内外のセキュリティを自立強化するDarktrace PREVENT、攻撃を瞬時に検知するDarktrace DETECTなど複数の機能が搭載されており、インプットとアウトプットを自律的に繰り返すことでサイバー攻撃の予防をおこなえるのが特徴です。

CylancePROTECT

cylance出典:CylancePROTECT

Blackbelly社の提供するCylancePROTECTは、数理モデルAIを使ったエンドポイント保護プラットフォーム(EPP)です。

予防第一のサイバーセキュリティを強みとしており、ゼロデイ攻撃も99%の有効性で検出・阻止してくれます(※同社調べ)。

Vectra

vectraVectra

Vectra社は10年以上の研究を経て開発された「Attack Signal Intelligence AI」によるネットワークセキュリティ分析ソリューションを提供しています。

ネットワーク、パブリッククラウド、SaaS、IDと4つの領域で製品を展開しており、教師あり学習・や相関分析などの検知ロジックを組み合わせて、精度の高い検知を提供しています。

Trellix Helix

trellixTrellix Helix
Trelix社が開発しているTrellix Helixは、クラウド型のセキュリティ運用プラットフォームです。このプラットフォームはさまざまなサービスから収集したデータを統合的に管理し、一元化されたインターフェースでのオペレーションが可能です。

AIと機械学習を活用することで攻撃者に対する効果的な対策を提供し、セキュリティアナリストの負担を軽減してくれます。

さいごに

AIによる運用監視やセキュリティ監視は、障害への対応やサイバー攻撃の高度化に対抗するための重要なツールとなっています。

AIを経営戦略の一部として組み込み、リソースの有効活用や情報漏えいの防止、サイバー攻撃からの脅威に対処するために活用してみてはいかがでしょうか。

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Nomi Masako
Nomi Masako テクニカルディレクター / 能美 昌子

Web開発経験15年以上。経験領域はWebデザイン、アプリ開発、 Web制作全般。クライアントファーストを信条にDXソリューションの提案からUX/UI改善〜SEO施策まで幅広く実施。 直近は、保険・金融業界の複数クライアントに対して業務とシステムの両面におけるDXに従事。

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