IT運用管理のDXにAIを活用しよう【ツール例も紹介】

IT運用管理のDXにAIを活用しよう【ツール例も紹介】

Nomi Masako

Nomi Masako

Technology部の能美です。

IT運用管理にはリソース管理や適切なスキルを持った人材の確保など、さまざまな課題がつきものです。近年は運用管理にAIを活用することで、こうした課題の解決を図る企業も増えつつあります。

そこで今回は、運用管理におけるAIの活用方法について、実際に活用できるツールをまじえながらご紹介します。ご参考になれば幸いです。

運用管理の問題点

適切なスキルを持った人材の確保

運用管理では適切なスキルを持つ専門家が必要ですが、高度な技術やセキュリティに関するスキルを持った人材の確保が難しいケースもあります。

また、規制の変化に常に適応する必要があり、関連するスキルや知識を維持するための努力が必要です。業界規制の変化に対応できない場合、適切な運用が難しくなります。

ヒューマンリソースの管理

運用管理は24/7(24時間・7日間体制)の監視が必要な場合が多く、従業員に長時間の勤務や常に対応が求められる状況が続けば過労やストレスを引き起こす可能性があるのも問題点です。

企業や組織はこのような課題に対処するために、リソースの適切な管理と戦略の策定が必要です。こうした問題点への対策として、AI活用が注目されています。

新たな解決法としてのAI活用

AI(人工知能)の急速な進化は、運用管理領域においても大きな変革をもたらしています。AIはプロセスの自動化、データ分析、意思決定のサポートなど、多くの運用管理タスクにおいて効果的なツールとして活用されています。

以下ではツールの実例を交えながら、運用管理におけるAI活用例をいくつかご紹介します。

1.ネットワーク運用管理

ネットワーク運用管理では、トラフィックの監視、障害の検出、トラブルシューティング、および容量計画などのタスクにAIを活用できます。

例えば、Ciscoブランドで有名なシスコシステムズ社は、AIプラットフォーム「Cisco Crosswork Network Automation」を提供しています。このプラットフォームはネットワークの問題を自動的に識別し、解決策を提示してくれるものです。

AIによるネットワーク運用管理はネットワークの可用性を向上させ、障害の回復時間を短縮できるなど、さまざまなメリットがあります。

2.サーバーとインフラ運用管理

データセンター運用管理では、サーバーのパフォーマンス監視、資源の最適化、障害予測などにAIが応用されています。

代表的なツールには、Hewlett Packard Enterprise(HPE)社が提供しているAIプラットフォーム「HPE InfoSight」などがあります。ツールを活用することで、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのデータセンターインフラストラクチャを監視し、問題の予測や自動最適化が可能です。これにより、ダウンタイムを最小限に抑え、運用効率を向上させられます。

3.クラウド運用管理

クラウド運用管理においては、AIはクラウドリソースの利用率の最適化、セキュリティの強化、コスト管理などに貢献しています。

クラウド開発といえばAmazon Web Services(AWS)ですが、AWSは「AWS Trusted Advisor」というサービスを提供しており、クラウドインフラストラクチャの設計や運用にAIを活用しています。

このサービスはセキュリティベストプラクティスのアドバイス、コスト最適化の提案、パフォーマンスの最適化などをおこなってくれ、クラウドリソースの運用最適化を図れます。

4.サポートデスクとカスタマーサービス

AIはサポートデスクやカスタマーサービスにおいても効果的に利用可能です。AIチャットボットを導入してカスタマーサポートを自動化し、ユーザーの問い合わせに迅速な対応をおこなっている企業もあります。

チャットボットの例としては、顧客の質問に対してAIが自動応答するZendesk社の「Zendesk Answer Bot」などがあります。AIを活用すれば24時間体制でのサポートが可能となり、業務効率化や顧客満足度の向上につなげられるでしょう。

5.ソフトウェア開発とデプロイメント

AIはソフトウェア開発およびデプロイメントプロセスにおいても有用です。

たとえば、GitLabには「GitLab Auto DevOps」という機能があります。CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)プロセスを自動化してくれます。コードのビルド、テスト、デプロイメントを自動化することで、開発者の生産性を向上させることが可能です。

さいごに

AIは業務の自動化、予測分析、意思決定の支援など、運用管理プロセスの効率化が可能です。AIを導入することで、コスト削減、リソース効率化、サービスの向上などさまざまなメリットが期待できます。

AIと運用管理をうまく統合することで、競争力を維持し、迅速な意思決定やサービス提供ができるでしょう。

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Nomi Masako
Nomi Masako テクニカルディレクター / 能美 昌子

Web開発経験15年以上。経験領域はWebデザイン、アプリ開発、 Web制作全般。クライアントファーストを信条にDXソリューションの提案からUX/UI改善〜SEO施策まで幅広く実施。 直近は、保険・金融業界の複数クライアントに対して業務とシステムの両面におけるDXに従事。

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