LIGでフロントエンドエンジニアをしているいとしゅんです。
Slackのtimesに、日々気になったWebサイトやWeb関連ニュースをメモのように残しているのですが、社内でも「参考になる」と言ってもらえることが多いので、月ごとにまとめて公開しています。
今回は2026年6月版として、気になったサイト・ツール・読みものをジャンル別にまとめます。Web制作に携わる方のインプットの参考になればうれしいです。
▼前回の記事はこちら 今月フロントエンドエンジニアが気になったWebサイト・ニュース30選【2026.5】
今月気になった「Webサイト・表現」
X GROUP|新ブランド特設サイト
エックスモバイルを中核とするXグループの新ブランド特設サイト。
黒背景に蛍光グリーンを効かせたエネルギッシュなデザインで、8bitアイコン風のデザインエレメントをブランドシステムに取り入れているのが特徴的です。
Ten Years Away – A graphic novel, of a true story
実話をもとにしたインタラクティブなグラフィックノベル体験サイト。年ごとに章立てで読み進めていく構成になっています。
漫画をスクロールで読み進めるような体験になっていて、音・グラフィック・テキストが一体となったイマーシブな読み物として設計されています。
株式会社ビットライズ
福岡・北九州のWeb制作会社のコーポレートサイト。
ホワイト×レッドのメリハリのある配色で、「MiCHi!」のロゴがファーストビューに大きく展開します。
Vaulk
フランス発のモジュール式シェルターシステムの企業サイト。
プロダクトの3DCGやデプロイメントプロセスの映像がスクロールに合わせて展開する構成で、洗練されたLPになっています。
KEI inc.
デザインスタジオのポートフォリオサイト。
余白をたっぷりとった静かなレイアウトに、縦組みの日本語テキストと風景・静物の写真が配置されていて、サイト全体に落ち着いた空気が流れています。
The Lacoste Polo Atelier Experience
https://members-play.lacoste.com/polo-factory-experience/us/en/
ラコステの会員向けに公開されたポロシャツの製造工程を体験できるインタラクティブサイト。
画面上のボタンを押すだけのシンプルな操作で、ポロシャツがどう作られていくのかを順に追っていける構成になっています。操作がシンプルなぶん工程そのものに集中でき、見ているだけで楽しめるサイトになっています。
株式会社興栄コンサルタント
建設コンサルタント会社のコーポレートサイト。
イラストで描かれた街がファーストビューに広がります。スクロールを進めていくと賑やかな街並みが立ち上がっていくアニメーションが気持ちよく、青空から街、田園、山へと続く俯瞰の世界に建設・測量の場面が描き込まれています。
Kenichi Aikawa – Photographer
フォトグラファー相川健一さんのポートフォリオサイト。
スクロールすると作品が布のように流れていき、余白をたっぷりとった配置とやわらかい光の写真が相まって、静かで上品な空気が流れています。
Son Daven — Design Resort Hotel
ウクライナ・カルパティア山脈の麓のヤレムチェに建設中のデザインリゾートホテルの投資プロジェクトサイト。
スクロールに合わせて画像がズームしたり斜めに流れたりと、動きをふんだんに使った演出が印象的です。
Tenztan — Tanmay Premee
インドのAIエンジニアのポートフォリオサイト。
「INTERACT・交信」「創造」など日本語のタイポグラフィを織り交ぜたアニメ調の世界観で、GSAPを駆使したシネマティックな演出が展開します。
CGWORLD Web Design Week
https://cgworld.jp/special/webdesign-week/vol1/
CGWORLDが主催する、3DCGを活用したWeb制作・デザインの情報を届ける5日間のオンラインイベントの特設サイト。
サイト自体が3DCGを大胆に使ったエンタメ的な作りで、イベントのコンセプトをそのまま体現しています。
CRAV | Artisan Smashed Burgers
架空のスマッシュバーガーブランド「CRAV」のコンセプトサイト。
肉・チーズ・トマト・レタスなどの食材が大きく重なり合うシズル感たっぷりのビジュアルが食欲をそそります。素材の色にあわせたページ遷移アニメーション、素材が飛び跳ねるフッターなど、バーガーの「全部のせ」感を視覚的に表現していて、見ているだけでお腹が空いてきます。実在ブランドではないものの、フードサイトの表現の参考になりそうです。
IZANAMI
ドバイを拠点に、日本の文化や精神性を世界へ届けるブランド「Izanami」のサイトです。
流体を使ったインタラクションは控えめながら存在感があり、デザイン全体に無駄がありません。静かなのに高級感がある、という難しいバランスが成立しています。
今月気になった「ツール・プラットフォーム」
Liquid DOM — Web で Apple Liquid Glass を完全実装
https://liquid-dom-showcase.vercel.app/
WebGPU ベースで Liquid Glass をフルスクラッチ実装したライブラリ。
食料品消費税減税案 vs 所得連動型給付案 シミュレーター|チームみらい
https://team-mir.ai/artifacts/kyufu/simulator.html
チームみらいが公開した給付施策の比較シミュレーター。
年収・配偶者の有無・子の人数を入力すると、食料品消費税減税案とチームみらい案(所得連動型給付)の年間恩恵額を比較できます。
Playwrite TZ|Google Fonts
https://fonts.google.com/specimen/Playwrite+TZ?preview.script=Latn
正式な手書き文字スタイルをデジタルフォントとして再現していて、優雅なカリグラフィー風の書体です。Google Fontsから無料で使えます。
jespervos/blossom-carousel
https://github.com/jespervos/blossom-carousel
ブラウザのネイティブスクロールを置き換えるのではなく、その上にドラッグ操作を加える設計のカルーセルライブラリ。
今月気になった「ニュース・読みもの」
技術周りのトピックス
Appleが画像圧縮技術「PICO」を発表しました。
今まで100MBだった写真データを、見た目をほぼ変えずに30〜43MBに圧縮できます。
仕組みは「人間の目が何を重要だと感じるか」をAIに学習させ、
目が気づかない部分のデータを優先的に削る設計です。JPEGやiPhone標準のHEICと比べても大幅に小さく、… pic.twitter.com/vg4XMwB2Rr
— russianblue (@russianblue2009) May 25, 2026
AIが人間の視覚特性を学習して不要部分を削る新しい画像コーデック。
100MB → 30〜40MBに圧縮しつつ肉眼では差がほぼわからないとのこと。研究段階だけどiPhone17 Pro Maxでの処理速度が既存サーバーGPUを上回るらしい。
Webサイトに漫画ビューワーを組み込むことが出来るJS/TSライブラリ「comimi」を公開しました
CSSアニメーションでかわいく動くUIにも注目していただけると嬉しいですhttps://t.co/Dz8CVZxK3p pic.twitter.com/t0EHPSHH0x— yui540 (@yui540) May 24, 2026
CSSアニメーション付きの漫画ビューワーをサイトに埋め込めるライブラリが公開された。
Chrome 149で追加された9つのCSS・UI関連機能のまとめ記事。注目はCSS GridやFlexboxのギャップにスタイルを設定できるようになったことで、コンテナ間の罫線がハックなしで実装できるようになります。
Claude Codeの社内導入を推進する「チャンピオン」向けのガイド。発見を共有する・質問に答える・輪を広げるという3つの行動を軸に、週あたりの作業時間目安(合計1時間以内)や30日間のプレイブック・よくある懸念への回答例まで実践的にまとまっています。
取り組み・カルチャー紹介
Keychronとギズモードが戦略的パートナーシップを締結し、新製品2つが発表されました。ひとつは親指操作のトラックボールマウス「Keychron T1 HE」
6月1日からギズマートでクラファン開始です。もうひとつは左右分割キーボードの共同開発プロジェクトで、6月中旬にクラファン予定とのこと。
デザイン誌「MdN」で知られる出版社・エムディエヌコーポレーションが7月1日付でインプレスに吸収合併されることが発表されました。
エムディエヌは1992年設立で、MdNのほかデザイン・グラフィックス系の書籍を多く手がけてきた会社です。
雑誌『POPEYE』のロゴには「P」「O」「E」「Y」の4文字しか存在しない——という気づきから、創刊50周年を記念して残りのアルファベットを作り上げたプロジェクトの制作秘話。
AI時代の新しい花形職種として注目される「FDE(Forward Deployed Engineer)」を取り上げた記事。顧客先に入り込んでAIを実際の業務に組み込むエンジニアで、米国では年収3200万円規模にもなるとのこと。
AIは知能そのものではなく「認識態度」を増幅する装置だという論考。差が出るのは知識量ではなく「思考の停止条件」で、納得するまで問い直す人にはAIは反証装置として働き、それっぽい答えで止まる人には思考放棄の効率化装置になる、という整理が刺さります。
今月のひとこと
今月は、ブランドや作品の世界観をWebの表現そのものに落とし込んだサイトが多く目に留まりました。音やグラフィック、3DCGを使って「読む・見る」を体験に変換していくものがある一方で、余白をたっぷりとった静かなミニマル系も印象的で、にぎやかな方向と静謐な方向の両極が並んでいたのが面白かったです。
ニュース面では、画像圧縮やCSSの新機能など、制作の足回りが着々と進化している印象。AI時代の新しい職種や、AIとの向き合い方そのものを問い直す論考も増えてきていて、ツールが揃っていくほど「何をどう伝えるか」という部分が問われていくのかなと感じています。
また来月もまとめます。それでは!
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