「Webデザイナーもマーケティングを学ぶべき?」
「マーケティングスキルがあれば転職で有利になるの?」
そんな疑問を持つWebデザイナーの方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、マーケティングはWebデザイナーの必須スキルではありません。ですが、マーケティングの視点を持つことで、仕事の幅が広がり、市場価値の高いデザイナーへと成長できるのも事実です。
私自身も前職ではWebデザイナーでしたが、今はLIGのインハウスマーケティング部でマーケターとして働いています。今回は実際に転職した側の意見も含めながら、Webデザイナーにマーケティングが役立つ理由、身につけたいスキル、具体的な学習方法まで、まとめて解説します。
【結論】Webデザイナーにマーケティングの知識は必須ではない
マーケティングの知識は、Webデザイナーにとって必須ではないが、あると市場価値が上がるスキルです。特に、今後UIデザインのスキルを身につけていきたい方や、デザインをベースに他の職種にチャレンジしたい方にとって非常に役立ちます。
まずは具体的にどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
マーケティングを学ぶWebデザイナーが得られるメリット
Webデザイナーがマーケティングの知識を身につけることには、次の3つのメリットがあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| デザインの提案力を高められる | 「なぜこのデザインなのか」をデータも活用しつつ説明できるようになり、クライアントやチームへの提案力が高まる |
| 市場価値・年収レンジが上がりやすい | 制作だけでなく改善・分析まで担えるため、評価されやすく高単価案件にもつながりやすい |
| キャリアの選択肢が増える | Webプロデューサーなどの上位職や、Webディレクター・Webマーケターなど別職種への道が開ける |
とくに大きいのがキャリアの選択肢が広がる点です。
弊社では転職エージェント事業を行っておりますが、マーケティングができるデザイナーは企業からの需要も高いです。たとえばUIデザイナーの募集要綱では、CVRや離脱率などのデータにもとづいてページを改善した経験を必須要件として求める企業も珍しくありません。
また、マーケターやWebディレクターなど、他の職種へキャリアチェンジするためにも役立ちます。私も前職ではデザイナーとして入社したのですが、Webマーケティングの仕事も任されるようになり、その経験を活かしてインハウスマーケターとしてLIGに転職したという経歴があります!
このように、自分のキャリアプランやライフステージに応じた選択肢の幅が広がることこそ、Webデザイナーがマーケティングを学ぶ最も大きなメリットかと考えています。
Webデザイナーが身につけたいマーケティングスキル6つ
では、具体的にどのようなマーケティングスキルを身につければよいのでしょうか。押さえておきたいマーケティングスキルを6つ解説します。
前提として、すべてを一度に習得する必要はありません。興味のあるものや業務で関わるものから少しずつ広げていくのがおすすめです。
- カスタマージャーニーの設計
- マーケティングの基礎フレームワーク
- アクセス解析(GA4・Search Console)
- CVR改善・LPO・A/Bテスト
- コピーライティングの基礎
- SEO(検索エンジン最適化)の基礎
カスタマージャーニーの設計
カスタマージャーニーとは、ユーザーがサイトを認知してから行動(購入・問い合わせなど)に至るまでの流れを整理したものです。
ユーザーがどんな課題を抱えていて、どんな情報を欲しがっていて、どういうときに行動するのか。その流れを事前に設計しておくことで、必要なコンテンツや載せる情報の順番を決めるのに役立ちます。
💡カスタマージャーニーについて詳しく知りたい方はこちら カスタマージャーニーとは?マップの作り方と作成目的・活用例
マーケティングのフレームワーク
マーケティングのフレームワークは、デザインのコンセプト設計を考える際にも役立ちます。例をいくつかご紹介します。
| フレームワーク | 内容 |
|---|---|
| バリュープロポジション | 顧客目線と企業目線の2つの観点で、企業が顧客に提供する価値を端的に言語化する |
| Will・Can・Must | Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(求められていること)の3つのカテゴリーに分けて考えることで、現状整理と目標達成に必要なステップの明確化に役立つ |
| 価値仮説シート | ユーザー・欲求・課題・製品特徴を一言に言語化することで、本当にユーザーが求める機能を見極め、効率的な開発につなげる |
これらのフレームワークについて、LIGのデザイナーが詳しく解説している記事があるのでぜひご覧ください!
コンセプト設計のためのフレームワーク12選【実施事例もご紹介】
アクセス解析(GA4・Search Console)
Google Analytics(GA4)やGoogle Search Consoleを使うと、サイトに「どれくらいの人が・どこから来て・どう動いたか」を数字で把握できます。
デザインの良し悪しを感覚で語るのではなく、「このページは離脱率が高いから改善が必要」「このCTAはクリック率が低いから訴求やデザインを変えてみよう」など、数字を根拠に判断できるようになれるのが、解析スキルの強みです。
CVR改善・LPO・A/Bテスト
CVR(コンバージョン率)とは、訪問者のうち購入や問い合わせなど目標の行動=CV(コンバージョン)に至った割合です。このCVRを高める施策として、LPOやA/Bテストがあります。
- LPO:ランディングページを最適化し、訪問者の離脱を防いで行動を促すこと
- A/Bテスト:同じページで2つのデザイン案を出し分けて、どちらがより成果を出すかデータで検証する手法
「A案とB案のどちらがCTAを押されやすいか」「ファーストビューはA案とB案どちらがより滞在率が長いか」など、データをもとにデザイン案を考えるための素養が身につきます。
コピーライティングの基礎
実はキャッチコピーやボタンの文言ひとつで、Webサイトの成果は大きく変わります。
たとえばCTAのテキストを「サービスを申し込む」ではなく「無料で試してみる」にするだけでも、ユーザーの反応が変わることは珍しくありません。
ユーザーの態度変容を促すためにどんなコミュニケーションが必要かを考える。これはデザインを行ううえでも大切なポイントかと思います。
SEO(検索エンジン最適化)の基礎
SEOは、Googleなどの検索エンジンからの自然流入を増やすための施策です。優れたデザインのサイトが検索上位になるというわけではありません。サイトの構造やページの表示速度、コンテンツ内容など様々な要因が絡み合いながら順位が決定します。
実務ではWebディレクターが設計に関わることが多いですが、基礎を押さえておくことで「なぜこのコンテンツが必要なのか」「どんなページにすればユーザーのニーズを満たせるか」といった一歩先の部分まで考えながらデザインと検索評価の両立を図れるようになります。
また、SEO担当者と協業する際も、共通言語があるとスムーズです。
マーケティングスキルを身につける4つの学習方法
マーケティングスキルは、知識をインプットするだけでは身につきません。実際に手を動かし、数字を見て改善するサイクルを回すことが上達の近道です。ここでは取り組みやすい4つの方法を紹介します。
自社サイトや自主制作サイトの数字を改善する
まずやってみていただきたいのが、自社サイトや自主制作したサイト・SNSを運用してみることです。
Webマーケティングスキルを磨くには座学も大切ですが、個人的には実践することが一番の近道だと考えています。
クライアントワークではできることにも制限がありますが、自社サイトや自分自身が作ったサイトであれば、試行錯誤しながら施策を回していけます。
たとえばバナー制作ひとつとっても、マーケティングの観点を組み合わせると以下のようにさまざまな検証内容があります。
- 複数パターンのバナーを制作してABテストを行う
- GA4やヒートマップツールを使って、どのバナーがKPI達成に貢献したか分析する
- 成果が出なかった場合は、何が要因なのか仮説を立て、PDCAを回す
このようにバナーを制作した結果どうなったのか、具体的な数値も含めて成果を見ていくクセを付けるようにしましょう。
Webデザインのスキルを証明するためにポートフォリオが大切なように、マーケティングスキルは数字で示すことが重要です。最初はツールの使い方などに苦労すると思いますが、マーケティングスキルを身につけるためにぜひチャレンジしてみてください。
担当業務で「なぜこのデザインか」を言語化する
すでにWebデザイナーとして働いているなら、日々の制作で「なぜこの配色・配置にしたのか」を成果の観点から言葉にする習慣をつけるのもおすすめです。
たとえば「目立たせたいからこの色にした」と抽象的な説明ではなく、「行動を促すボタンなので、視線が集まりやすい色にした」と、より具体的に説明できるようになるとよいです。この積み重ねが、マーケティング視点を自然に鍛えてくれます。
作ったものとユーザーの接点を考える
私は作ったバナーやLP、Webサイトなどが、どこで露出される、どこから流入するのかなど、ユーザーの接点まで考えることが重要だと思っています!
①作るだけでなく接点まで考えることで、「サービスを広める」というマーケ視点が身につく
②接点を考えることで「ユーザーがどういう気持ち・タイミングで訪れるか」を考慮したデザインができる
SNSなのか、検索なのか、広告なのか……。経路によって必要なデザインや訴求も異なるので、日頃から意識しながら制作してみてください!
体系的に学びたいなら動画講座もおすすめ
必要なスキルを体系的に学びたいという場合は、動画講座を活用するのもおすすめです。
たとえば弊社LIGでは、Webマーケティングやデザインが学べる動画学習プラットフォーム「リグアカ」を提供しています。
出典:リグアカ
リグアカではLIGがこれまで培ってきたマーケティング支援や広告制作のノウハウ、多くのWebデザインアワードを受賞してきた知見に加え、業界の最先端を走る企業とタッグを組み、現場のデザイナーやマーケターに役立つ講座をご提供しています。
基礎から応用までカバーしており、初心者の方でも学習を進めやすくなっています。
すぐに視聴できる無料講座も多数用意していますので、以下のリンクからぜひお試しください!
Webデザイナーのマーケティングに関するよくある質問
Q: マーケティングの知識がないとWebデザイナーになれませんか?
いいえ、マーケティングスキルは必須ではありません。未経験からWebデザイナーを目指す場合は、デザインの基礎やツール操作、コーディングなどを身につけるのが先決です。マーケティングはデザインスキルが固まってきた段階で、市場価値を高める付加価値として学んでいくのがおすすめです。
Q: マーケティングは何から勉強すればいいですか?
まずはアクセス解析(GA4)とペルソナ設計から始めるのがおすすめです。自分のブログやSNSを運用して数字を見ながら改善する経験を積むと、座学では得られない実践的なスキルが身につきます。
Q: デザイナーとマーケター、どちらを目指すべきですか?
どちらが優れているということはなく、目指す働き方によります。ものづくりが好きならデザイナー軸でマーケ知識を足す、数字や戦略に関心があるならマーケター軸へ広げるなど、ご自身の希望する働き方を軸に考えるべきです。
まとめ:マーケティング視点が市場価値の高いデザイナーをつくる
Webデザイナーにとってマーケティングは必須スキルではありません。ですが、ペルソナ設計・SEO・アクセス解析・CVR改善といったマーケティングの視点を持つことで、提案の幅が広がり、市場価値の高いデザイナーへと成長できます。
まずは自社サイトや自分のブログの運用から始め、できることを少しずつ増やしていってみてください!