せきゆおうが語る「AIで平均点が量産される今、デザイナーの現在地とこれから」イベントレポート

せきゆおうが語る「AIで平均点が量産される今、デザイナーの現在地とこれから」イベントレポート

Shoto Nakakoshi

Shoto Nakakoshi

「AIでデザイナーの仕事はなくなるんじゃないか……」

SNSを開けば、そんな不安を煽る投稿が飛び込んでくる。でも、実際のところ、現場はどう変わっているのか? 自分はこれからどうすればいいのか?

そんなリアルな問いに正面から向き合う場として開催されたのが、今回のオンラインイベントです。

ゲストスピーカーに迎えたのは、Webクリエイターとして15年以上のキャリアを持ち、Xでも多くのデザイナーから支持を集めるせきゆおうさん

テーマは、「AIで平均点が量産される今、デザイナーの現在地とこれから」

今回のイベント、申し込み数はLIG Agent主催イベントとして過去最多を記録しました。それだけ多くのデザイナーが、AIに対する不安や「自分はこれからどうすればいいのか」という問いを抱えているということかもしれません。

そんな注目度の高い今回、モデレーターのLIG Agentキャリアデザイナー・しょうへいとともに1時間たっぷり語り合いました。

ico 登壇者紹介:せきゆおうWebクリエイター。業界歴15年以上。複数の制作会社で経験を積み、受注から納品までを一貫して一人で担当してきたこともあり、デザインと構築の橋渡しとなる設計や、制作フローの効率化を得意としている。2020年1月に個人事業主として独立し、同年4月に「せきゆおう」アカウントを開設。現在はWeb制作全般に加え、紙媒体やUIデザインも手がけている。2022年/名古屋の専門校で半年間講師を務める。2023年/Colosoで講座をリリースし、同年上半期のカテゴリ別BEST講座を獲得。2025年/CSS Nite単独登壇。Xアカウント
icon モデレーター:LIG Agent キャリアデザイナー しょうへい人材事業「LIG Agent(LIGエージェント)」責任者/キャリアデザイナー。人材採用・育成、キャリア開発、事業戦略立案を専門とし、ホスピタリティからクリエイティブ分野まで幅広い業種での人材マネジメントに精通している。2022年2月よりLIGに参画し、人材関連の経験を活かしてクリエイティブ人材の育成と支援に従事している。

本記事では、当日参加者から寄せられた質問も交えながら、イベントの模様をレポートします!

AIでデザイナーの仕事はなくならない。でも、変化はある

最初のテーマは、多くのデザイナーが気になっているであろう「AIによって業界はどう変わるか」という問いです。

せきゆおうさんは最初にこう前置きしました。

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せきゆおうさん:AIの進化は早くて、半年で常識が変わることもあります。そのため今日話すことはあくまで個人の見解として聞いていただけると嬉しいです。

その上で、まずコロナ前後の業界の変化をひもときます。

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せきゆおうさん:コロナ前までは新規参入者が少ない業界で、レベルが中程度の人が多かった。コロナ禍にリモートで働きたい人が急増して、業界の人口が爆発的に増えました。その後5年でさまざまな事情で人が辞めたり、成長して残ったりして、業界のレベルが少し高くなった。

そこにAIが登場して、一般の方でも簡単なWebサイトやデザインが作れるようになってきた。これが今起きていることだと思います。

「AIで仕事がなくなるのでは」という不安については、こんな言葉が飛び出しました。

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せきゆおうさん:AIでデザイナーの仕事がなくなるというなら、CanvaやStudioが登場したタイミングで我々の仕事はもうなくなっているはずなんです。AIが登場する前から一般の方が触れやすいツールはあって、それでもデザイナーの仕事はなくなっていないなら、AIが出てきてすぐなくなるわけじゃないと思うんです。
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しょうへい:本当にそうですよね。毎日のようにデザイナーさんから同じご相談をいただくんですが、「実際どうですか?」って聞かれて、私も同じ考え方で。もっと前にツールが普及した段階でなくなってそうなんですけど、そうじゃなかった。だからAIでいきなりなくなるわけではない、というのをお伝えできればと思っています。

「AIで終わった」はSNSだけの話

「自分だけ取り残されているのでは」という不安を感じているデザイナーに向けて、せきゆおうさんは「安心してください」と切り出しました。

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せきゆおうさん:SNSを見ると「デザイナーはオワコン」「Web制作終わった」みたいな話がよく流れてきます。ふとリアルに目を向けたときに、あれ、そんなでもないぞ? という気づきがあって、今日はそれを共有できればと思います。

一意見として、SNSでAIの「すごい投稿」をしている人たちの多くは、こういった目的で発信していると指摘します。

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せきゆおうさん:「新しくなったAIすごい! と言いたい人」「AIのPR案件を受けている人」「実務じゃなくて自主制作を紹介している人」「SNSでウケるネタを発信している人」……こういった方々の目的は、フォロワー獲得や、SNS報酬、サービスへの誘導などのこともあると思います。

SNSで映えるだけの制作物と、プロとして納品できる制作物は全くの別物だと思って見てほしいんです。

現場の実態は?

実際に周囲の声を聞いてみると、

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せきゆおうさん:知り合いの方たちに「AIって何を使っていますか」と聞くと、「ChatGPTかな、他に何かあるの?」みたいな反応なんです。デザイナーの友人でも「壁打ちに使ったり、たまに自主制作するくらい」という人が多い。Xとリアルを比べると、Xは本当に別世界だなと改めて思いました。
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しょうへい:LIGや求職者のデザイナーの方々も、何かしらAIを使ってはいるものの、AIでデザイン生成しているかというとそうではないことが多いですね。案出しや壁打ち、情報整理など、生産性を上げるために使っているイメージがあります。

大企業ですら今AI研修をやっと始めたところもきっとあって、まだまだAIをフル活用しているとは言えないのかもしれませんね。

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せきゆおうさん:まだエクセルファイルが送られてきたり、紙で印刷したりもしてますしね(笑)。

パーソル総合研究所の「生成AIとはたらき方に関する実態調査(2025年2月)」によると、生成AIを業務で使っていない人は67.6%

使っている人の中でもヘビーユーザーは11.7%に留まります。使い方の多くもメール作成や情報整理など日常業務の効率化がメインという結果でした。

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せきゆおうさん:一般の方が自分でAIを使ってWebサイトを作ろうとはなかなか思わないと思うんです。やるならCanvaだと思いますし、それはAIの前からそうだったはずです。「誰でも簡単にWebサイトが作れるからもう終わりますよ」というのは、僕は信用しないというか、鵜呑みにしちゃだめかなと思っています。

💡 このセッションで寄せられた質問

Q. デザイナーの将来性はある?
形は変わると思いますが、将来性はあると思っています。最近、小学校の授業参観に行ったんですが、子どもたちがみんなタブレットでプレゼン資料を作っているんですよ。先生も黒板ではなくスライドで授業していて。

子どもの頃から「どう伝わりやすくするか」を考える機会が増えている。デザインが民主化して身近になるほど、伝わりやすさの価値を実感する場面が増えていく。だからこそ、AIには生み出せない価値を形にできる優秀なデザイナーは、今まで以上に重宝されると思っています。

Q. AIが台頭しても、クリエイターとして需要が残り続けるスキルや専門性は?
現時点の見立てですが、AIが広がっても「正しく判断ができ責任を持って回答ができる専門力」の需要が残りやすいと感じています。AIは案や実装を速く出せますが、どれを採用するか、何を捨てるか、品質や安全性、ユーザーへの影響まで含めて責任を持って説明できる力は、引き続き人に求められやすいはずです。
Q. AIに取って代わられないか不安です。Webデザイナーとして、AIと共存しながら価値を出すには?
「見た目を整える作業」だけをデザインだと捉えると、AIで置き換わっているように見えやすいと思います。Webデザインの価値は見た目だけではなく、情報設計や運用や拡張方法など、さまざまな工程や設計があります。その中で重要になりやすいのは、正しく判断して責任をもって説明できる力だと思います。素晴らしい見た目を作るスキルは今後も重要だと思いますが、AIを使いながらも、判断と設計の部分で価値を出す方向に寄っていくと思います。

AIでギャラリーサイト掲載レベルのデザインは作れるのか

続いては「AIでハイクオリティなデザインを作れるのか」というテーマ。

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せきゆおうさん:結論から言うと、AIのポン出しでは厳しいかなと思っています。主導権を人間が握れば作れる、という感じです。

SNSでよく見る「AIで作れた!」という投稿についても率直に語りました。

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せきゆおうさん:SNSで見るWebサイトの画像、小さく見るとすごく良く感じるんですが、細かく見るとやっぱり無理があるところが多い。情報設計や調査の工程はあるし、AIが出力した情報を判断する時間も結構かかってしまう。

ぶっちゃけ、プロンプトがうまくかけなくてトータルで時間削減できていないなと感じることもあります。

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しょうへい:まさに同意見です! 本当にプロンプト次第なんだろうなと思いながら、何度も書き直してようやくうまくいく、というケースも多くて。
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せきゆおうさん:そうですよね。おそらく今日参加している人も「わかる」ってなってる方が多いんじゃないかなと思っています。発信する側はそういうことあまり言わないと思うんですけど(笑)。

実際にAIのポン出しデザインを指摘してみた

このセッションでは、せきゆおうさんがChatGPT Images 2で生成したスポーツジムのWebサイトのファーストビュー画像を公開。

シンプルなプロンプト(ターゲット・テイスト・テーマカラーの指定のみ)で生成したというその画像は、一見かなりクオリティが高いものでした。

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せきゆおうさん:「スポーツジムのWebサイトで、ターゲットが男性20〜30代、厳しめのかっこいいサイト、テーマカラーはブルー」くらいの簡単なプロンプトのポン出しです。右上の文章だけ私が足したんですが、それ以外はほぼ一発で出てきました。

参加者に「このデザインで実装してと言われたらどうする?」とリアルタイムでアンケートを実施。

結果、ほぼ全員が「3.再設計前提で受注を検討」と答えました。

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せきゆおうさん:ほぼ全員3が正解だと思っていますよね(笑)。実はXで同じアンケートを取ったときも、「問題なく受注する」と答えた方は1割程度でした。

では、コーダー目線でこの画像を見るとどうなるか。せきゆおうさんが一つひとつ指摘します。

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せきゆおうさん:まず「ほぼ画像になるけど更新頻度は高くないか」「背景とキャッチコピーの配置はずらしていいのか」「斜めのボタンはどうやって実装するか」「グラデーションの実装方法は」「下の4つのアイコンはブラウザを少し縮めると並べるのが厳しい」……と、次々と疑問が出てくる。

こういう確認をせずに受注してしまうと、後から質問が止まらなくなって想定工数を大幅にオーバーします。

クライアントがAI画像を持ってくる時代

さらに、こんな変化も起きていると言います。

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せきゆおうさん:最近、クライアントが事前にAIで画像を作って「これを参考にして作ってください」と持ってくるケースが増えているそうです。美容室にカタログを持って行って「この髪型にしてください」と言うスタンスに近いイメージですね。
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しょうへい:理想のイメージとしてAIで生成した画像を使う人も出てきたのですね。
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せきゆおうさん:参考サイトを送られると「それ以上のものを作らなきゃ」とプレッシャーになることもありますが、AI画像ならクライアントのイメージが見えるし、戻りのリスクも減る。その点ではプラスかもしれないですね。ただ、その画像通りに作るのは違うので、ヒアリングして「これはちょっと違いますよ」と伝えていくことが大事になってくると思います。

💡 このセッションで寄せられた質問

Q. AIを使うと非効率になる領域と使うべき領域は?
Webサイトの見た目にAIを使うと、どうしても似たような仕上がりになりやすいんです。そこからさらに上を目指すなら非効率かな、と。逆に調査・情報設計・叩き台・構築のサポートは効率が上がると感じています。
Q. クライアントから参考デザインとしてAI生成のものを「こんな感じで」と渡された場合は?
まず、そのデザインが「完成形としてこのまま採用したい」のか、「方向性の参考として見てほしい」のかという意図の確認が必要かなと思います。前者と後者で、こちらの責任範囲や進め方、見積りの前提が変わります。

もし「そのまま採用したい」に近い場合は、権利関係の確認を先に行うのが安全です。生成に使ったサービス名、利用条件(商用利用の可否や禁止事項など)、元になった素材の有無を確認したうえで、画像や文言に第三者の権利(著作権、商標、人物の肖像・プライバシー等)に触れる要素が混ざっていないかをチェックします。「方向性の参考」であれば、デザインのどこを評価しているのかを言語化してもらうのがおすすめです。たとえば、雰囲気がよい、配色が好き、このフォントが使いたい、情報の配置が気に入った……など、ヒアリングで聞き出すことができるはずです。

Webサイトの場合は、静止画の見た目だけでは成立しない条件が多いので、レスポンシブ対応、情報設計、導線、アクセシビリティ、運用更新のしやすさといった実装条件を前提に、必要なら情報設計から作り直す提案をします。そうしておかないと、AIで出力された画像のまま作り始めると、想定以上に工数が増えることがあります。

Q. デザインやコーディングで、AIに任せている部分・手を加える部分・使えない部分は?
デザインは範囲が広いので、見た目作りと、それ以外の調査や情報設計に分けて考えています。AIを主に使うのは、後者の調査や整理、要件の言語化、構成案のたたき台作りです。UIの見た目作りも、最初のたたき台をAIで出してみることはあります。ただ、そのままだと自分の基準に届かないことが多いので、Figma Designに移設してもらってから、コンポーネントや簡易的なデザインルールを作ってからレイアウトを整えます。その後、最終的にコードへ戻しています。

コーディングは、AIに丸投げすると自分の環境ではTailwind CSS前提の出力になりやすく、UIデザインなら良いと思いますが、Webデザインの場合AI臭を感じる原因となります。そのため、ローカルバリアブルのコード構文とCSS側の関数を共通化することで、人間が主導権を握りつつ効率よく構築することができます。AIを使わない部分については、現時点では印刷物です。

プロに求められる「見た目・判断・責任」の3つの力

ここまでの話を踏まえて、改めてせきゆおうさんはプロに求められるものをこう整理しています。

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せきゆおうさん:クライアントがプロに求めているのって、だいたい3つだと思うんです。「見た目を作る力」「正しく判断できる力」「責任を持てる力」。飲食店にたとえると、お客さんって美味しそうかどうかだけじゃなくて、衛生管理できてるかな、清潔かなっていうところも見てますよね。それと同じで、デザインでも見た目だけじゃなく、判断できて責任を取れる人に依頼すると思うんです。

その上で、AIの影響について踏み込みます。

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せきゆおうさん:AIが登場して、この3つのうち「見た目を作る力」の部分が薄くなってきました。でも残りの2つは仕事として多く残ると思っています。

ただ、クライアント側にもAIが浸透してくると、いわば「超詳しい友人が常にそばにいる」ような状態になる。そうなると、正しく判断する難易度も上がってくると思います。

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しょうへい:最終的にやっぱり判断できたり、それを活用してどうできるかを考えられる人に寄ってくるな、と私も感じています。同意見です。

💡 このセッションで寄せられた質問

Q. 「クリエイティブ性や作家性が求められる仕事」と「AIの修正・補足の仕事」に二極化していく中で、前者を得るには?
前者の「クリエイティブ性や作家性・高い品質」を求められる仕事を取りにいくなら、AIを作品を作る道具ではなく、判断を支える道具として使うと良いと思います。制作は人間が主導権を握ります。あとは、自分より強い人たちと一緒に仕事ができて、高い品質が求められる環境に身を置くことも大切です。

Q&Aセッション

当日は、他にも多くの質問が寄せられました。せきゆおうさんに回答いただいた内容を、あわせてご紹介します。

Q. AIを最大限活用するためのスタンスは?
個人的には最近、最新情報を追いかけ続けないというスタンスが大事だと思い始めています。全部確認して検証してを続けると仕事に支障が出るし、道具が定着しないまま次のツールに移ってしまう。最大限活用するためにあえて手を抜くというか、気長にアップデートを待てる人のほうがゆとりがある気がしています。
Q. クリエイティブな現場でAIをどう活用している?
スキルの拡張として使っています。具体的には、自分が実装できなかった部分をできるようにしたり、調査・叩き台作り・提案の場面で使う感じです。人間が時間をかければたどり着ける答えを外に任せるイメージですね。
Q. コーディングスキルは今後も必要?
必要だと思っています。AIに細かく指示しないと、特定の技術スタックを前提にした出力をしてきて、レスポンシブが甘かったりCMSに対応できなかったりすることもある。クライアントワークでは最終的に品質を見極める目が必要ですし、実際に「AIが作ったコードを修正できないから直してほしい」という依頼が発生しているケースもあると聞いています。

コーディングスキルがゼロになることはないんじゃないかな、と思っています。

当日お答えできなかったQ&A

当日はお時間の都合上、すべての質問にお答えできませんでした。いただいた質問について、後日せきゆおうさんに回答いただきましたので、あわせてご紹介します。

Q. AIの台頭で、仕事の仕方に変化はあった?
はい、AIが全く無い時代と大きく変化をしています。
Q. 今後デザインやコーディングを仕事にしていくうえで、AIの知識は最低限どれくらい必要?
最低限に絞るなら、まず必要なのはセキュリティとプライバシーの基本です。具体的には、顧客情報や個人情報、未公開情報、IDやパスワード、APIキーなどの機密を入力しない判断などです。

次に、出力を鵜呑みにしないことです。文章もコードも、もっともらしく書かれているが間違っていることがあります。実務では、「人が最終責任を持つ」前提で使うのが現実的です。

デザインやコーディング面では、一度は触ってみて、何が得意で何が苦手か、どの工程で時間が短縮できて、どこで品質が崩れやすいかを体験ベースで掴んでおくと、チームや案件が変わっても判断がぶれにくくなります。

Q. デザイナーに必須のAIツールはある?
何を作るかにもよると思いますが、必須であるAIツールはないです。
Q. FigmaのデザインシステムとDESIGN.md、どちらが重要?
Figmaのデザインシステムは、人が作って人が合意するための仕組みで、コンポーネントやバリアント、ライブラリ運用、変数(デザイントークン)を整えることで、チーム内で品質と速度を両立しやすくなるという認識です。デザインレビューや運用更新も含めると、ここを扱える力は今後も価値があると感じます。

一方でDESIGN.mdは、AIコーディングエージェントに「プロジェクトの見た目のルール」を渡すための、エージェント向けの設計書に近い立ち位置です。人間中心で作るならFigmaのデザインシステムが土台になりやすく、AIエージェント中心で実装や量産を回すならDESIGN.mdがよいと感じます。どちらが上というより役割が違うので、目的に合わせて両方を扱えるのが現実的だと思います。

Q. Claude Codeなどコーディング用AIエージェントが台頭する中で、コーダーとしての強みはどこに?
AIは保守しやすいCSSとレスポンシブ時にどのサイズでも綺麗に見せるスキルは弱めです。そのため、「予測しやすい」「再利用しやすい」「保守しやすい」「拡張しやすい」変更に強いCSS設計と、レスポンシブ時にどんなサイズでも美しく見せる構築力は、引き続き価値の高いスキルになると感じています。

AIと向き合うヒントが詰まった1時間

参加者からのアンケートには「不安が少し和らいだ」「SNSとリアルが別世界という言葉が刺さった」「せきゆおうさんの声が心地よくて聞きやすかった」といった声が多く寄せられました。

今回の1時間を通じて改めて感じたのは、AIは使い方次第で業務の強い味方になる一方、その脅威を必要以上に大きく受け取る必要はないということです。リアルの現場ではまだまだAIの浸透は限定的で、「判断できる」「責任を持てる」プロへの需要はなくなっていません。

一方で、「ただ作るだけ」にとどまっているのは確かにリスクになり得る。だからこそ、見た目を作る力だけでなく、判断する力・責任を持つ力を磨き続けることが大切なのだと思います。

LIG Agentでは、今後もクリエイターのキャリアに役立つイベントを開催していく予定です。最新情報はLIGの公式X(Twitter)で随時お知らせしていますので、ぜひフォローしてチェックしてみてください。

AIの波の中で、自分はこのままでいいの? と不安を感じている方へ

「自分の市場価値って実際のところどうなんだろう?」
「自分は今後どうなっていけばいいんだろう……」

AIの現状はわかった。でも、自分のキャリアをどう動かせばいいかはまた別の話——そんなモヤモヤを感じている方、LIG Agentでは一緒にキャリアの棚卸しを行っています。

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ソフトウェア開発会社でシステムエンジニアとして7年間のキャリアを積んだあと、デジタルハリウッドSTUDIO by LIGでデザインを学び、インハウスデザイナーへと転身。生活関連情報サイトのオウンドメディア運営を経て、2025年10月にLIGへ参画。現在はSEOコンテンツ制作、マーケティング数値分析、イベント運営を中心に、マーケティング施策を推進している。

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