転職エージェントを利用する企業側のメリット・デメリットとは?

転職エージェントを利用する企業側のメリット・デメリットとは?

Shohei Osawa

Shohei Osawa

こんにちは、転職エージェント「LIGエージェント」でクリエイターのキャリアデザインを担当している大澤です。

採用活動において、単純に費用が高いといった理由から「転職エージェントを利用すべきか」と迷う企業担当者様は多いのではないでしょうか。

しかし、採用活動全体を見直してみると、自社だけで採用を進めるには見えないコストがかかっていることに気づかれるかもしれません。たとえば、求人広告を掲載したものの理想の採用に繋がらなかったケースや、採用担当者の時間的コストなど、さまざまな負担が生じています。

転職エージェントの活用は、企業側のこうした負担を軽減しながら効率的な採用活動を実現する選択肢のひとつとして、多くの企業に活用されています。

本記事では、転職エージェントを利用する企業側のメリット・デメリットを包み隠さず紹介します。他の採用手段との比較や利用の流れ、利用にかかる費用についても解説しますので、ぜひご参考にしてください!

企業側が転職エージェントを利用するメリット

「コストがかかる」という理由で、これまで転職エージェントを利用したことがない企業も多いのではないでしょうか。

そこでまずは、転職エージェントを利用するメリットをご紹介します。

1. 通常ではアプローチできない人材と出会える

多くの求職者が知名度や魅力的な条件等で企業を選択する世の中です。自社に魅力があっても、他にも魅力的な企業が多いため、埋もれてしまうことは珍しくありません。

だからこそ、いかに求職者から認知されるかが重要です。自社だけではリーチできない層、たとえば今すぐ転職を考えていない「潜在層」へのアプローチもエージェントを活用すれば可能になります。

2. ミスマッチのリスクを軽減できる

求職者は自分のスキルや志向性をエージェントへ共有しているため、採用企業は必要なスクリーニングがされた状態で応募者情報を受け取ることができ、書類選考の段階で大きなミスマッチを防ぎやすくなります。

求めているスキルセットやマインドセットに近い求職者の書類が上がってくるので、無造作な応募がなく、書類選考に費やす時間を圧倒的に削減できます。

企業の採用担当者の方も、業務内容や条件情報といった必要最低限の情報だけではなく、企業の方向性や適性な人柄、現場の雰囲気、実績までエージェントへ伝えられると、エージェント側も企業に対する解像度が高まり、求職者に正確な情報が届けられてミスマッチが少なくなるでしょう。

もちろん、どのような項目を伝えればよいかはエージェントの担当者がヒアリングさせていただくと思いますので、ご安心ください。

ちなみに、転職エージェントの担当者と良い関係を築いておくことも重要です。

エージェントも人間なので、より密度が高い関係値がある企業に優先度が高まる傾向があります。その点を押さえておくことで、マッチ度が高い人材と多く出会えるでしょう。

3. 成功報酬型のため継続的に利用できる

転職エージェントの報酬体系は、候補者が入社して初めて報酬が発生する「成功報酬型」が基本です。初期費用がかからず、費用対効果を見ながら継続利用しやすい点がメリットです。

複数のエージェントと連携した場合でも、実際に採用に至った候補者を紹介したエージェントのみに報酬が発生する仕組みとなっています。

さらに、一度取引関係を構築すれば必要に応じて柔軟に活用できる点も、企業にとってのメリットといえるでしょう。

4. 非公開求人も可能

事業戦略や機密情報に関わる採用の場合、求人情報を一般に公開せず、エージェント経由で限定的に募集をかけることが可能です。採用活動を秘密裏に進めたい企業にも適しています。

さらに、非公開求人は求職者も気になる方も多く、心理的に「優良求人なのでは」と考える求職者も一定数いるため、戦略的に非公開求人にする企業もいます。ぜひエージェントの担当者に相談してみましょう。

5. エージェントを通して求職者の本音を聞ける

求職者が企業に直接言いにくい希望や懸念は、エージェント経由で伝えられます。

たとえば給与や働き方に関する要望など、直接聞きにくい本音を知ることで、採用後の定着率向上にも繋がります。

また、求職者がエージェントには心を許しているケースも多いため、企業側があまり直接聞くことができない志望度や選考の所感も途中で確認できます。求職者の気持ちを本音ベースで確認できるのも、メリットといえるでしょう。

企業側が転職エージェントを利用するデメリット

ただし、転職エージェントを活用すれば必ず最適な人材が確保できるというわけではありません。

企業側から十分な情報提供がない場合や、エージェントとの連携が浅いままでは、求める人材の採用に結びつきにくいこともあります。

こうしたデメリットを理解したうえで、エージェントをうまく利用することが成功への鍵となります。

1. 担当者との相性次第でうまく選考が進まない場合がある

エージェントの担当者との認識のズレやコミュニケーション不足が原因で、紹介される人材の質にバラつきが出ることがあります。

相性が合わないと感じた場合は、担当者の変更を依頼するのもひとつの手です。

また、採用活動に必要な情報は、できる限り詳細に用意しておくことをおすすめします。

たとえば基本的な業務内容や労働条件以外にも、下記のような情報を用意しておくとよいでしょう。

  • 求める人物像の詳細(人柄や価値観、仕事へ対する姿勢など)
  • 適正ではない人物像(絶対にスクリーニングをしてほしい最低基準を決めておきましょう)
  • 現場の雰囲気(実際に働いている社員の年齢層や人柄)
  • 必須スキル(具体的な経験事例)
  • 内定者事例(内定者のこれまでのキャリアを詳細に)
  • 入社後のキャリアステップ
  • 一風変わった福利厚生や会社の制度(興味関心を引きそうなものがあれば)
  • 実績(開示できる範囲で、求職者が入社後に取り組む業務や内容がイメージできるもの)

できる限り正直ベースで担当者へ情報を共有することで、担当者も解像度が高まり、応募者が増えるだけでなくミスマッチも防げます。

2. 採用コストが大きい

転職エージェントを利用する際の報酬は、一般的に採用者の年収の30〜35%程度と高額です。

求人広告や自社サイト経由と比較すると、転職エージェントの利用はコストがかかるように感じる企業も少なくないでしょう。

しかし、成功報酬型であることから広告のように掛け捨てが一切ないという点や、採用における広報活動をする費用がかからない点、そして採用担当者の採用活動における工数が削減できるという点から、適切なコスト管理が可能となります。

大規模な採用活動でなければ、求人広告の掲載費用や採用担当者の時間的コストを考慮すると、転職エージェントの活用はコスト効率が良いケースもあります。そのため場合によっては、自社で採用するより経済的な手段になる可能性もあります。

3. 適切な条件設定が求められる

魅力的な条件を提示できなければ、エージェントも優先的に候補者を紹介しにくくなります。

採用を成功させるには、業界相場を意識した給与や福利厚生、労働環境の整備が不可欠です。売り手市場(求職者が企業を選べる立場)なのであれば尚更です。

多くの選択肢があるなかで、求職者に自社の魅力を伝えることは採用成功の鍵となります。そして企業の魅力は、新たな人材の獲得だけでなく、既存社員の定着率向上にも大きく影響するものです。

あくまでも経営者判断のため、すぐに条件設定を変更するということは難しいかもしれませんが、市場の状況についてはエージェントからも確認ができますので、ぜひ自社の魅力作りにも目を向けてみてください。

他の採用媒体・手法と比較

採用活動にはさまざまな手法がありますが、それぞれ特徴やコスト、採用までの期間などが異なります。企業の状況や採用ニーズに合わせて最適な手法を選ぶことが重要です。以下の表で主な採用手法を比較してみましょう。

特徴 料金体系 採用までの期間 注意点
転職エージェント 厳選した人材を紹介 成功報酬(年収の30〜35%) 1〜2か月 コストが高め
求人サイト 多数に広く告知できる 掲載費用(固定) 1〜3か月 応募者の質にばらつきがある
自社採用サイト 企業のブランディングにもなる 制作・運用コスト 3か月以上 認知拡大に時間がかかる

表でもおわかりいただけるとおり、転職エージェントを活用する最大のメリットとしては、企業が求める人材を厳選されて採用できる可能性がある点に尽きると思います。

コスト面においては高いと思われるかもしれませんが、大量採用ではない限りは断然コストパフォーマンスの高さを感じていただけるはずです。

転職エージェントに企業側が支払う報酬は?

転職エージェントに支払う費用は「成功報酬型」が主流で、候補者が入社するまで費用は発生しません。

一般的な相場は、採用者の想定年収の30%〜35%程度です。たとえば年収500万円の人材を採用した場合、成功報酬は150万円〜175万円ほどになります。

また、一定期間(例:3か月)以内に早期退職となった場合など、返金規定が設定されていることが多い点も押さえておきましょう。

求職者の視点でも考えると、企業が採用にどれだけ投資しているかは重要なポイントとなります。

転職エージェントの利用は大きなコストとはいえ、企業の成長に必要な社員を確保するために費用をかけるということは、「企業としての体力(資金力)がある」=「将来性を感じる」と受け止められ、企業の信頼性や将来性をアピールする効果があります。

採用コストをかけることは企業努力であり、それを求職者も少なからず見ている可能性があるのです。

転職エージェントを企業側が利用する流れ

初めて転職エージェントを利用する企業様でも安心して進められるよう、利用開始から採用決定・入社までの一連の流れを8ステップに分けてご紹介します。

  1. 採用要件ヒアリング
  2. 候補者の人選
  3. 応募書類提出
  4. 面接日程調整
  5. 面接のフィードバック
  6. 条件交渉
  7. 合否連絡と入社手続き
  8. 入社〜入社後フォロー

それぞれのステップに関する具体的な流れは、下記の記事にて詳しく解説しています。ぜひ併せてご確認ください。

まとめ

転職エージェントを利用することで、企業は優秀な人材との出会いの可能性を広げることができます。

一方で、コスト面や担当者との相性などといった注意点も理解しておくことが重要です。募集ポジションによっては、職業の人気度によって人材紹介を使わずとも採用できるケースもあるため、ポジションによって採用手法を組み合わせて利用するのも適切な利用方法かと思います。

今回ご紹介した内容が、エージェント利用の判断材料としてお役に立てば嬉しいです。

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人材事業「LIG Agent(LIGエージェント)」責任者/キャリアデザイナー。人材採用・育成、キャリア開発、事業戦略立案を専門とし、ホスピタリティからクリエイティブ分野まで幅広い業種での人材マネジメントに精通している。大手テーマパークホテルの人事部門でキャリアをスタートし、その後ホテル・観光業特化型の人材サービス企業で国内外の採用支援や経営企画を経験。2022年2月よりLIGに参画し、人材関連の経験を活かしてクリエイティブ人材の育成と支援に従事している。

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