LIGフィリピン拠点(CODY Web Development Inc. 以下CODY)でCOOを務めている岩田です。
オフショア開発に興味はあるものの、実際のところどうなのか疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、弊社が手がけたプロジェクト事例をご紹介し、オフショア開発の実態をお伝えしたいと思います。
弊社CODYがオフショア開発のパートナーとして株式会社ヤマハコーポレートサービス様と協業を始めたのは、2022年6月のセブ視察がきっかけでした。あれから早2年が経ち、現在では3つのプロジェクトが動いています。
この度、プロジェクトに携わる各担当者の方々にインタビューする機会をいただき、率直なご意見やご感想を伺うことができました。本記事では、その貴重な生の声をご紹介したいと思います。
- 株式会社ヤマハコーポレートサービスとは
- ヤマハグループの一員として、グループ会社向けのシェアードサービスを提供する企業。主な事業内容には、ICTソリューション、人事・総務サービス、物流サービスなど。とくにICT事業部では、グループ全体のシステム開発や保守、運用を担当し、ヤマハの事業をデジタル面からサポートしている。
課題 | 開発スピードアップのための人員確保 |
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LIG(CODY)を選んだ理由 |
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プロジェクト概要 |
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成果・今後の展望 |
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現地エンジニアの熱意に魅力を感じた
――まず、小山様に伺いたいのですが、ヤマハコーポレートサービス様がオフショア開発を検討されたきっかけは何だったのでしょうか?
▲株式会社ヤマハコーポレートサービス グローバルビジネスサービスプロジェクト 企画推進担当次長 小山様
小山:数年前になりますが、オフショア開発への取り組みを検討し始めました。
主な目的は、開発力の向上、より広い技術分野への対応、そして迅速なメンバーアサインのためのキャパシティ確保でした。経営的なコスト面も考慮しましたが、もっとも重視していたのは開発のスピード感です。
――なるほど。当初、セブ島はITの拠点として想定されていなかったと伺いましたが、それについてはいかがでしょうか?
小山:そうですね。正直、最初はセブ島をITの拠点としては想定していませんでした。
しかし実際に足を運び、岩田さんとお会いする中で、セブ島のビジネスパークを見学し、IT開発の中心地としての可能性を強く感じたんです。それが、セブ島、そしてCODYに注目するきっかけとなりました。
――ありがとうございます。ではCODYを選んでいただいた理由について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?
小山:現地を視察した際に、CODYのエンジニアの方々が、一つのコードや画面を見て活発に技術的な議論をしている姿が印象的だったんです。
課題解決に協力し合いながら、同時にお互いを刺激し合ってスキルを向上させている環境に魅力を感じました。そういった環境に私たちも入ることで、自身の成長にもつながると考えたんです。これが、CODYを選んだ最大の理由です。
――何度も拠点にも足を運んでいただいた上で評価いただけたのは、すごく嬉しいことだと感じております。
20人超の大規模チームを速やかに行ってくれた
――ここからは、各プロジェクトのご担当者様に、プロジェクトの概要や弊社への印象なども伺えればと思います。まずは朝比奈様、長いお付き合いのきっかけとなった「ヤマハホール予約システム」のプロジェクトについて詳しくお聞かせいただけますか?
▲株式会社ヤマハコーポレートサービス ICT事業部 システム開発保守グループ グループマネージャー 朝比奈様
朝比奈:CODYさんとの最初の協業は、昨年の「ヤマハホール」の予約システムのバージョンアップ案件でした。ヤマハホールは銀座を代表するコンサートホールです。弊社のデータセンターにあるシステムを、クラウド上の我々が管理しているWeb運用基盤に移行する作業が主な内容でした。
- プロジェクトの概要
- 内容:ヤマハホール予約システムのバージョンアップ、機能改修
期間:2023年7月〜12月、2024年10月〜
使用技術:PHP/Laravel/PostgreSQL/Docker
――弊社の印象はいかがでしたか?
朝比奈:まず、品質と進捗管理の面で非常に信頼できると感じました。我々の要望に対して柔軟に対応していただいたことも大きなポイントでした。
――プロジェクトをメインで担当された寺井様の印象もお聞かせください。
▲株式会社ヤマハコーポレートサービス ICT事業部 システム開発保守グループ 寺井様
寺井:CODYさんはレスポンスが速いのが印象的でした。また小山も言っている通りエンジニアの方々が切磋琢磨されている様子やITへの深い興味が、改善提案や新しいアイデアにつながっていると感じます。
今までなかったようなところも考えていただいたりしたので非常に満足していますね。今後のバージョンアップ対応や改修についてもCODYさんにお願いする予定です。
――引き続きお願いいたします。このヤマハホールのプロジェクトのあとに、「Yamaha Dealers Net」のプロジェクトについてもご依頼いただくことになりましたが、そのあたりの経緯を教えてください。
朝比奈:Yamaha Dealers Netは、ヤマハグループ日本販社の特約店様への情報発信などのコミュニケーションをおこなう重要なサポートシステムです。ヤマハホールでの実績もあり、より大規模で複雑なこのプロジェクトでもCODYさんに依頼させていただこうと考えました。
当初は別の基盤への完全なリプレースも検討していました。しかしコストが膨大になることがわかり、最終的にはCODYさんから提案いただいていたセキュリティバージョンアップを行う方針に落ち着きました。
- プロジェクトの概要
- 内容:特約店営業情報サイト「Yamaha Dealers Net」の機能強化
期間:2024年4月〜
使用技術:PHP/Laravel/PostgreSQL/Docker
朝比奈:実は「Yamaha Dealers Net」のプロジェクトについては5社ほどの見積もりを取っていました。その中でCODYさんを選んだ理由は、昨年のヤマハホールでの実績に加え、提案内容を見たときに「これなら安心してお任せできる」と感じたためです。
――実際にプロジェクトを進めていく中で、期待にお応えできていますでしょうか?
朝比奈:まず、20人以上という大規模なチーム編成を速やかに行ってくれましたし、想定外の要員確保についても柔軟に対応していただき大変助かりました。
――今後もご期待に添えるよう、精一杯努力してまいります。相川様は、Yamaha Dealers Netプロジェクトにも関わっておられますが、いかがでしょうか?
▲株式会社ヤマハコーポレートサービス ICT事業部 システム開発保守グループ 相川様
相川:Yamaha Dealers Netプロジェクトに4月から参加していますが、CODYの方々は私たちの要望に応えようと努力してくださる姿勢が強く、感謝しています。
Web開発の細かい部分についても、開発の知見がない人に対しても伝わるようなコミュニケーション方法をとってくださる点が助かっています。私自身がヤマハグループ内で他の部門に説明する際にも、表現をそのまま使わせていただいたりもしているのです。
――評価いただきありがとうございます。逆に懸念点や改善点もあればぜひお願いします。
相川:要望を叶えようと頑張りすぎてしまわれることもあるので、ちょっとそこが心配だなと。無理なことは無理だと言っていただいて大丈夫ですよとお伝えしたいです。
セブの現地視察はこれからなのですが、現地エンジニアの日々の業務状況をもう少し可視化していただけると、より良いコミュニケーションが取れそうだと思います。
――貴重なご意見ありがとうございます。エンジニアの業務状況の可視化については、今後の課題として取り組んでいきたいと思います。
長期的な協業を支える離職率の低さ
――次に、イントラマートの保守運用プロジェクトについてお伺いしたいと思います。村下様、このプロジェクトの概要について詳しくご説明いただけますでしょうか。
▲写真右:株式会社ヤマハコーポレートサービス ICT事業部 業務システムグループ マネージャー 村下様
村下:弊社のシステム基盤とその基盤に載っている複数の業務アプリケーションの運用保守と改善開発のアウトソーシングになります。
ヤマハメンバー側とも密に連携をしていただいて、安定稼働の維持や弊社の社内ニーズに応じた迅速な機能改修を一緒に実現していきましょうというプロジェクトです。
- プロジェクトの概要
- 内容:社内システム基盤・業務アプリケーション保守運用
期間:2024年6月〜
使用技術:イントラマート(Java)/.NET/AWS
村下:プロジェクトの規模感としては、先月イントラマートの基盤と4つのアプリケーションの移管を完了し、今週からさらに4つのイントラマートアプリケーションと1つの.NETアプリケーションの移管を開始したところです。
――プロジェクトはこれから本格的に進んでいくという状況ではありますが、率直にここまでのCODYの印象はいかがでしょうか?
村下:とても信頼のおけるパートナーですね。末永く良い関係を継続できるように弊社としても努めていかなければいけないなという意識でおります。
なにより私が感じているCODYさんの魅力は、離職率が低いところです。離職率が高いと頻繁に人員の入れ替えが起こり、品質と効率の向上が期待できないですから。岩田さんたちによる努力の賜物なのだと感じております。
また必要な技術者を迅速に手配いただけるアサイン力もあり、安心感がありますね。
――離職率まで見ていただき純粋に嬉しく思います。深く関わっていただけているからこそご評価いただけている点なのかなと思いました。
今後プロジェクトに携わっていただくみなさんからも、まだ短期間ではありますがCODYの印象や期待されていることについてお聞かせください。今様、河合様はいかがでしょうか?
▲株式会社ヤマハコーポレートサービス ICT事業部 業務システムグループ 今様、河合様
今(写真左):CODYのエンジニアの方々はとても前向きで積極的だと思いました。
私は直接エンジニアの方とお話できていないんですけども、メールのレスポンスは早いし、文章にこちらへの気遣いが感じられ、日本人の感性と似ているところがあるのかなと思いました。技術力の高さだけじゃなく人柄の良さもうかがえます。
河合(写真右):現状はCODYのみなさんに一方的に業務の説明をしている段階なので、ご理解いただけているかどうか確認する必要があると感じています。
些細なことでも構いませんので、わからないことがあればどんどんメールなり常にアクションしていただけるとこちらとしても答えやすいので、ぜひそういう形で良いコミュニケーション関係を築けたらいいですね。
――ありがとうございます。松本様と山本様はいかがでしょうか?
▲株式会社ヤマハコーポレートサービス ICT事業部 業務システムグループ 松本様、山本様
松本(写真左):日本の独特の商習慣ではありますが、今後は夜間のトラブルなどイレギュラーな対応も、CODYさんと密にコミュニケーションを取ってスキルを共有しながら対応していければと考えています。
山本(写真右):やはりレスポンスの速さに期待が大きいですね。あとは日本語のシステムを英語で扱った経験がないので、どこまでやれるかという不安もありますが、CODYさんばかりに頼るのではなく、我々もサポートしつつ、うまく軌道に乗せることができればと思っています。
――24時間365日の保守体制については動き始めている段階ですので、ぜひ今後協議しながら進めていければと思います。小川様は7月にセブを視察されたそうですが、いかがでしたか?
▲株式会社ヤマハコーポレートサービス ICT事業部 業務システムグループ 小川様
小川:とてもフレンドリーでやる気がある方たちだったので、今後が楽しみだなという印象です。
困ったときはすぐに質問してくれるので、とてもやりやすいです。自分たちで取り組むこともありますが、問題を抱え込まずに進められているのが良い点だと思います。
――今後の期待や改善点などはありますか?
小川:まだ始まったばかりで、今はマニュアル定型の作業を中心にお願いしています。今後は非定型の業務や改善提案にも積極的に取り組んでいただけると嬉しいです。ただ、まずは業務理解を深めてからになると思うので、これからに期待しています。
さいごに
9名のご担当者様が一同に会した今回の取材。貴重なお時間をいただいたうえに、ポジティブなお言葉ばかりをいただき、身が引き締まる思いでした。
みなさんのコメントでもいただきましたが、オフショア開発においてはとくにコミュニケーションが肝になってきます。弊社では密なコミュニケーションを重視し、今後も日本人のテクニカルディレクターをセブに増員するなど、体制強化を続けていく予定です。
リソース不足や急な人員の確保などでオフショア開発をご検討の方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。事前の現地視察についても承っております。