LIGのフィリピン拠点(CODY Web Development Inc.,)でCOOをしている岩田です。
2021年よりLIGは、株式会社ナビゲート様のアプリ開発をお手伝いしています。支援したのはEV充電スポット検索アプリ「おでかけEV」。これまで、おもに法人向け受託制作事業を行ってきた同社として、初となる個人向けサービスです。
今回は事例取材として、実際に開発を支援した永井とともに、代表取締役の加藤様にお話を聞きました。オフショア開発をご検討のみなさま、ぜひご覧ください。
株式会社ナビゲート代表取締役 加藤謙二氏近畿大学法学部卒業後、「山本光学株式会社」入社。スキー用ゴーグルブランド「SWANS」の営業、レーシングサポート、選手契約、広告、マーケティングに従事。1991年5月に㈱ナビゲートを設立。これまで経験したプロモーションマーケティングの実績経験に、インターネット普及に合わせたWeb制作開発を加え、キャンペーンやプロモーション施策において発生する事務局機能など業務全てを運営するプロモーションビジネスを展開。リアルとネット両方をシームレスに担っている。 |
プロジェクト期間 | 約1年半 |
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開発言語 | Flutter・PHP(Laravel) |
事業の再構築のため成長が見込まれるEV市場に参入
岩田:はじめに、今回開発したアプリ「おでかけEV」について教えてください。
加藤:おでかけEVは全国約33,000台のEV充電スポットを検索できるアプリで、アイコンの色によって充電出力タイプも分かるようになっています。加えて、エリア別高速道路・充電タイプ・出力・施設カテゴリーなどでの絞り込み表示も可能で、営業時間や台数といった詳細情報や現在地からのルート案内もできるのが特徴です。
おでかけEVが類似アプリに比べ優れているのは、独自の施設カテゴリーを保有し、AIによる施設情報の閲覧や周辺のEV充電器スポット検索ができる点や、目的地を選んでドライブ計画を立てる「おでかけ提案」機能※を搭載している点。目的地までのルート検索から、途中で充電する経路充電ポイントも表示できるため、事前にドライブ計画も立てられ、安心してお出かけを楽しめます。
※AIバージョンは2023年中に公開予定・おでかけ提案は今後バージョンアップ予定
また、走行距離によって自動的に貯まる「おでかけポイント」のほか、EV充電スポットでの「チェックインポイント」、口コミ投稿での「口コミ投稿ポイント」、期間限定での「スタンプラリーポイント」や「チャレンジポイント」など、さまざまなポイントを貯める仕組みがあります。ステイタス獲得によりポイントが貯めやすくなる機能もあります。
さらに、有料会員になると貯めたポイントを他社ポイント・ギフトカード・銀行振込・プレゼント応募などに交換することも可能です。みなさんのおでかけが、ますます楽しくなるアプリです。
岩田:なぜEV関連のアプリを開発しようと思ったのでしょうか。
▲株式会社ナビゲート代表取締役 加藤さん
加藤:コロナの影響で、事業の再構築が必要だったからです。これまではBtoBをメインにビジネスを展開してきましたが、今後はBtoCのビジネスも必要だと思いまして。行き着いたテーマが「脱炭素化」でした。「ガソリンの値段が上がってどんどん売れなくなっている」という声を聞き、今後さらにEVの普及が加速していくと思ったのです。
そこで、EVに乗る上でもっとも不安に感じる「充電スポット」を探せるアプリを開発しようと思いました。
頻繁な情報共有で不安を払拭
岩田:プロジェクトを始めて約1年半ほど経過しますね。最初の印象はいかがでしたか?
▲2023年7月、LIGのフィリピン拠点「CODY」視察時の様子
加藤:初めてのオフショア開発だったので、最初はとても不安でしたよ。国内であれば顔も見れますし開発の様子もわかりますが、オフショア開発ではどんな人が開発しているのかもわかりません。成果物を見るまでは「本当に期待しているものができるのか」と心配でした。
永井:「エンジニアの顔が見えないのは不安に感じられるだろう」と思っていたので、週次のミーティングだけでなく頻繁に進捗を報告するよう心がけていました。そのため、一般のアプリ開発のプロジェクトに比べて、バージョンの数が2~3倍は多かったと思います。バージョンを細かく区切ってアップデートを繰り返しながら報告することで、少しでも不安が払拭できればと思っていました。
加藤:私を心配させまいと懸命に進捗報告してくれていることが伝わってきたので、信じてみたいと思いました。とくにアプリのコア機能である「充電スポットの表示」がものすごく速くなったあたりからは、安心して任せて大丈夫だと思えるようになったんです。
永井:それはよかったです。充電スポットの数が想定よりも多く表示に時間がかかってしまっていたことは、開発における一番の課題でした。試行錯誤の上、データの取得方法を変えたことで満足できる表示スピードを実現できました。今後も充電スポットは増えていくと想定されますが、現在の実装であれば大量の充電スポットを速く表示できると思います。
EVの知見を深まったことでスムーズにプロジェクトを進められるように
加藤:こうしてプロジェクトを振り返ってみると、「もっと先を読んで依頼すればよかった」と反省しています。開発を始めてから新しく思いついたアイデアも多く、何度も機能を追加してもらいました。粘り強く付き合っていただいたことに感謝しかありません。
岩田:たしかに加藤さんはアイデアマンでいらっしゃいますね。我々としては、最初のヒアリングや提案の時点で加藤さんのアイデアを引き出しきれなかったことを反省しています。とくにプロジェクトの序盤は加藤さんと弊社の認識がズレていた部分も多かったと思います。途中からズレを少しずつ改善できたのではないでしょうか。
加藤:たしかにそうですね。みなさんの「EVに対する理解」が深まるにつれて、より積極的に議論できるようになった感覚があります。同じベクトルに向かって話せるようになってからは、とても仕事がしやすくなりました。
永井:私は当初EV業界の知識を持っていなかったのですが、自分で調べたり、加藤さんとのミーティングを通じて、理解を深めていきました。そのおかげで、アプリにどんな機能が必要なのか、どう改善していけばいいか見えてきたのだと思います。
それは開発しているエンジニアたちも一緒です。開発を通してEVへの理解が深まったことで、エンジニアから提案をもらうことも増えていきました。私たちの知識が増えたことによって、スムーズにプロジェクトを進められるようになったと思います。
機能を充実させ、よりユーザーの満足度を高めていく
岩田:サービスをリリースしてから約一ヶ月が経ちますが、ユーザーの反応はいかがですか?
▲写真左:弊社岩田/右:加藤さん
加藤:リリースしてから1ヶ月弱で約3,000ダウンロードを超えています。ゲームやエンタメ系のアプリに比べたらぜんぜん少ないかもしれませんが、国内でEVに乗っている人の人数を考えれば、いいスタートではないでしょうか。
プレスリリースにも予想以上の反響がありました。それだけ今の日本が脱炭素に向かっており、その中でEVに注目が集まっているのだと感じています。
岩田:今後の展望についてもぜひ教えてください。
加藤:1つ目は、ユーザーの声に応えること。リリースしてから多くの方に口コミや評価レビューをいただいているのですが、まだすべての声に対応しきれていません。早急にユーザーの反応を確認しながら、対応していきたいと思います。
2つ目は、よりユーザーを増やし、満足度を高めていくこと。キャンペーンを打ってユーザーを増やしたり、プレミアム会員を作ってより楽しんでもらえるアプリにしていきたいですね。今の機能だけでは、なかなか満足してもらえないと思っているので、新機能についてもこれからアイデアを出していきたいと思っています。
岩田:最後に、LIGに依頼してよかったと思うポイントをお聞かせください。
加藤:吸収力がすばらしいと思いました。LIGさんにとって地図を使うようなアプリの開発は初めてだったと思いますが、EV市場や必要な技術についてどんどん知識をインプットしてもらっていることが伝わってきて、「いいエンジニアが集まっているのだな」と感じましたね。アプリはまだまだバージョンアップしていく予定です。最終的に満足のいくものが完成できるよう、今後も期待しています。
さいごに
▲LIGのフィリピン拠点「CODY」視察時の記念撮影
LIGではアプリ開発も支援しています。
豊富な実績に加え、オフショアの体制を持つLIGだからこそ、安定的なリソースの提供が可能です。ご興味ある方はぜひ気軽にご相談ください。