LIGブログ編集長代理のMakoです。
「記事広告って、有名なメディアに取り上げてもらって認知を広げる広告ですよね?」
……そう思われている方がきっと多いのではないでしょうか。
たしかにそういった側面もあります。しかし、決してそれだけではありません。コンバージョン(CV)獲得に寄与する記事広告もあれば、記事公開から何年経っても検索流入を得続ける記事広告もあります。
記事広告は、その存在自体は知られているものの、「どういうマーケティング課題を解決するのか」「いつ取り組むといいのか」といったノウハウがあまり体系化されていないように感じます。
そこで今回、累計1,000本以上の記事広告を作ってきた株式会社LIGのノウハウを「発注マニュアル」として集約しました。
これから記事広告を発注しようと思っている方、まだ予定はないけどいつか記事広告を試してみたいと思っている方、事業会社の方々、広告代理店の方々。みなさまにおすすめです。ぜひご覧ください!
※当記事はWebメディアに掲載する記事広告を前提としています。
目次
そもそも記事広告とは
記事広告とは、“他社メディアに、自社サービスを紹介する記事を制作&掲載してもらう広告手法” です。
▼記事広告のキホンはこちら 記事広告とは?メリットや事例をプロが徹底解説
「やっぱり有名なメディアに取り上げてもらって認知を広げる広告じゃん」と思われるかもしれませんが、Webメディアに掲載する記事広告であれば、こんな広げ方もあります。
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- ブランド名やサービス比較ワードで上位表示されるような記事を制作し、検索から中長期的にPV・CVを獲得する
- インフルエンサー出演企画やおもしろ記事を制作し、メディア読者に限らずSNS経由で一気に多くのPVを獲得する
また、記事コンテンツのパターンもさまざまです。
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- 実際にサービスを使ってみた感想を述べるレビュー記事
- サービスの導入企業へ感想を聞くインタビュー記事
- サービスの運営企業へ売りポイントを聞くインタビュー記事
- 関連テーマで著名人にサービスの必要性を語ってもらうインタビュー記事
- 関連テーマで運営企業に役立つノウハウを語ってもらう記事 など
レビュー記事や導入事例インタビューのように、認知というよりCV獲得に直結するコンテンツもあります。
つまり記事広告は、認知目的としても活用できるし、CV獲得目的としても活用できる。メディア読者に広げるだけではなく、SEOやSNS経由で広げることもできるのです。
このマルチさゆえに、「記事広告はどういうマーケティング課題を解決できるのか」が網羅的に理解されていないことが多いように感じます。当記事では、2つの特性から記事広告をじっくりと紐解いてまいります!
記事広告の特性
特性1:主語が第三者である
記事広告の最大の特性は、主語が第三者であることです。自社発の情報ではなく、他社発の情報である。これによって解決できる課題がたくさんあります。
まず、第三者がそのサービスをおすすめすることで信頼度がUPします。クチコミと同じ効果ですね。「立ち上げたばかりのサービスで信頼がなにもない」「(金融系など)怪しまれる業界である」といった場合に効果バツグンです。
また、仮に「マーケターが業務を効率化する方法10選」という記事がTwitterのタイムラインに流れてきたとしましょう。知らない誰かのnoteであればスルーするでしょうが、信頼するメディアの記事であれば興味をもつ確率が上がるはずです。このように第三者の肩の上に立てるため、情報が届きやすくなります。
なお、他社ドメインで自社サービスを紹介することはSEO上も有利です。記事広告を掲載できるメディアは基本的にドメインが強く、検索上位を狙いやすい傾向があります。さらには、通常1キーワードに対し1ドメイン1ページしか表示されないところ、複数のドメインに記事広告を出せば、検索結果を自社サービスの情報で埋め尽くせます。これはどんなに自社ドメインでいい記事コンテンツを作っても実現できないことです。
ちなみに、おもしろ記事を得意とする弊社LIGの場合、「自社のブランドイメージを超えたチャレンジングな企画をやりたい」という理由でご依頼いただくこともあります。過去には老舗のハイブランドより「SNSウケする記事を作ってほしい」とご相談いただいたケースもありました。
いずれにせよ、自社発信のコンテンツをどれだけ頑張っても実現しづらいことを記事広告に託すのがポイントです。
- 特性:第三者発信である
- メリット:
- クチコミに近く信頼度がUPする
- 信頼度あるメディアの肩の上に立てるので情報を届けやすくなる
- (複数ドメインに掲載すれば)検索結果を自社サービスの情報で埋め尽くせる
- 自社のブランドイメージを超えた表現ができる
解決できる課題:
- 立ち上げたばかりのサービスで信用がなにもない
- (金融系など)怪しまれる業界である
- 自社で打てるコンテンツSEO施策に限界を感じている
- 自社で表現できるクリエイティブに限界を感じている
特性2:読んでもらえる広告である
記事広告の2つめの特性は「読み物である」ということです。
ほとんどの広告は「見られない」「読まれない」を前提に作られ、いかに一瞬でターゲットの興味をひけるか勝負するものばかりです。一方、記事広告はめずらしく「読んでもらえる広告」です。読者に興味を持ってもらえるコンテンツを提示できれば、しっかりと読み進めてもらえます(もちろんつまらなければ離脱されます)。
そのため、バナーやLPの箇条書きでは表現しきれないような複雑な商品を紹介したいとき、記事広告は価値を発揮します。「サービスそのものの概念が新しく必要性を啓蒙する必要がある」「他の競合ツールとの違いが伝わらない」といったお悩みを抱えている企業に最適です。
また、YouTube広告のように冒頭5秒で商品をアピールする必要がないため、記事のタイトルを「ノウハウ」にすることも「おもしろ」にすることもできます。これはつまり、まだサービスに興味がない、ニーズが顕在化していないターゲット層とも接点を持てるということです。
こういったコンテンツ作りは自社でもチャレンジできますが、「社内にコンテンツ作りに長けた人がいない」「読ませ上手なライターさんに作ってもらいたい」という場合にご相談いただくこともしばしばあります。
- 特性:読み物である
- メリット:
- 広告にもかかわらずきちんと読んでもらえる
- 文章と画像でたっぷりサービスを説明できる
- 記事タイトルを「ノウハウ」や「おもしろ」にズラせる
- コンテンツの企画執筆をプロにお任せできる
解決できる課題:
- サービスが提唱する概念が新しくわかりづらい
- 他の競合ツールとの違いが伝わりづらい
- ニーズ準顕在層、潜在層にリーチしたい
- コンテンツを作れる人が社内にいない
記事広告が自社のマーケティング課題を解決するピースとなり得るなら、ぜひ出稿を検討してみるのはいかがでしょうか?
こんな使い方がおすすめ
「記事広告で解決できる課題、自社に当てはまる!」というケースにご発注いただくことが一番おすすめではありますが、実際はこんなときにご依頼いただくことがほとんどです。
- 広告予算が余ったので有効活用したい!
- 新サービス or 新機能が出たのでとにかく露出させたい!
- CV数が逓減している。新しいチャネルを開拓したい!
どのタイミングでもウェルカムですが、出し方を失敗するとせっかくの投資もうまくいきません。そこで記事広告活用の推奨&非推奨パターンを紹介します。
推奨パターン
「使ってみた記事」を作りメルマガや営業にもフル活用
第三者特性を活かした記事広告の最たる例はやっぱり「サービスを使ってみた記事」です。圧倒的にCV獲得につながりやすく、王道のパターンと言えます。記事公開後は見込み客にメールで配信いただいたり、営業資料に流用いただいたりと、使い回していただくことでさらにパフォーマンスを発揮します。
指名検索時にヒットする記事を作りサービスの魅力をたっぷり伝える
中長期的に成果を生み出す上でおすすめなのは指名検索でヒットさせることです。これは「使ってみた記事」と両立させられますし、サービスの特性上「使ってみた」が難しい場合であっても、サービス運営企業・導入企業のインタビュー記事などで上位を狙えます。
1媒体だけでなく同時多発的に露出する
もしご予算に余裕があるならば、一度に複数媒体に露出して「あっちでもこっちでもこのサービスが紹介されている」という状況を作り出すのもおすすめです。3回連続で同じサービスを見かけたらまぁ覚えますし、「勢いのあるサービスなんだな」とポジティブな印象をもってもらえるでしょう。
非推奨パターン
受け皿となるWebサイトが整っていない
ごくまれに、お客様のWebサイトが十分に整備されていないケースがあります。華やかなWebサイトをご用意いただく必要はまったくないのですが、著しくわかりづらかったり、怪しげな印象があったりする場合、どうしてもCVにはつながりません。記事広告はあくまで貴社のWebサイトへバトンを渡すことしかできません。
芸能人やインフルエンサーの出演ありき
「芸能人やインフルエンサーを起用すればブランディングになる!」 と盲目的に依頼するのは危険です。もちろん実際にサービスを使ってもらい、リアルな推しコメントをもらえるのであれば価値はあります。ただし「単にコラボするだけで自社のブランドが高まることはない」と理解しておきましょう。なにを語ってもらうかが重要です。
(BtoBの場合)CV=問い合わせ一択で勝負
記事広告はリスティング広告とは異なり、ニーズが顕在化している人だけにリーチするわけではありません。そのためCV=問い合わせ一択はおすすめできません。資料請求や無料登録など、ハードルの低いCVポイントを設定することで、リード獲得数、ひいてはその後の受注を最大化できます。
(BtoBの場合)掲載期間が数週間と決まっている媒体に出す
BtoC商品のように「記事を見て1クリックで即購入」という商品なら問題ありませんが、BtoB商材において、掲載期間が限られている媒体はあまりおすすめできません。なぜなら前述のとおり、記事広告はニーズ顕在層だけにリーチするわけではないからです。コンテンツは資産として、ぜひ使い倒してください。
発注〜公開までの流れ
最後に、発注から公開まで、それぞれの工程における発注者側のポイントを紹介します。
- 記事広告の一連の流れ(所要時間 1.5〜3ヶ月)
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- 問い合わせ
- 企画すり合わせ
- 発注先選定
- 取材撮影
- 原稿執筆
- 原稿確認
- 校了
- 公開
発注先選定
発注先選定の一番のポイントは、シンプルに「サービスのターゲットと相性がよい媒体かどうか」です。メディアの読者にターゲットはどれほど含まれているか? ターゲットはそのメディアを認知しているか? を軸に選んでみてください。
また、掲載期間や最低PV保証、二次利用の可否など、媒体によって細かな条件が異なるため、予め確認しておきましょう。芸能人を起用する場合は契約期間を超えると追加費用もかかります。
▼記事広告が出稿できる媒体一覧はこちら 記事広告の料金相場やPV数を徹底比較【2022年版】
キックオフ〜原稿確認
媒体側は、当然ながらクライアントのサービスを一生懸命キャッチアップします。しかしあくまでサービスに一番詳しいのは発注者であるみなさんです。どういう課題を解決するのか、なにがエンドユーザーに喜ばれているのか、ぜひ惜しみなく開示してください。
もし万が一それらがうまく原稿に反映されていないようであれば、遠慮なく赤入れしましょう。ただし、第三者視点を活かしたリアルな感想だけは極力残していただきたいのが正直なところです。すべて除いてしまうと記事広告である意味が薄れてしまいます。
公開後
広めるのは媒体側の仕事ですが、せっかくなのでぜひ発注者のみなさんもシェアして露出を最大化させましょう。とくにTwitterは、発注者のみなさんのツイートを媒体社が拾うことでさらに拡散が広がります。記事公開を口実に、見込み客にもぜひコンタクトしてみてください。
また、営業資料への流用はもちろんのこと、Facebook広告のLPに使うなど運用型広告と組み合わせるのもおすすめです。繰り返しになりますが、成果を最大化させるべくコンテンツはひたすら使い倒しましょう!
よくある質問
企画にはどんな種類があるんでしょうか?
「使ってみた」「取材」「おもしろ(なんでもあり)」の大きく3つに分かれます。どの企画が貴社に最適なのかは、記事広告の出稿目的や解決したい課題、商品特性によって異なります。媒体社にぜひ相談してみてください。
認知もCVもとれる記事広告は作れますか?
結果として認知もCVもとれた記事は多数あります。想像を超えるバズが起きて数万人に届いた場合、CV率は0.01%でもCVにつながります。あるいは、新規性が高く画期的なサービスの場合、「こんなサービスあるんだ!」と数百人にシェアされてCVにつながることもあります。……しかしながら、こうした状況を100発100中で起こすことは難しいものです。とくにほとんどの商品において、商品紹介記事でバズを起こすことは現実的ではありません。ぜひご理解いただければと思います。
さいごに
「あぁ、こういうタイミングで記事広告を使うとよさそう!」と、少しでも参考となれば幸いでございます。
また、弊社LIGには記事広告を1,000本以上制作してきたノウハウがあります。真面目からおもしろまで、企画もさまざま。もしみなさんのサービスのターゲットがWeb/IT系のビジネスパーソンであればとくにお役に立てるかもしれません。ぜひ一度、気軽にお問い合わせください!