こんにちは、LIGで人事をしているあきとです。2022年3月でLIGに入社して丸5年となりました。
今回は、LIGで採用を行ううえで大切にしてきたことを書こうと思います。
できていないことも書いてしまっていますが、大事にしていきたいという意味も込めて書いています。あくまで一企業の一人事の考えですが、採用活動の参考になれば幸いです。
目次
※人事の方にとっては基本的なことが多いと思うので、面接に出られる現場の社員の方に読んでいただくと、気付きがあるかもしれません。
採用活動は、ファンづくり
まず、大前提として「採用活動は、ファンづくりであるということ」を強く意識すべきです。これは私の考えではなく、以前LIGのカルチャーの中にあった「ファンをつくる」という思想からきています。
最近、SNSにて人事アカウントの炎上が目に入ることが増えました。個別具体的な炎上理由はそれぞれにあれど、根本には「人事はなぜそんなに上から目線なのか?」という問いから起きているように感じます。上から目線になってしまいがちな要因分析は今回はしませんが、つまり人事という立場は上から目線になりやすいということを意識する必要があります。
上から目線になってはいけない理由として、採用市場が売り手市場であることが引き合いに出ることもあります。「現在の採用市場は売り手市場(企業の立場が弱い)だから、丁寧に対応する必要がある」という考えです。事実ですし、間違っていないと思います。企業が選ぶ側ではなく、選ばれる時代になりました。
上から目線になってしまうことは「採用活動は、ファンづくり」というスタンスを持っておけば、防げることです。また、本質的には売り手市場だろうが買い手市場だろうが、スタンスは変えるべきではないと私は思います。
「売り手市場だから上から目線になってはいけない」というロジックでいくと、買い手市場になったときに人を使い捨ててもよいという発想(人はいくらでもいる、替えならいくらでもいる、という発想)になりかねません。
したがって、根底に必要なスタンスとしては、関わった方に自社のことを少しでも好きになってもらうということ、つまりファンになってもらうことです。
なぜファンになってもらったほうがいいか。
会社のファンになってもらうことはメリットしかありません。
- 候補者がお客さんになってくれる可能性がある
- 候補者が数年後、自社の採用ターゲットになっていて再度応募してくれる可能性がある
- 候補者の知り合いに会社を紹介してくれる可能性がある
- 知り合いの知り合いが……などなど
日常の会話に落としてみると、「自分は不合格だったんだけど、あなたには合いそうだから受けてみなよ」、「3年前受けたときはだめだったけど、今スキルアップしたからまた受けてみようかな」、「あ、そのサービス展開してるあそこの会社ね! 面接で会った社員の雰囲気がよくて、いい会社だと思ったよ!」などなど。
結局こういった生活者の体験の積み重ねで会社の将来が作られていくのだと考えます。
採用面においては、私が在籍している間でも「紹介を受けて、おすすめされたのがきっかけでLIGを受けました」という方に何度も出会っていますし、実際に入社にもつながっています(一種のリファラル採用ですね)。
では、具体的にどういうことをしていけばファンづくりにつながるのか、すぐにでもできることを書いてみたいと思います。
選考体験を上げるために今すぐできる5つのこと
①「見極め」ではなく「相互理解」のスタンスで対応する
見極めのスタンスから抜けきれない人には「会社、事業の紹介、具体的な業務の説明の時間を設ける」というとイメージしやすいかもしれないです。
もちろん、自社でちゃんと活躍できるかどうか確認する必要はあります。そこを納得いくまで確認することは大事なのですが、一方的にならないようにしましょうということです。
また、選考の初期段階で「志望動機が弱い」という理由で不合格にしてしまうことがありますが、これももったいないことです。初めての面接時に自社のことをそこまで知らないことは当然のことです(だから相互理解を深めるのです)。
よく恋愛に例えられるのであえてなぞらえますが、初デートで「なんで私のことが好きかなのか教えてください」っておかしいですよね。自社のことを知ってもらう、開示をするというスタンスが大事なんです。売り手市場だから、立場が弱いから好きになってもらうわけではなく、ファンをつくるために知ってもらうのです。
志望動機を聞きたい気持ちはもちろんわかります! たとえば「現時点で構わないので、興味を持った点などはありましたか?」という言い回しであれば、「まだ情報が足りていないと思っていますよ」という意思表示になるのでいいのではないでしょうか。
②1to1のメッセージ
これはとくにダイレクトリクルーティングにおいては基本の基本です。スカウトの基本のテンプレートはありつつも、そのまま送るのではなく、少しでもカスタマイズができるといいですよね。
もちろん個別にカスタマイズしたら必ず返ってくるものでもないです。ただ、受け手になったことを想像してほしいのですが、明らかにテンプレだなとわかるスカウトには返信をしないと思うのです。
また、選考がスタートしてからのやり取りにおいては、より1to1のメッセージが必須になってきます。
③選考の感想や評価を伝える
上記からつながることですが、どういうところを評価したのかをきちんと伝えましょう。面接を終えて、その場でジャッジが出ていればその場で伝えられるとベストです。「今日お話して、こんなところを評価させていただきました。こんなところが弊社でご活躍いただける部分だとイメージがわきました」などなど。
ここからは、できたらベターな内容ですが、お見送りになった理由もお伝えできると素晴らしいと思います。候補者はなぜ不合格だったのか納得し、次につなげたいという心理があります。
ただ、不合格理由は伝えにくいことがほとんどなので、無理して伝えなくてももちろん大丈夫です。
④スキルや経験不足なら、またチャレンジしてほしいと伝える
これも「③選考の感想や評価を伝える」から派生することですが、もし人柄やカルチャーはマッチしていて、どうしてもさまざまな事情でスキルや経験不足で採用できない、という判断になってしまう場合は、「また機会があったらぜひ受けてください」とお伝えしましょう。
受け入れができないという企業側の問題でも、候補者にそれを伝えないと「不採用=不合格だったのだ」というところで終わってしまいます。
LIGでも過去に再度選考にチャレンジしていただき、入社が決まり、その後非常に活躍した社員がいました。貴重な貴重な1エントリーを未来につなげましょう。
現場のメンバーから具体的なフィードバック(今後こういうスキルを身につけられるとよりいいと思います、など)までできるととても喜ばれます。
⑤マッチしない方だとしても、丁寧に対応をする
人事も人間なので、これが結構難しかったりしますよね。あまり話が盛り上がらない面接や面談があることは事実です。興味を失ってしまい、早く終わらせたいな、と思ってしまうのは面接を行ったことのある人であれば誰でも経験することではないでしょうか。
ただ、こういうときこそファンになってくれるか、あの会社は印象悪かった、となるかが分かれると思います。
時間の多寡は難しいですが、10〜15分などで終わることは極力避けたほうがいいと思います。最低30分くらいでしょうか(どんなに頑張っても短時間で終わってしまうこともありますが……)。
それでは、具体的に何をするかというと、「時間が許す限り質問を受け付けること」、そして何より「相手に興味を持つこと」です。
興味を持てない相手にどう興味を持つのか、ということを言われてしまいそうですが、その人の人生に興味を持つことはいくらでもできるはずです。例えば、「プログラミングはいつくらいから始めようと思ったんですか?」「高校の進学時には今のキャリアのこともイメージされていたんですか?」など。「この人はなぜ『今ここ』にいるのだろう」というスタンスになれば、質問はいくらでも出てきます。
面接のような「ジャッジの質問」ではなく、「あなたを理解するための質問」をすることで、「あなたに興味があります」という意思表示になります。自分に興味を持ってくれている人を不快に思う人はいないでしょう。
そういった質問をしていくと、思ってもいない情報が聞けることがあります。その人のいいところが見えてきて、結果的にジャッジの内容が変わってくる、なんてこともあったりします。すぐに切り上げずに、あえて面接と思わず相手の人生に興味を持ってみてはいかがでしょうか。
他にも色々とテクニカルなことはあるのですが、マインドセットと具体的なアクションのバランスを取って5つ書き出してみました。なにかの参考になれば幸いです。
さいごに
上記で書いてきたことはまとめると、「採用活動はファンづくり」に集約されるわけですが、次に考えたいこととしては採用の先、つまり入社後の体験です。
選考でせっかくいい体験が作れたなら、それを入社後も継続したいですよね。つまり、社員になってもずっと社員には「ファン」でいてほしい(好きでいてほしい)わけです。これが従業員満足につながっていくのだと思います。
Candidate Experience(候補者体験)とEmployee Experiment(従業員体験)をシームレスにつなげていけると理想ですよね。色々な事情があって、理想どおりにはいかないことばかりだと思いますが、忘れがちになることなので、時々思い出しながら採用活動をやっていければと思います。
LIGではさまざまなポジションで積極的に採用活動を行っています! もしよかったら見てみてください。
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