もう「Sorry?」と聞き返されない!海外メンバーに伝わる英語表現術

もう「Sorry?」と聞き返されない!海外メンバーに伝わる英語表現術

Seiko

Seiko

こんにちは。テクニカルディレクターのせーこです。

私の所属するチームではLIGのセブ拠点の海外メンバーと一緒にシステム開発を行っているため、依頼を英語で行ったり、開発指示書を翻訳したりする必要があります。翻訳ツールを使うことも多いのですが、日本語が直訳されるがゆえに不自然な英語になったり、複雑な文章になってしまい、誤解が生まれることもあります。

私自身LIGに入社してから初めて設計書、テスト仕様書を翻訳することになり、海外エンジニアにとってわかりやすいドキュメントの書き方や伝え方について日々、模索しています。

今回、どのようなポイントに気をつければ、読み手にとって理解しやすい、シンプルな文章にすることができるのかをご紹介したいと思います。

こんな方におすすめの記事です
  • 海外拠点のメンバーと一緒に働いているけど、英訳に時間がかかって困っている方
  • いつも翻訳ツールを使っているが、複雑で長い文章になってしまい困っている方

※本記事に掲載している例文について、より適した表現があるかもしれません。私も英語勉強中のため、まだまだだなーと温かく見守っていただければ幸いです。

1.基本文型にあてはめる

英語の基礎である5つの基本文型。あー、たしか学校で習ったなと懐かしく思われる方もいらっしゃるでしょう。その中でも第1〜3文型を意識し、パズルのように当てはめていきましょう。

  • SV : 主語がどこに「ある・いる」かを描写
  • SVC:主語の「正体」または「状態」を描写
  • SVO:誰かが何かをする行為を提示

文章は下記の手順で組み立てます。

  1. 主語(S)を決める
  2. 動詞(V)を決める
  3. 情報があれば追加する

具体的には以下のような流れで文を組み立てます。

例文①「弊社はWeb制作、コンテンツマーケティング、システム開発を行っている会社です。」
主語:弊社
動詞:提供する
“Our company(S) offers(V) web production, content marketing and systems development(O).”
例文②「東京都台東区に本社があります。」
主語:弊社(日本語では主語が省略されている。)
動詞:ある
“Our headquarters(S) are(V) in Taito-ku, Tokyo.”

2.主語から文を始める

先程もお伝えしましたが、主語から文を始めるようにしましょう。

例えばソースコードのレビュー後、修正の必要なところが見つかったとします。海外エンジニアに対し「X関数に問題があります。」と伝える場合、皆さんはどのように英訳しますか?

私はこれまで「〜がある」だから”There are 〜”から始めて、“There are some problems with the X function.”としていました。

日本語だと、主語が曖昧な場合が多々ありますし、主語があると不自然になることもあります。しかしながら英語の場合、主語から文を始めるのが基本です。「〜がある」を英語に訳す場合、”There is/are〜” を使いがちですが、”There are some problems with〜”まで聞いても主題がわからないという問題があります。

より相手に伝わりやすい英語に訳すのであれば、主語から始めることが重要です。
つまり、”The X function has some problems.”という表現を使います。

3.力強い動詞を使う

強い動詞って何……?ときっと思われますよね。強い動詞とは1語で具体的な動作を表すことができる動詞のことを言います。

学生の頃、テストのためにイディオム(熟語)を丸暗記した経験がある方、多いのではないでしょうか。私の場合、いざ日本語を英訳しようとしたとき、あれ?この動詞に続くのはfromだっけ? ofだっけ? と悩むことが多々あります。

イディオムを使えば表現の幅は広がりますが、実は動詞1語だけでも十分伝わりますし、よりシンプルなすっきりとした文になります。

例えば、use, makeなどは弱い動詞と言われ、”make development”(開発する)のように、具体的な動きを表す名詞と一緒に使われます。これは”develop”と強い動詞にすれば1語で表すことができます。

またbe動詞も弱い動詞となります。be動詞は「状態」を表す動詞で、単体で動作を表すことはできません。

“He is the manager of the systems development department.” (彼はシステム開発部の部長です。)は強い動詞を使うと、
”He manages the systems development department.”となります。

また、be動詞を使った例として「それは難しい。重要だ。」など状態を表す表現として”It is difficult……”を多用していませんか?

私もついつい使ってしまうのですが、There is〜と同様、It is〜から文を始めるとなかなか主題が早く出てこず、相手に主題は何?と待ってもらうことになります。

例えば、”It is difficult for me to answer your question.” (あなたの質問に答えることは難しいです。)は ”I cannot answer your question.” としたほうがすっきりしますね!

4.受動態よりも能動態で表現する

「その会社からシステム開発を依頼されました。」を英訳してみましょう。

受動態で表現すると、”We were requested to develop a system by the company.”となります。日本語の場合、主語を言わず、動作主を明示しないことが多いため、受け身の表現となりますが、英語の場合、基本的に動作主を明示するため、能動態で表現することになります。

文を組み立てるとき、動作主が明確な場合はできる限り能動態で表現すると、自然な英語になります。

先ほどの文は“The company requested us to develop a system.”となります。

5.シンプルな単文で表現する

エンジニアとミーティング中、「何か質問があれば聞いてください。」と伝えるとします。

”If you have questions, you can ask. “ これでも誤りではありませんが、もっとシンプルな文にすることができます。

日本語の場合、「(あなたが)〜の場合、(あなたは)〜です。」のように主語と述語が2組登場することも多いので、”If〜” や” In case of〜” と私もつい訳してしまうのですが、英訳する時にはシンプルな単文にしましょう。単文とは主語と動詞が1組のみの構造の文をいいます。

さきほどの文を単文にすると、”You can ask questions.”となります。

「あれ、もし何か質問があれば〜というニュアンスはどこにいったの?」と思われる方もいるのではないでしょうか?。ポイントは冠詞”the”です。

theを名詞の前につけるとそこに存在するもの、お互いに何を指すのかわかっているものになりますが、theを付けないことによって、そこには存在しないものという意味になるため、もしあるとしたら〜というニュアンスが含まれます。ポイントからはそれてしまいますが、冠詞一つで意味が異なるのは面白いですね!

6.否定のNOTを減らす

日本語では〜がない、〜をしないを表すのに「ない」という否定の文が使われますが、英語の場合、否定文よりも肯定文が好まれます。

「私はその分野に関して知見がありません。」を英語にすると、”I don’t have any experience in the field.” これでも誤りではありませんが、”I have no experience in the field.”のように、できるだけNOTの否定文を使わずにするとすっきりとした文になります。また、反対語を用いて表現することもできます。

例えば、「問題は明らかではない。」は “The issue is not clear.” と明らかであることを否定するのではなく、”The issue is unclear.” と表現します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

日本語をシンプルでわかりやすい英語にするには「主語から文を始め、動詞を明確にする。基本文型に当てはめる。」ことがポイントになります。私もまだまだ日本語を直訳してしまうことが多いのですが、シンプルでわかりやすい文章を書けるよう努めていきたいです。

今回、参考にさせていただいた書籍はこちらになります。英語の文章の組み立て方についてもっと詳しく知りたい!という方はぜひ手にとってみてください。

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SIerにてエンタメ系企業、通信会社向けの基幹システム開発に従事。その後、海外ボランティアとしてザンビア(アフリカ)のセカンダリースクールのICT教員を経験し、2021年よりLIGに入社。海外でのボランティア経験を活かし、グローバルチームにてエンジニアの開発ディレクション、システム設計を担当。

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