どんな職種でも使える!エディター6人に聞いたディレクション術

どんな職種でも使える!エディター6人に聞いたディレクション術

やぎ

やぎ

こんにちは。PRチームでメディアディレクター(エディター)をしているやぎです。私はふだん、所属するチームでこのLIGブログに掲載する、さまざまな企業の記事広告の制作をしています。少し前までは、別のチームで他社のオウンドメディアの記事制作代行や運用支援をしていました。

私はライター歴を除くと7年以上編集の仕事をしていますが、エディターは本当にディレクション力を求められる仕事です。仕事の7割がディレクション、と言っても過言ではない気がします。それだけに、エディターのノウハウはあらゆる職種の人にも参考になる部分があるのでは、と思っています。

そこで今回は、LIGに所属しているエディター陣の一部にアンケートをとり、私の意見と合わせてノウハウをまとめて紹介。ディレクションが苦手という方から、自分の進行・調整の仕方が正しいのか知りたい、ディレクションは上手くできているけど+αでノウハウがあれば知りたい、という方まで見ていただけたらうれしいです。

そもそもエディターの仕事って?

なんとなく「記事の企画をして制作進行してる人」というイメージはあるかもしれませんが、詳しくは知らない、という方に向けて簡単に説明しますね。LIGの場合、クライアントワークをしているエディターの仕事は主に下記です。

  • 記事の企画立案・提案
  • 記事の出演者や外注先(ライター、カメラマン、デザイナー、イラストレーター、マンガ家など)の手配
  • 取材・撮影日時の調整
  • 取材・撮影場所の手配
  • 記事制作スケジュールの作成
  • 構成案(記事の骨子・アウトライン)の作成
  • 香盤表(撮影イメージやタイムスケジュール)の作成
  • 取材・撮影に必要な衣装・小道具などの準備
  • 取材・撮影(現場のディレクション)
  • 原稿編集(ライターからあがってきた原稿の直し・調整)
  • 原稿の修正(クライアントや取材先からの修正依頼の対応)
  • カメラマンへのレタッチ依頼(写真の補正指示)
  • デザイナーへの修正依頼(記事トップのアイキャッチなど)
  • 原稿を文字校正に回す(別のエディターや文字校正者が担当)
  • 入稿
  • 広告運用(記事拡散のためにSNSへ広告出稿)
  • 公開後の効果測定・レポート提出

細かく書いてしまいましたが、ほとんどの仕事がディレクション業務であることがおわかりいただけたと思います。ではさっそく、ノウハウをご紹介していきます。

複数人から大人数の日程調整をすることになった場合

社内の飲み会なら調整ツールを使えばいいと思いますが、仕事となると使いにくい場面もありますよね。エディターの場合は、複数人から大人数の日時調整が必要になる場面は、主に取材・撮影日を決めるときです。クライアントや出演者、ライター、カメラマン、撮影場所などの日時を詰めていきます。

エディター以外の職種で言えば、ミーティングや小規模のイベントなどが当てはまるかもしれません。エディター6名にアンケートを取った結果、日時調整時に気をつけていることは以下の通りでした。

  • 参加者全員に日時候補を聞いて、参加の優先度が高い人から調整していく
  • 参加ができない人がいることも想定して、別の候補者にも打診しておく
  • 一番替えがきかない人に優先して予定を聞いて候補日時を出し、他の参加者にも確認する
  • 全員に候補日を3つ以上は出してもらう
  • 実施内容が未定でも、参加候補者に前もって予定を聞いておく

上記も含めて一番多かったのが、「替えがきかない人の予定を中心に日時を組んでいく」という回答でした。私もおおむね同じような方法で日時調整をしています。

結論としては、「対象者全員に指定した期間内で都合のいい、または悪い日時を聞いて、替えがきかない人の予定を中心に日時を調整する。または、先に替えがきかない人の予定を聞いてから、他の参加者の予定を聞いて調整する」がセオリーと言えそうです。

また、実施内容の詳細が詰め切れていなくても、先に参加候補者の予定を聞いておいたり、期間内で予定が合わなかったときのことも考えて他の参加者にも打診だけしておくか、別の期間も検討しておいたほうが良さそうです。

予定通り仕事を遂行するためにどうリスクヘッジをするか?

エディターの仕事には、常に納期がついてまわります。エディターに限らず、制作物や提出物がある仕事では期日がありますよね。でも、特に多くの人が関わる仕事においては、予定通りに進まないことが往々にしてあります。

では、必ず数人以上が関わる記事制作をしているエディターは、日々どのように制作進行のリスクヘッジをしているのか聞いてみました。結果は以下です。

  • 制作スケジュールにバッファ(余裕)を持たせておく
  • 外注先などへ伝える締切は、本来の期日よりも少し早めに設定する
  • 制作関係者には、事前に情報や確認事項を共有し、メールや文面で残しておく
  • 制作関係者に、事前にスケジュールが変動する可能性があることも伝えておく
  • 制作予定の企画が頓挫したときのために、代案を用意しておく
  • 制作・納品に必要な素材は早い段階で集めておく

一番多かったのは、やはり「スケジュールにバッファを持たせておく」という回答でした。当たり前と言えば当たり前ですが、バッファを持たせるためには先延ばしにせず、早めの初動が肝心です。「関係者に本来の締切よりも早い期日を伝える」というのも、近いものがありますね。

また、関係者とのやりとりの際、エビデンスを残しながら進行するのも大事なリスクヘッジです。それから、提出や納品に必要な素材がそろっているか、期日間近で確認すると何かが足りないときに慌てることになるので、事前の確認が大切です。

その他についても、どの仕事でも応用できそうな回答でした。仕事の内容によっては、天候や交通の影響も事前に考慮しておかないといけないかもしれませんね。

そのほかにスムーズな進行のために気をつけていることは?

こちらについても聞きました。回答は次の通りです。

  • なるべく関係者には進行状況を共有する
  • 嘘はつかない、ものごとをあやふやにしない、もやもやする点があったら解決する
  • 進行が遅れそうなときや、万が一問題が起きそうな場合は事前に社内の誰かに状況を共有しておく
  • 関係者とは、気持ちのいいやりとりを心がける
  • 関係者に送る資料はなるべくわかりやすく、丁寧につくる
  • 関係者が必要に応じて自走できるよう、目的共有をしっかりしておく

どれも本当に大事なことですね。私自身も、制作進行の際にはいずれも意識しています。特に、心配事や不明点はとことん解消していくことが大切だと思います。懸念点を「まぁいっか」と流して進めてしまうと、あとからそれが問題として顕在化することがありますからね……。不安の種は取り除いておきましょう。これについては、他の項目で同じ回答の方がいました。

ディレクションについてのアドバイス

最後に、エディターやそれ以外の職種でディレクション力を求められている方々へ向けて、弊社エディター陣からアドバイスをもらいました。

  • 何事も早めの連絡。トラブルやスケジュールの遅れなど、言いにくいことほど早めに
  • 調整や進行をするなかで、「こうしたい」という自分の意志を示すとスムーズにいきやすいと思いますし、関係者も協力してくれやすいと思います(周りの状況を考えない意思表明はNGですが……)
  • 関係者に何かお願いをしたり変更点がある場合は、その理由を示すことで難しい調整もうまくいくことが多いです
  • 心配事は事前に潰しておくか、リスクヘッジをしておくといいと思います
  • テンパらない! あきらめない! なんとかなる精神で!
  • 常に最悪の事態を考えながら準備、行動すると良いのでは? そのうえで期限などのリミットを設けて、ダメなら次の手というふうに素早く動いていく。思考停止が一番ダメかと思います
  • 不足の事態に対応するためのバッファを常に見越しておく

エディターやディレクター職の場合、大抵はその案件や企画の担当につくのは1人だけなので、頭から納品まで一緒に完走してくれる人が他にいません。進行や調整の大変さを分かち合える人がいないという意味では、わりと孤独な仕事なんですよね。でも、やればやるほど様々なケースに対応できるようになっていくので、めげずに頑張りましょう! 同志はここにいるよ!

そして、ディレクションがメイン業務ではない方も、もしディレクション力が求められる場面が来たら、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。ではでは、やぎでした。

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以前は、〆切前で切羽詰まって原稿を書いてるのに、 目の前でギターを掻き鳴らしながらオリジナルソングを聞かせてくる、 社員思いの社長のもとでライターをしていました。 その後は経営者向けのWebマガジンで編集者をして、 2018年にLIGにジョイン。 (ジョインって言ってみたかっただけです)。 金曜の夜にドラマや映画を見まくったり、 本や雑誌を読みまくったりして夜ふかししまくることが得意です。 私はこれを堕落の時間、もとい“インプットの時間”と呼んでいます。 翌日はもちろん、時間を忘れて寝まくっています。 朝活に憧れた時期もありましたが、私には無理だったので諦めます。 ちなみに今これも、真夜中のテンションで書いてます。 夜ふかしストです。夜ふかし最高。

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