脱プレイヤー!マネージャーの私が管理業務に時間を割くための10ステップ

脱プレイヤー!マネージャーの私が管理業務に時間を割くための10ステップ

Ryotaro Hasegawa

Ryotaro Hasegawa

みなさん、こんにちは、UIUX部マネージャーのどんちゃんです。

一年の計は元旦にあり、という諺ではないですが、そういう季節が来たため、最近の自分の反省と今後の取り組みについて整理をしてみました。

今、目の前にある課題……

入社して4ヶ月目からはアカウントプランナーという営業的な役割をいただいて活動をしておりますが、同時にマネージャーという肩書もいただいています。ですが最近、なかなか思うようにマネジメント業務を行えていないな、と反省しております。

前職のマネージャー研修で、マネージャーとは何をする人か? という問いがありました。答えは「組織の利益を最大化することに責任を持つ立場の人」であり、利益を最大化するために「ヒト」「モノ」「カネ」という経営資源をいかに活用するかを考え実行する人という定義で教わった記憶があります。

そういった理想的な状況があったとして、実際の自分を見つめると、なかなか実行できずにいたりするわけなのですが、なぜできていないのか考えてみました。結論を申しますと、ずばり自分がどっぷりプレイヤーになってしまっているからだと思いました。

ただ、アカウントプランナー/営業としてのいちプレイヤーであるだけならまだ良いのですが、自分の場合は営業活動の傍ら、受注した案件のプロジェクトマネジメント的な動きもセットでやらざるを得ない状態に自ら陥っているのです。案件のデリバリー活動を行うと、自然と

  1. お客様との打ち合わせ
  2. お客様との打ち合わせ前の社内の打ち合わせ
  3. お客様との打ち合わせ後の社内の打ち合わせ
  4. お客様との打ち合わせ以外でのコミュニケーション(Slack等)

などなど必然的に打ち合わせが増えたり、Slackでのチャットコミュニケーションが増え、可処分時間が減っていくことになります。

そうこうしているうちに、「どんさんと打合せしたくても、Googleカレンダーを見る限りどこも空いてないですね……」と言われてはや何ヶ月。メンバーからの相談や、ちょっとしたことでのフォローなどがどこか疎かになっていると強く反省し、あらためて本来のマネージャーの働きを取り戻すために、自らの行動改革をすべく、自分を変える10段階のステップを考えました。

日頃マネージャーとして活動されているみなさま(あるいはこれからなる見込みの方)にも、何かの気づきになりましたら嬉しいなと思います。

マネージャーの働きを取り戻すための10のステップ!

1.時間の使い方の分析

LIGでは案件収益などを測るために、日々業務報告で何の作業に何時間を使ったをツールを使って入力しています。ためしに10月の自分の活動を時間の比率で整理してみました。そうすると……

  • 10.9% 営業活動
  • 41.2% デリバリー活動(受注した案件の進行管理等)
  • 47.9% その他(社内MTG、作業など)

こんな結果が……。ちょっとデリバリーとしてのプレイヤーをやりすぎですね。改善のためには、ここを深堀りする必要がありそうです。

2.そもそも自らをプレイヤーの一人にカウントしていた

プレイヤーでいすぎるという問題が、なぜ起こるんだろう? と考えると、まずそもそも組織目標としての数字を達成するために、自分自身を自分で稼働要員(リソース)として扱っているからだな、と率直に思いました。

Web制作を手掛けるUIUX部のアカウントプランナー(営業)は、ノブさんと私の二人。月に数十件のお問い合わせを受けるのを全部ノブさんだけでヒアリング、見積作成、提案って行っていたらとても手が回らないだろうと(傍目にも)思うので、自分も受け持たざるを得ない(と思ってしまう)のです。

ここまではまだアカウントプランナーのミッションの範囲内だから(大目に見て)良しとしておくとして、問題は案件のデリバリーに関わっている部分ですよね。こちらは、本来のミッションからすると違う担当領域なので、ディレクターメンバーを信頼して任せきらないとですね。

3.なぜ仕事を任せることができないのか

なぜ営業の私が案件デリバリーをしているのかには、当然理由があります。いくつかの理由がありますが、一番大きい理由は提案フェーズを長く自分一人で担当してしまい、受注後に担当者として自分が抜けて、ディレクターに預けきるのが難しくなってしまうことがあるからです。

Web制作の営業は、提案フェーズの間にお客様とやりとりしている会話などに結構重要な情報が潜んでいることが多々あります(事実上の要件定義的な内容を含み始めているケースもあります)。

もちろん、粒度が大きいテーマ、例えば「サイトをリニューアルする」といった大きなテーマについては、その後に参画してくるディレクターにもオリエンテーションで、「リニューアル背景」や「狙い」などのインプットをすることは問題ないのです。

ですが、テキストの表現で伝わりづらい「ほんのちょっとしたニュアンス」(=お客様の中で大事にされていること)が正しく伝わらず、ディレクターの判断ミスや、選択ミスを誘発しかねない事態に発展する「ヒヤリ・ハット」が、想像以上に多いのが、この世界で自分が体験してきたことです。

その不安から、バトンを渡し切ることに躊躇をするケースがあったなと感じます。また、一定期間ご提案フェーズを過ごしてきたお客様からも、「発注を決めたのはあなたが担当者としているから」という空気を強く感じ、デリバリーから抜けるのが言い出しづらいということもあります。

お客様から期待をいただけるのは当然自分も嬉しいですし、ありがたいことなのですが組織上でのミッションに照らして、本来の業務の優先事項に沿って対応するべきだなと反省しています。とにかく任せるしかないですよね。ディレクター陣に。

4.任せるのなら早めに巻き込む!

自分が本来担当すべきではない業務から外れるために、これを解決する一番てっとり早い方法は、案件を担当するディレクターにいち早く、プロジェクトに参画してもらう(巻き込む)ことです。それこそ提案フェーズの早いうちからなど。

共有するタイミングが後ろになればなるほど、顧客や私とディレクターとの間での情報の非対称性が大きくなってしまい、トラブルになるリスクが増幅してしまいます。目先の生産効率を追うなら、ディレクターは受注後から活動する……が正しいのかもしれません。

ですが、顧客満足度やその後のトラブルに発展してしまうなどのリスク、そしてそもそも自分のリソースを本来業務に振り向けることを考慮すると、より生産性が高いのはディレクターを早期に巻き込んでいくことだと思うので、現在、ディレクターの採用・増員に取り組んでいます!

5.プレイヤーをしない自分は何をするか?

そもそも、マネージャーの自分がどういう時間配分だったら、組織の利益は最大化されるのでしょうか? これは人により、仕事により少し時間配分の定義が変わりそうな雰囲気がありますが、概ね以下のような内容に時間を割くべきかなと考えています。

「脱プレイヤー」ができた際の時間の使い道
  1. 自分が手を下さずにメンバーに対応してもらうための教育・指導する時間
  2. 判断基準や考え方、ナレッジなど、マネージャーとしての自分の思考ロジックを再現性がある方法で共有するための時間
  3. メンバーから寄せられる相談やアドバイスに乗る時間
  4. 組織のコンディションや現在地を測定・分析する時間
  5. 組織の状態を外部へ共有・発信・報告する時間
  6. 何か課題や新しい取組と実現する方法を考える時間
  7. 組織への提言や新たなるビジネスの芽を見つける時間
  8. 新たなメンバーの採用や、メンバーのオンボーディング準備、オンボーディングを実践するための時間

6.足元を見直してみる

理想と現実の間に発生しているギャップをどうやって埋めるか。例えば、今現在は問い合わせ数に対して、アカウントプランナーが自分を含めて2名しかいないため、環境が整っていないと判断し、自らがプレイヤーになってしまっていますが、それも与えられている「ヒト」「モノ」「カネ」の中でのやりくりするのが、(何か別の対案を出せば良いのに)義務のように感じてしまうのが諸悪の根源の一つですよね。

自らが営業をしなくても済む状態を作ることを目標として考えると、アカウントプランナーの増員をするか、ディレクターに提案フェーズから入ってもらうかのいずれかの選択が必要です。「ヒト」と「カネ」の制約はありますが、もう少し投下してみたらどう変わるのかも考えたいところです。

7.仲間を増やす

採用って大事ですよね。1つ前の「ヒト」を別の軸で捉えると、そもそもメンバーとマネージャーの階層構造もあるわけで、マネージャーがメンバーの業務をやらずに済む体制を構築することだって当然必要です。

私の場合は、さきほどの巻き込みをもっと加速してみて状況を見たいので、現在ディレクターを中心に積極的に採用をしています。10月はカジュアル面談や面接で私がお会いした方は40名いらっしゃいました。ディレクターに関して興味ある方はこちらをご覧ください。

8.新メンバーに組織のルールを教育する土壌は整える

さて、「ヒト」は採用できた! として、早期に戦力化することができなければ、また自分にプレイヤーターンが来てしまうかもしれません。できるだけ早くカルチャーに慣れてもらうだけでなく、社内での業務のルールや、LIGのローカルルールみたいなことを知っていただきたい場合もあります。

入社が決まってから準備するのではなく、誰かが入社する前提でいつも最新のものに整えていないといけないですよね。特にメンバーの拡大期間中は、その「入社時情報セット」が何度も使われる可能性が高く、テンプレートがないと業務効率が悪くなると思います。

この最近入社してくれた、最近入社いただいたディレクターのビールさんへのオンボーディングのときにあらためてテンプレートを見てましたけど、古い情報があちらこちらにありましたので、やはり定期的な見直しも必要ですね。

9.少し先の予定も考える視野を持つ

プレイヤーになってしまっていると、どうしても視野狭窄になっているなと感じます。極端に言うと脳が小さくなるというか、萎んだような感じがします。先のことを意識したりする機会がうっかり少なくなり、実際に気にしているビジネス上での有効射程期間がとても短くなっている感じがします。

ざっくり言って一週間ぐらいのことしか考えられていないような……。なぜそうなるのかを考えてみると、やはり日々の目先のタスクをこなすことに意識が捕らわれがちなことが現れているのかと思います。つまり、「先のことを考えられない=自分のプレイヤー度合が高まっているかも?」という危ないというサインだと理解して、それに気づいたときには回避行動をとることが大事だと思いました。

これを上手く避けていく方法として、週次のルーティンなどで先の予定を組み立てる時間をきちんと取り、習慣化をしていくのが有効そうだなと思いました。先のことを意識しておけば、今目先にぶら下がってきた仕事の優先度をより正確に判断できるように思います。

10.チームが楽しく仕事をしているイメージを持つ

どうしたら今よりも、自分含めチームのメンバーが楽しく仕事ができるのか、今より良くなるためには何が必要なのかも考えたいことです。目先に捕らわれていると、そういうことを考える機会を持てていなかった自分に気づきます。

いきなり高い塔を駆け上るのではなく、一歩ずつでもいいので階段を上がっていくイメージを持ちたいと思いました。それを、メンバー全体を平坦化して考えるというより、メンバー一人ひとりのベースで考えるほうがよりその階段の高さを個別に調整しやすいように思うので、そういう取組もしたいですね。

おそらく査定などとも関わってくると思いますが、取組目標のような行動指針がちゃんと行動できているか……ということとつながってくると思います。

1on1もただ目的を決めずにルーティン化してしまうと、お互い実りがなくなってしまうので、決めた取組に対して上手く取り組めているのか、いっていないとしたら、どこでつまずいているのか? という対話を重ねて、以前より、自分もメンバーも成功体験が積み重なり、仕事が楽しく感じられるようになっていきたいと思います。

最後に

今回は、あらためて今自分が陥っている課題を改善するために、取り組もうとしているテーマを掲げました。実際に取り組んでみて、変わったことやできたことをあらためて後編として、後日、お届けしたいと思っています。

次回、お届けする際は「祝・脱プレイヤー!」と題して、実際にやってみて変われたか!? をお届けできたらと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

それでは、マネージャーのどんちゃんでした!
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Ryotaro Hasegawa
Ryotaro Hasegawa Design / Manager / Account Planner / 長谷川 亮太郎

1977年生まれ。東京理科大学を中退後、DTS、Jストリームで主に動画配信関連のプロジェクトを多数経験。2020年LIGにジョイン。コンテンツ配信、Webシステム開発、アプリ開発、システム運用などの経験を活かした提案営業を担当。

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