不合格にした学生の内定先からメッセージが来た話。

不合格にした学生の内定先からメッセージが来た話。

あきと

あきと

こんにちは、人事のあきとです。

不合格にした学生の内定先からのメッセージ内容

先日、とある企業の採用担当の方から会社の問い合わせ窓口にメッセージをいただきました。少し長いですが、まずはこちらをお読みください。

はじめまして、株式会社ビービットで新卒採用を担当している室伏と申します。

 

突然のご連絡で恐縮ですが……貴社の採用担当者の方、採用チームの皆様に、一言だけでもお礼をお伝えしたく、ご連絡を差し上げた次第です。と、申しますのも……12月に、弊社に時期はずれの新卒社員が入社する運びとなりました。

 

彼は、もともと人材系の会社や商社や広告業界を見ていて、結果内定まで出ていたものの、その内定をすべて辞退したうえで、あらためて自分が人生を賭けられる場所を探すべく、就職活動をリスタートした結果、最終的に我々と繋がることができたとおっしゃっていました。

 

彼によればきっかけは、貴社との採用面談とのことで。面談時間を超過してまで採用担当の方が彼に向き合い、企業選びに真剣に向き合うこと、覚悟をもって取り組むことの大事さを説き、彼にとってはそれが就職活動を、ひいては人生を大きく変えるきっかけになったとのこと、そしてそれに対して心の底から感謝していることを我々との面談で強く語っていただきました。

 

我々は、以前の彼を知りませんが、現在の彼は真剣かつストレートに自らの価値観や目指すことを語られており、その眼差しも非常に魅力的で、我々としてはぜひご一緒したいとオファーをし、この度のご縁に至りました。

 

貴社の採用活動が、見極めや魅力づけといった目的を超えて、候補者の方の人生に向き合い、人生を動かすだけの時間をつくられていること、一般的な枠を超えた活動を生み出せる企業文化を含め、いたく感動しまして……。

 

貴社からの働きかけがなければ、我々が彼と出会うことも、彼に強い魅力を感じることもなかったかもしれないと思うと、お礼をお伝えせずにはいられず、筆をとった次第です。

 

我々は、ユーザ中心設計や体験デザインを実践する会社ですので、採用活動においても、我々本位でなく、候補者の方々の視点から、双方に実りある時間をデザインすることを心がけていますが、こうやって見本となるような採用活動が他社で行われていること、僭越ながら勇気をいただきました。

 

このような企業活動ができていらっしゃる貴社には不要かもしれませんが、ますますの貴社の発展を勝手ながら祈念しております。突然のご連絡、失礼いたしました。

LIGの面接で不合格にした学生の内定先の方が、こんな素敵なメッセージをわざわざ送ってくださったのです。素敵すぎて「こんなに心を込めて純粋に誰かに感謝を伝えたことは最近あっただろうか」と思わず反省してしまうほどでした。

人事チーム内でも「むしろ私たちのほうが感動しますよね。本当に素敵なメッセージ嬉しいですね。」と感動を共有しました。なにより「ユーザー中心設計や体験デザインを実践する会社」であることをまっすぐ体現されており、完全にビービットさんとメールの送り主の室伏さんのファンになりました。

求人も出ているようなので、UXに興味のある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?

その後、学生本人からも私に連絡があり、直接お礼を言いたいとのことでオンラインではありましたが、すこしお話をしました。たしかにLIGの面接を受けたときより、彼の言葉は就活用の作られた言葉ではなく、自分自身の言葉で話されていて、力強いものになっていました。

とはいえまだまだ入社したばかりとのことなので、今後活躍されることを願っております! 頑張ってください!

フィードバックの内容について

ちなみに、LIGの面接時にフィードバックした内容は、だいたい下記のような感じでした。

私:〇〇さんは、今の就職活動に納得していますか? さきほど、A社にいくと楽しくないことはわかっているけど仮面をかぶって頑張ろうと思っている、と本音を言ってくださいましたが本当にその会社の選び方で就職活動をこのまま進めてしまって大丈夫でしょうか。もし同じようなスタンスでLIGを受けてくださっているのだとしたら、マッチしないのではないかと思いました。

 

率直に言いますと、私には、〇〇さんが最初から諦めているように感じています。おそらく、自身の選択に確固たる思いがないまま「これでいいや」となげやりになっているんじゃないでしょうか。それってすごくもったいないことじゃないでしょうか。

 

学生の方:本当におっしゃるとおりです……。実は友達にも同じようなことを言われたことがあります。こんなこと面接で言われたのは初めてです。

 

私:それなら尚更ですよね。ぜひ今一度、ご自身と向き合って考えてみてはどうでしょうか。就職活動、諦めずに頑張ってくださいね!

今回メッセージをいただいたことで、あらためて本人を思ってアドバイスをしてよかったと思いましたが、実は以前、私は面接のフィードバックで大失敗しています。前段が長くなりましたが、過去の失敗にも触れつつ、今回は面接のフィードバックで気をつけていることをまとめたいと思います。

20分以上泣き続けられてしまった面接

3年以上前のことです。

もともと歌手を目指しており、音楽に真剣に向き合っていたけれど、音楽の道は諦めて、別の道を歩もうと思ったという学生の方の面接でした。その方はそういった背景のもと、新たにWebの勉強をスタートした、という状態でした。

面接では、どれだけ真剣に音楽に向き合ってきたかや、新しい道についての思いなどを色々と聞きました。ただ、どうもWebの勉強が楽しくなさそう、というより、楽しいと自身に言い聞かせようと無理をしているように感じ、表面的なコミュニケーションになってしまっていました。

もっと本音で話し合いたいと思ったので、「やっぱり音楽に未練があるんじゃないんですか? それだけ頑張っていたからまだ諦めがついておらず、それが原因でWebの勉強にも身が入ってなくて、そしてそんな自分にも本当は気づいているんじゃないんでしょうか?」と言いました。

おそらく図星だったのだと思います。開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったかのように、声を出してえんえんと20分以上泣き続けてしまいました。

その涙は「自分に嘘をついていることに薄々気づきながらも見て見ぬ振りしていたのに、突然突きつけられ、傷をえぐられてしまったための涙」だったかと思います。

そして、「やっぱり音楽を諦めなければよかった、という後悔の気持ちと、一度決断した手前今更戻れない。なんてことしてくれるんだ、突きつけるな。」そんなふうにも見えました。

あとからあとから涙を流す彼女を前に、「なんてひどいことをしてしまったんだ、これは言っちゃいけないことだった」とハッとなり、その場でごめんなさいと何度も謝りました。

ちなみに過去の面接では次につながるポジティブな涙に出会うことは何度もありました。「私、がんばります! 言ってくださってありがとうございます!」と最後にはほとんどの方が前向きにやる気をもって帰っていかれます。

ただこのときばかりは最後まで、そのような前向きな言葉のないまま、帰っていってしまったのです。彼女の新しい道を否定するつもりはなかったものの、間違いなく否定されているように感じたと思います。その後がわからないので、立ち直れていないままなのかもしれません……。

もしかしたら親御さんから「うちの娘に何を言ったんですか!」というようなお叱りをもらうかもしれない、と数日ビクビクしていました。本人には面接後に、真意をきちんと伝えたいとメールを送りましたが、結局そのメールにも返信はありませんでした。

冒頭でお話したケースでは、入社先の社員の方や本人からポジティブなメッセージをいただいているので、今のところは良かったのだと考えていますが、実際に本人は持っていた内定を蹴っているわけです。

もちろん、本人の人生は本人しか生きられず、今回は覚悟を決めて本人が決断をしたわけですが、よくも悪くもアクションを起こさせているので、あらためて、人の人生に影響を与える仕事なのだと、背筋が伸びました。

フィードバックする際に気をつけること

面接に限らずですが、本音のフィードバックというのは、基本的には信頼関係のある中で行われるべきもので、初対面の人には普通はなかなかできません。特に面接という限られた時間の中では、そこまで踏み込むことは本当に難しいです。

失敗をたくさんしてきたうえで、私が現在気をつけているのは、

  • 相手に自分のフィードバックを聞いてくれる素直さがあるかどうか
  • 本人がその状況や事実を認識していて、改善したいと思っているかどうか
  • フィードバックをすることが絶対に本人のためになると胸をはって言い切れるかどうか

この3点です。これらがしっかり確認できていてれば、指摘されたその瞬間は耳が痛くても、その後自分自身と向き合ってくれるはずです(短い時間で信頼をしてもらうために、色々なやるべきことがあるのですが、長くなるのでまだ別の機会に書きたいと思います)。

一番避けなければいけないのは、「本人のためを思って!」と上から目線で相手が求めてもいないアドバイスをしてしまうことです。しかも自分はいいことをしたと思っている。これはめちゃくちゃめんどくさくて、うざい面接官です。過去の私は完全にこれだったと思います。

最後に

最後に、色々とひっくり返すことをあえて言いますが、よほど求められている場合をのぞいて、フィードバックなど本当はしないほうがよいです(口説きのテクニックとして強烈なマウントやフィードバックという手法があったりしますが、かなり危険です)。

失敗をすると私のように、人を深く傷つける危険な行為にもなりえます。よかれとおもって人を傷つけるほど最悪なことはありません。

そもそも面接はフィードバックが目的ではないです。面接の目的は色々ありますが、基本的には候補者と会社の相互理解です。どれだけ短い時間で深い相互理解ができるか。それには本音のコミュニケーションが必要です。

そして、本音のコミュニケーションは、多少なりとも相手の人生に踏み込んでいかなければいけません。ただ、人生をかける選択の場において、本人も気づかないまま適当に決めようとしている方に出会うことは正直多々あります。そこでフィードバックをするかどうか判断を迫られるケースが、初めて出てくるわけです。

さきほどの気をつけている3点のなかで軽くふれましたが、信念を持ってフィードバックすべきことがあると思うなら、伝えたほうがいいのではと私は考えています(面接官をされる方は決して誤解をしないでいただけたらと思います)。

この記事を読んで私と面接や面談をする方もいるかもしれませんが、その際は本音でお話できると嬉しいです。ぜひよろしくお願いいたします。

追伸:話しやすい雰囲気づくりには尽力を注ぎます!

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経営企画・人事のあきとと申します。 人事として採用・組織づくりをしつつ、サウンドクリエイターとして音楽づくりもやっております。プライベートでは、Chilly Sourceという音楽レーベルの運営もしております。 「仕事でもプライベートワークでも一緒に何かしたいな」と思える方を常に探しています。一人でやるより同じ想いの人が集まってやった方が、何倍もいいんじゃないかと考えます。 一緒にいたい、働きたいという想いがまずあり、その上で何ができるか、何をやっていただけるか。出会う全ての方に、まずは一緒にいたいと思って頂けるよう、誠実に生きることをモットーにしております。 ぜひ一緒にLifeをGoodにしましょう!

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