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20代後半〜30代前半で今後のキャリアを考えるには?採用・育成経験豊富なIT系の管理職に話を聞きました

やぎ

こんにちは。外部メディアコンテンツ制作チームでエディターをしているやぎです。私はふだん、所属するチームでさまざまな企業のオウンドメディアの記事制作代行や運用支援をしています。

私は今32歳なのですが、20代後半くらいから30代前半にかけて、これからの人生やキャリア形成についてより真剣に考えるようになりました。私のような方は多いのではないでしょうか。この年代は社会人として成熟してきて、一通り仕事をこなせるようになり、会社での身のこなし方もわかってくると同時に、自分の能力や適正についても理解する、そんな年代だと思います。

また、私生活では結婚したり子どもができたりした、という人もいるでしょう。自分の生活基盤ができるステージでもあります。

さらに、ここから年収をどう上げていくか、マネジメントとスペシャリストのどちらの道に進むべきか、独立するか転職するか複業をするのか、心から望むキャリアを歩めているかーー。などなど、この年代は、人生の次のステージにいくために悩む時期です。

そこで、人材の採用・育成で経験豊富なLIGのDX事業本部のマネージャーであるくまさんに、キャリア形成について話を聞きました。質問を考えるにあたって、社内の20代後半〜30代前半のメンバー数名にヒアリングをしました。この記事がキャリアを考えるうえで、少しでも参考になれば幸いです。

株式会社LIG テクノロジー部 マネージャー 久松 剛(くま)2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。動画転送、P2Pなどの基礎研究や受託開発に取り組みつつ大学教員を目指す。博士(政策・メディア)。2012年に予算都合で高学歴ワーキングプアを経て株式会社ネットマーケティング入社。マッチングサービス SRE・リクルーター・情シス部長・上場などを担当。2018年レバレジーズ株式会社入社。開発部長、レバテック技術顧問としてエージェント教育・採用セミナー講師などを担当。2020年より株式会社LIGに参画。海外拠点EM、PjM、エンジニア採用・組織改善コンサル・BizDev研修、チームビルディング研修などを担当。

年代によるキャリアの考え方の背景とオススメのプランニング方法

やぎ:さっそくですが、20代後半〜30代前半で今後のキャリアを考えるときは、どういう方法で自己分析するといいでしょうか。何年後のことを考えたほうがいいなど、もしあれば教えてください。

くま:まず前提として、キャリア形成の背景の話をしておきますね。例えば、36歳以下の人たちはそれより上の年齢の人たちとは違い、個性尊重教育を受けていて、キャリア教育を受けていた人も多いはずです。なので、年代によって見えている世界が違います

それから、キャリアについて考える際に、企業は固定のキリのいい年数や年齢で考える傾向があります。30歳、35歳、40歳、45歳などですね。

10年ほど面接官をしていますが、候補者のキャリア形成の傾向にもトレンドがあります。2000年代後半、『若者はなぜ3年で辞めるのか?~年功序列が奪う日本の未来~』という本がベストセラーになったり、35歳転職限界説がささやかれたりしました。面接をしていると、実際にぴったり3年で会社を辞めているミドルが一定数います。

やぎ:確かに、私の年代でもせめて会社に3年はいよう、と考える傾向があります。

くま:そうですよね。でも、固定の年数や年齢に縛られてしまうと、職種によってはだんだん人手が足りなくなってしまいます。私が長年携わっているエンジニア業界もそうで、今は年齢にこだわらず採用するようになってきました。スキルと柔軟性があれば採用する傾向です。

そういうふうに、今は専門職を中心に年齢による見えない限界は薄れつつありますが、やはり20代後半〜30代前半の人たちの頭には、歳をとる恐怖があるはずです。そしてミドル以降のキャリアが見えないからこそ、FIRE(早期リタイア)という考え方が流行っているんだと解釈しています。私自身は、20〜30代でリタイアするなんて現実的なのか、と懐疑的ですが……。

とにかく、将来に希望が持てない状況を変えるには、私たちミドル以降の社会人がいい歳のとり方やキャリアの積み上げ方を見せていくしかないと思っています。

やぎ:正直、私自身も40代の自分をまだ全然想像できません。

くま:そうですよね。ここで最初の質問の回答をしますが、10年経つと社会情勢や環境がガラッと変わってしまうので、キャリア形成においては、10年後のことは考えなくていいと思います。実際に、この2年くらいでコロナが流行って状況が一変しましたよね。ですから、だいたい3年後のキャリアと、全体の方向性を意識することがオススメです。

やぎ:3年後なら、まだ想像しやすいです。くまさん自身は、20代後半〜30代前半の頃にどう自己分析をしてキャリアを考えてきましたか?

くま:まず職務経歴書を書いてみて、自分で客観視する作業をしていました。毎年更新するという人もいて、これはいい方法だと思います。転職を視野に入れていたときは、そのうえで複数の人材紹介会社のエージェントと会って職務経歴書を見せながらお話ししましたね。

これまで、エンジニアからエンジニアリングマネージャー、そこから現職といくつか転機がありましたが、いずれも信頼を置いていたエージェントからの提案で、初めて考えたキャリアでした。それだけ、誰かに客観視してもらえる機会を定期的に持つことは、重要だということです。

やぎ:転職するかどうかにかかわらず、まず職務経歴書を更新して見直していく方法は確かに良さそうですね。手軽だしすぐできそうです。

くま:それと、キャリアにおいて現状維持をしているといずれ限界がきてしまうので、専門的な知識やスキルを2つ以上は持っておいて、アップデートしていくことをオススメします。

マネジメントとスペシャリスト、どちらの道に進むか悩んだら?

やぎ:20代後半〜30代前半でキャリアについて考えるとき、マネジメントの道へ進むか、スペシャリストの道を究めるかで迷う人って多いと思います。このテーマについては、どう思いますか?

くま:その2つの道以外にも、オールマイティーに仕事をこなすジェネラリストやコンサルタントなどの道もありますが、いずれも適正次第だと思います。適正があるかわからない場合は、まずはお試しで近しいことをしてみたらいいんじゃないでしょうか。マネジメントのまねごとをしてみたり、他チームの悩みを聞いて改善案を出すなどコンサルタントのまねごとをしてみたり。やってみて苦じゃない道、継続できそうな道を選ぶといいですよ。

やぎ:確かに、お試しでやろうと思えばできますよね。私も自主的にチームリーダーの補佐業務をしていたら、いつの間にかリーダーになっていました。今思うと、それがお試しになっていたのかもしれません。

くま:マネジメントに関して言えば、今の時代は管理職にチャレンジしやすい傾向にあると思います。オーネットが約600万人程度に対して実施している、2006〜2015年にかけての新成人意識調査の結果*で出世意欲に関する項目を見ると、年々意欲がある人は減っているようです。

*詳しくは、くまさんが書いたこちらの記事を参照ください。

やぎ:そうなんですね。マネジメントの道を選んだ場合の話ですが、チームリーダーや係長からマネージャーや課長、さらに上の部長を目指す際、マインドシフトしたほうがいいことや必要な要素はなんでしょうか?  

くま:まず前提として、リーダーシップとマネジメントは違います。リーダーシップは目標に向かってメンバーを牽引する能力を指すんです。必要な要素については、『マッキンゼーが教える科学的リーダーシップ――リーダーのもっとも重要な道具とは何か』という本に詳しく書いてあるので、興味があれば読んでみてください。

一方でマネジメントは目標そのものを設定し、管理をしながら達成していくことを指します。なので、マネージャーはプロジェクトマネジメントやピープルマネジメントなど様々な能力が必要です。私は、特に他者への興味がある人が向いていると思います。自然と周囲の人を気にかけることができる人がいいですね。

やぎ:なるほど……それはすごく本質的ですね。私はリーダーですが、管理職は自分のこと以上にメンバーを気にかける必要がある仕事なんだなと感じています。

会社という枠を外してキャリアを考える方法と年収を上げるには?

やぎ:昇進を目指す場合の話を聞きましたが、実際にはあらゆる道があると思います。会社という枠をはずしてキャリアを考えるには、どうすると良いでしょうか。

くま:今はSNSが台頭して、自分と他人を比較する機会が増えていますよね。ですが、あまり意識し過ぎると終わりが見えないので、自分が折り合いをつけられるポイントを探るのが現実解になるでしょう。キャリアを築いたり仕事をしたりするうえで、自分の中で譲れないポイントや機嫌よく働けるのはどういう状況かを、自問自答するといいと思います。

あとは、副業・複業や週に数日の業務委託などの形で興味のある仕事をしてみるのも、いい経験になりますよ。お試し転職のような感じですね。実際に転職しなかったとしても、視野が広がるはずです。

やぎ:先ほどもお試し、という言葉が出てきました。やはりまずは、やってみたいポジションや仕事に近いことを実際にしてみるのが良さそうですね。

そしてキャリアを考える際には、年収も大きなポイントです。年収を上げていくうえでのアドバイスがあれば、教えてください。

くま:年収がいくらあると満足できるのか、シミュレーションするのがオススメです。というのも例えば、エンジニア業界だと年収1,000万円が一つの指標のようになっているのですが、さらに上の2,000万、3,000万、億の人が見えてくるとキリがなくなって、嫌になってしまうと思うので。

年収を上げる方法として手っ取り早いのは転職ですが、高い年収を提示された場合でも、企業によっては査定時に現実的なラインに落とされることもよくあります。なのでジョブホップする場合は、自身の市場価値の維持とセットで考えなければいけません。先ほどお話ししたように、エージェントのような専門家と定期的に話をすることで、自分の現在地を確認するといいですよ。

やぎ:年収を上げつつ私生活で自分の時間もしっかり確保したい、という人も多いと思います。上手く両立するには、どうするといいでしょうか?

くま:これも年収と同じで、どの程度の時間を確保できれば満足するのか、まずは自覚することからだと思います。自分の時間を1日1時間とれればいい人も、週3日はとりたい人もいますから。

やぎ:では最後に、くまさんからみていいキャリアを歩んでいる人には、どんな共通点があるでしょうか。

くま:自分が置かれている環境や現状、スキルにあぐらをかかない人ですね。Web業界に約20年身を置く中で、何度かバブルを経験しました。ですが、単一のバブルにのって生涯食べていける、という人はほとんど見ていません。時代の需要に合わせて変わっていける人が強いと思います。

まとめ

くまさんのお話の中で、キャリアを考えるうえでのポイントと言えそうな部分をまとめてみました。

  • 年齢によって受けている教育や考え方が違うので、キャリアに対する考え方も違う
  • キャリアプランニングの際は、およそ3年後の自分を想像すること
  • 毎年、職務経歴書を更新して自分を客観視すること
  • 転職のエージェントなど、専門知識のある人と話して市場における自分の現在地を確認すること
  • 専門的な知識やスキルを2つ以上は持ち、アップデートしていくこと
  • 会社で就きたいポジションに近しい仕事をお試しでしてみること
  • 複業や業務委託でしたい仕事をお試しでしてみること
  • 年収がいくらなら満足できるのか、シミュレーションすること
  • 自分の時間がどれくらいあれば満足できるのか、シミュレーションすること

自分を客観視してできるアクションを考え、トライアンドエラーを重ねながら地道に知識やスキル、ポジションを開拓していくことが肝心と言えそうですね。30代以降の人生を今より良くしていくために、まだまだ一緒にがんばりましょう!

ではでは、やぎでした。