フリーランスと働く企業が、絶対知るべきインボイス制度を解説します

フリーランスと働く企業が、絶対知るべきインボイス制度を解説します

Koji Murata

Koji Murata

こんにちは、人事のコージです! 昨今、副業・複業で働く人は増え続けており、フリーランス人口1,670万人はすべての労働人口の、なんと24%とも言われています。LIGでもフリーランスの方々には、日々活躍してもらっています。

LIGでは、エンジニア、広報、スカウト送信担当、採用アシスタント、秘書、経営企画などなど、多岐に渡るポジションでフリーランスの方々と連携しております。

今日はフリーランスの方と働くする企業にとって理解していないとヤバい内容をシェアします!

フリーランスのいろいろ

 

フリーランスと聞いて、どんなイメージがありますか? 不安定? かっこいい? フリーターと同じ? みなさんいろいろなイメージをお持ちかと思います。

広義のフリーランスとは、「特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主である」と定義されていますが、具体的には、副業系すきまワーカー、副業系パラレルワーカー、自由業系独立オーナーなどがあります。

(フリーランス協会によるフリーランスに関する資料はこちら。)

2020年から2021年にかけて517万人のフリーランスが誕生したと言われており、これは過去最大の数です。また、その経済規模は28兆円とも言われており、無視できない規模になっています。

日本は労働人口のうちフリーランスが占める割合は24%にもなっているとお伝えしましたが、アメリカの35%と比べるとまだまだ今後の成長を見込まれており、フリーランスという働き方を選ぶ人が増えていくと考えられています。

 

フリーランスと働くことの課題

では、企業にとってはどうでしょうか? 近年、外部パートナと働く企業がどんどん増えています。クラウドワークスやランサーズを代表する、ワークシェアリングソリューションから、直近で上場したサーキュレーションのように、自由にプロ人材(顧問)を探せるソリューションまで、どんどん誕生しています。

そして同時に、企業への発注単価より個人で受ける単価が安くなるため、ランディングページの作成や比較的単純な業務に関しては、今までのマーケットプライスが大きく変化していくと言えますね。

雇用と違い、内容に双方が納得できれば、金額や期間を区切って必要なときに必要な専門家と働けるので、フリーランスは、企業にとってかなり合理的な存在です。

下請法ってなに?

特に、フリーランスと連携するうえで課題とされてきているのが、「下請代金支払遅延等防止法」です。長っ! と思いましたよね。そうなんですよ、めちゃくちゃ長くて難しい名前ですよね。

一般的には、下請法と呼ばれています。これは、独占禁止法を補完する法律で、公正で自由な競争の実現を目指す法律です。下請事業者に対する親事業者の不当な取り扱いを規制する目的で作られました。

これを知らないと、フリーランスの方であれば、発注側の無茶な要望をすべて聞き入れなければならなくなりますし、依頼する企業や個人であれば、ちゃんと下請法を理解しているフリーランスの方とトラブルになってしまいます。

具体的に、親事業者に対する規制としては、下請事業者の利益を守るために、一定の事項が記載された書面の交付・作成保存、下請代金の支払い期日を定める義務、及び遅延利息の支払い義務などが課せられます。

自由に下請を使って、ダメならお金を払わない、なんてことは許されないわけですね。また、他にはこんな規制があります。

 

✅受領拒否の禁止(4条1項1号)

✅下請代金の支払遅延の禁止(4条1項2号)

✅下請代金の減額の禁止(4条1項3号)

✅返品の禁止(4条1項4号)

✅買いたたきの禁止(4条1項5号)

✅購入・利用強制の禁止(4条1項6号)

✅報復措置の禁止(4条1項7号)

✅有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止(4条2項1号)

✅割引困難な手形の交付の禁止(4条2項2号)

✅不当な経済上の利益の提供要請の禁止(4条2項3号)

✅不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止(4条2項4号)

 

一気に暗記する必要はないと思いますが、フリーランスと働く予定の方は一つずつ覚えていきましょう。

 

 

フリーランスの管理はどう変わる(インボイス制度)?

え、まだあるの? と思われた方、そうなんです。まだあります。これを知らずにフリーランスの方と働いていると、後々大きな問題になるかもしれません。

2023年に導入される予定のインボイス制度です。正確には、「適格請求書等保存方法」といって、2023年10月1日(令和5年10月1日)よりこの制度が導入されることになりました。

インボイス制度とは、仕入税額控除(課税売上から課税仕入に関する消費税を控除すること)を受けるための新たな改正です。

 

具体的には、下記の要件を満たした請求書や納品書を交付・保存する制度です。

  1. 適格請求書発行事業者の、氏名または名称および登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
  4. 税率ごとに合計した対価の額および適用税率
  5. 消費税額
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

 

では、「適格請求書」とはどんなものなのか? というと、従来の

1.発行者の氏名又は名称

2.取引年月日

3.取引内容

4.受領者の氏名又は名称

 

という内容に加え、「区分記載」の導入により、

5.軽減税率の対象である旨の表記

6.適用税率ごとに区分した合計額

 

の2つが追加されました。さらに、「適格請求書」の導入によって下記3つの記載事項が追加されます。

7.インボイス制度の登録番号

8.適用税率

9.適用税率ごとの消費税額の合計

 

上記1〜9の記載事項をすべて満たした請求書が、「適格請求書」となります。インボイス制度導入後は、課税事業者と免税事業者を分類しなければならないため、膨大な事務作業が増えます。

また、適格請求書発行事業者番号の確認も必要になります。課税事業者なのか、免税事業者なのかの実態は毎年変化がないかどうかの確認が必要になります。

もし、請求書に間違いがあった場合は発行者が新たに適格請求書を発行しなければなりません。え、めちゃくちゃ大変そう、と思われた方。そうです。今まで通り、すべて手作業やエクセル管理をしていると、漏れが出たりケアレスミスの温床となることは間違いありません。

 

 

フリーランスと働くする際に必須のツール、「pasture」

そこで、フリーランスマネジメントを助けてくれる強い味方も現れています。必須ツールpastureを活用することで、コンプライアンスを遵守しながら、しっかりフリーランスのマネジメントができます。

この「pasture」を使うと、フリーランスの管理はもちろん、今まで活躍してくださったフリーランスの方々の評価や、プロジェクトの詳細がすべて記録されるため、何かあった際には、すぐに原因究明もできます。

今後フリーランスと働くうえでは、間違いなく重要なツールになると思います。書類のやり取りが増えたり、事務作業が増えるからと言って、安易に人を増やすのではなく、ツールを活用しながら、フリーランスと健全に働きましょう。

このツールを使ってみて、最初はかなり運用が大変じゃないかと、ひやひやしていましたが、数ヶ月経った今は思ったよりスムーズに運用できており、パートナーのフリーランスの方々からも好評です。2023年はまだまだ、と思っていたらすぐにきてしまうものなので、皆さんも早めの準備を進めていただけると幸いです。

また、適格請求書をカバーしたフリーランスサポートも行っているため、フリーランスにとってもツールを用いることによって、より働きやすくなります。

フリーランスと働くことが当たり前になった世の中では、優秀なフリーランスの獲得競争の激化が確実視されています。会社として実績をしっかりためて、信頼できるフリーランスの方にさらにお仕事を依頼するスキームを作り、良い関係性を作ることが、今後生き残るために必要となっていきます!

最後に……

フリーランスとして活躍されている方々には、課税事業者か免税事業者の選択肢を理解して活動していただきたいと考え、今回記事を作りました。一生懸命仕事をしたあとで、痛い目を見るなんてことにならないよう、先に準備をしておきましょう。

フリーランスと働いている、もしくは今後働きたいけどリスクが怖いという企業の方々には、しっかり下請法とインボイス制度を理解し、フリーランスと働くことに関して、遅れを取らないようにしていただききたいと思っています。

この記事を通して、細かいルールやツールだけでなく、このフリーランス領域という成長している大きなマーケットを活用できるかどうかで、企業も個人も大きく未来が変わるということもぜひ理解していただきたとい思っています。

 

では、また!

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Koji Murata
Koji Murata 海外事業部部長 / CODY CEO / LTV Chairman / 村田 浩二

新卒で入社したエン・ジャパン株式会社にて、事業責任者を歴任後、ベトナムで最大手の求人メディアを買収後赴任し、戦略的な事業管理をおこない、新規事業開発・APACでの事業開発後、インドへ赴任。買収した子会社のPMIを実施しながら、4000名規模のIT企業の買収の成功。2020年にGOKIGEN株式会社を創業。2021年よりLIGに参画。2021年10月より現職。

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