イマドキ就活生のお悩みって?60分のQ&Aで見えてきた就活事情

イマドキ就活生のお悩みって?60分のQ&Aで見えてきた就活事情

くま

くま

LIGのくまこと久松です。

エンジニアのリクルーターとして10年目に突入しました。

この度、ご縁がありましてある大学のゼミ生、22卒23卒合計30名ほどを対象に就活セミナーを開催させていただきました。30分ほどお話させていただいたあとのQAタイムは60分(!)。とても濃厚でしたので許可をいただきまして一部をLIGブログに投稿することとなりました。それでは早速ご紹介します。

新卒全般にかかわるQ&A

内定率を見ると、まだ内定がない自分は不安になってしまいます

ニュースなどで内定率が公表されると、数字が上がるたびにまだ内定のない状況だと焦りますよね。私も博士修了時の進路届けには「未定」と殴り書いて就職課をフリーズさせたのでよくわかります(その後、数ヶ月SIerでアルバイトプログラマやってました)。

業種によっては内定を早めに出す傾向にあるので、一喜一憂するのは早いです。最終的にはご自身の満足度が高ければ問題ないので、変に妥協して安堵するほうが後悔しやすいです。

また、一部大学の就職内定率は「内定数」を分子として計算するケースがあるので注意が必要。一人の学生が複数の企業から受けるとその分パーセンテージが上がるので何の参考にもなりません。計算式をよく確認しましょう。

ITエンジニアにかかわるQ&A

IT業界で未経験可というのはどこまでのレベルが許容されるのでしょうか?

一般的には研修期間がどのくらいかで判断できます。

自社サービスなどでOJTとなると、働きながら並行して自学自習することが求められます。自社サービス志望者のプログラミングスキルレベルは年々上昇しているため、大学在学中に半年〜1年以上のプログラミングアルバイトをしてみるなど、助走をつけておいたほうが良いでしょう。

形式だった教育がないと不安な方は、半年以上の研修を備えた企業が妥当です。

面接にかかわるQ&A

「他社の選考状況」はどう伝えるべき?

基本的に素直に伝えてください。企業側も余程の人気企業でない場合は、内定に向けての候補者の口説き方を考えます。選考フローが柔軟な企業であれば、追加で社員面談を組むことが多々あります。

ただ伝え方は重要です。私はこの質問を候補者にした際に

「はい! 第一志望群はこれからです!!」

とご回答頂いたことがあります。これは露骨に「御社は練習です」と言っていることと同義です。失礼のない形でお願いします。

将来やりたいことについて社員として以外のことを挙げるのは良いでしょうか?

人生においてやりたいことがあるのは素晴らしいことですが、回答内容については面接の文脈次第です。人生全体のビジョンを質問されているのか、当該企業の社員としてのビジョンについての質問なのかをよく確認してください。多くの場合はまず後者を聞くはずです。

よく質問を確認しないと「意図した質問と違う答えが返ってきた」とコミュニケーション面での課題を相手に抱かせてしまいます。

ガクチカはチームでのことに限定される? 個人のエピソードでも問題ありませんか?

ガクチカ。学生時代に力を入れたことは就活においては古くからのFAQです。

メガベンチャーの総合職採用を見ていると、同一サークルの副部長が大量に応募してくるケースがあります。一重に就活対策なわけですが、そこまでして課外活動やリーダーシップ経験に拘る必要はありません。

授業やゼミ、アルバイトでも構いません。何か工夫した点があればなお良いです。スーパーのアルバイトでパートの人向けにマニュアルを作った、居酒屋のアルバイトで売れないメニューを売れるようにセールストークを工夫した、ゼミの活動を通して学会発表をした、なども歓迎です。

特にアピールポイントがない学部3年生の方は是非ゼミでエピソードを作ってください。

ガクチカ・自己PR・エピソードはどこまで嘘をついて良いですか? 盛って良いですか?

盛らないでください。

内定通知書には多くの場合、「選考過程で虚偽があった場合は内定を取り消す」とあります。そのため嘘をつくことはリスクでしかありません。また、仮に入社まで嘘を突き通せたとしても、選考時のエピソードを元に配属が決まることもあるため、辛い目に遭う可能性が高いです。

就活エージェントにかかわるQ&A

就活エージェントの担当者と合わなかったので自信が持てません

出会った人すべてと上手く付き合えるわけではないように、自動的に割り振られた相手とうまくいかないケースはあります。

担当者の交代をお願いする、複数のエージェントを使って自身の立ち位置を俯瞰してみると良いです。

ある業界に行きたいのですが、競争率が高く、就活エージェントから他職種を進められています。このまま進んで良いでしょうか?

人生100年時代になり、最初の仕事を生涯続ける人は少なくなっているでしょう。

最初に当該業界に行けなかったとしても、中途で行けるケースはたくさんあります。何を蓄積すれば当該業界に行けるのか、強みを繋げる発想が必要です。

先にお話をした就活におけるガクチカと同様に、1社目で力を入れたことや、工夫したことなどを蓄積することが必要。そのためには行きたい業界に転職する際に、優位になるような経験が積める業界に行きましょう。単に母集団が多く採用されやすい業界に行くにしても、あまりにも遠いと強みに繋げにくいケースがあります。

また、企業側としては教育コストの観点から露骨に短期の踏み台にされるのは良しとは思えないので「一年我慢したら転職する」ようなスタンスではなく、「第一志望業界ではないものの頑張れそうだ。ここでの経験は将来第一志望業界が忘れられない場合も活かせそうだ」くらいの着地をお願いします。

まとめ

ITエンジニアの場合、同じ未経験であっても新卒で入社するか、一度他職種に入社してから転職するのでは難易度が大幅に異なります。後者だと500社ほどエントリしてようやく1社内定というケースもあります。難易度が大幅に異なるのは、いわゆる「新卒カード」の存在が大きいです。

転職が一般的になっているとはいえ、1社目、あるいは1職種目を何にし、どういう経験をするかによって自分の将来の進路は少しずつ変わっていきます。

今は内定獲得に向けて苦労しているかもしれませんが、皆さんの就職活動が有意義な就活になりますようにお祈り申し上げます。

LIGの新卒採用を見てみる

この記事のシェア数

2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。動画転送、P2Pなどの基礎研究や受託開発に取り組みつつ大学教員を目指す。博士(政策・メディア)。2012年に予算都合で高学歴ワーキングプアを経て株式会社ネットマーケティング入社。Omiai SRE・リクルーター・情シス部長・上場などを担当。2018年レバレジーズ株式会社入社。開発部長、レバテック技術顧問としてITエンジニアのキャリアに向き合う。2020年より株式会社LIGに参画。エンジニア資源を最大化するために研究をしていたら教育システムに行き着く。noteも更新中。

このメンバーの記事をもっと読む