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【事例あり】Webコンテンツにおけるストーリーを膨らます撮影案の考え方

のぞみーる

こんにちは、エディターののぞみーるです。

外部運用チームで、日ごろ他社様のオウンドメディアのコンテンツを制作しているのですが、今回はその過程で作る撮影案の考え方や、これまでの工夫をお話ししようと思います。


Webコンテンツを作る過程を説明したこのコンテンツの中では、構成案の役割はこのように書かれています。

構成案を作成しておくことで、ライターは「こんな内容を書けばいいんだな」、カメラマンは「こんな写真を撮ればいいんだな」、出演者は「こういう演技をすればいいんだな、こういう話をすればいいんだな」といったことがわかります。

構成案を作るのは、取材前にどのような記事にするのか、ということを、クライアント・スタッフが共有するため。

構成案は、記事の仕上がりがイメージできるようにするためのものなので、仮タイトルや小見出し、リード、各章ごとに「だいたいこんな内容になります」という説明を書き、イメージに近い写真をフリー素材などで探して入れておきます。

そして、イメージに近い写真をフリー素材などで探して入れておくの部分が、撮影案となります。これによって、どのような撮影を行うのか、ということが決まるので、とくにフォトグラファーと事前に打ち合わせしたり、取材前に認識合わせに使用します。

なお、コンテンツ内容によっても構成案の作り方は多少変わってくるので、こちらもぜひ参考にしてください。

Webコンテンツにおける写真の役割って?

わたしが考えるコンテンツにおける写真の重要な役割は、文章の中のストーリーを膨らますことだと思っています。

Webコンテンツは、とくにファーストビューに来るアイキャッチがクリック率に影響することもあり、その先のストーリーがにじみ出るような写真であることが重要です。

Webコンテンツの写真の役割
  • アイキャッチの写真のインパクトで、コンテンツをクリックしてもらう
  • 記事内写真でストーリー性を高めることで、コンテンツの読了率を上げる
  • 写真で被写体の魅力を引き出すことで、読者に興味や共感を与える

Webコンテンツの撮影の考え方

撮影案には、撮影場所とコンテンツテーマを表現した撮影小道具や設定などがわかるようにしているのですが、それを決めるまでの考え方では、以下のような情報を基にしています。

  • コンテンツの目的
  • ターゲット
  • 撮影のテーマ

例えば、企業のリクルートページの社内デザイナーへのインタビューコンテンツであれば、

・コンテンツの目的=採用
・ターゲット=転職活動中のデザイナー
・撮影のテーマ=転職後の働いている姿がイメージできる

のように、読者にどこに興味を持って欲しいか、共感して欲しいかというポイントを意識すると良いと思います。

ここからは、具体的にわたしが他社様のオウンドメディアで作成したコンテンツの事例を交えながら、お伝えします。

1.ロケハンをして、撮影場所を把握する

撮影案作り前に必要な情報は、どのような場所で撮影が可能かということ。

以前は撮影前に撮影に使える場所をPR・広報の方にお聞きしたうえで(この時点では、「インタビュー中の写真」などざっくりとした撮影案)を作っておいて、ロケハン(※1)をして、フォトグラファーと相談しながら具体的な撮影案を作成していました。が、最近はコロナ禍の緊急事態宣言下での取材で、人との接触を避けるようになり、ロケハンができなくなりました……。

※1=ロケハンとは、撮影を予定している場所に足を運んで事前確認を行うこと

そこで最近は、ロケハンの代わりにストリートビューを使うようになりました。

もちろん実際のロケハン同様にはいきませんが、どのような場所かわかるだけでも、撮影案のイメージが湧くようになります。

とあるスタートアップの企業様の取材前のロケハン代わりに見たストリートビューですが、建物のベランダの黄色の手すりかわいくないですか? そこから生まれたのが、このコンテンツです。

Hirin Geekの場合

  • 掲載メディアHirin Geek
  • コンテンツ:エンジニアのいないスタートアップ企業が創業エンジニアを採用するためには|株式会社shizai 取締役 油谷 大希氏|NEXT UNICORN RECRUITING #9
    https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_nur9/
  • コンテンツの目的:スタートアップにインタビューを行い、採用や組織づくりといったHR領域を中心に、各種戦略を紹介する
  • ターゲット:スタートアップの採用に興味がある経営者や人事担当者
  • 撮影のテーマ:新しい分野を共同創業者とたった2人で切り開いた創業者の未来

シード期のスタートアップ企業だからこそ、これから次へと進んでいくという企業としてのフェーズを、ベランダを使って遠くを見る姿に重ねて、エモさを出せるのではないか? と考えました

コンテンツ内では、ファーストビューのアイキャッチにはキリッとした表情の経営者としてのお顔のお写真を、記事の一番最後にこのベランダから遠くを見る写真を掲載しています。

経営者であり、挑戦者でもある。そんな油谷さんのインタビュー内のストーリーを視覚化できるような写真の構成を意識しています。

2.コンテンツテーマから連想する

撮影場所がわかったら、次に必要な情報はコンテンツのテーマです。

スマホメディアで「モバイルゲーム」をテーマに記事を作ると決まったあと、いざ構成案を作ってみると、スマホゲームをしている様子とインタビューをしている写真といういささか単調な構成になってしまいそうでした。

そこで今回は、「ゲーム」というキーワードから連想していきました

ゲーム

みんなで集まって対戦ゲームをしている人たちの風景をイメージ

出演者の十束おとはさんと一緒にゲームしてる気分になってもらえる写真がいいのでは?

というアイディアから生まれたのがこのコンテンツです。

BIC SIMコラムの場合

  • 掲載メディアBIC SIMコラム
  • コンテンツ:格安SIMでもスマホゲームはできるの?ゲーム好きアイドル・十束おとはさんが体験レビュー!
    https://bicsim.com/column/special/200309163000.html
  • コンテンツの目的:スマホゲームを格安SIMでも問題なく楽しんでもらえることを訴求する
  • ターゲット:格安SIMに興味がある、スマホゲーム好きの人
  • 撮影のテーマ:秘密基地に集まって対戦ゲームを楽しんでいる子どもの放課後をイメージ

スマホゲームなので対戦ゲームとは限らないのですが、わたしの中でゲームを楽しむ姿といえば、アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の、超平和バスターズの秘密基地でゲームをしている光景でした。

撮影場所の階段の踊り場を利用して、みんなでゲームをしている秘密基地にいるような狭い場所にいる十束さんをイメージして撮影したのがこの写真です。

テーマからイメージを膨らませ、ときには自分の中で裏ストーリーを作り上げることで、ありきたりな撮影から一歩飛び出して、自分ならではのコンテンツができると思います。

3.撮影イメージを絵コンテに描く

撮影場所と、コンテンツテーマが決まったら、そのイメージを撮影を担当してもらうフォトグラファーに共有するため、撮影案に落とし込みます。イメージに近い写真がない場合は、自分で絵コンテを描くことも。

スマホメディアに掲載するコンテンツで、スマホに関連する作品の出演者の撮影……であれば、どうにかスマホを撮影小道具にできないか? と考えてできた絵コンテと、そこからできたコンテンツはこちらです。

My AQUOS Tipsの場合

  • 掲載メディアMy AQUOS Tips
  • コンテンツ:乃木坂46・早川聖来さん 舞台『スマホを落としただけなのに』ヒロインインタビュー「誰かにSNSを乗っ取られるのはすごく怖いです……私だったら絶対信じちゃうから」
    https://k-tai.sharp.co.jp/appli/ent/002_ent/
  • コンテンツの目的:スマホを落としたことにより犯罪に巻き込まれるという舞台の内容にかけて、サイバー犯罪の注意喚起
  • ターゲット:サイバー犯罪に関心がある層、乃木坂46のファンの方
  • 撮影のテーマ:舞台に挑む役者としての顔と、作品内で演じるスマホに関する犯罪の被害者の2つの顔

今回、演じる役柄がサイバー犯罪の被害者という悲しい一面を持つ役でしたので、スマホで撮影した顔をモノクロにし、悲しい感情を。それをご本人のお顔に重ねて、二面性を出す、という仕掛けにしました。

「このコンテンツには、どんなストーリーがあるんだろう? この二面性には一体どういう意味があるんだろう?」と期待させるような世界観を作り込むこと。そして、行動を起こさせる(=クリックさせる)ためのアイキャッチでもあります(裏テーマとして、早川さんが演じる稲葉麻美という役の二面性も意識していたのですが、舞台を観た人だけがわかる秘密のしかけということで……)。

番外)連載の場合は先にデザインを決定

最初から連載と決まっている場合は、アイキャッチ・構成、及び写真で統一感を出す必要があります。その場合は、撮影前から背景をグレーにしてその上に「連載名」「出演者名」「タイトル名」の文字を載せるデザインを確定しておき、それが撮影案になります。

フォトグラファーに事前に相談して、連載では常に同じバック紙(※2)を用意してもらうことにしました。

※2=バック紙とは、下記のように写真撮影において、背景として利用する紙。紙ではなく、布などの場合もあります。


引用:https://www.instagram.com/wasedaweekly/

早稲田ウィークリーの場合

  • 掲載メディア早稲田ウィークリー
  • コンテンツ:GO三浦崇宏代表(前編) 「危機の『機』は機会の『機』」
    https://www.waseda.jp/inst/weekly/features/specialissue-entrepreneurs3/
  • コンテンツの目的:目覚ましい活躍をする卒業生を取材し、現役の学生へのエールを伝える
  • ターゲット:早稲田大学の学生
  • 撮影のテーマ:将来のことで悩んでいる学生が触発され、自発的に前向きなアクションを起こすような憧れを感じるかっこいい経営者たちの姿と学生時代のイメージ

文字を載せる場所がわかっている場合は、あとでトリミングする前提で撮影しておく必要があります。

また、早稲田大学のコンテンツは前後編の構成でしたので、後編の終わりにアイキャッチとは異なる「お人柄を滲ませる写真」を入れるという「意外性」の仕掛けをしていました。

連載第一回のメルカリ山田社長であれば、少し憂いのある表情。


メルカリ山田進太郎社長(後編) 早大生から感じる時代の変化
https://www.waseda.jp/inst/weekly/features/specialissue-entrepreneurs2/

 

連載第二回のGOの三浦代表であれば、少しやんちゃな表情。


GO三浦崇宏代表(後編) 今の学生は「新時代の1期生」
https://www.waseda.jp/inst/weekly/features/specialissue-entrepreneurs4/

経営者として憧れの存在であった人たちから、自分と同じ学生時代の話を聞いたあとに、オフの表情を見ると前より少し近しい存在に感じませんか? この「意外性」で人の心をつかむことを狙いました

さいごに

Webコンテンツは上から下に読んでいくものなので、基本的に読者の目線の動きも上から下へ。それって映画のエンドロールっぽいと思いません?

文章の構成を工夫することに加えて、視覚的な写真を使ってストーリーを膨らますことで、映画本編が終わったあとに見るエンドロールのように、なんだかいいもの見たなと余韻が残ったり、心惹かれた部分が思い出されるような、人の心を動かすコンテンツにしたい、と思いながらコンテンツ制作をしています。

そして、いい撮影をするために大切なのは、フォトグラファーとの信頼関係

まずは事前にどのような撮影をしたいかをしっかり伝えるための資料となるのが、撮影案。今まで写真に注目していなかった方も、もしかしたら写真にも伝えたいメッセージがあるかもしれないと思って、Webコンテンツを読んでみてもらえたらうれしいです。

なお、今回ご紹介したコンテンツの撮影はすべて、フォトグラファーの岡田佳那子さんによるものでした。いつもありがとうございます!

岡田佳那子さん
奈良県出身。 同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、東京、NYで写真を学び、鏑木穣氏に師事。現在は、ポートレート、音楽、ファッションなど、東京を中心に、写真、動画、編集、講師など様々な分野で活動中。
年に数回、大阪にて一般向け家族写真やポートレート撮影専門の【オカダ写真館】を開催している。URL:kana-sta.com
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