こんにちは。LIGエディターのきょうこ(@cloverbooks)です。
「Webメディアの編集者って、具体的にどんな仕事をしてるの?」
「どうやって記事を作っているんですか?」
よく質問されるので、その回答になるような記事を書きたいと思います。
アイキャッチに登場してくださったのは、バチェラー2代目の小柳津林太郎さん🌹✨。
人物紹介:小柳津 林太郎(おやいず りんたろう)さん2018 年、Amazon プライム・ビデオ『バチェラー・ジャパン』シーズン 2 に出演、2代目バチェラーとして大人気に。長年、株式会社サイバーエージェントで幹部をつとめ、2019年、株式会社GHOSTを設立、代表取締役CEO に就任。ビジネスと表現活動、双方のフィールドで活躍中。 Instagram @rinsta_gram1002 YouTubeチャンネル 小柳津 林太郎『STAYGOLD TV』 |
なぜ小柳津さんがLIGブログに!? と思った方は、ぜひ、以下をお読みください!
目次
ホンダアクセス「カエライフ」の場合
LIGでは、自社のオウンドメディア「LIGブログ」の運営で培ったノウハウを活用し、クライアントのコンテンツマーケティング支援をおこなっています。
私は現在、Honda四輪車の純正アクセリーを提供する会社ホンダアクセスが運営するWebマガジン「カエライフ」の編集、コンテンツ制作のお手伝いをしています。
LIGのオウンドメディア制作実績をご紹介します! 〜ホンダアクセス「カエライフ」〜
今回は、ホンダアクセスさまの許可を得て、カエライフの記事「ドライブデートの極意とは? バチェラー小柳津林太郎さんが徹底解説!」を例に、1つの記事ができるまでのプロセスを追いながら編集者がどんな仕事をしているのかを説明します。
1 企画書の作成と企画会議
▲カエライフ編集部の鎌倉さん、神山さん、LIGからはきょうこ、いくちゃんが参加してのミーティング風景
ホンダアクセス コーポレートコミュニケーション部 広報ブロックの「カエライフ編集部」のみなさんと一緒に、月に2回、定例ミーティングを開いています。
これからどんな記事を制作していくか、新しい企画案の提案をしたり、制作中の企画の詳細について話し合って決めていきます。
「ドライブデートの極意とは? バチェラー小柳津林太郎さんが徹底解説!」は、カエライフ編集部の鎌倉さんの渾身の企画でした。「恋に悩む男性たちの役に立つドライブデートの記事をつくりたい!」と以前から考えていた鎌倉さん。
ドライブデート関連の情報は検索エンジンでの検索回数も多く、検索ニーズが高いことがわかっていたので、しっかりとした役立つ記事を作ることでSEOも狙えるためです。そして、「誰もが認めるデートの達人であるバチェラー小柳津林太郎さんに出演していただきたい!」というのも鎌倉さんのアイデアです。
鎌倉さん自身、小柳津さんを尊敬していて、「男性の目から見てもカッコいい小柳津さんの魅力の秘密に迫りたい!」というのが裏テーマ。こうした個人的な熱い思いが、記事制作を推進していく大きなエネルギー源になります!
通常、企画の提案は、LIG側の編集者2人(私といくちゃん)からおこなうことが多いのですが、この「企画を考える」部分がいちばん難しいところ。
ふだんから意識的に情報を収集したり、専門知識のある人に会いに行って話を聞いたり、ネットやSNSをこまめにチェックしてアイデアのネタを探します。アイデアが浮かんだら、企画にまとめるためにさらに周辺情報をリサーチ。企画書を書きながら、さらにリサーチ……と、とにかくリサーチに時間がかかりますが、これがないと0→1が作れません。有益な情報にアクセスすることが、企画を立てるための出発点です。
▲齟齬がないようにしっかり話し合います。楽しい企画を思いつくとミーティングでも盛り上がります
①企画書の作成
LIG側から企画書を提出したり、カエライフ編集部から企画のアイデアをいただき、それを膨らませて企画書を作成します。
②定例ミーティング
月2回の定例ミーティングで、企画書をもとに提案したり、カエライフ編集部のみなさんからフィードバックをもらいます。
それぞれのアイデアを持ち寄って、どうすれば企画を実現できるか、読者に共感してもらえるかについて作戦会議をします。
③企画書を再提出
ミーティングでの議論をもとに企画を練り直し、企画書を再提出します。
④承認会議
ホンダアクセス社内の承認会議でOKをいただけると、企画の実現に向けて動き出します。
2 取材、撮影
①構成案の作成
OKになった企画の構成案を作ります。シンプルな構成の記事であれば、企画書だけでGOすることもありますが、構成が複雑になる場合は、関係者(クライアント、出演者、カメラマン、ライター、かかわるスタッフみんな)の認識に齟齬が出ないように構成案を作ります。
構成案は、記事の仕上がりがイメージできるようにするためのものなので、仮タイトルや小見出し、リード、各章ごとに「だいたいこんな内容になります」という説明を書き、イメージに近い写真をフリー素材などで探して入れておきます。
構成案を作成しておくことで、ライターは「こんな内容を書けばいいんだな」、カメラマンは「こんな写真を撮ればいいんだな」、出演者は「こういう演技をすればいいんだな、こういう話をすればいいんだな」といったことがわかります。
②スタッフ、出演者をアサインする
ライター、カメラマンをアサインし、出演者に出演をオファーします。このときに企画書や構成案があると、スムーズに話が進みます!
ときには、出演していただけるように時間をかけて何度も口説いたり、条件を変えて交渉することもあります。
③撮影日を決める
スタッフが多いと、撮影日の調整に時間がかかることも。また、屋外での撮影は、雨天の場合に延期になるので、雨天のための予備日を設定しておくことも必要です。
④撮影場所を決める
イメージに合う場所をリサーチし、いくつかの候補地に絞り込みます。そして実際にロケハンしてから決めます。編集者だけでロケハンする場合もあれば、カメラマンに同行してもらう場合もあります。
⑤撮影の香盤表、絵コンテをつくる
香盤表は、ドラマなどの撮影を行なう際に、スタッフが共有するスケジュール表で、撮影をスムーズに進めるために重要です。関係者全員がこれを元に現場で動きます。
さらに、ドラマ仕立ての記事の場合は、絵コンテを作ることもあります。絵コンテには、どんな演技をしてほしいか、出演者への指示やセリフ、カメラマンへの撮影の指示などを書き込みます。
限られた時間内に必要なカットすべてを撮り終わらないといけないので、記事(ドラマ)の時系列とは別に、撮影(現実)の時系列で考えます。同じ場所で撮影するカットをまとめてから、次の場所へ移動する、というふうに、撮影が効率的に進行するよう組み立てます。
⑥取材&撮影
▲撮影は10月。記事の公開は12月なので、カメラマンと相談しながら季節感や写真映えを考えてスタイリング
▲記事で使った写真はこちら。たくさんのカットから最良の1枚を選びます。写真:木村琢也
撮影当日の私のタスクは
- カエライフ編集部とのコミュニケーション
- カメラマンへのディレクション
- 出演者へのディレクション
- ライターへのディレクション
- ヘアメイクへのディレクション
- 撮影のスタイリング(料理の準備、テーブルのセッティングなど)
- 撮影小道具の準備
- ロケ地の施設の担当者とのコミュニケーション
▲必要なカットが撮れているか、シーンごとにカメラマンとチェック
撮影現場では、エディター兼ディレクター兼カメラアシスタント兼スタイリスト……という感じで何役も兼務するので、目が回る忙しさ(笑)。
スケジュール通り無事に撮影が終了した瞬間は、本当にホッとします٩( ᐛ )و
▲撮影が無事に終了! 本日の主役の小柳津林太郎さんへスタッフ一同で感謝のローズセレモニー🌹
3 原稿作成
①原稿執筆
撮影と取材の内容を踏まえて、ライターと最終的な構成案を練り直します。その構成案をもとにライターに原稿を執筆してもらいます。
②写真のセレクトとレタッチ
カメラマンから写真データをもらい、使用する写真を選びます。セレクトした写真をレタッチしてから納品してもらいますが、編集者がレタッチすることもよくあります。
③原稿の仕上げ
ライターから上がってきた原稿をチェックします。バッチリ100満点であればいいのですが、そうでないときは、必要に応じてライターにリライトを依頼したり、編集者が自分でリライトすることもあります。
④原稿チェック
できあがった原稿と写真を、取材対象者とクライアントに送ってチェックしてもらいます。適宜、修正の指示に対応します。
4 CMSに記事を投稿する
①CMS入稿
OKが出た原稿を整理してCMS入稿します。カエライフの場合、CMSは「はてなブログMedia」です。
▼参考記事
“カスタム”をキーワードに自社の価値を伝える、ホンダアクセスの「カエライフ」がIT統制準拠のために取り組んだこと
CMS入稿する際は、原稿を入力したり写真をアップロードするだけでなく、メタディスクリプションを考えたり、写真につけるオルトタグなども考えて入稿します。
②テストアップのチェック
入稿作業が完了してテストアップができたら、取材対象者とカエライフ編集部、ライター、関係各所に送ってチェックしてもらいます。適宜、修正作業を行います。
③公開準備完了
修正ができたら公開準備完了です!
5 読者へ届ける
①記事の公開
いよいよ記事を公開します!
②SNSでお知らせ
記事公開のお知らせをするため、クライアントさまの公式Twitter、Facebookで投稿するためのテキストを作成します。LIGの公式TwitterとFacebookでも「制作記事のお知らせ」としてアナウンスします。
③出演者の方にSNSでの告知をお願いする
出演者や関係者に記事公開を連絡するとともに、SNSで告知していただけるようにお願いをします。最近は、このタスクがとても大切です。
記事がGoogle Discoverにピックアップされると、トラフィックが飛躍的に伸びます。記事の公開後に自力でトラフィックが伸びたりSNSでの拡散具合が大事だという説があるので、なるべく記事公開からすぐのタイミングでSNSの告知をがんばっています。
④効果測定
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールをチェック。私はGoogle データポータルにつないで結果を見て、次の記事作りの参考にしています。
1つの記事ができるまでの時間は?
1つの記事ができるまでの期間は、企画してから公開するまで、短くて3〜4ヵ月、長いときは半年くらいかかります。
時間でカウントすると、導入事例などのシンプルなインタビューの記事で、30時間くらい。これは、あらかじめインタビューする対象が決まっていて(誰にインタビューするかを考えるためのリサーチが必要ない)、撮影する場所も決まっている(撮影する場所を探す必要がない)場合です。
企画ものや実演ものの記事だと、リサーチ時間も含めると50〜80時間くらい。ちなみに横浜ドライブデートの記事は100時間以上かかっています。
まとめ
今回は、Webメディアの編集者の仕事をご紹介しました。ご覧のとおり、多岐にわたっています。「記事をつくるために、他の人に頼めない部分は何でもやる仕事」と言ってもいいと思います。
現在活躍中の編集者は、出版社やメディア企業に就職し、雑誌の編集部などで先輩や上司からOJTで学び、数年かけてやっと一人前になったという人が多いと思います。つまり、かなり職人的な仕事です。
もしも現在、オウンドメディアの運営やコンテンツ制作で困っている担当者の方がいたら、ぜひLIGの職人たちへご用命ください!