【イベントレポート】地方の働き方って東京と違うの?

【イベントレポート】地方の働き方って東京と違うの?

Ten Tanaka

Ten Tanaka

こんにちは! デジタルハリウッドSTUDIO by LIGの運営担当の天(@10TEN10TAN10)です!

デジタルハリウッドSTUDIO by LIGとは
株式会社LIGとデジタルハリウッドが業務提携をしてはじめたクリエイター養成スクールのこと。Webデザイナーや動画クリエイターを目指す方向けのカリキュラムを展開している。現在、上野と池袋にて受講生を募集していて、無料説明会は毎日開催中!

みなさんはLIG広島をご存じですか?

LIGメンバーのまさしさん(@nightoooon)は、これまでにいいオフィス上野、長野のサテライトオフィス、いいオフィス広島の立ち上げに伴い、東京での活動や、Iターン、Uターンをご経験されました。

そんなまさしさんをゲストに、4月6日に開催した「地方の働き方って東京と違うの? LIG広島の支配人まさしに聞く、地方のシゴト事情」のイベントレポートをお届けします!

登壇者紹介

ゲスト

株式会社LIG 広島支店長 まさし
広島県東広島市出身。LIGの本社まだ入谷にあった頃にLIGへジョイン。いいオフィスの立ち上げや、長野のサテライトオフィスの立ち上げを経験。現在は広島へUターンし、Web制作や地方創生、いいオフィスの運営を行っている。

モデレーター

ico 株式会社LIG 林 隼平入社前は、Web・エンタメ業界に従事し、スポーツ、テレビ、ラジオ、ネットコンテンツなどさまざまなジャンルのディレクションを担当していた。フリーランス活動期間も経験したあとに、LIGに入社。現在は教育事業部に所属し、サービス・事業企画、マーケティング業務などスクール運営全般に携わっている。

トークショー

ペイ:本日はよろしくお願いします。今回のゲストはLIG広島のまさしさんです。さっそくですが、移住に関しての用語を画面でご紹介します。

Iターン 都市部から出身地とは違う地方に移住して働くこと
Uターン 地方から都市に移住した人が、再び故郷に戻ること
Jターン 生まれ育った故郷から進学や就職で都会に移住した後、故郷に近い地方都市に移住すること

ペイ:里帰りや移住など、こういった形で呼んでいるんですね。まさしさんはこの中のどれですか?

まさし:IターンしてからのUターンです。LIGに入社したのは9年前。Web制作のディレクターとして入社しました。

東京時代はWebサイトの受託制作のディレクターをしていました。小さく小回りが効くチームだったので、Webサービスの立ち上げや運営、コワーキングスペースである「いいオフィス上野」の立ち上げなどもたずさわりました。

広島にUターンしたきっかけは?

まずは長野を経験して

まさし:今から6年くらい前に、代表のゴウさんの故郷である長野県の信濃町から誘致のお誘いをいただいたんです。サテライトオフィスの立ち上げをしに、長野に移住をしました。

当時のLIGは、東京一極集中という働き方をしていました。3人のチームメンバーで長野へ移住し、シェアハウスで共同生活をし始めたんですね。

「地方からでもクオリティの高いものを作っていこう」という意気込みで、リモートワークにチャレンジしました。今でこそ、リモートワークは当たり前な世の中になりましたが、当時は「地方で東京の仕事をするのは、優越感がちょっとあるな」と感じていました。

ペイ:そのころはリモートワークをしている人は、ごく少数でしたもんね。

まさし:そうですね。そんなかたちで信濃町で暮らし・働いているあいだに、地域の人たちが、自分たちの地域を良くしていこうと精力的に活動されているのを何度も目の当たりにしたんです。「羨ましい」という感情が芽生えました。自分もそういった、自分で地域を良くしていけるような場所を持ちたいと思いました。

そのころから、「広島」が頭に浮かぶようになったんです。この先は、東京に戻るのではなく、両親のいる広島にいずれ戻ろうという思いがもともとありましたが、さらにその気持ちが強くなりました。

長野に移住して3年が経ち、広島に戻る決意をしました。

広島にUターンをすると決めた理由

ペイ:当時、広島にLIGの事業はなかったですよね?

まさし:実は、僕がUターンする1年前に「いいオフィス広島」ができたんです。ただ、当時の僕はWeb制作のチームにいたので、いいオフィスにはあまり関わっていませんでした。

広島に戻る決意をしたときに、Webの仕事と真反対のことがしたくなっていたんですね。「農家になろう」と密かに決めていて、会社を辞めるつもりでいました。

代表のゴウさんには、「広島に戻って農家になるんで、辞めます」とメッセージを送ったんです。当然、そんなことは承認いただけることもなく、説得されてしまいました(笑)。結果的には、広島には戻りつつも会社には残って、農業も始める形となりました。

広島でのお仕事は?

ペイ:現在はLIG広島で働いているんですよね。具体的にどのようなお仕事をされているんですか?

まさし:まずは、東京・長野のときと同様に、Web制作の仕事を行っています。

東京時代から続いているお客様がいたり、もちろん広島のお客様もいらっしゃいますし、長野のお客様もいらっしゃいます。

次に、コワーキングスペース いいオフィス広島の運営

広島に戻ったばかりのころは、オフィス利用者も少ない状態。大赤字で、いきなり部署の存続の危機でした(笑)。現在は、安芸高田市という広島の中山間地域に、2件目のコワーキングスペースをオープンするまでになりました。コワーキングスペース2店舗の運営を行っています。

あとは、地方創生のお仕事

長野にいるときは、行政と一緒に「移住定住促進」の仕事をしていました。広島に戻ってからは、「企業誘致」のお手伝いをしています。行政と一緒に、広島進出をする企業さんののサポートなどを行っています。

地方でお仕事をする中でのギャップは?

広島 東京
働き方 遅く帰る日が数日あるくらい。深夜まで働いている人は、周りには多くいない。 早く帰る日が数日あるくらい。終電を軸に、結構ギリギリまで仕事をしたり飲みに行くことが多かった。周りもそうだったし、時間いっぱいまで仕事をすることが多かった。
通勤時間 通勤時間が短い。30分以上かかると「すごく遠いね」って言われる。車通勤が多い。 通勤時間は45分くらいで近いと言われる。電車通勤が多い。
車があるほうがどこへでも行きやすい。山口・九州・四国など、4時間も車を走らせればいろいろなところへ行ける。 新幹線や飛行機などが通っているので、どこへでも行ける。車を持たなくともよい。

まさし:広島で働く多くの人は、ワークライフバランスが取れているような印象があります。営業時間外に、連絡をあまり取らない文化があるのかも?(笑)

コワーキングスペースの運営をしているので、いろんな働き方が見えます。東京など、ほかの拠点とリモートで一緒に働いている方は、やっぱり遅くまでお仕事をしていますね。

東京と比べて、案件数やお客様の傾向に違いは?

まさし:案件の数は東京のほうが圧倒的に多いですね。

つくるもの自体のボリュームは変わりません。制作費用のところでいうと、1/3〜1/5くらいの予算感かな〜、というところを感じます。

ペイ:クライアントさんの差はありますか?

まさし:「地方のクライアントはリテラシーが低いよね」という意見も聞くことはあります。しかし実際は、「業種や年代による」というのが実態です。地方でもかなり先進的なことをやっている人はいます。

中小企業が多いので、社長さんとの打ち合わせが多いですね。

クライアントのビジネスにおいて、Webサイトの必要性が低く、ビジネスがWebに依存していないケースも多いんです。Webサイトの必要性を強く感じていないのです。

ペイ:それは競合が少ないからですか?

まさし:いえ、ビジネスモデル自体が人を介して進めることが多いからですね。

僕自身もご紹介で仕事をいただくことが多いです。地方では人を介したり、紹介したりという文化が強く残っています。

東京とのお仕事はどのくらいのバランスは?

ペイ:LIG広島で行っている事業はコワーキングスペースの運営(2店舗)、Webサイト制作、地方創生とのことでした。地方創生のお仕事をお願いされるのはうれしいですね。どういった依頼をいただくのでしょうか。

まさし:イベント運営や、企業誘致などさまざまな案件でお声がけいただいています。

Uターン経験や、企業誘致された経験があったので、その経験を実体験として話せる人物として、重宝されているのかもしれませんね。やっぱり一次情報の説得力というものがあるのでしょう。

また、東京に拠点があったり、LIGブログを使ってWeb・ITの業界の方へ発信ができるということも、依頼されるときのポイントだと感じます。広島ではなかなか同じようなことができる人物が少ないため、お仕事をいただくことが多いですね。

移住する前に覚えておきたいこと

ペイ:移住するに覚えて置いた方がよいことがあればお教えください。

まさし:自治体を通じてUターンできるなら、したほうがよいですね。自治体の制度を使わないで、引っ越しして、Uターンして地方に戻るという方も多いです。しかし、せっかくなら自治体の制度がないか調べてみましょう。それらを通じて移住すると、地域のキーパーソンを紹介してもらったり、いろいろサポートいただけたりするので、得することが多いですね。

自治体さんはその代わり、移住を希望している人たちの情報を得られます。どんどん繋がりを作っていけるほうが、お互いにWin-Winの関係になれるんです。

UIターンを考えられている方は、自治体と接点を持たれると良いと思います! メリットしかない!

ペイ:元々地元だと聞きやすいけど………行ったことのない土地にいきなり連絡するのって、大丈夫なもんですか?

まさし:めちゃめちゃウェルカムだと思います!

自治体の方は、これでもか、というくらい一人ひとりの話を真剣に聞いてくださいますし、ニーズにも答えてくれます。

地元に戻る際には、地元の役場にメールを送ってみると良いともいます。僕も、広島に戻るときに役場にメールで、「同世代くらいで自分でビジネスしている人や、ITに関わる人はいませんか?」とメールで連絡し、役場の方が実際に繋いでくださりました。気軽に連絡してみると良いと思います!!

広島での生活について

ペイ:まさしさん観点で、東京と広島の生活の違いを教えてください。

まさし:東京の方が便利なのは間違いないです。やはり東京は最先端ですし、何でも手に入るし、おいしいお店も数えきれないほどあります。

また、関東は観光スポットが多いですよね。東京時代は毎週末車で出かけていましたが、まだまだ行きたいところがいっぱいあります。空港も近いから海外にも行きやすく便利ですよね。

地方に暮らしていて、東京では得られなかったものと言えば……住宅環境の自由さですかね〜。いま、僕は祖母の家に住んでいて、自分の住みやすいようにDIYでいじっています。首都圏だとそんな物件自体を探すのが結構難しかったりします。地方では、床を張り替えた、壁に漆喰を塗った、天井を抜いた、なんて経験がある人は、まわりにいっぱいいます。

ペイ:僕もDIY好きなんです……! 移住したくなってきました……。

まさし:東京の賃貸ではできないDIYも、思いっきりできますよ!

ペイ:楽しそうですね……! とはいえ、毎日の暮らしも気になります。日々の生活コストって、下がるイメージなんですが実際はいかがでしょうか。

まさし:「生活コストが下がる」は迷信ですね。下がらないと思います。

もちろん住む場所にもよります。いいオフィスのある広島市の相場で行くと、埼玉の川口市や、さいたま市くらいの相場に近いです。ワンルームアパートで月5〜6万円になるなど、中心地はあまり変わりません。

地方都市の中心地に住む選択をする場合は、あまり変わらないですね。光熱費も基本的に変わらないですし。

はっきり言いますが、地方に住んだからといって、生活コストは下がりません!(笑)

長野に住んでいたときは、THE 田舎の環境。雪国なこともあり、真冬がマイナス13℃、11〜4月まで冬! という感じです。そうなると、家賃コストは安い一方で、光熱費が高いというのがあると思います。

ただ、「物価」の話をするなら、土地に関してだけは安いんです。中心から1時間も離れると、中古物件が4〜500万円で購入できるなんてこともあります。

生活コストは下がらないというところを理解しつつ、通勤時間を30分の場所に家を探してみましょう。暮らす家の面積がとても広くなります。同じ生活コストだけど、住環境などの生活水準は上がるかもしれません。

広島での人間関係について

ペイ:人間関係についても聞かせてください。お仕事以外の繋がりはありますか?

まさし:広島は東京より人の距離感が近く感じます。いろんな方面で友達ができやすいですね。農業や地域活動から、仕事ではつながらないような属性の人の知り合いも増えました。

あと、田舎エリアにいくと、圧倒的に若者が少ないために、地域のみなさまに覚えてもらいやすいかもしれません。

ペイ:仲良くみんなでお仕事したい方に向いてそうですね。

まさしさんの今後のやりたいことや目標を教えて下さい!

まさし:Uターンして3年間が経ち、いろんな方のお力を借りて、コワーキングスペースいいオフィス広島は、ある程度順調なところまで成長させることができました。そこで今度は、中山間地域である安芸高田市に、いいオフィス安芸高田2号店をオープンさせました。

東京、地方都市のロケーションで展開してみて、売上の作り方や、コミュニティがどうなっていくのかが見えるようになったので、これから田舎エリアをどう成長させていくかというところにチャレンジしていきます!

田舎なりのやり方を確立させ、都市のレベルに応じたコワーキングスペースのあり方を模索したいなと思っています。

あとは、農業ですね! 1年目は畑を探すこと、2年目以降はどんどんレモンを植えていまして、今150本くらいの木を植えています。まだ、収穫はできません。今のうちにたくさん植えて、無農薬のレモンを安定的に提供できる農家になりたいです。レモンを使った加工品の製造もしていきたいですね。

イベントを終えて

働き方自体がどんどん見直されるようになり、どこでも働けるような時代になりました。今回のお話を聞いて、たくさんのつながりを増やしながら、地方での生活にチャレンジしてみたい! と思った方も多いのではないでしょうか?

一昨年、私も実際に広島に遊びに行きまして、まさしさんのレモン農家のお話しを伺ったとき、こんな働き方があるんだ! とキラキラした記憶を思い出しました。

まさしさん、貴重なお時間ありがとうございました!

説明会は毎日開催中

STUDIO by LIGでは、無料説明会を毎日開催しております!

ちなみに、STUDIO by LIGの受講生さんは受講期間中すべてのイベントへの参加が無料で参加可能です。

楽しい企画も行っておりますので、すこしでもSTUDIO by LIGに興味を持っていただけましたら、お気軽にお声がけください!

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天でした◎

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Ten Tanaka
Ten Tanaka Digital Education / School Operator / Leader / 田中 天

大阪市立デザイン教育研究所、成安造形大学卒業後、京都芸術大学院を修了。在学中は芸術学を中心に多くのコンペティションに挑戦し功績を残す。カプセルトイメーカー、キャラクターライセンス事業の広報を経て、2018年にLIGに入社。デジタルエデュケーション部にてクリエイタースクールであるデジタルハリウッドSTUDIO by LIGの運営を中心にキャリアサポートを行う。

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