避難訓練の作り方【準備編】

避難訓練の作り方【準備編】

Reiko Shibuya

Reiko Shibuya

こんにちは、人事のれいこです。

突然ですが、避難訓練を作ったことはありますか?

 

たぶん、ほとんどの人がないですよね。もし「あるよ!」っていう人がいたら、もっと早く出会いたかったです。

 

誰しも一度は、学校や会社などの避難訓練に参加したことがあると思います。

それらは学校主催、オフィスのビル管理室主催などで行われていると思いますが、LIGの本社ビルは、そのビル管理室というものがありません。なので、避難訓練もLIGの管理部門でやらないといけないのです。

私も人事歴7年目になりましたが、さすがにイチから避難訓練を作ったことはありませんでした。

そもそもなにからやればいいの? と途方に暮れていましたが、なんとか実施までたどり着けたので、避難訓練の作り方をまとめてみました!

このブログよ、どこかで私と同じように途方に暮れている管理部門に届け!

それではさっそくいってみましょう。

避難訓練とは?

そもそも、避難訓練はなぜ実施する必要があるのでしょうか。東京消防庁のサイトに下記のように書かれていました。

「防火管理」とは、火災の発生を防止し、かつ、万一火災が発生した場合でも、その被害を最小限にとどめるため、必要な対策を立て、実行することです。

「自らの生命、身体、財産は自らが守る」これが防火管理の原則です。(引用:防火管理管理制度とは

さらに避難訓練については、下記のように書かれていました。

防火管理者の選任が必要な防火対象物(建物と事業所)は、消防計画に基づいて、消火、通報及び避難訓練を実施しなければなりません。特に、不特定多数の人が出入りする用途では、消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施することが義務付けられています。(消防法第8条)(引用:防火管理者選任の届出をしてください! 

つまり、自分の身は自分で守る。社員やお客様の身を守るのも会社の義務。そのために避難訓練を実施してください! ということです。

 

一般的によくいう避難訓練は、「総合訓練」を指します。総合訓練とは、火災等を想定し、自衛消防の組織に基づく任務に従い、火災の発見から到着した消防隊への情報提供まで総合的な活動を行うことです。

  • 消火訓練:消火器や屋内消火栓の使い方を覚えたり、実際に使ったりする。
  • 避難訓練:階段などの避難経路を使って安全な場所まで避難してみるほか、避難器具などの使い方を覚える。
  • 通報・伝達訓練:119番の通報の方法、放送設備の使い方などを覚える。
  • 応急救護訓練:三角巾やAED(自動体外式除細動器)の使い方や、ケガをした人等の搬送の方法を覚える。

参考:東京消防庁

これらを組み合わせて同時に行うのが、総合訓練です。今回は、この総合訓練の準備をしていきたいと思います。

避難訓練の前にやっておくべきこと

避難訓練を実施する前に、やっておかないといけないことがいくつかあります。

ビルの防火管理者を決める

消防法には、防火管理者を定めないといけないと書かれています。

多数の者を収容する防火対象物の管理について権原を有する者は、一定の資格を有する者から防火管理者を定め、防火管理を実行するために必要な事項を『防火管理に係る消防計画』として作成させ、この計画に基づいて防火管理上必要な業務を行わせなければならない。(引用:防火管理者が必要な防火対象物と資格

入居しているビルが対象となるかどうかは、東京消防庁のサイトをご確認ください。

複数の人の出入りがある学校や会社などは、防火管理者を定めて、火災発生の防止などに努めないといけません。防火管理者は誰でもなれるわけではなく、資格を取得する必要があります。資格を取るための講習については、以前書いたブログがありますので、こちらをご覧ください。

消防計画を作成する

防火管理者が決まったら、次にやることは「消防計画」を作成することです。

「防火管理に係る消防計画」とは、それぞれの防火対象物やテナントにおいて、火災が発生しないように、また、万一火災が発生した場合に被害を最小限にするため、実態にあった計画をあらかじめ定め、職場内の全員に守らせて、実行させるものです。(引用:防火管理に係る消防計画について

つまり、万が一のときのために、あらかじめ火災発生時の対応をまとめておく必要があるということです。消防計画の内容はなかなかボリュームがあるので作成するのは大変ですが、義務なので頑張って作成しましょう!

消防署に届け出をする

防火管理者が決まったら、所轄の消防署に届け出をする必要があります。防火管理者が変更になる場合も、同様に届け出が必要です。

参考:防火・防災管理者選任(解任)届出について

また、火災発生の対応方法などを記した「消防計画」も、消防署に提出しておく必要があります。

参考:消防計画について

どちらも記入・印刷した書類を消防署の窓口に届け出をしましょう。管轄の消防署がどこなのかわからない場合は、東京消防庁のサイトから住所検索で調べることができます。

避難訓練ができるまで

さて、だいぶ前置きが長くなりましたが、いよいよ避難訓練の準備に取り掛かります。

避難訓練の情報収集

いざ、避難訓練をやろうと思っても、なにを準備して、どんな内容にすればいいのでしょうか。とりあえず、私がやったことはこのあたりでした。

  • 自分の記憶をたどる:前職で参加した避難訓練の流れを思い出しながら、書き留める。
  • 前職の上司に頼る:自分の記憶でまかなえない部分は、前職の上司に「避難訓練ってどんなことしましたっけ?」と聞いてアドバイスをもらいました。辞めた部下にも親切にしてくれる上司がいて助かりました。
  • ネットで情報を探す:いろいろ情報は出てきますが、おおまかな流れやポイントなどはまとまっていても、実施する上での細かい情報まで書いてあるところはありませんでした。

だいたいこのあたりが情報収集の限界でした。あとは実施する段取りと流れをイメージしながら、工程表のようなものを自分で作成しました。

実施する日を決める

避難訓練とは?」のところでも書きましたが、不特定多数の人が出入りする用途では、消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施することが義務付けられています。

時期はいつでもいいのですが、消防署の「全国火災予防運動」は春と秋に実施しているので、それにあわせてLIGは5月と11月に実施することにしました。避難訓練なので、やはり真夏と真冬に外に避難するのはつらいですからね。もしものときは、暑いとか寒いとか言っていられませんが、少しでもストレスなく社員に参加してもらうためにも、春と秋に実施することにしました。

弊社には、コワーキング&シェアオフィス「いいオフィス上野 by LIG」や、スクール「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」「ミライズ英会話」が併設されているため、社員以外の一般のお客様の出入りがあります。なので、避難訓練の日程を決める前に、それらの部門には事前に確認しました。大事なイベントなどが入っていたら、お客様にも迷惑がかかってしまうので、影響がありそうな部署に事前に確認しておくのがいいと思います。

消防署に実施日を申請する

避難訓練をする日が決まったら、所轄の消防署に届け出をする必要があります。窓口に行ってもいいと思いますが、東京都は電子申請も可能です!

東京共同電子申請・届出サービス

電子申請の方法はこちら

私は申し込む前に、所轄の浅草消防署に電話して問い合わせしました。消防署の人に立ち会いをしてもらうために「この日に来ていただけますか?」と日程を事前に確認したかったからです。ちょうど「全国火災予防運動」の期間でしたが、立ち会い可能と確認ができたので、ネットで申し込みをしました。申し込み完了もマイページで確認できますが、心配なので再度電話して確認しました(「本当にこれでいいんですか? 足りてないことないですか?」と心配だったので電話しましたが、私のように心配性じゃなければ電話は不要です)。

日程を決めてしまったので、もう後戻りはできません……やるしかない!

必要な備品などを準備する

メガホン

LIGビルには、館内放送などをする設備がないので、避難誘導をする場合はどうするべきかを考えた結果、メガホンしかないと思いました。サイレン音も出せるメガホンを購入し、必要な箇所に設置することにしました。

懐中電灯

避難訓練は日中に実施しますが、火災や地震は夜に起こるかもしれません。懐中電灯も購入し、メガホンの近くに置くことにしました。

社内にアナウンスする

準備は整いました。いよいよ全社員向けに避難訓練を実施する日時と流れをアナウンスします。

現在も在宅勤務をしている社員が多く、「新型コロナウイルス感染防止のため、避難訓練のためにわざわざ出社する必要はないですよ」と社内にアナウンスしました。消防署に電話したときも、「訓練のために密にならないようにしてください」と言われていたのです。外部のお客様を受け入れる部署や、有事の際に対応することになる管理部門には、なるべく参加してもらうようにお願いしました。

さいごに

避難訓練の作り方、いかがでしたか。

探り探りでやってきたので、幾度となく「これでいいのかな?」と不安になりました。

避難訓練の準備はここまでです。続きは「避難訓練の作り方【実践編】」で、実際に避難訓練をした流れと、その様子をお届けしたいと思います。

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大学卒業後、メーカー系SIerに入社し法人営業に3年間従事。その後、キャリアコンサルタントとしてIT・ゲーム業界専門の人材紹介会社に転職。優秀な社員が長く活躍し続けられる会社をつくりたいと思い、未経験で人事職へ。その後、ゲストハウスLAMPに行ったことがきっかけで、2018年にLIGへ入社。現在は、中途採用をはじめ、入社後のオンボーディングや評価制度運営、エンゲージメント向上に向けた取り組みを行なっている。

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