こんにちは、LIG Philippines inc.のセイト(@seito_horiguchi)です。
近年プログラミング需要が爆発的に伸びていますね。
SNSでもよく話題に上がりますし、民間はもちろん政府も義務教育の中に一部取り入れるなど、国を上げてエンジニアを育てようとしているんだなと感じることがしばしばあります。そうして学生も社会人もプログラミングを勉強をすることは素晴らしいと思いますが、やってみた方はどうでしょう。
実際、挫折しませんか?
一部の人は、意気込んで始めてみたものの、意外とプログラミングの勉強がきつい・自分には向いてなかった、などと断念してしまうこともあるんじゃないでしょうか。
そこで今回は、「プログラミングの勉強に挫折した際にどうするべきか?」をテーマに、具体的でポジティブな選択肢を2つほど提示したいと思います。
なお、本記事の内容はYouTubeでも公開しているので、音声や動画で観たい方はぜひこちらをご覧ください!
- 著者紹介:セイト
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10歳からプログラミングを始める。2012年にLIGに入社後、Webエンジニアを経て現在はLIG Philippines Inc.※でVPoEを務めている。
※ Vice President of Engineering … エンジニア組織の技術・人事を統括するポジション
選択肢1:途中で辞めてもいいが、もう少し続けてみるのはいかが?
これは実際にエンジニアの仕事に就いている人というより、ビギナーで挫折した人向けの話ですが。
続けるか辞めるかで考えた場合、僕は辞めてもいいと思っています。というのも数ヵ月や1年程の勉強投資なら、諦めたところでたいした損失ではないと思うからです。逆にその程度の勉強量で仕事に活かせるかというと、微妙なラインです。
しかしながら、それでも僕はもう少し続けてみてはどう? と思います。
実はプログラミングに限ったことではありませんが、勉強は一定の成果がすぐ出るものではありません。僕らは勉強すれば、量に比例して費やしたぶんだけ結果につながるとついつい思ってしまいますが、実際には勉強の成果は「階段型」で出ると言われています。
つまり勉強を始めたてのうちは、最初のブロックに乗ったばかりで成果は出ず、横ばいの状態が続きます。
ところが、一定量の時間を経てくるとある段階から突然「なるほどこういうことか!」とひらめき、理解度が一気に増します。そしてまたすぐに横ばいになります。笑
この現象は心理学や教育の現場においてはプラトーと呼ばれており、勉強はこの繰り返しであるといわれています。
皆さんが「自分には才能がないかもしれない。向いてないかもしれない」と思うのは階段の平坦な部分にいるだけで、もう少し続けた場合、跳ね上がる次の段階はやってくるでしょう。「諦めないで続ける」は決してきれいごとではなく、理にかなった方法といえます。
選択肢2:勉強は辞めるが、別分野で活用する
こちらはプログラミングを勉強してきただけでなく、仕事としてもある程度時間を費やしてきたという人向けの話です。
これは僕も経験がありますが、仕事でコードを書いていると、時折「この人には勝てない……」などと思ってしまうエンジニアにときどき遭遇します。いや、すみません。より正確に言うと、嫌になるほどしょっちゅう遭遇します。
「ただのエンジニア」は辞めた方が良い
上には上がいることを知り、心が折れてしまいそう……なのであれば、ただのエンジニアになるのは諦めましょう。
エンジニアの業務もいくつかの分野がありますが(コーディング、設計、技術選定など)、この分野だけで勝負する「エンジニア一本」でいくのは分が悪いです。
ただ、数年の実務経験やある程度のスキルを持っているのであれば、エンジニアの能力は活かせます。これを前提に考えると、次に思いつくのは「スキルの掛け算」です。
- エンジニア×デザイン … コードが書けるデザイナーあるいはその逆
- エンジニア×ディレクション … コードが書けるディレクターあるいはその逆
このあたりはよく聞くキャリアかと思います。実際、華麗に転身された方も僕は知っています。
その1つとして、より上流工程にかかわる「プロジェクトマネージャー」を目指すのはいかがでしょうか?(※ 以下プロジェクトマネージャー = プロマネ)
プロジェクトマネージャーとは?
プロマネとは、要するにプロジェクトをリードする責任者です。ざっと上げると、下記のような業務を行います。
- お客様との商談・交渉
- 見積もり、スケジューリング、仕様策定、設計
- 進捗管理
- メンバーのモチベーション維持
プロマネが関わる仕事はWebサイト作成〜大規模システム開発までさまざまですが、エンジニア出身の人がプロマネになると技術面を理解しているため、高難易度や複雑な案件に関われる機会も増えるでしょう。
試しにプロジェクトマネージャーの募集要項を検索してみてください。「エンジニアの経験がある人」は重宝されることがわかるはずです。
プロマネは年収ランキング:9位
あまり知られていませんが、プロマネの給与は平均的にかなり高いです。
転職サイトdodaの平均年収ランキング(2020年度)では9位に位置しており、前後には戦略コンサルタントや弁護士などがランクインしています。
(まあこれは、プロマネは主に新卒でいきなりなれるような仕事ではなく、ビジネスマンとして一定の年数を重ねた人が就くポジションのため高い、ということもあるでしょうが)
敷居は少し高いですが、仕事内容・給与的にもやりがいのある仕事ではないかと思います。
プロマネはぜんぜん足りていない!
2018年に経済産業省が報告しているIT人材に関するレポートによれば、プロマネはITベンダーにおいて今後もっとも不足する中堅人材の1位に挙げられています。これは最先端技術のエンジニア(IoTやAI)よりも深刻な結果です。
参考:「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(平成28年6月10日)」経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課
しかしながら、それだけニーズがあるということは将来食いっぱぐれる心配も少ないといえます。
プロマネは才能の世界ではない
プロマネはエンジニアリング能力だけは不十分で、マネジメント能力も必要です。マネジメントに関しては当然向き不向きがあり、エンジニアとは使う頭がまったく別なので、これまでエンジニアをやってきた人がプロマネでいきなり成果をだすのは難しいでしょう。
しかし、これは僕の持論ですが、少なくともマネジメントは才能の世界ではないと思っています。エンジニアの世界では、才能あふれている人を前にして挫折することがありますが、マネジメントでは今までの経験やノウハウなどが強く活かせます。
経験と努力を積み重ねていけば、エンジニア一本でキャリアを歩むよりは遥かに勝率の高い領域といえるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
プログラミング勉強は決して簡単なものではありませんが、続ければ一定の成果が出るものです。また戦略的にキャリア形成していけば、悪い投資にはなりません。
挫折しそうな人にとって、今回の記事が少しでも今後の勉強やキャリアのヒントになれば幸いです。
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