こんにちは、観音クリエイションです。春ですね。色とりどりの花が咲き乱れています。
卒業式、送別会、入学式などなどイベントが多いこの季節、写真を撮る機会も増えるかと思いますが、撮った写真って皆さんどうしていますか? 携帯やカメラで撮って結局そのままってこと多くないですか?
現像しなくてもクラウドに保存できる時代ですが、今回はあえて「写真を形に残すことの良さ」を伝えたいと思います。
今回はフォトブック作成サービス開始から20周年を迎える「MyBook」の提供でお送りします。インターネットもまだそこまで普及していなかった2000年頃から活躍しているフォトブック界のパイオニア。そんなMyBookの節目にふさわしく、ドーンと大会形式でやりましょう。
題して……
ルールはこちら!
- フォトブックのテーマ、ページ数、ブックタイプ、サイズは自由
- フォトブックは株式会社アスカネットが提供する「MyBook」で作成
- 審査員3名の投票により優勝者を決定
- 優勝者にはAmazonギフト券1万円分を進呈
今回の挑戦者はこちらの5名!
優勝賞品として1万円分のAmazonギフト券を提示したところ、写真のように想像を超える熱量の応募があってちょっとびっくりしました。すごい作品が出てきそう。
そして審査員はこちら!
ゴウLIGの社長。経営のかたわら記事広告や動画企画などのコンテンツ制作も手がける。水中麻雀や伝説の伝説のウェブデザイナーなど、カメラマンとして入った案件ではその手腕を発揮して数々のヒットを生み出してきた。愛用カメラはSONY α7SにVoigtlander 単焦点広角レンズ NOKTON classic 35mm F1.4 SC。 |
観音クリエイショントラックメイカー、ライター。個人ブログ、mozlogを運営しており、年間1万枚以上の写真を撮っている。愛用カメラはX-Pro2に単焦点標準レンズXF35mmF1.4 R。 |
ゆうこデザイナー。ロゴデザインやパッケージ制作を通して企業のブランディングを構築することを得意とする。担当するサイトに使う写真はできるだけフリー素材を使わず撮影したものを使うこだわりを持ち、満足できる1枚を撮るためにアクロバティックな体勢になることが多いのでよく服を汚している。カメラはSONY α7 IIIが欲しい。 |
熱量たっぷりの応募者に審査員サイドがナメられないよう、全力で権威性を誇示した以上の3名で厳正に審査させていただきます。それではさっそく行ってみましょう!
エントリーNo.1:まいまい(デザイナー)
まず1人目は2020年新卒入社のデザイナー、まいまい。休日は自宅に引きこもって遊戯王のスマホゲームをしまくっている彼女はどんなフォトブックを見せてくれるのでしょうか。
まいまい:ふだんインドア派の私としては珍しく、友人たちと三度も卒業旅行に出かけました。今回の作品はその旅先での思い出を紡いで1冊におさめたものです。尾崎豊の『卒業』という曲を聴きながら作ったので、タイトルは『この支配からの卒業』です。
サイズ:210S
加工:本文ラミつや消し/表紙ラミつや消し
ページ数:10P
まいまい:卒業旅行では熱海、大分、京都といろんなところに足を伸ばしました。旅先での写真を選別していると楽しかった記憶がよみがえってきて、その気持ちを残したくて、頭に浮かんだ言葉をそのまま添えてみました。
観音:すげー。表紙がしっかりしててクオリティ高い。
まいまい:ハードカバータイプの製本を選んだのは正解でした。何度も見返すことになると思うので、この先何年も本棚のスタメンを張ってくれそうです。
ゴウ:今回このフォトブックを作るにあたって、構成でこだわったところは?
まいまい:京都で舞妓さん姿になって撮ってもらった写真が一番のお気に入りなので、最後のページに配置することを最初に決めて取りかかりました。あとはサイズですかね。友人たちと一緒に眺めることもあるかなと思って、持ち出しやすい210S(216mm × 216mm)のサイズで作りました。
審査員からのコメント
- 写真の置き方がうまい。風景写真と人物写真のバランスがちょうどいい
- ところどころにポエミーな文章が添えられているのが良い。エモい
- 舞妓さんって耳の部分は白く塗らないんだ
- 近接、整列、反復といったデザインの基本原則をしっかり押さえているから見やすい
と、1人目から高評価。このまま優勝をかっさらうのか!?
エントリーNo.2:田中ラオウ(画家)
お次は動物を題材とした絵画を描く画家として活動する田中ラオウ。似顔絵世界チャンピオンという輝かしい経歴も持つ彼はいったいどんな作品を見せてくれるのでしょうか。
ラオウ:「書店に自分が作品集が並ぶとしたら……」そんな思いを1冊にしました。事前に他の画家の人たちの作品集を何冊か手に取って、構成を真似させていただいたのでそれっぽくなったかなと。
ラオウ:タイトルは『風は虎に従う』。この言葉は中国のことわざ? 古事? で、立派なリーダーの人には優秀な人が集まるみたいな意味だったと思います。
サイズ:260S
加工:本文光沢/表紙ラミ光沢
ページ数:20P
ラオウ:デザインのことは正直あんまりわからないので、過去にiPhoneで撮った自分の作品の写真を並べただけです。作品集らしく、巻末に著者情報を入れてみました。
ゆうこ:この表紙・裏表紙に黒を基調とした作品を配置して、背表紙を白で締める見せ方はかっこいいですね。このまま書店に並んでても違和感ないですよ。
ゆうこ:あと見開きの使い方がうまいですね。iPhoneで撮ったとは思えないほど迫力を感じます。
審査員からのコメント
- 絵画そのものの力が強いから写真を並べるだけでちゃんとした1冊になっている
- 作品の見せ方がうまい。ページ全体に対して作品を大きく置いたり小さく置いたりするリズム感が綺麗
- どうでもいいけど画家の作品集のタイトルってそんな曖昧なノリでつけるもんなの?
「フォトブックに作品集という使い方があったのか」と審査員一同が唸った作品でした。画家に限らず、写真家やイラストレーターといったアーティストが個展を開くときにこういう形で販売してみるのもアリかもしれません。
エントリーNo.3:クマちゃん(バーテンダー)
続いては御徒町のウイスキーバー「Whisky STAND」の店長、クマちゃん。動物が好きで、自宅の面積の90%は飼っているペットの水槽やケージで埋まっている彼。今回の企画では、生き物全般をモチーフにした作品を作ってきたとのこと。
クマちゃん:僕は常連さんから動物好きで知られているので、たびたび「動物飼ってみたいんだけど……」という相談を受けることが多いんですね。そんなときに言葉だけじゃなくて目に見える形で説明できれば、と思って今回の作品を作りました。
クマちゃん:タイトルは『ペットと暮らす』。僕がこれまでの人生で一緒に暮らしてきた生き物たちを1冊のフォトブックにしました。
サイズ:260S
加工:本文光沢/表紙ラミ光沢
ページ数:20P
クマちゃん:全体的な構成として哺乳類、爬虫類、魚類など、分類によってページ分けすることで図鑑のような見やすさを意識しています。写真はこれまで一眼レフカメラで撮りためてきたものを使いました。各ページには実際に飼ってきた経験があるからこそ伝えられる、僕の主観的な感想を添えています。バーに飲みにきたお客さんに見せることを想定していますが、デザインはあえてポップなテンプレートを。お酒を飲んで酔っている人って子どもみたいにピュアなので、こういう方向性のほうが刺さるのかなと。そうはいってもテンプレートをそのまま使うだけでは芸がないので、文字のサイズや位置を適宜変えることで作品としてのオリジナリティを出しています。
審査員からのコメント
- めっちゃ喋るじゃん
- 図鑑のアイデアはいいね。うちの子どもが喜びそう
- コンセプトは面白いし、写真も綺麗なのに、肝心のデザインスキルがともなっていないから文字のかぶりや余白が変なところが気になる。素直にテンプレートをそのまま使いましょう
などなど、わりとガチ目のデザインフィードバックがおこなわれました。デザインの経験がない人は余計なことをせずに、テンプレートに頼ることが良いフォトブックに仕上げるコツなのかもしれません。
エントリーNo.4:天(教育事業部)
4人目はLIGの教育事業「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」を支えながらモデルとしても活躍する天。
天:私は被写体としていろいろなところで撮ってもらっているのですが、今回はその中から鎌倉にある着物レンタル屋さん「鎌倉 花のん」というお店に協力させていただいたときの写真をまとめてみました。目指したところは「そのまま花のんのパンフレットとして使えるようなもの」です。
天:タイトルは『本日天日和(ほんじつてんびより)』。今回はせっかくなのでこのフォトブックを私のおじいちゃんにプレゼントしようと思って、自分を主役に設定しています。使える写真がたくさんあったので全部で50ページの大ボリュームにしました。
※全50ページから一部抜粋しています
サイズ:290T
加工:本文ラミつや消し/表紙ラミつや消し
ページ数:50P
ゴウ:すげえ……。完全に優勝を狙いにきてますよこれは……。
観音:裏表紙がオフショットのコラージュになってて非の打ち所がない。
ゆうこ:あと50ページもあって分厚いのに、ページがめくりやすいですね。
天:ありがとうございます。読みやすくなるかなーと思ってソフトカバータイプを選択して、290T(291mm × 204mm)という、マイブックの縦型サイズの中で一番大きいものにしたのが正解でした。
審査員からのコメント
- プロの仕業。フォトブックとしてのトータルクオリティが非常に高い
- ほんとにこのまま着物屋さんのパンフレットとして使えるレベル
- 自分がおじいちゃんだったら勝手に増刷して近所に配りまくると思う
と、審査員一同から高評価でした。さあ優勝の行方はいずこへ!
エントリーNo.5:野田クラクションべべー(サウナビルダー)
最後は長野県信濃町でフィンランド式サウナ「The Sauna」を運営する野田クラクションベベー。長野県からリモートでの参戦です。
野田クラクションベベー(以下ベベ):運営している「The Sauna」の日常を切り取りました。季節によって表情を変えるサウナ小屋の写真が、皆さんにサウナを身近に感じていただくきっかけになればと思います。
サイズ:200T
加工:本文ラミつや消し/表紙ラミつや消し
ページ数:20P
ベベ:写真は理屈ではなく感覚だと思っています。今回のフォトブックに使った写真も「なんとなくこれがいいかな」っていう直感だけでピックアップしました。タイトルはそのまま『The Sauna』。多くは語りません。ぜひ手にとってご覧ください。
観音:最初のページが半透明の白1枚になっていて、ページをめくるとサウナの床が見えてくる演出はいいですね。湯けむりみたい。
ベベ:え? あ、それはとくに狙ってないですね。僕が選んだハードカバータイプの仕様だと思います。
ゴウ:写真はうまいしコンセプトが尖ってて面白い。けど大きなサイズで作ってたらもっとよかったかな。小さいと見開きのページが見づらいのがちょっと残念。
審査員からのコメント
- 毎日サウナに入っている人ならではの愛を感じる作品
- 見開きページを綺麗に見せたいフォトブックの場合は、ラオウさんみたいにフラットタイプを選んだほうがいい気がする
- 眺めていると「このサウナ入りたいな〜」って気持ちになれる作品。ただ表紙に『The Sauna』ってタイトル入れるの忘れてるよね?
と、センスを認めつつも細かいところに指摘が入る評価となりました。写真のセレクトで発揮した直感が、表紙のタイトル付けや製本方法のセレクトで活かされなかったのが悔やまれます。
結果発表
さあこれで今回のエントリー計5作品が出揃いました。
- まいまい:『この支配からの卒業』
- 田中ラオウ:『風は虎に従う』
- クマちゃん:『ペットと暮らす』
- 天:『本日天日和』
- 野田クラクションべべー:『The Sauna』
厳正なる審査の結果、今回の優勝作品は……
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『本日天日和』です!
作者の天さんには優勝作品としてAmazonギフト券が贈呈されました。おめでとうございます!
みんなもフォトブックを作ろう
優勝作品含め、今回の5作品はすべて「MyBook」で作成されました。
挑戦者5人にフォトブックを作った感想を聞いたところ、
- テンプレートを選ぶだけで見出しや余白が自動的にいい感じになる
- ページ一覧表示機能があるので全体的な流れを把握しやすい
- 入稿の際はAdobe IllustratorのファイルもJPG出力することで使える
- 入稿から1週間ぐらいで手元に届いた
と、使い勝手は非常によかったそうです。
- 撮りっぱなしの写真がたまっているので何か形にしたい
- 趣味の写真で本格的な写真集を作りたい
- 結婚式などのイベントでアルバムを作ってプレゼントしたい
などなど、フォトブックの使いどころはたくさん。
せっかく撮ったお気に入りの写真たち、この機会にオリジナルの一冊にしてみてはいかがでしょうか?
以上、観音クリエイションでした!