こんにちは、LIGエディターのきょうこ(@cloverbooks)です。
今回は、2020年、ますます目が離せない注目パーソンの田端信太郎さんに取材しました。
田端さんといえば、Twitterのフォロワー22万人超(2020年1月時点)で「メディア(炎上)野郎」の異名をとるビジネス界のインフルエンサー。
NTTデータ→リクルート→ライブドア→コンデナスト→LINE→ZOZOと有名企業を渡り歩き実績を積み重ね、「SNS時代の個人ブランディングかくあるべし!」とブランド人のロールモデルを体現してきたお方。
2019年末、サラリーマン人生の卒論として『これからの会社員の教科書』を上梓するとともにZOZOを退職。
私はつねづね田端さんの著書『MEDIA MAKERS』を若い編集者へ必読書としておすすめしており、田端さんのユニークな活躍を尊敬の念で拝見していました。
サラリーマンを卒業し、コンプライアンスの足かせもなくなった田端さんのこれからの活動、めちゃめちゃ気になりますよね!
浅草花やしきで出版記念イベント
12月19日の夜、浅草花やしきで『これからの会社員の教科書』の出版記念イベント「TABAやしき」が開催されました。
浅草花やしきといえば、LIGビル(新御徒町)のすぐご近所。これは私に「取材しに来い!」と言っているようなもの(←ちがう)。
ミーハー魂を抑えきれず、閉園後の浅草花やしきへ。
いきなり、下着姿の田端さん(パネル)がお出迎え。
「パンツを脱げ!」とは、「しょうもないプライドなんて捨てろ」という意味で、田端さんがよく言う言葉。
参加者は4人で1チームになり、アトラクションに乗りながらクイズを解いていき、優勝チームには豪華プレゼントが贈られました。
余談ですが、この日、私とチームを組んでくれたイケメンたちをはじめ、参加者は若いナイスガイが多くてビックリ。たいてい田端さんのオンラインサロン「田端大学」(後述)の塾生で、有名企業に勤めていたり、スタートアップの若社長だったり。
(きょうこの心の声)まわりに素敵な男性がいないとお嘆きのお嬢さんがたは、ペアーズや東カレより、田端大学に入るほうが賢明よ!
ライトアップされた夜の花やしきを満喫!
そして本日の目玉、漫才コンビ「ガバガバ☆ガバナンス」のデビュー舞台に爆笑! 田端さんの相方をつとめるのは、株式会社オプティマイザー取締役の角 祐介さん。昨今のグローバルなビジネスをネタに、勉強になって笑えるという新感覚漫才を体験できました。
お土産には、田端さんの新著に、話題のブランド豚 山西牧場 の豚角煮カレー。豚肉の角煮がゴロゴロ入っていて美味しかった!
漫才はもちろんお土産まで含めて、お客さんを飽きさせないよう隅々までエンターテインメントを考えているのがニクいです。
とくに私の印象に残ったのは、田端さんをサポートする運営スタッフ(田端大学の塾生)の人材が揃っていて統率がとれていること。
会社でもない(報酬が支払われているわけではない)個人のオンラインサロンで、大掛かりなイベントを運営できる組織力、自律的なチームワークをオーガナイズできているのがすごい! と。
ウワサの田端大学に潜入!
「TABAやしき」ゴールドチケット購入の特典として、田端大学へのトライアル入学がついていたので、さっそく見学させてもらいました。
12月23日のクリスマスイブイブ、渋谷のLa Villageというキラキラ✨したシェアオフィスで行われた、この日のイベントは新入生のための質問大会。
さて、田端大学とは何か?
「ブランド人」となるべく個を磨き、己の名をブランドの域まで高める事で
新時代に代替不能なビジネスパーソンを養成する事を目的としたサロンです。
とのこと。
田端大学のバナーがまた、よくある情報商材系のパロディで怪しさ満点です。
田端大学に入学すると、田端大学のFacebookグループ(非公開)に参加できて、そこで田端さんとやりとりできます。自分のブランド戦略について田端さんからフィードバックをもらったり、毎月の定例会でしごかれたり。要するに、ビジネスパーソンとしてのマインドと実践的スキルを身につけるための道場です。
田端大学については、サロンメンバー(塾生)の倉持信宏さんによる文章がわかりやすいです。
この日は、質問大会ということで、みんな臆することなく塾長を質問責めにしていました。塾長もがんがん球を打ち返していきます。質問の内容は、仕事のことからプライベート、アイドルのことまでいろいろ。
ただし脇の甘い質問をすると、容赦なく愛の鞭が飛んできます。かなりSです。しかし青年たち、塾長にやりこめられても、嬉しそうにニコニコ。
その様子を見て私が思ったことは、
「ここに来てる若者たちは、理想の上司を求めてきてるんだな」ということ。
「部下は上司を選べない」
田端さんが言っていた言葉です。どんなにひどい上司でも、「チェンジ!」とは、部下の立場では言えません。嫌なら黙って会社を辞めるしかない。
そりゃあ自分の勤める会社で、尊敬する上司から仕事やビジネスパーソンとしてのイロハを学べたら最高ですが、それが期待できない人は、ここで田端さんから学べばいいってことなんですね〜。
しかも同じように野心のある仲間が集まってきているので、お互いに刺激しあって切磋琢磨できる。
田端さんのドSな叱咤激励も、会社で部下に言えばパワハラと言われそうですが(汗)、ここにいるのは、それを求めてわざわざ高い会費を払って来ている人たちなのでWin-Winです。
田端大学の実態に迫る!
この日は新入生向けということで和やかムードでしたが、ふだんの定例会は、塾長から容赦ないマジレスが飛び、豆腐のメンタルだと泣き出すほどとか。
過去の定例会の映像を見ると、かなり負荷の高い筋トレです。ついていけない人も多そう。でも、やる気のある人に対しては、田端さんがしっかりコミットメントして、いいコンテンツは田端砲でサポートまでしてくれるのでコスパ抜群。
塾生といっても、会社の経営者だったり、一流企業のエリートもいて、田端さんから一方的に教わるというより、田端さんのブレーン的存在になっている人もいるようです。
この日の参加者はやはり男性が多くて、女性は1割か2割くらい。
(きょうこの心の声)何度も言いますが、将来有望な男性と出会いたいなら、ここはすごくいい狩場……。
▲株式会社リアライズの代表取締役 佐藤正裕さん。リアライズはグッズ制作の会社で、田端さんの「パンツを脱げ」パネルやスタッフジャンパーを制作
塾長を質問責めにする青年たちを見ていて頭に浮かんだのは、田端さんの母校、慶應大学のこと。慶應大学も、スタートは福澤諭吉が始めた蘭学塾でしたから、こんなふうにヴィジョンをもった塾長のもとに大志を抱く若者たちが集まったんだろうな〜と、幕末の映像がオーバーラップしました。
で、ここからはかなり私(ワセジョ)のバイアスが入った感想ですが、つねづね慶應出身エリートたちを見ていて感じるのは、「学閥って悪くないな」ということ。社会に出てから、慶應出身の経営者たちが仲間内でボールをパスしあってるのを目撃し、「いいな〜慶應閥は!」って思いました(もちろん慶應出身にもピンからキリまであって、いまはピンの話です)。
要するに、効率がいい。学生の頃から付き合いがあって(能力や人柄、バックグラウンドがわかっている)、資産(金融資産や文化資産)やステイタスもある人たちのエクスクルーシブなサークル内でボール(仕事や機会)を回し合うのは圧倒的に効率がいいわけです。
ビジネスで何が難しいって、信頼関係を築くのが一番難しいわけで、信頼関係がベースにあれば、あとのことは何かとスムーズに運びます。
田端大学もそうした組織になっていくのかな、ということ。ここは傍観するより、中に入ってしまうほうが楽しかろう! と思います、はい。
『これからの会社員の教科書』
さて、肝心の田端信太郎さんの新刊『これからの会社員の教科書』について。
結論から言えば、就活中の大学生や若手ビジネスパーソンにはまちがいなくおすすめの本です。
学生と社会人では、ゲームのルールががらっと変わります。受験勉強はマジメにコツコツ努力すればそれなりに報われますが、社会に出てサバイバルするには、もっと別の発想とスキルが必要になります。そうしたことは学校では教えてくれません。
そういう意味で、この教科書はおすすめです。が、本を読むだけでそれをマスターできたら苦労はないわけで。バフェットの本を読んだからといって億万長者になれるわけじゃないように。
なので、それを教えてくれる生身の先生が必要。で、田端大学に入学すれば著者が自ら教えてくれるんですから、話は早いですね。
って、すっかり回し者みたいになってますが、これは本心です。だって福澤諭吉の話は聴けないけど、田端さんには直接、教わることができるんですから。「謦咳に接する」(けいがいにせっする)って大事です。
田端さんとて最初から完成されていたわけではなく、ユニークな上司たちとの出会いがあり、彼らから立ち居振る舞いを学んで身につけていったことが、著書に書かれています。
いまの時代、いい上司と出会えることってかけがえのない体験なんですよね。
有料オンラインサロンってカルトじゃないの?
でも、気になることがありますよね……有料オンラインサロンって、なんかカルトっぽいんじゃないの? みたいな不安が。教祖と信者の関係で依存させて、お布施を巻き上げる、そんなブラックなイメージもあったり。
最近は、既存の宗教団体に入信する若者が減っているそうで、その代替となっているのが、インフルエンサーの有料サロンやYouTubeチャンネルなんだそう。要するに、有料オンラインサロンって、新手の信者ビジネスなんじゃないの?と。
田端大学は月額9,800円。会員数は350人くらい。これだけで田端さんの月収は……す、すごい! そりゃ会社員を卒業できますね٩( ᐛ )و
でも、信者ビジネスと違うのは、「依存させない」ところ。
信者ビジネスは、依存させて囲い込みますが、田端さんが教えているのは「会社や何かの権威に依存しないで、自分個人の力で生きていけ。そのために自分の市場価値を高めよ」ということ。
その点でいえば、田端さんがいいのは「キミたちは、ぼくの養分だから」とはっきり言ってること。正直でいいですよね(笑)。「日本の未来のため」とか「若者の教育のため」とか、きれいごとを言わない。甘い幻想を見せない。なので、卒業していく人もいて、健全だと思いました。
ここでまたふと思ったんです、田端さんの振る舞いって「インターネット的」だなと。
つまり「リンク」「フラット」「シェア」。
まず、リンク。フットワーク軽くSNSでどんどんいろいろな人とつながる。
そして、フラット。若い人に対しても対等に接している。歯に衣着せぬ物言いはするけれど、相手の話をしっかり聴くし、決して高圧的ではない。年齢が上というだけで、すぐにマウンティングするおじさんがよくいるけど、そういうのとはぜんぜんちがう。
そして、シェア。役立つ情報、面白い情報をキュレーターとしてどんどんシェアするので、情報のハブになっている。
これからの時代、「インターネット的」であることはブランド人の基本なんだと思います。
まとめ
今回は、キング・オブ・ブランド人の田端信太郎さんの求心力の秘密に迫りたいと思い、取材させていただきました。
なお、蛇足ではありますが……読者の方に誤解のないように念のため書き添えますと、この記事で書いていることは、あくまで私個人の意見であり、LIGとして田端大学への入学を推奨する意図ではありません。
というわけで2020年も面白いヒト・モノ・コトをどんどん取材したいと思います。
エディターのきょうこでした。