社内のチャットツールをChatworkからSlackに移行しました

社内のチャットツールをChatworkからSlackに移行しました

Kazuya Takato

Kazuya Takato

こんにちは、もう右上で言うことがないよ、づやです。

実はLIGでは10月を持ちまして、全社的に利用していたチャットツールを移行しておりました。

移行の経緯や、移行の時に大変だったこと、困ったことをもろもろ備忘録としてまとめさせていただきます。

そもそもLIGの事情はどうなっているのか

弊社株式会社LIGはいろいろな事業を持っています。

2019年10月現在で、Web制作事業、コンテンツ制作事業、ゲストハウス事業、コワーキング事業、飲食事業、教育事業、アート事業です。

また事業ではありませんが、経理や人事、経営企画室、監査役が1人に取締役が4人存在しています。いちばん人数が多いのがWeb制作事業です。チャットツールは全事業で使われており、使っていたツールは「Chatwork(チャットワーク)」でした。

LIGでもいろいろお世話になっており、個人的には思い入れのあるサービスです。

※こんな記事を許してくれる懐の深さよ

しかし時は流れ……「Slack」というツールが登場します。

WEB制作事業部ではエンジニア中心にSlackを利用しだしていました。セブにオフショア拠点をもつ都合上、海外のエンジニアたちは皆Slackを好んでいたという事情もあります。

両ツールとも良いところも悪いところもあるのですが、コミュニケーションツールが複数あるのはいろいろな意味でコストが無駄にかかっている。そのため、この度Slackに1本化することになりました。

そこでなぜSlackを選んだのか

ChatworkもSlackも、各々いいところがあるツールなのですが、弊社では表題の通りSlackに移行することを決めました。

当たり前ですが、チャットツールのためチャットができれば最低限の機能を担保されている状態です。その中で弊社ではいちばん人数の多いWeb制作事業において、Slackの方が以下のようなメリットがあると思ったからです。

  1. Web制作事業で使用しているいろいろなツールと連携した際の相性
    Web制作を行う際に、各種Google系サービス、Github、Asanaなど、連携が容易におこなえる点がやはり強いです。
    世界的に流行っているため、主要なサービスで何か連携したい際に学習も実行も楽な点は非常に大きいです。
  2. 海外(特にフィリピンセブ島)でのレスポンスのよさ。
    たぶんエッジサーバが世界的にあるためだと思いますが、海外にいる際はSlackの方がツールとしてのレスポンスがよかったです。
  3. お客様でもSlack利用が増えてきた & 共有チャンネルのリリース
    Slackでめんどくさいなと思っていたところがワークスペースの切り替えでした。お客様や、パートナー様とのやりとりでワークスペースを分けなければいけないことが度々ありました。が、移行時はβ版でしたが共有チャンネルと使用することでその点が解消できたところが大きいです。

ただ失ったものも少なからずあります。運用含めて解決していかなければいけない課題です。

  1. プライベートチャンネルが選ばれしものにしか作れない
    仕事用の会社ワークスペースなので、基本は「オープンな場でやりとりをおこなう」というルールでよいと思うのですが、管理者以外でも作りたいときは多々あります。このあたりは適切な権限の付与でカバーできると信じています。
  2. シングルチャンネルゲスト、マルチチャンネルゲストが把握しづらい
    現状はそこまで問題にはなりませんが、マルチチャンネルゲストで月々の料金が変わってきます。そしてプライベートチャンネルに属していると外から把握することがまず無理です。関係者が増えてくると問題になってきそうだなぁという点ではあります
  3. チャンネル内にいる人だけメンション(@つけたとき)表示したい
    チャンネルにいませんってのが知りたいときより、チャンネル内だけで探したいときのが多くて地味にストレスかもしれません。すぐ検索するんで私含めたエンジニアはそこまで気にしない気がしますが、Chatworkになれてた人は少しコストかもしれません。

……と、このようなメリット・デメリットは当然あります。今回は、ベースとなるチャット機能の使い勝手はほぼかわらないことに加え、より使いこなせる人たちにとって総合的にのびしろが大きそうだったこともあり、Slackを選択しました。

Chatworkは初心者でも取っつきやすいUIや機能によせているため、多機能すぎて使いこなせないなどの環境でしたら、Chatworkを選択したと思います。このあたりは環境・状況に応じて選択すればよいと思います。

では我々はどのようにしてSlackに移行したのか

Slackに移行するのを決めたのが7月8日でした。以降日は10月に設定しました、理由は単純明快、Chatworkを年間契約しており、その契約日の都合にあわせたためです。

さて、移行するぞ! と決めはしましたが、大小様々な課題が存在していました。その中でも、絶対にクリアしなければいけないポイントが何個もありました。

大きな課題たち

  • そもそもSlackって何? という人たちが多数存在する
  • お客さんとのやりとりをChatworkでおこなっている現行案件が存在する
  • たまに過去のチャット見たいんだけどどうしたらいい?
  • 今Chatworkでこんなことしてるんだけど、どうなるの?

ずーっとこの移行プロジェクト専任で動けるならともかく、通常の業務をこなしながらとなると、とても私1人で3ヵ月で解決できそうにはない問題たちでした。

というわけで最初にやったのは、移行プロジェクトのメンバー探しでした。

Slackエヴァンジェリスト(#slack-evangelists)の発足

まずいちばんSlackを使いこなしていて、移行に意欲的であろうメンバーを1人誘いました。

ライダー ライダー情報のキャッチアップが異様に早いフロントエンドエンジニアリーダー

話をもっていた10分後くらいには#slack-evangelistsというチャンネルとAsanaで移行プロジェクトを作成していました。
きた! メインエヴァンジェリストきた! これで勝つる
って気分になりました。

次に誘ったのがお客さんとのやりとりを担当しているディレクターのリーダーとバックエンドエンジニアのリーダーです。

ともぞう ともぞう安定感に定評があるディレクターリーダー
まさくに まさくにいつも期待に応えるバックエンドエンジニアリーダー

チャンネル名のルールとか、お客さんとやりとりしてるこういうパターンどうするってのを、チャンネルに入った瞬間言い出してました。
これ俺何もしなくていんじゃないかなと思えました。

このあと、ライダーが3人くらい頼りになる仲間をチャンネルに追加していました。どんどん自動で課題の抽出やルールの草案ができていきました。

このあたりで、いちばん大事なメンバー2名を追加しました。

ボンバヘッド アキト髪型に定評がある人事。Slackはちょっと知ってる
レイコ レイコ「Slackって何ですか」という人事

この2人が成し得てくれたことは非常に大きかったです。なぜなら、「Slackを使ったことない人たちが、使いこなせるようになる」のがこのプロジェクトのゴールにしてスタート地点だからです。この2人に使い方やルールを説明し、初心者ならではの意見を出してもらいながらプロジェクトを進めていきます。とくにレイコは非常に頑張ってくれて、自分で記事を書くほどにSlackを使いこなしだしました。

初心者のレイコが作ってくれた資料を全社に向けて発表し、都度質問をもらいながら周知をおこなっていきました。

最初の全社周知とその反応

記録によると最初に全社周知をおこなったのが8月5日でした。

この時点で周知したのは、下記のような内容でした。

  • 10月にSlackに移行するよ
  • Chatworkのデータは全部消えるよ
  • 8月19日までに疑問点・懸念点をGoogleフォームから質問してね
  • 困ったこと、質問は#help_slackでも受け付けるよ
  • Slackのアカウントはこんなルールで登録してね
    最初に決めたアカウントルール

このあと滅茶苦茶質問きた。

質問に対して回答とルール作り

たくさんの質問をいただきました。質問してくれるってことは、興味を持ってくれているということでもあります。なのでエヴァンジェリストたちでひたすら解決策を決めていきます。やりとりは基本#slack-evangelistsチャンネルでの会話と、週1回のMTGでした。

地道に地道にAsanaにタスクを登録し、解決していく日々です。私は意思決定するだけでOKだったので、みんなうまく進めてくれたなぁと、今振り返っても思います。

9月2日再度決まったルールを全社に周知して、10月1日は無事移行が完了しました。

最終的に決めたことたち

移行において最終的に決めたルールをご紹介します。

  • アカウントのルール
    最終的なアカウントルール
    名前は検索性に影響するので大事、アイコンも誰が発言してるのかを一発で把握できるので大事、といったところがポイントです。
  • チャンネルの命名ルール
    事業が多岐にあるので、全社的なのであれば「lig_」、WEB制作事業なら「web_」などの事業ごとにプレフィックス(接頭辞)をつけること。
    お客様とシェアしているチャンネルは「web_shere_」のようにshereをつける。
  • プライベートチャンネルは、管理者以上が作れるので必要に応じて申請。
    基本やりとりはオープンでおこないたいため管理者は限られた人数で絞っています。
    また把握のために、管理者以上を必ずチャットに加えることとしました。
  • マルチチャンネルゲストも管理者に申請
    完璧には無理でも不要な料金を発生させないためこのようにしました。
  • 社外の方とのChatworkでのやりとりに関してはSlackへの移行をお願いしていく。
    どうしても無理な場合のみChatworkのアカウントの作成を許可する
  • 外部Appとの連携したい場合は「#help-slack」で質問、申請
  • 電話お問い合わせ受けたら、「#lig-contact」で連携
  • チャンネルのメンバー削除は管理者まで連絡を。自分だけでいい場合は自分で退出してもらう。

またこれらのルールとは別に、Slackの初心者向けマニュアルの作成や、Chatworkのバックアップ方法などを用意して別途周知しています。

いかがでしたか?

とりあえず現状は大きな問題もなく移行できております。ルールの浸透や運用していく上での課題は絶対にでてくるので、ここからがスタート地点ではありますが。

お手数おかけしたクライアントの皆さまほんとうにありがとうございました。また協力してくれた社員の皆さまにも、ありがとう以外の言葉が見つからないです。

それではよきSlackライフを。

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Kazuya Takato
Kazuya Takato 取締役 COO 兼 CTO / DX事業本部長 / 高遠 和也

1983年生まれ。SIerとしてのキャリアをスタートし、JavaやC#を中心に多岐にわたる開発プロジェクトにエンジニアとして参加。その経験を活かし、LIGを創業。バックエンドおよびフロントエンドエンジニアとしての深い知識と経験をもとに、多様なプロジェクトに従事。現在は、取締役COO兼CTO、DX事業本部長として、社内の体制やルールの最適化、AI技術の推進など、経営戦略の一翼を担う。

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