こんにちは、広報室のあやまんです。
デジタルハリウッドSTUDIO by LIGが開校から3年を迎えました。
- デジタルハリウッドSTUDIO by LIGってなに?
- 株式会社LIGとデジタルハリウッドが業務提携をしてはじめたクリエイター養成スクールのこと。
デジタルハリウッドSTUDIO by LIGの話をすると、多くの方がこう思うかもしれません。
Web制作会社が、どうしてWebクリエイタースクールやってるの?
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わかります。
広報ではあるものの、わたしも正直よくわからない部分があります。ごめんなさい。
ということで、どうしてWeb制作会社が教育事業をはじめたのか、そして3年経った今、ぶっちゃけうまくいっているのかを、LIGの偉い人の大山さんに直接話を聞いてきました。
人物紹介:大山さん株式会社LIGの副社長で教育事業担当役員。偉い人。Twitterのフォロワー数が少なくて悩んでいる。 |
でも偉い人ってだいたい事業の詳しいことわからないイメージなので、ちゃんと答えてくれるのか正直不安です。気を引き締めてインタビューしてきます……!
企業が教育事業をはじめるメリットについてはこちらの記事もごらんください。 みんなの「Life is Good」を叶えられる。企業が教育事業を始めるメリット5つ
まず名前が長いのですが、デジタルハリウッドSTUDIO by LIGって?
――デジタルハリウッドSTUDIO by LIGって長すぎませんか? できれば「デジタルハリウッド」と「STUDIO」と「by LIG」に分けて説明していただきたいのですが……
大山さん:……ちょっと待ってね。「デジタルハリウッド」は、主にデジタル領域に特化した、学生・社会人向けのクリエイタースクールだね。創業から25年間で9万人ものクリエイターを輩出してきた超大手のスクールさん。
で、そのデジタルハリウッドには、“クリエイティブ業界を牽引するクリエイター”を輩出する東京本校・大阪本校と、“今までにないラーニングスタジオ”をコンセプトにしたデジタルハリウッド STUDIOがあって、LIGもその「STUDIO」のひとつ。
全国23箇所あるSTUDIOのうち、上野校と池袋校は僕たちLIGが運営しているということで「by LIG」がついてるんだ。
詳しくはデジタルハリウッドのWebサイトで確認してくれる?
――やけに数字が具体的だと思ったらWebサイト見ていたんですね。
- 「デジタルハリウッド」について調べてみた!
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1994年10月に設立されたデジタルコンテンツ制作専門スクール。大手電機メーカー、テレビ局、ゲームソフトメーカーなどさまざまな企業や団体と提携する、日本初の「産学協同型 実践的クリエイター養成スクール」であることが特徴。
2004年には株式会社立の専門職大学院、2005年に4年制大学を開学。2015年にはエンジニア養成スクール「G’s ACADEMY TOKYO」と「ロボティクスアカデミー」を開校と、多くの企業ネットワークを築きながら、デジタルコンテンツ産業の変化と共に進化を続けています。
(参考:未来の生活を考える|デジタルハリウッド|webデザイナー/3DCGクリエイターなどの専門スクール(学校))
で、うまくいってるんですか?
――3年経ちましたが、ぶっちゃけうまくいってるんですか?
大山さん:うまくいっているね。いま上野と池袋に校舎があって、何人だっけな、かなりの人数の受講生が卒業しているはず。このあたり、まりなに聞いてくれる?
――は、はい。
まりなさんに聞いてきた!こんにちは、教育事業担当のまりなです! STUDIO by LIGでは、上野校が2016年1月、池袋校が2018年5月に開校して以来、2019年6月時点で682人の受講生の成長を見守ってきました! |
LIGで働く仲間はLIGで育てたい
――そもそもどうしてはじめたんでしたっけ?
大山さん:「一緒に働く仲間は自分たちで育てたい」という思いではじめた事業だったから、事業の核は自社の採用にある。
そもそもWeb制作部門の採用がうまくいかないという背景があって、採用できないんだったら、自分たちで育てようということになったんだ。それでデジタルハリウッドさんに相談することになった。
実際に採用できてるよね? このあたりもまりなに詳しく聞いてみてくれる?
――まりなさ〜〜ん!
まりなさんに聞いてきた!2019年6月現在、STUDIO by LIGからLIGに入社してくれたのは、4名。さらにLIGでの採用だけじゃなく、業務委託として仕事を依頼することもありますので、卒業生の方とはさまざまな形で一緒にお仕事をしています! もともとLIGのことを知っていて受講してくれる方ももちろんいるのですが、それ以上にデジタルハリウッドさんの知名度で興味を持ってくれることも多いんですよ! |
「LIGってなにしている会社なの?」に答えやすくなった
――LIGってなにをしているのかよくわからない会社って言われていますよね。もともとはWeb制作会社ではあるのですが、スクール事業をはじめたことで、「よくわからない感」が加速しているような気がしているのですが……
大山さん:いやいや、そんなことないよ。LIGの事業モデルの独自性ができたのもスクール事業のおかげだと思っている。
LIGの事業を説明するときに、「Web制作やっています」だけだと「ふーん」で終わっちゃうけど、Web制作の人材の獲得や育成からスクールで行い、自社で採用をしてWebサイト制作をする。さらにWebサイトを作ったあとにはコンテンツも必要になるので、コンテンツ制作部門もある。こんなふうに、LIGの事業はお客様の要望に答えるための一連の流れができている。
つまりそれぞれの事業にシナジーが生まれているんだ。
教育事業をやっていることをいうと「どうして?」って不思議がられることも多いんだけど、実際にこういう話をすると「それはすごいですね」ってなるし。
というか、よくわからない会社っていわれてるのは広報のあやまんが仕事をサボってるからじゃない?
――ひいいいいいいいいいいい!
企業のブランディング向上にもつながる
大山さん:「安心・安全」っていうのもあるよね。企業がスクール事業をはじめる、つまり「教育機関」になることは、企業の信頼度が高まる要因といってもいいと思う。
教育機関を持つ制作会社ということは、つまり誰かに教えるだけのスキルやノウハウがあるってことだよね? クライアントにとっても、「それならお願いしようかな」という気になるはず。そうすると、自然にインバウンドのクライアントも増えてくるんだ。あとは行政からの信用も高まる。
――へー!
まりなさんへーそうなんですね! 知らなかった…… |
大山さん:先述した、事業の独自性ができるという面でもブランディングに役立っているといえるしね。
入り口から出口までサポート
――LIGでの採用のほかに、STUDIOを卒業した生徒さんたちは、その後どんなキャリアを歩んでいるんですか?
大山さん:もともとはクリエイターに転職したい層が集まっているから、当然IT系の企業に就職することが多いよね。STUDIO by LIGでは入り口から出口までサポートしていて、出口の部分で卒業生に就職先の紹介もしているから、魅力的なIT企業に巣立っていった受講生さんも多いはず。
あとはフリーランスとして独立する人も多いと思う。たしかLIGの案件をお願いすることもあるよね? あとで詳しく……
――まりなさんに聞いてみます!
まりなさんに聞いてきた!卒業生さんでIT企業への就職は多いです! 実際に、カヤック、グッドパッチ、スペースマーケットへ就職された方もいます。ほかにも就職支援として、LIG主催の採用セミナーを積極的に行っています! ところで今度STUDIO by LIGのランディングページが新しくなる予定なのですが、実は制作を卒業生にお願いしているんですよ! |
大山さん:STUDIO by LIGからほかの企業に巣立っていく人たちが、LIGをうまく宣伝してくれていることもあると思うので、長い目で見たときにブランディングの面でも価値があるのかなと思っています。
同じ会社でなくても、多くのクリエイターたちと関係性を作り続けられるのはメリットだと思う。
ぶっちゃけ、良いことばかりじゃないですよね?
――なんだかいいことずくめですが、バランスとってデメリットももらっていいですか?
大山さん:受講生の集客だね。まず卒業生の事例紹介がないと、具体的なイメージを抱いてもらえないよね? カリキュラム的にも卒業までに3〜6ヶ月はかかるから、体制が整うまでにある程度時間はかかった。
上野校も開校した当初は苦労したと思うよ。
――どうですか? まりなさん!
まりなさんに聞いてきた!初めてのことだらけで、かなり大変だったと聞いてますよ! |
LIGの集客方法
――実際LIGではどうやって集客をしたのですか?
大山さん:LIGにはLIGブログというオウンドメディアがあって、読者のなかにはIT関係に転職したいという人も一定数いたから、情報発信することで徐々に集客に繋がっていった。
正直言うと、集客についてはものすごく大変というわけではないけど、永遠の課題という感じかな。
▲オウンドメディアLIGブログ
――ここでもまた既存事業とのシナジーがあったんですね!
受講生との向き合い方
――ほかに苦労している点としてどんなことがありますか?
大山さん:僕らのやっていることの本質は、受講生さんたちの入学が目的ではなくて、授業に満足してもらって、実際に転職などのキャリアップに繋げることだよね。この本質をクリアするのは簡単じゃない。
未経験の方々が3ヶ月なり半年で、Webデザイナーとして転職をしていく、かつ受講生さんには社会人の方が多いので、その方々が求める給料で転職をしていく力を身に着けなければならないしね。
――キャリアアップが目的ですもんね。新しいことに挑戦するには勇気もいると思います。
大山さん:そうだよね。一部の方だけど、仕事が忙しくて通学できなくなっちゃうこともあるんだ。そういった方々にLIGとしてどういうことができるのかは難しいところだと思う。
いまの仕事あってのスクールなので、仕事優先になるのは仕方ないし、そことの兼ね合いをどう作ってあげるのかは課題だと思う。
LIGのサポート体制
――実際に、LIGではどんなサポートをしているのですか?
大山さん:これからはじめる予定なんだけど、LIGのCTO兼デザイナー部門の責任者のづやさんが、毎週決まった時間に教室に座って受講生の質問を受けるって試みをはじめるのね。受講生のみなさんが学びたいゴールをすでにクリアしているづやさんなら、逆算して教えることができるじゃないですか。ここで躓くなっていうのがわかるだろうし。
づやさんなら高いレベルでかつタイムリーな技術を使って教えられるので、授業の効率化もできて、何度も何度も自学しなくてもゴールに到達するし、教室に来る回数も減るかもしれないよね。
――それは楽しそう! いつからはじまるんですか?
大山さん:あれ、いつだっけ?
まりなさんに聞いてきた!づやさんが教室で質問受けるよタイム、実はすでに開始しています!! あやまんなんで知らないの? |
インタビューも終盤です。今後の展望はありますか?
――今後の展望とかあれば教えてください。
大山さん:実は来年、新規校舎をオープン予定です。
――これはビッグニュースですね!!
大山さん:広告での集客も安定してきたので、収益が立つ見込みもあるし、採用できる確率も上がってくると思う。これからもどんどん校舎は増やしていきたいね。ただ、他校舎との兼ね合いもあるので、デジタルハリウッド全体でWin-Winになるような関係性を構築しながら事業をスケールしていきたいなと思っています。
あ、ほかにも事業をはじめるのに必要なこととかいろいろあると思うから、まりなにも聞いてみてね。
――了解です! ありがとうございました!
これから事業をはじめるために必要なものは?
さいごに、これからデジタルハリウッドSTUDIOとして事業をはじめるために必要なものを、まりなさんに聞いてみました!
場所
教材での学習とトレーナーによる個別指導を組み合わせたカリキュラムなので、教えるための場所が必要です。またLIVE授業という対面授業もあるため、教室のようなスペースがあるとなおよし。
ちなみにLIGの場合は、場所探しだけでなく、既存のアート事業を活用して教室の壁画を彩ったりと、内装もすべて自由に行いました。
設備投資
ほかにも初期費用として、受講生さんが使うPCの準備が必要です。詳しくはデジタルハリウッドサイトの費用・スケジュールをご覧ください!
ちなみにランニングコストは、広告費と地代家賃と光熱費、月額教材費(一人あたり)とのこと。
トレーナーの採用
受講生を導く、トレーナーの採用が必要です。STUDIO by LIGのトレーナーにはフリーランスの方など、現役デザイナーさんが多くいらっしゃいます。現場の経験ももちろんですが、受講生からの質問に多く答えるため、コミュニケーション能力も大切だそう。Web制作会社であれば、社員がトレーナーを務めることもできます。実際にLIGでは社員が受講生を指導することもあるんです!
スタッフの採用
スクールの運営スタッフももちろん必要です。通学を検討している方への説明会開催や集客に繋がるイベントの企画運営、ときには担任として受講生の相談に乗ったり、卒業のサポートを行ったりと、スクールの運営には専任スタッフが必要です。
校舎ごとに一人、プラスアルファで一人いるとよいでしょう。
時間
あとは開校までのスケジュールも頭に入れておかなければなりません。上記を揃えるには、だいたい9ヶ月くらいはかかるとのこと。
ちなみに開校までのスケジュールはこんな感じみたいです。
- 開校までのスケジュール例(LIGの場合)
- 7月 データ調査
8月 データ調査終えて提案
9月 場所決め
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10月 物件探し&物件決める
11月 工事業者選定
12月 トレーナーさん交渉&雇用
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1月 営業資料作成&内装準備
2月 内装工事&リリース準備
3月 内装工事終了と開業
さいごに大山さんからワンポイントアドバイス
さいごに大山さんから、デジタルハリウッドSTUDIO開校にあたり、「ここはとにかく力を入れた方がよい」というポイントを教えてもらいました。これからデジタルハリウッドSTUDIOの開校を検討されている方の参考になれば幸いです!
なにより立地
どの地域にするのかは、本部との話し合いで決められることになりますが、いざ地域が決まったら大切なのは立地。LIGが池袋校をオープンする際にも、駅近というのをかなり重視したそうです。
デジタルハリウッド側でも立地の絶対条件があるようです。
- 生活導線内であること
- 通勤・通学圏内、また買い物やお稽古事などの日常生活導線内
- 最寄駅(または駐車場)から徒歩5分圏内であること
詳しくはデジタルハリウッドサイトの出店の条件をご覧ください。
広告を活用せよ
LIGでスクール事業がスケールしている理由として大きいのは、広告のノウハウがあるということ。広告施策に関しては、社内のマーケターと連携して日々ブラッシュアップを行っています! なんとなーく広告費をかけるのではなく、CPA(Cost Per Acquisition/Action:1コンバージョンあたりのコスト)を意識し、より効率的な施策に注力しましょう。また、いまうまくいっている施策の効果が薄れてしまったときのために、つねに新しい施策を考えておくことも重要だそうです!
以上大山さんによるワンポイントアドバイスでした!
いかがでしたか?
意外や意外、Web制作会社とスクール事業には、採用や企業ブランディングといったところで、大きなシナジー効果があるようですね!
採用や新規事業にお悩みの方は、ぜひデジタルハリウッドのスクール事業でシナジー効果、生んでみませんか?